オールドアクションゲーム二次創作 作:dwwyakata@2024
ハスターは、孤独な存在だった。
あまりにも強すぎて、それが故に暴力でしか自己表現ができなかった。誰も対等の者は存在せず、周囲はいつしかハスターを恐れへつらうものばかりになった。目上の存在も、ハスターには無関心だった。
だから、みんな蹂躙したかったのだ。
酷いダメージだった。
今までで一番長い眠りだったかも知れない。スペランカーは、ハスターによる殺戮を受けながら、その存在の孤独を感じ取っていた。
暴力でしか、自己表現ができない存在。
何だか、人に似ているなと、スペランカーは感じる。
愛情という言葉でしか、自分を保てない者。お金しか信じられない者。人間にだって、たくさんそう言う人はいる。
体を起こそうとして、失敗する。
病院のベッドだ。多分、国連軍と関係がある、かなり大きな病院だろう。
ナースコールを押すと、川背が最初に来た。彼女もびっこを引いている。あれだけの無理をしたのだ。当然だろう。
「先輩、おはようございます」
「川背ちゃん、今はいつ?」
告げられたのは、戦いから二週間後だった。
そうか、二週間も。体を起こしてもらいながら、スペランカーは聞く。
「マッドエックスさんは?」
「自分を心配してください、先輩」
「ううん、私は大丈夫だから」
ダメージは、確かに酷い。
だがスペランカーは死にたくても死ねないのだ。今回それがよりはっきり分かった。ハスターは、本気でスペランカーという存在を破壊しようとしただろう。実際、精神には大きなダメージを受けた。
だが、其処までだった。
心の傷も、回復すると思う。というのも、ハスターと戦っていたときに比べて、随分楽になったからだ。
むしろ、あの攻撃は、ハスターが如何に孤独かが分かって、痛々しかった。
「マッドエックスさんは、今集中治療室です。 サイボーグとしての改造に無理が出ていたそうで、人間としての部分を切り離して、再構成するとか」
「……上手く行くの?」
川背は、分からないとだけいった。
もし上手く行っても、更に人間の部分は減ることになるだろうとも、川背は言う。もとより、サイボーグの寿命は、現在ではさほど長くないのだという。
クローンの技術を使っても、欠損部分の修復は難しいだろうと聞いて、スペランカーは布団を握りしめた。
マッドエックスに聞いた、悲しいカンハルーの物語。
邪神が再生はしたかも知れない。
だが最初にそれを作り上げたのは、人間だ。
戦争に勝てばいい。生き残ればいい。自分だけが。
そう言う理屈で、どれだけの被害を出しても構わないと考えるのが、人間だ。それが、人間なのだ。
人間の相互理解なんて、どれだけできるのだろう。
わかり合える人もいる。
だが、全ての人々が、相互理解するなんて、絶対に不可能だ。
マッドエックスが無事に退院できたら、会いに行こう。
そう決める。
理解し合える人はいる。
理解し合えない人だっている。ならば、理解し合える人とは、せめて理解し合いたい。
そう、スペランカーは思った。
(続)
ハスターとの決戦、如何でしたでしょうか。
凄まじい強さを誇る邪神と、それ以上の戦力を誇るMさん。
まあ世界を何度救ったか分からないほどの人なので、それもまあ当たり前とは言えますが……
しかしながら、クトゥルフ神話系の邪神は、まだまだ元気に蠢動を続けています。
戦いは続きます。