オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

122 / 140
3、あやしの屋敷

フィールドの手前で待っていると、スペランカーが来た。

 

側には川背だけがいる。

 

最終的には、この三人で突入して、フィールドの深奥にいる邪神に肉薄しようと、じゃじゃ丸も思っていた。

 

しかし、敵の罠がある可能性が高いと分かった今。最後まで、スペランカーは投入できない。

 

「話は聞いたか」

 

「……」

 

スペランカーは、じっと此方を見る。

 

何が言いたいのか、一瞬分からなかった。

 

「外世子の言うとおりだ。 俺たちは、過去に闇を抱えている」

 

ただ、スペランカーは、手を伸ばしてきた。

 

握手を求められているのだと気付いて、手を取る。

 

「前に一緒に戦ったときは、あまり話せなかったから」

 

「……」

 

「じゃじゃ丸さんが、血も涙もない人だなんて、思った事は一度だって無いよ。 前に川背ちゃんが困っているときに、じゃじゃ丸さんはちゃんと助け船を出してくれたよ。 今度は、私が、助ける番」

 

「そうか」

 

此奴の誠実な言動には、定評がある。

 

その発言には、千金の価値があるとみて良かった。

 

あまり大人数は、内部に投入できないこと。どうしてニャルラトホテプがこの深奥にいると分かったかは明かせないこと。出来れば、スペランカーは最後の最後まで入らないで欲しい事。

 

この全てを告げると、彼女は頷いてくれた。

 

「何か、大きな過去の事件が絡んでいるんだね」

 

「ああ。 ニャルラトホテプは、おそらく我ら一族しか攻略方法が分からないフィールドを構築することで、安全に内部に引きこもることにしたんだろう。 あんたを罠に填めるためなのか、それとも他に理由があるのか、それは分からないが」

 

ニャルラトホテプの性質は、じゃじゃ丸も聞いている。

 

或いは解析の過程で、じゃじゃ丸か知鯰の一族が必ず出てくると、ニャルラトホテプは踏んでいたのかも知れない。

 

そうなれば、必ず混乱が起きる。

 

その混乱を、見て楽しむつもりであったのだろうか。

 

だとすれば、許しがたい下郎だが。そもそも異星の邪神は、人間の狂気を喰らう輩である。

 

単にニャルラトホテプにして見れば、趣味の合間に、食事をしているだけなのかも知れなかった。

 

ニャルラトホテプが人間を食糧の一種と見なしているのであれば、単に下ごしらえをしている、くらいの感覚なのだろう。いずれにしても、好き勝手にさせるつもりはないが。

 

鯰太夫は知鯰の一族の闇であると同時に、じゃじゃ丸の一族にとっても、大きな過去の問題につながっている。

 

他の一族の者にかぎつけられる前に、さっさとけりを付けたい。

 

スペランカーは事情をある程度把握したのか、川背を説得してくれる。川背がいるだけでかなり有利だが、もう一人。今回来ている中堅どころから、一人協力者を連れてきてくれた。

 

本多宗一郎。

 

最近名を上げてきている若者だ。

 

じゃじゃ丸も聞いたことがある有望な戦士で、自分がダメージを受ければ受けるほど、強烈な攻撃を繰り出す特殊な能力を持っているという。

 

「何だか面倒な事情があるようだな。 だが、あんたが直接入ると、大きな危険があるっていうなら、喜んで捨て石になる」

 

「そんな風に言わないで。 生きて帰ってきてね」

 

「分かっているさ」

 

木訥だが、誠実そうな若者だ。

 

じゃじゃ丸は、単純に頼もしいと思った。

 

 

 

外世子が支援のための準備を整えてから、フィールドに入る。

 

特殊な態勢で偵察を行い、それから敵の中枢に接近すると、支援のために来てくれた者達には、スペランカーが説明してくれた。

 

有り難い話である。

 

これで、過去の闇を、歴史の影に葬ることが出来る。

 

それは何も、個人の恥に関する事では無い。

 

J国だけではなく、世界中で活動している知鯰の一族と、じゃじゃ丸の一族にとっても、重要なことなのだ。

 

醜聞の拡散は、大きな信用の失墜を有む。

 

ましてや鯰太夫の存在は、数百年前とはいえ、当時の幕府にとってはとてつもない規模の大スキャンダルであったのだ。

 

「まるでおばけ屋敷だな」

 

