オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

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5、孤独の形

ハスターは、孤独な存在だった。

 

あまりにも強すぎて、それが故に暴力でしか自己表現ができなかった。誰も対等の者は存在せず、周囲はいつしかハスターを恐れへつらうものばかりになった。目上の存在も、ハスターには無関心だった。

 

だから、みんな蹂躙したかったのだ。

 

酷いダメージだった。

 

今までで一番長い眠りだったかも知れない。スペランカーは、ハスターによる殺戮を受けながら、その存在の孤独を感じ取っていた。

 

暴力でしか、自己表現ができない存在。

 

何だか、人に似ているなと、スペランカーは感じる。

 

愛情という言葉でしか、自分を保てない者。お金しか信じられない者。人間にだって、たくさんそう言う人はいる。

 

体を起こそうとして、失敗する。

 

病院のベッドだ。多分、国連軍と関係がある、かなり大きな病院だろう。

 

ナースコールを押すと、川背が最初に来た。彼女もびっこを引いている。あれだけの無理をしたのだ。当然だろう。

 

「先輩、おはようございます」

 

「川背ちゃん、今はいつ?」

 

告げられたのは、戦いから二週間後だった。

 

そうか、二週間も。体を起こしてもらいながら、スペランカーは聞く。

 

「マッドエックスさんは?」

 

「自分を心配してください、先輩」

 

「ううん、私は大丈夫だから」

 

ダメージは、確かに酷い。

 

だがスペランカーは死にたくても死ねないのだ。今回それがよりはっきり分かった。ハスターは、本気でスペランカーという存在を破壊しようとしただろう。実際、精神には大きなダメージを受けた。

 

だが、其処までだった。

 

心の傷も、回復すると思う。というのも、ハスターと戦っていたときに比べて、随分楽になったからだ。

 

むしろ、あの攻撃は、ハスターが如何に孤独かが分かって、痛々しかった。

 

「マッドエックスさんは、今集中治療室です。 サイボーグとしての改造に無理が出ていたそうで、人間としての部分を切り離して、再構成するとか」

 

「……上手く行くの?」

 

川背は、分からないとだけいった。

 

もし上手く行っても、更に人間の部分は減ることになるだろうとも、川背は言う。もとより、サイボーグの寿命は、現在ではさほど長くないのだという。

 

クローンの技術を使っても、欠損部分の修復は難しいだろうと聞いて、スペランカーは布団を握りしめた。

 

マッドエックスに聞いた、悲しいカンハルーの物語。

 

邪神が再生はしたかも知れない。

 

だが最初にそれを作り上げたのは、人間だ。

 

戦争に勝てばいい。生き残ればいい。自分だけが。

 

そう言う理屈で、どれだけの被害を出しても構わないと考えるのが、人間だ。それが、人間なのだ。

 

人間の相互理解なんて、どれだけできるのだろう。

 

わかり合える人もいる。

 

だが、全ての人々が、相互理解するなんて、絶対に不可能だ。

 

マッドエックスが無事に退院できたら、会いに行こう。

 

そう決める。

 

理解し合える人はいる。

 

理解し合えない人だっている。ならば、理解し合える人とは、せめて理解し合いたい。

 

そう、スペランカーは思った。

 

 

 

(続)




ハスターとの決戦、如何でしたでしょうか。

凄まじい強さを誇る邪神と、それ以上の戦力を誇るMさん。
まあ世界を何度救ったか分からないほどの人なので、それもまあ当たり前とは言えますが……

しかしながら、クトゥルフ神話系の邪神は、まだまだ元気に蠢動を続けています。
戦いは続きます。
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