オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

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4,安らぎの味

目を覚ましたスペランカーは、周囲に誰もいないことを気付いて、呻きながら上体を起こす。既に森に満ちていた強大な邪気は、ことごとくが消えて無くなっていた。

 

これから、その邪気を、根本から打ち消さなければならない。

 

何度か失敗しながら立ち上がる。吐き気が強く、足下の脱力感も酷い。

 

森が平穏になったことに気付いたか、梟が鳴いていた。既に空は白み始めていて、明星も見える。金色の名を持つ星の下、よろよろと服の汚れを払ったスペランカーは、バックパックを探って、無線を取り出した。

 

普通に、会話が出来るようになっていた。フィールドが払われた証拠だ。

 

「こちらスペランカーです。 どうぞ」

 

「此方特務177小隊」

 

「今、目を覚ましました。 其方は」

 

「川背氏により、状況が開始されています」

 

どうやら、上手く行ったらしい。一つ例を言うと、スペランカーは巨木を見上げた。生物としての木そのものは、今だ衰えずに立っている。ただし、この木を依り代にしていた妖怪は、既に消え去っていた。

 

歩き出しながら、作戦開始前に聞かされた話を反芻する。

 

古代、この国にはまつろわぬ民と呼ばれる者達がいた。

 

この国の古代政府に従わなかった彼らは、ツチグモやムカデという、禍々しい生物の名を借りて、現在に存在を伝えている。彼らの怨念が、また強大な妖怪となって、フィールドを形成することもある。

 

今回スペランカーが滅ぼしたのは、そんな遙か古き時代の、被征服者達の怨念だったのだろうか。だとしたら、悲しい話だ。あれほどの異形となるまでの恨み、どれほど激しい戦いの中で醸成されたのか、見当もつかない。

 

戦闘の痕跡と、コンパスを頼りに歩く。ほどなく、歩みが加速し始めた。

 

空きっ腹に、とても良い香りを感じたからだ。

 

もとより、フィールド認定されているこの森は、さほど巨大でもない。しばらく歩くと、鉄条網に当たった。コンパスと地図を見比べて、鉄条網にそって歩く。やがて、自衛官を見かけたので、軽く手を振って、鉄条網を開けて貰う。

 

じゃじゃ丸も其処にいた。

 

「遅かったな」

 

「ごめん、遅れた」

 

置いていったことに関して、恨み言は言わない。じゃじゃ丸には、川背がもてなしをする際に、相手が攻撃を加えてきた時備えてもらう必要があるからだ。事前に打ち合わせをしておいた事である。

 

既に自衛官達は距離を置いて、場所を空けている。

 

白み始めている空の下、鎧兜の男性が、敷かれた茣蓙の上に置かれた椅子に腰掛け、クロスが掛けられた机の前で腕組みしている。場合によっては巫女を使って憑依させるという話だったのだが、それも必要ないくらい、強力に実体化した霊だったと言うことなのだろう。小柄だが、厳しそうな雰囲気の男性だ。権謀術数の限りを尽くして、飛騨を守った姉小路の殿様。もっと陰険そうな雰囲気をスペランカーは想像していたのだが、なかなかどうして、戦国大名という言葉通りの堂々たる存在であった。

 

あの霊を滅ぼすことは、出来る。しかし、それでは意味がないのだと、事前に調査していたフィールド探索者が言った。

 

というのも、今回の一件は、土地そのものによる霊的反発が切っ掛けになっているという。そのコアになっているのがあの殿様で、それが巨大な蜘蛛と百足の融合妖怪を呼び出したらしい。

 

あの殿様の霊が納得すれば、土地の反発も静まる。しかし無理に殿様の霊を滅ぼしたりすれば、今度は土地は別の強い存在を引っ張り出して、己を守るための結界、すなわちフィールドを形成するだろう。そうなれば、先以上の戦力を投入しなければ、手には負えない。

 

それが、専門家の意見だった。

 

全ては川背の料理に掛かっている。じゃじゃ丸と一緒に木陰から覗くと、己の仕事場である屋台に向かって、川背がちまちまと準備をしている所だった。

 

「川背ちゃん、頑張れっ!」

 

静かに密かにエールを送る。

 

川背は誰も入れない雰囲気を作りながら、さっさっと動いていた。

 

 

 

さながらフィールドの中にいるような緊張感が、川背の全身を包んでいた。

 

高貴なお客様をおもてなししたことはある。T国でフィールドを潰した時には、王宮に招かれて、料理を作った。その時には王様に、抱えの料理人にならないかと誘われる名誉も味わったが、丁重にお断りした。

 

まだ、修行中というのが、その理由である。

 

ただ、王様とはまだ交流が続いていて、T国には時々招かれる。いずれも王宮に足を運ばなくてはならないので、緊張する。

 