中に一歩入ると、宗一郎が呟く。

 

川背は周囲を見回してから、目を細めた。

 

「少し狭いですね。 被弾する可能性が高い、苦手な戦場です」

 

「俺がサポートする」

 

蠅型の偵察機が飛んでくる。外世子が直接操作している奴だ。

 

可能な限り、声を落として、機械越しに外世子は言う。

 

「この辺りは電波が届くけど、罠の可能性も高いし、ほぼ確実に相手には会話を拾われていると思うから、会話は最小限で行く」

 

「分かっている。 まずは、どちらに行けば良い」

 

「雪女の親玉がいた、奥の間に」

 

此方だと、二人を手招きする。奥の間に行く途中も警戒を怠らなかった。板を踏む度に、ぎしぎしと大きな音がするのは、おそらくは忍び対策だろう。おばけ屋敷と言うよりも、むしろ忍者屋敷だ。

 

じゃじゃ丸くらいなら、音が鳴らないように歩くことも出来る。

 

だが、二人にそれを求めるのは酷だ。此処からは、敵との交戦を前提として、進まなければならない。

 

言われたとおりに、奥の間でぼろぼろの掛け軸をめくると、不意に光景が変わる。

 

どうやら、一つ奥の泡沫に進んだらしい。周囲には、薄暗い廊下と、小さな部屋が連なっている、先ほどまでと同じような光景が広がっていた。

 

不意に、空気が冷たくなる。

 

吹き付けてくる風が、敵が此方に気付いている事を告げてきていた。

 

川背と宗一郎が追いついてきた。

 

二人とも、すぐに戦闘態勢を取ったのは流石だ。

 

「敵は既に気付いている。 八体を屠れば、この空間を制圧できる」

 

「よし……!」

 

リュックから特別あつらえらしいサッカーボールを取り出す宗一郎。タンタンと二回、バスケットボールのように木床でバウンドさせたあと、サッカー選手もかくやという見事な蹴りを叩き込む。

 

闇より浮かび上がるようにして現れた雪女の顔面に、ボールが直撃。首がへし折れる音がした。

 

殆ど同時に、川背が残像を残して、天井に。

 

天井を蹴って加速すると、踵落としの要領で、続けて現れたもう一体の頭を砕く。川背の奴、以前も共闘したが、動きが露骨に鋭くなっている。ここ最近で腕を上げたのは見ていて分かったが、実戦を見るとそれが想像以上だったと、よく分かった。

 

よほどに、豊富な戦闘経験を積んだのだろう。

 

不思議な動きをして、手元に戻ってきたサッカーボールをヘディングで受け止める宗一郎。

 

特殊なヘッドギアなのか、ボールを受けても、乱反射させず、手元に戻している。

 

三体目の雪女が、出会い頭に氷の刃を複数投擲してくる。

 

三人が散開して避けたところに、更に四体目。五体目。

 

此方に気付けば、数で押してくるという訳か。

 

連続しての射撃が、隙の無い弾幕を作る。

 

それぞれ廊下から左右の部屋に退避して、隙をうかがう中、じゃじゃ丸は闇に身を潜ませる。

 

他の二人が引きつけてくれている今が好機。

 

此処でも同じように、指揮を執っている個体がいる可能性が高い。じゃじゃ丸は、そいつを暗殺する。

 

音を立てずに、闇の中を走る。

 

ぎゃっと鋭い悲鳴が、奥からした。多分川背が一匹斃したのだろう。というのも、鋭い風の音がしたからだ。宗一郎なら、殴打音がするはず。

 

六匹目が、音もなく、滑るように廊下を行くのが見えた。部屋の中の壁に張り付くようにして、敵をやり過ごす。

 

これで多くても、敵の首魁には、一匹しか護衛がいない。

 

奥は薄暗いので、持ち込んでいるスターライトスコープを用いる。いた。黒い翼を持つ、鳥のような顔の妖怪。額には修験者がつける頭巾と呼ばれる多角形の小さな帽子を付けている所から、ほぼ間違いなくカラス天狗だろう。カラス天狗はインド神話のガルーダが歪んで解釈されたとも言われる古い妖怪で、慢心した修験者を意味しているとも言われる、宗教的な色彩が強い存在である。

 

雪女とカラス天狗は全く系統が違う妖怪なのだが、どうしてあれが指揮を執っている。

 

