中学生から観た「AI」という世界   作:稗田之蛙

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断章-AIの功罪と守られないルール

 

「AIは犯罪の温床であるから、禁止すべきだ」

「いいや、AIは使う人次第だ」

 

 近頃の話では前者をよく聞く。その反証に後者もよく聞く。私からすればどちらも部分的に正しい。

 まず、創作という観点から離れて大きな視点から追っていこう。

 

 2023年3月20日。ツイッターにて「トランプ元大統領が警察に逮捕された画像」が出回った。

 もちろん、そんな事実は無い。フェイク画像だ。これは以前の章で話に出てきた「Midjourney」から生成された。

 生成者のエリオット・ヒギンズ曰く、『見た人がトランプの足が3本あることに気づくだろうと見越して』という言からおそらく冗談のつもりだったのだろう。

 

 だが、この件は有名人のスキャンダルをねつ造する事のAIで可能なのだと半ば実証してしまった。SNSはその事で一時騒然となった。

 

「AIを使わずともディープフェイクのコラージュなんて可能だろう?」

 

 成る程。それは一理ある。ただ人力のコラージュには本来一定の技術を要するはずだ。少なくとも、私には無理だ。

 しかしAIを使うという前提ならば、中学生(現高校生一年生)の私にだって実写レベルの代物を造る事が可能だと自信を持って言い切れる。ひとえに「悪い事だと分かってるからやらないだけ」だ。

 もし作るとするならば『トランプ元大統領とバイデン大統領が満面の笑顔で握手してる画像』……なんてのはステキな光景ではなかろうか。

 

 話を戻そう。

 

 AIの登場でディープフェイクは、容易く行えるようになってしまった。

 コラージュ的な嫌がらせをするにおいて技術の体得などほとんど必要がなくなり、また文章的なモノなら、中国・ロシアの一部グループが世論工作にオープンAIを利用したとの痕跡が残っており、それが報道されている。(参照URL:https://www.asahi.com/articles/ASS50012QS50UHBI00JM.html)

 

 政治単位では黎明期といえる今ですらもはや『大きな武器』となりつつあるような気がするが、そのような話は大人に任せよう。

 

 さて、まぁ上の話に類する話で「有名女優・コスプレイヤーのポルノを作ってしまう」という話があった。

 これについては、本質的に大昔から「裸の女性写真に純真アイドルの顔写真をくっつける」とかいう話と大差ないと私は認識している。『決して誰にも見せず、独りで楽しむ分には他人に迷惑掛ける事はない』という話だ。

 

 だが、まぁ、今の時代なんでもかんでもSNSで共有したがる時代だ。独りで楽しめばいいものを、余計な事をする。

 AI使用者の内「分別付かない輩(あるいは元々悪意のある侮辱目的の輩)」が共有してしまう。あるいは、本人コスプレイヤー当人に送りつけてしまう話があった。

 

 分別といった前者が理由ならば技術体得の過程においては基本的に「コラージュ分野においてやっちゃいけない事」というモラルも自然と学ぶものであり、

 また悪意ありきといった後者なら「労力を大して掛けず容易く他人に嫌がらせする手段を得た」という事だ。

 

 この点においては、誤魔化しようのなく明確にAI由来の問題によって起こっている弊害だ。

 無論、『やらかした人間が悪い』というのが大前提なのだが、『ロクでもない人間に過ぎた代物を与えるとロクでもない結果になっている』という側面があるのは目を逸らしてはいけない事実である。

(この話の最悪たる例が『実写の幼児の剥ぎコラを作り、売買している輩がいる』という話だが、未成年の私にとってあまり語りたくないので詳しくは参照先を読んでほしい)

引用:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66038728

 

 

 この問題について、未成年の私がAI使用者達に向けて言うのであらば、このような悪評に立ち向かっていくのならばただひたすら「自分達は行儀良く使い続ける」という事を続ける他にないだろう。

 

 たとえば他人の絵を元にi2i(単純にいえば、改変して絵を作る事)するかどうかだ。

 これについては依拠性がどの程度あるかどうか……とか。元絵とどれだけ似てるかどうか……とか。"法律的には"そこが争点になるだろう。

 

 ただ私個人の意見を言わせてもらうならば、法律的に許されていても「やるべきではない」。

 私の高校の先生にコラージュ美術(もちろん人力の)を教えてくれる方がいるのだが、コラージュ美術において「どれくらい独自性があれば許されるのか」といった講義があった。