その時のように、心をプレッシャーが締め付けていた。

 

殿様の前には、姉小路家から移り変わった大身旗本三木家に代々伝わっているというお皿を並べている。江戸時代に入手したものだそうで、特に殿様は反応しなかった。青磁の、上品なお皿だ。

 

料理の際に、能書きを延々並べる料理人もいるが、川背はそのようなことをしない。最低限の説明だけで済ます。お客様が好きなように食べて貰うのが良いと考えているためである。だから、黙々と料理を作る。ただし、お客様に圧迫感を与えないように、いつも気を使う。これがなかなか上手く行かなくて、料理を作っている際の川背が怖いと言われたことが何度かある。

 

まず最初は、泥鰌の天ぷらから。

 

この殿様の時代、まだ飛騨にポルトガルから天ぷらは伝わっていないはずだ。かなり珍しい料理として、楽しんでもらえるだろう。殿様がどのような料理を望んでいるのか、これで見極めなければならない。

 

泥鰌を開いて、内臓を取り除く。骨をそのまま食べるため、小振りなものを使う事も多いが、川背は敢えて大きなものをそのまま揚げる。品質が良いので、骨ごと食べることが出来るからだ。

 

ただし、泥鰌には川魚特有の、強力な寄生虫がいる。そのため、生食には向かない。出来るだけ面積を広く取って、火が通りやすいようにするのも、味を高めるのと同時に、安全対策を兼ねているのである。

 

衣を適度に付けて、残りを払い落とす。卵も、生み立ての地鶏卵を使っている。もちろん一つずつ品質はチェックした。黄味が盛り上がり、そのまま口に運んでも美味しくいただけるほど、品質がいい卵だ。

 

するりと、泥鰌を油に潜らせる。

 

少し苦みの強い泥鰌の持ち味を生かすために、衣はかなり工夫している。甘みのある山菜を細かく刻んで入れている他、隠し味も二つほど入っている。それらの事情から、揚げるのも、あまり時間を掛けてはならない。風味が飛んでしまう。

 

さっきの試食も、川背にとっては満足しきれる出来ではなかった。あのリハーサルで微調整した時間を、己の脈で計る。さん、にい、いち。口中でつぶやくと、優しく泥鰌を油から引き上げた。

 

四匹揚げた所で、まず最初のメニューとして殿様に出す。

 

調味料は、塩だけ。醤油は付けない。新鮮なので、骨まで丸ごと平らげることが出来ることを説明。川背の目から客観的に見ても、良く脂がのっている、とてもおいしい泥鰌だ。

 

「この土地で取れた泥鰌の天ぷらです」

 

「天ぷら? ふむ、油で揚げているのか。 香しきことよ。 妖怪達に聞いていたが、今は民草も豊かな生活をしているのだな」

 

「戦国の世で、苦労された殿様達のおかげです。 それよりも、お口に合うかどうか」

 

「うむ、いただこうか」

 

興味をそそられたらしい殿様は、見事な箸使いで、口に入れる。香草を入れているため、表面に緑のつぶつぶが浮いているようにみえる天ぷらを、殿様はさくさくと音を立てて噛んだ。川背の所まで、衣と泥鰌の香りが漂ってくる。全てを食べ終えた時に、川背は既に殿様の表情を読み終えていた。

 

姉小路の殿様は、満足していない。

 

「ふむ、実に美味なことよ。 この衣の歯ごたえが良く、味も泥鰌の旨味を見事に引き出しておる。 香りも高く、実に素晴らしい。 若いのに、そなたは充分に一流で通る料理人だ」

 

「有難うございます。 次の品に移ります」

 

殿様は、高級料理をあまり好んでいない。そう川背は結論していた。

 

殿様が口で褒めているのは、料理の作成スキルについてだ。味についても褒めているが、しかし殿様自身は満足していない。当時は山海の珍味という言葉があるように、もてなしには珍しい料理が使われた。全く口にしたことのない珍しい料理を食べたから褒めているだけで、殿様自身が満足するにはほど遠いというのが現状だろう。

 

ならば、用意していた料理を切り替える。

 

さっと頭の中でレシピを組み直し、味付けを微調整する。同時並行で、鮎を焼き始めた。二品目は鮎の塩焼きだ。此方に関しては、素朴な傾向で味付けを調整し直す。味は非常に良いので、それを生かしつつ、素朴に味を閉じこめる。油も出来るだけ落ちないように、炭の上でこまめに動かしながら、焼き方を調整し続けた。

 

一匹目が焼き上がる。

 

油が滴るような鮎の塩焼きを、皿に載せた。三匹まで仕上げた所で、殿様に出す。

 

殿様は腕組みしたまま待っていた。世間的に姉小路の殿様は、強い者について生き残ってきたと言われているようだが、なかなかどうして。落ち着いて風格のある。貫禄に満ちた人物だ。現在のJ国には、滅多にいないタイプである。