鯰太夫も多くの妖怪を操る特殊な能力者であったらしいのだが、それに関係しているのだろうか。

 

勝負は十秒以内。

 

そうしないと、前線で引きつけている戦力が戻ってくる。

 

閃光手榴弾を取り出すと、護衛についている雪女が、視線をそらす一瞬をうかがう。狙うのは、カラス天狗だけ。

 

スターライトスコープを外すと、手榴弾を投擲する。

 

爆発する光。

 

飛び出す。走りながら、雪女の首を、刀を抜いてかっ斬る。即死はさせられないにしても、動きは止められる。

 

更に、顔を押さえたカラス天狗に、蹴りを叩き込む。

 

だが。足が、とまった。

 

カラス天狗が、挟み込むようにして、蹴りを両腕で受け止めていたのだ。にやりと、鳥の顔に笑みが浮かぶのが分かった。

 

弾かれるように飛び退く。

 

飛び退きながら、雪女の首を蹴り折った。刀を構えて、ゆっくり左に回り込む。カラス天狗は首を鳴らすと、翼を広げ、天井近くまで舞い上がる。

 

今の奇襲を、こんな浅い階層にいる奴が防ぐなんて。

 

天狗が羽ばたくと、無数の黒い羽が、部屋に満ちる。それが烈風と共にかまいたちになり、じゃじゃ丸の全身を切り裂く。

 

しかしその時には、じゃじゃ丸は跳躍していた。

 

傷をものともせず、足先が天井を擦るほどの高さで回転しながら、カラス天狗の脳天に蹴りを叩き込む。

 

直撃。破邪の力を叩き込まれたカラス天狗が、絶叫しながら骨になっていった。

 

着地。全身から血が噴き出す。それほど深い傷はないが、痛みはそれなりに酷い。

 

今のは、十三秒も掛かってしまった。

 

何処かで、医師に言われたことが頭に残っていたのかも知れない。情けない話だ。戦場では、臆した者から死んでいくのに。

 

まだ、奥の方では戦闘が続いている。

 

傷の手当てよりも、この空間の制圧が先だ。

 

 

 

最後の雪女が宗一郎のボールで首をへし折られると、周囲の空気が変わった。解析すると言う外世子の声が、蠅型のロボットから聞こえた。

 

座り込んで、目だった場所の手当をする。

 

応急処置の心得は、じゃじゃ丸にもある。

 

川背は当然のように無傷。宗一郎は何カ所か切り傷が出来ていたが、気にしていない。能力の特性上、傷つくのは前提なのだろう。

 

「なるほど……これは……」

 

「何か分かったか」

 

「泡の法則が、掴めるかも知れない。 もう二カ所か三カ所、周囲を制圧して欲しいの」

 

「任せておけ」

 

手当を終えると、立ち上がる。

 

川背が咳払いした。

 

「罠に関しての解析も、進めて貰えますか?」

 

「大丈夫、任せてください」

 

外世子と川背は敬語で会話し合っている。ただし、どちらかと言えば川背の敬語は、若干威圧的だ。

 

おそらく川背も、それを分かった上で話をしているのだろう。

 

「増援を呼んだ方が、良いと思いますよ。 確かに国家的にも大きな損失がでる可能性があるのかも知れませんけれど、ニャルラトホテプが好き勝手をしたら、もっと酷い事になると思いますし」

 

「……ごめんなさい、まだ、その決断は出来ません」

 

川背の発言に、外世子は弱気の返事をした。

 

外世子が指定したのは、今度はカラス天狗がいた部屋ではない。奥は奥だが、先ほどじゃじゃ丸が敵をやり過ごすのに使った部屋の近くだった。

 

空間の歪みに、足を踏み入れる。

 

全身に、ぴりっと痛みが走った。

 

再び、木張りの廊下に出る。近づいてくる気配。雪女かと思ったら、違う。

 

うめき声を上げながら近づいてくるのは、巨大な蜘蛛の妖怪だ。全身は巨大で、しかも蜘蛛の頭部に当たる部分には、複数の人頭が接続されている。おぞましい姿の妖怪は、宗一郎が姿を見せた瞬間、いきなり粘液の塊をはきかけてきた。

 

蜘蛛の糸は、同じ太さであれば鋼鉄をも凌ぐ硬度を持つ。はきかけてきた粘液も、同じ物質とみて良いだろう。

 

