黒犬「コイツは怠惰だなぁ……」
妻は、俺が見てやらないと何も出来ない知的障がい者だ。
「けど色々教えに来てくれてありがとうな。」
黒犬「俺は動物達の鎮魂が目的だからな。やつの御霊なんて二の次だ。」
鎮魂の仕方をわざわざ教えに来てくれたのだ。
黒犬「……心配だ。」
だなぁ……一緒にスマホをラインのやり取りを見る。一応、教えたけど。ほんとにやるのだろうか?
黒犬「お前がしっかり見てやれ。」
「俺が代わりにやるのは?」
黒犬「駄目だ。ヤツじゃないと、子猫たちの供養にならん。」
妻は生活苦のためとはいえ、子猫たちを海に捨てたという。
愚かしいことだ。ちゃんと鎮魂もしてないらしい。
そんなだから、あと少しの命になるのだ。
神棚の位置を変えろ。花を手向けろ。神棚の水を変えろ。
それらをさせる為に俺は彼女を怒らせることにした。
怒りが、誰かを恨む衝動が原動力になるからだ。
腹に痛みが来る。パンチされるような。
俺に怒りをぶつけろ。それでも、やってくれるのなら、助けられるなら、こんな痛み大したことはない。
……やったっぽいな。
花は長女が作った折り紙らしい。
黒犬「あの子のか、まぁ、いい。」
黒犬が神棚に向かう。
黒犬「ちゃんとやれよ。」
信用ないなぁ。彼女が不幸になる理由がわかる。誰かの支えがないと何も出来ない。そういうとこも似てるのかもしれない俺に。
~夜~
黒犬「お前はひどいやつだ。」
わかっている。自分がとんでもない愚か者であることは。
前回の小説の内容がここに当たる。
黒犬「俺はそろそろ戻る。」
「狛犬によろしくな。」
黒犬「?あいつならどこかに封じられてる。エニシが切れてる。」
やっぱり、どこで封じられてるのやら……
『コーヒー、楽しみにしてるだろうに。』
神は笑顔が一番だ。心安らかであれば良いのだが……
「つか、なんでやつは江戸っ子なの?」
黒犬「前は江戸にいたからな。」
神たちにも転勤があるらしい。
「そういえば、昼はカルとイチゴウを連れてきてくれてありがとうな。」
黒犬「アイツラが勝手についてきただけだ。」
黒犬は帰ったふりを俺に番をしてたらしい。
夜中、目が覚めるとそこに座ってこっちを見てる。
黒犬「お前が死なないように番をしていた。」
『そうなんだ。』
殺されないようにが正解だろう。
チクチクするし、動悸もする。攻撃の印だ。
どうでもいい。
どうせ、死ねないのだ、ノーガードでいい。もし、死んだとしてもそれまでだ。
「別にいいのに……」
黒犬的には殺されてはダメな人間扱いをされている、よほど、動物の鎮魂が大事らしい。
脳も重い。術をかけられている証拠だ。
気づかれている。自分に術をかけられたことはないのだろうか?
こんなわかりやすいのに。毎日毎日、こんなのを受け続けている身にもなってほしい。
肩辺りから重い。呪い系だろうか?押さえつけられている。
防御するのが心底めんどくさい。
黒犬「お前、そんなんで大丈夫か?」
「いいんだ、右翼活動、自分のアヤマチのツケだ。」
付け狙われるのが嫌で、アタオカとバカにされるのが嫌で、敵意が嫌で、なんの影響力も無くて、辞めて小説の執筆だけしてたのに。
なんで呪いなんかで攻撃されないといけないのだろうか。小説を書いてただけなのに。
その界隈には恐ろしい、危険人物なのだろう。
俺が反撃なんかしたから、だんだんエスカレートして
『今では、陰陽師裏家と異能バトルだ。』
めんどくさいことこの上ない。毎日、致死性の攻撃を受ける。
ツライ。けど、ツケは払わないといけない。
黒犬と一緒にスマホを見る。小説を書く。
たまに頭を掻く、多動のせいだ。そのせいで薄くなるというのに。
黒犬「おい、腕が邪魔だぞ。」
「ああ、ごめん。」
また、頭を掻く。
黒犬が嫌そうな顔をする。ごめんよ。
久しぶりに、呪いが来る。簡易霊を呪い(サイケデリックな表皮)で作ったやつだ。低級な術者の作るやつ。
対象を見つけようと目がでかい。
かなり、接敵される。
「黒犬、食べろ。」
ガブリ、消滅する呪い、中まで作り込まれてないところを見るとよほど急いで作ったと見える。
前は腸やら色々中身を作り込んでいたのに。
……作り込まれたほうがうまいらしい。