 

「次は、鮎の塩焼きです。 此方は大きな骨以外は食べることが出来ます」

 

「これも、この地の鮎か」

 

「はい。 鮎は素材がとても良いので、塩だけで仕上げてあります」

 

「ふむ、ただ焼いただけの鮎、か。 先ほどの珍味と比べると、何とも素朴で単純な料理であるな」

 

いぶかしげに見つめていた殿様だが、香りには心を動かされたのだろう。すぐに手を伸ばして、豪快にかぶりついた。

 

すぐに、殿様は無口になった。手袋の上から指を舐めつつ、見る間に鮎を平らげていく。本当に美味しいものにぶつかった時、人は無口になる。例え人を止めていても、心が残っているのなら、それは同じ事だ。

 

一匹目がすぐに骨だけになり、二匹目も。三匹目を平らげると、しばし殿様は口をもぐもぐと動かしていたが。頷く。

 

「美味。 実に美味よ。 訂正しよう。 そなたは儂が出会った中でも、三本の指に入る料理人だ。 鮎を焼くにしても、此処まで火の通りを完璧に調整する手際、並の技ではないわ。 この塩もまた素晴らしい。 これほどこの鮎に合う塩、簡単に見抜ける料理人はそうそうおらぬ」

 

「有難うございます」

 

「うむ、素晴らしいもてなしであるな。 だが……」

 

「もう一品、用意してございます。 しばしお待ちいただけますか?」

 

分かる。

 

今回も、殿様は絶賛はしていたが、満足はしていなかった。しかしさっきの泥鰌よりも、かなり手応えがあった。

 

やはりこの殿様、高級な料理は食べ飽きている。珍しいものに関してもだ。しかも、味の問題ではない。ならば、最後は奥の手で行くしかない。

 

結局、父と母は最後までわかり合うことがなかった。

 

芸術としての食を追求し続けた父と、家庭的な料理の頂点を目指した母。若き頃に恋に燃え、川背と姉を授かった。しかし、結局意見の相違から二人は別れて、川背は父に、姉は母に引き取られた。

 

実はそれからも、川背は時々母と連絡を取ってはいた。

 

滅多に会うことはなかったが、手紙のやりとりはしていた。父に見つからないようにするのが大変だったが、母から送ってもらった小さな髪飾りは、ずっと宝物だった。物心がつくと、料理の楽しさが身繕いを上回り、結果として全ての力を注ぐようになったが、それでも母との思い出を忘れたことはない。

 

最近になって、ようやく直接会うことが出来た母。短い間しか会えていないが、それでもたくさんのものを貰った。

 

父からは技術を受け継ぎ。母からはもてなしの心を受け継いだのだ。

 

今までは、父の力を使って勝負してきた。だが、此処からは切り替える。

 

殿様が求めているものが、分かったからだ。

 

「ふむ、そなたが最後に出してくる料理、味わいたくもある。 今しばし、待つとしよう」

 

殿様は再び腰を落ち着けると、待ってくれた。

 

最後の逸品には、全力を掛ける。

 

今、煮立っている鍋を開けると、川背は既に炊きあがっているお米に視線を移した。

 

すっと、しゃもじを米びつに突っ込む。

 

本来は味が落ちてしまう行為だが、仕方がない。風味的には充分合格点のものになるし、何よりお客様が求めているものは、違うからだ。

 

あの人は、精緻を尽くした料理など求めてはいない。

 

求めているのは。

 

手を振ったのは、スペランカーと、じゃじゃ丸に対してだ。それに、自衛官達の方にも手を振る。

 

まだ椅子は余っている。

 

ぱたぱたと、可愛らしい走り方でスペランカーが来る。あれでは、何もない所で転びそうだ。じゃじゃ丸は疲れ切っている様子だが、特に気にしている雰囲気はない。

 

「ちょっと、川背ちゃん。 いいの?」

 

「俺は別に構わないが、よいのか」

 

「ちょっと、君、これは大丈夫なのかね」

 

三佐と責任者にも来て貰う。四人、増えた。だが、姉小路の殿様は、特に気にしている様子もない。そればかりか、薄笑いを浮かべてみせる余裕さえ見せる。流石に戦国を生きてきた武将だ。

 

「儂と戦った者達を集めるとは、これも趣向の一つかな」

 

「はい。 最後の料理は、みなで何も考えずに、わいわい食べるものです」

 

「ほう、それは」

 

一瞬だけ、殿様の目に違う光が浮かぶのを、川背は見逃さなかった。

 

雑炊になった鍋を運ぶ。山菜を贅沢にふんだんに使った、とても美味しいものだ。鍋は基本的に手が掛からない料理だと考えられており、事実その通りなのだが、しかし最大級に美味しいものとなると話が違ってくる。