 その先生はコラージュ美術において力強く「判断に一瞬でも迷うなら"やるな"」と断言してくれている。曰く、作った本人が"世に出していいか一瞬でも判断に迷うレベルのコラージュ美術"ならば、コラージュの素材となった作者が不快感を示す可能性は大いにあるし、その作品にコラージュとしての面白みも価値もない。

 私の「やるべきではない」という意見も含めて、そこに一欠片でもi2iを躊躇う要素が生じるならば、貴方と私はそれをやるべきではない。

(つまり「そんな意見は関係ない。依拠性の問題もクリア出来ているほど手を加えているし、これは世に出していい素晴らしい作品だ」と十全に自負出来る作品こそがコラージュ美術として世に出せるという教えなのだろう)

 

 二つ目に、版権作品やプラットフォーム毎のガイドラインを守る事を徹底する事だろうか。

 だがこの問題については、どれだけAI使用者が節度を守ろうとも。展望は無い。

 

 pixivとハーメルン両方で連載しているこのエッセイにおいて頭の痛い話だが。pixivにおいてガイドライン違反の二次創作は溢れている。

 無論、AIが実用的でなかった時代から一部の人力クリエイター達もやらかしてはいるのだが――AIの登場以来、その実数が比ではない。

(その一端の分かりやすい参照例)

参照:https://x.com/tatatataniguthi/status/1643284350501556224?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1643284350501556224%7Ctwgr%5E563c7727016a563fdb8e9422780b61bf38bd59a2%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fw.atwiki.jp%2Fgenai_problem%2Fpages%2F23.html

参照:https://note.com/kind_orchid694/n/nf12c0a37df1f

参照:https://assets.st-note.com/img/1707892081971-tPSji6a1fA.png?width=2000&height=2000&fit=bounds&quality=85

 

 1800枚詰め合わせ。人力で作るとしたらどれだけ時間を割けば作れるだろうか? 1枚1時間として、まぁ弁護士資格取れそうな時間を費やすだろう。

 幸い、私は未成年だからある程度この問題から距離を置いておけれるのだが――このありえない数のせいか、たまに「R-18」タグを付けずに投稿してる人もごくたまにだが、いる。

 個人的なワガママだが、"エロを見たくない推しのエロ絵"がオススメ欄に表示されるから、これが結構キツい。いわゆる脳破壊だろうか? ハハハ……。

 

 この話の点においても、人力よりもAIに優位な側面がある。 

 AIによるガイドライン違反の作品は『デジタルタトゥーになりえない』。絵柄はAIモデル由来だから、アカウント転生は容易い。

 人力で描いた絵は、絵柄を七変化出来る人でもなければバレる。そこで過去のやらかしも露見してくる。こういった事にガイドライン違反作品を出す事にかなりのリスクがある。

 

 ゆえに、リスクなしに易々造れる。あわよくば小遣い稼ぎが出来る図式だ。クオリティもAI由来だから、一定は保証される。

 正直な話、「これはAI由来の問題ではない」といっても説得力がないだろう。やらかす人間が悪い事が大前提であっても。

 

 AIを使う人達の一部がガイドライン違反の二次創作で金を稼いでいるのは、事実だ。そしてその圧倒的量産数から悪目立ちしているのも、事実だ。

(私も「その版権、エロ絵禁止だからやめた方がいいよ!」とDMでこっそり耳打ちしたら逆ギレされて恫喝された事が一回ある)

 

 AI専用サイトの各プラットフォームでも「版権のガイドラインを守って投稿してください」といった注意喚起・規約の制定は無論されているのだが、もちろん一部の輩は守らない。

 その結果、比較的大手の『perftile.art』では二次創作の有償絵・版権のエロ絵が禁止になった。

参照:https://perftile.art/news/2024-04-25/01

 

 ――ルールを守らない輩の足手纏いが過ぎる。

 

 とは、口汚く思ってしまうものだが。これがAIを取り巻く現状だ。AI使用者視点でも正直どうしたものかと頭を悩ませるしかない。

 一部のクリエイターがAIへの敵愾心を持っているその一端に、こういった『自分の学習された一部が悪用されて続けている』という部分は影響しているのかもしれない。

 こういった事が続けられる限り、学習される事に忌避感を持っている者達は心穏やかではないだろう。

 我々一般の利用者は大衆の理解が得られるまで、節度をもって守るしかない。

 

 

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