宗一郎は飛び退こうとするが、一瞬遅い。

 

蜘蛛が尻を上げて、そちらからも粘液を飛ばしてきたのである。飛び退き回避するのに成功したじゃじゃ丸は、壁に右手をくくりつけられてしまった宗一郎を見た。宗一郎は壁から手を剥がそうとしているが、上手く行っていない。

 

川背が姿を見せる。川背は宗一郎を見ると、手からルアーつきのゴム紐を垂らし、それをゆっくり振り回しながら言う。

 

「僕が引きつけます」

 

「頼む」

 

再び、蜘蛛が粘液をはきかけてくる。じゃじゃ丸は横の部屋に飛び込んで逃れ、奥へ。あの蜘蛛の頭は八つあった。おそらく、アレ一体で、この空間のガーディアンだろう。そのまま、部屋を経由して、背後に回り込んでいく。

 

川背は残像を残してゆらりゆらりと左右に動きながら、蜘蛛に近づいている。蜘蛛が、全ての足を広げ、凄まじい勢いで飛びかかる。その時、いつの間にか投げていたゴム紐の反動を利用して、後ろに飛ぶ。

 

床を砕きながら、蜘蛛が着地。人頭が耳まで裂けた口の中に、ずらりと並べた牙で、床を盛大にかみ砕いていた。

 

「ああ、おえあ、えあああああああ!」

 

蜘蛛が床から体を引っ張り上げようとした瞬間、川背が前に飛び、蜘蛛を飛び越えながらリュックを一振りする。

 

川背が着地した時には、蜘蛛の頭が一つと、尻の辺りが盛大にえぐり取られ、大量の鮮血がしぶいていた。おぞましい悲鳴を上げながら、蜘蛛が旋回し、足をふるって叩き付ける。横っ飛びに逃れた川背が、部屋に飛び込むが、蜘蛛は全力で追いかけてくる。複数の頭にある、耳まで裂けた口を全開にして。

 

好機は、そう多くない。

 

川背は蜘蛛を引きつけているが、あまり余裕は無い。最初に川背が言ったとおり、彼女の力を発揮するには、此処は少し狭すぎるのだ。消耗を避けるためにも、出来るだけ早めに蜘蛛を片付けた方が良いだろう。

 

「ぎおああああああっ!」

 

粘液を再び蜘蛛が吐きながら、恐ろしい勢いで川背を追う。障子を蹴散らし、畳を踏み砕き、部屋そのものを粉砕しながら。

 

辺り中に飛び散った粘液が、瞬時に硬化し、地獄を造り出す。汚らしいと言うよりも、それはまさに悪夢のような光景だ。

 

高々と飛び上がった蜘蛛が、川背を覆うように躍りかかる。

 

川背はと言うと、後ろにゴム紐を振るった。

 

思わず口笛を吹きそうになる。ゴムの伸縮を利用して、残像を残してバックしてのけたのだ。更にそのまま壁を蹴って天井に。反転しつつ天井を蹴り、再びリュックを掠らせて、蜘蛛の体を削り取る。

 

足が一本、根元から抉られ。大量の体液を撒きながら、蜘蛛が悲鳴を上げる。

 

だが、蜘蛛も黙っていない。

 

辺り中に粘液をまいた結果、既に辺りは蜘蛛の糸が張り巡らされた、奴の巣と化していた。

 

鋭い音。

 

無理矢理、柱の一部ごと剥がすようにして、宗一郎が腕の拘束を解いたのだ。

 

そのまま、見事なフォームで、ボールへ全力での蹴りをたたき込みに入る。

 

だが、ぴたりと宗一郎がとまる。

 

良い判断だ。

 

これだけ蜘蛛の巣だらけの状態である。どのように乱反射するか、分かったものではない。

 

蜘蛛はダメージを受けながらも、緻密に周囲を自分の領地と化すことで、戦略的な優位を得たのだ。

 

ゆっくり、川背と蜘蛛が、等距離を保ったまま左に移動している。

 

蜘蛛も、下手に仕掛けるとまずい事は理解しているのだろう。川背も、これ以上高速での機動は避けたい所の筈だ。それらを考慮した上で、間合いを計り合っている状況である。

 

好機は、おそらく次の一瞬。

 

宗一郎が、動いた。

 