 

まず素材の選び方が重要になり、火の通し方、鍋の選び方が大事になる。これらをクリアして、いくつもの微細な調整の末に、鍋は完成する。

 

今回、雑炊にしてしまったことで、その味を何割か落とすことになる。これは賭けだ。だが、既に勝ちを、川背は確信していた。

 

五人で机を囲むようにして、座る。最初はぎすぎすした空気があったが、殿様が最初に喋り掛けた。

 

「そなたはしのびか。 先ほどは見事な戦ぶりであった。 あのような怪しの技を使いこなすとは、さぞ苦労したのであろう」

 

「光栄です。 姉小路の殿様」

 

「そちらの娘も、しのびの者には劣る戦ぶりではあったが、機を見るに素晴らしく敏であった。 しかし不可解な戦い方であったな。 そなたは妖なのか?」

 

「あ、違います。 昔父さんが、ちょっと悪い神様と取引して、こうなりました。 でも、私のことを考えてしてくれた事でしたから、恨んではいません」

 

「そうか。 今の世でも、全てが平穏という訳でもないのだな」

 

戦いのことから、徐々に話が弾んでいく。二人は妖物に接し慣れているようだし、殿様も喋りやすいようであった。喋っているのを見ると、気さくな所もある殿様だ。戦いを通じて分かり合ったと言うこともあるからだろう。

 

「あ、あの、その」

 

「そなたはもののふであろう。 それならば背筋を伸ばせ」

 

「は、はい」

 

「今の世は平和であるのだな。 将であるそなたらを見ているとよく分かる。 だが、平和だからこそ、将であるそなたらが心身を鍛えよ。 さすれば万事に、民を救う戦人となることが出来よう」

 

いい年をした三佐と責任者に、蕩々と述べ立てる姉小路の殿様。人は食事時には饒舌になる。この殿様も、政を考慮せず、普通に話せる相手と言葉を交わすのは久し振りだからか、少し楽しそうだった。

 

鍋を運ぶ。

 

暖かい空気に、水を差さないように。

 

さっと、皿に盛りつける。皆の分の皿も準備は終えている。

 

「特に食べ方に工夫はいりません。 そのまま召し上がってください」

 

「うむ。 いただこう」

 

「地酒も用意してあります。 是非、此方もどうぞ」

 

酌をして回る。全員が成年だから問題はない。殿様はくっと酒を飲み干すと、眼を細めた。

 

「この味だけは、変わっておらぬな」

 

そして、雑炊に箸を付ける。

 

皆も、それに習った。

 

わいわいと、食事が続く。川背は使った器具を片付けながら、万一に備える。器用にタニシを剥く殿様が、皆にやり方を指南している。お偉いさんと食べ慣れているだろう責任者も、新人研修の学生のように緊張して、話を聞いていた。また、じゃじゃ丸はとても箸使いが下手で、何度もご飯を容器に零していた。

 

しばしして。

 

あっと、三佐が声を挙げたのは、殿様が兜を脱いだからだ。同時に、陽光が、その場に差し込み始めていた。

 

「見事なるぞ。 儂は、これほど食を楽しんだことが、元服してより一度もない」

 

今まで眉根を止せ、ずっと厳しい表情だった殿様が、涙を流していた。陽の光が、徐々に強くなっていく。丁寧に剃られた月代に、陽光が当たり始めた。

 

「儂が物心ついた頃には、既に戦国の世が来ていた。 戦と、はかりごとが、世の全てであった。 食も遊びも政で、儂も幼い頃から、何も楽しむことが出来なかった」

 

立ち上る陽の光に、徐々に殿様が溶けていく。思わず立ち上がった三佐が敬礼をしていた。

 

「一つ、頼みがある。 この土地を、荒らさないで欲しい。 ある程度手を入れるつもりなのは分かっている。 だが、儂がどのような手を使ってでも守りたいと思ったこの土地だけは」

 

「出来るだけ、配慮します」

 

そもそも、無理のある工事計画だったと聞いている。

 

最近の工事では、基本的に環境配慮が為されることも多い。国営の企業であるならなおさらだ。今回の一件では、裏に何か大きな目的があったのかも知れない。だが、これだけの大きなスキャンダルだ。フィールドの再発生の可能性も示唆すれば、ある程度抑えも効いてくるだろう。

 

「殿様。 最後に、此方を」

 

「良頼じゃ」

 

「良頼様、此方を。 食後の一杯にございます」

 

それは、ただの冷たい水。

 

清流からくみ上げ、濾過をしただけの、この土地の水だった。

 

姉小路良頼は、それを飲み干すと、静かに消えていった。後には何も残らず。

 

ぺこりと、川背はあたまを下げていた。

 

今までで一番厄介なお客様の一人で。でも、忘れられそうにない相手だった。

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