パワーをセーブして、明らかに蜘蛛の頭上、外すようにしてボールを蹴り込む。蜘蛛は動かず、ボールを見送るだけだったが、川背は違った。

 

それによって、蜘蛛の安全地帯が幾らか消えたことを、冷静に分析したのであろう。すり足で地面すれすれに跳躍すると、蜘蛛の至近で残像を残し身を上に運ぶ。そして蜘蛛が糸を吐くよりも早く、顔面の一つに飛び膝を叩き込んでいたのである。蜘蛛は逃れようとしたが、その時ようやく、自分の退路が消えている事に気づいたらしかった。

 

蜘蛛が、ぎゃっと鋭い悲鳴を上げたとき。

 

既に、じゃじゃ丸は、その背に蹴りを叩き込み終えていた。

 

川背の派手な攻撃は、それ自体が陽動だったのだ。

 

破邪の力を叩き込まれ、消えていく人面蜘蛛。額の汗を拭いながら、じゃじゃ丸は蠅型の偵察機に言う。

 

「外世子! 次!」

 

「待って、今案内するわ。 それよりも、大丈夫なの? 三人がかりでもかなり手こずっていたみたいだけれど」

 

「問題ない」

 

ニャルラトホテプの罠を破るには、可能な限り多くの敵の情報が必要になってくる。

 

罠があるなら、その形を。

 

目的を。

 

知ってしまえば、それを食い破ることは、決して難しくない。

 

辺りの壁床からは、蜘蛛の粘液が消えつつあった。肩を回しながら、宗一郎が、川背と何か話している。職業病で、つい全て聞いてしまう。

 

「流石だな。 あの攻撃を、瞬時に利用してくれて、嬉しい」

 

「蜘蛛の知能が中途半端に良いのを利用しただけですよ」

 

「機動戦について、今度教えて欲しい。 俺はもっと強くなりたい」

 

川背が頷いている。

 

思春期の少年と、大人になったばかりの女の会話ではないような気もするが、二人ともプロだ。まあこんなものだろう。

 

手短に怪我の手当を済ませると、次へ。

 

今日中に、十個以上は、敵の勢力を潰しておきたい。そうやって二三日掛ければ、敵の狙いを分析できるだろう。

 

次の空間に入る。側を飛んでいる蠅型の偵察機から聞こえる声が、聞き取りづらくなってきていた。

 

「じゃじゃ丸、聞こえている?」

 

「ああ。 どうした」

 

「今、分析していて面白い事が分かったの。 それを裏付けたいから、此処を中心に、周囲を囲むように敵の領地を削るわ。 それが済んだら、今日は戻ってきて」

 

「分かった。 ナビゲートを頼む」

 

通信を切ると、目の前に現れた傘の怪物に向けて、刀を構える。

 

いわゆる九十九神という奴か。

 

日本の妖怪には、ものに魂が宿った結果生まれた、という出自の者が多数存在している。傘おばけとか言われる奴も、その一つだ。

 

不意に傘が開くと、凄まじい回転と共に、襲いかかってくる。

 

電気のこぎりのような音がしているし、触ればただでは済まないだろう。しかも、人間が避けにくいように、袈裟の機動で斬りかかってきた。かろうじて前回りに避けるが、続く二人は大丈夫か。

 

川背が先に来る。

 

傘のおばけは、三体。残り二体も傘を広げて、襲いかかってくる。

 

川背は残像を傘に斬らせると、いつの間にかその足。傘だった頃には柄だった部分にルアーを巻き付け、遠心力を込めて一気に引く。

 

振り回された傘は逆回転の凄まじいGに耐えきれず、空中分解して果てた。

 

ただ、今のは手に掛かる負担がかなり大きいはず。

 

宗一郎も来る。

 

「宗一郎君!」

 

「っ!」

 

いきなり飛びかかられて、宗一郎が反射的にボールを蹴り込む。

 

傘と凄まじい弾き合いをしたボールが破裂するのと、傘の柄を川背が掴むのは、ほぼ同時。

 

床にたたきつけられた傘が、粉々に砕けた。

 

残り一体が、不意に逃げはじめる。

 

手裏剣を投げつけるが、弾かれてしまった。だが、それは逃げはじめたのではないと、すぐに悟ることとなった。

 

屋敷の奥から、巨大な何かが来る足音が、響く。

 

そして傘は姿を見せず、闇の中を旋回しているようだ。丁度部屋を廻りながら、廊下に固まっている此方を、囲むように。

 

姿を見せるのは、巨大な壁状の妖怪。いわゆる塗り壁。

 

巨大な一つ目が体の中央にあり、不格好な手足が、ちょこんとついている。目玉に蹴りを叩き込めば倒せそうだが。しかし、そうはさせてくれそうにない。

 

そもそも塗り壁は、精神の疲弊が原因で、山中などで「其処から進めなくなる」という現象が妖怪化した存在だ。現象が妖怪として人格を与えられている存在であるから、可視化している現状、その力は下級の神にも匹敵するはずである。

 

板状の体の彼方此方から、棘が見えている。

 

下手に近づけば、串刺しという訳か。あの様子だと、背後にも棘を繰り出すことが出来るだろう。

 

不意に闇の中から、傘おばけが飛び出してくる。

 

そして、首を狙って空中を斬ると、また闇へ消えていった。

 

一撃離脱の強襲を繰り返し、ゆっくり正面の塗り壁が迫ってくる、というわけか。確実かつ、嫌らしい戦法だ。

 

宗一郎が、リュックから新しいボールを出す。

 

川背が一見すると無防備に、塗り壁に近づいていった。カクタンと音がする。塗り壁が発した声だ。鳴き声か、それとも。

 

不意に、無数の棘が、川背を貫く。

 

しかも足下からだ。恐ろしい速さで塗り壁から生えた棘が、いきなり床に突き刺さり、突き上げるようにして伸びたのである。

 

川背が着地する。ずたずたに切り裂かれた残像が、消える。

 

否。

 

川背の足の膝と股、ふくらはぎに、うっすらと斬り傷がついていた。血がにじんでいる。皮一枚だけだが、斬られたのだ。

 

まずい。此奴の速さに追いつけるほどに、あの棘は伸びるのか。

 

「傘を処理する必要があるな」

 

「塗り壁の間合いは分かりました。 まだ技を持っている可能性はありますから、処理するならいそ……」

 

言いかけの川背が、全力で飛び退く。

 

殆ど本能的に、じゃじゃ丸もそれに倣った。

 

一瞬遅れた宗一郎が、見事に吹っ飛ばされる。天井に叩き付けられ、床でバウンドした。塗り壁の目が光った瞬間、強烈な衝撃波が飛んできたのだ。

 

かろうじてじゃじゃ丸は回避したが、左腕を掠った。今でも痛烈なしびれがある。もう少し回避が浅かったら、指を二本持って行かれるところだった。

 

川背が奴らしくもなく凄まじい荒い音を立てながら跳躍し、宗一郎に襲いかかった傘の足を掴むと、時間差で襲いかかってきたもう一匹に向けて渾身で叩き付ける。腕に傷を受けながら、である。

 

吹っ飛んだ傘二匹。

 

塗り壁を入れて、後四匹、と数える暇も無かった。

 

じゃじゃ丸の足下から、無数の棘が噴き出してくる。全力で下がって回避。しかし、後ろには、傘の妖怪が迫っていた。

 

血しぶき。

 

肩をやられた。

 

出会い頭に、刀を振るって、相打ちに持ち込むのが精一杯だった。

 

床に倒れたところを、上から二匹が、同時に襲ってくる。川背よりも、じゃじゃ丸の方が与しやすいと判断したのだろう。しかも、あの塗り壁、動きが予想外に速い。棘の間合いはじゃじゃ丸も見切っていた。もう、部屋のすぐ側にいると言うことだ。

 

先祖は、本当にこんな奴らを、一人で潰したのか。

 

「カクタン!」

 

叫びながら、障子を押し破って、塗り壁が入ってくる。

 

奴は見る。

 

襲いかかってきた傘おばけ二匹を、跳ね起きながら同時の蹴りで仕留めたが。代わりに脇腹と腕を切られ、血みどろになっているじゃじゃ丸を。

 

棘の間合いに、入る瞬間。

 

真後ろから、捨て身のボールでの一撃を叩き込む宗一郎。さっきとは破壊力が桁違いで、バキバキと凄まじい音を立てながら、塗り壁の巨体が撓むのが見えた。だが、体にひびを入れながら、塗り壁は棘を、じゃじゃ丸を貫こうと伸ばそうとするのが見えた。

 

「てあっ!」

 

川背の叫びが、聞こえる。

 

撓んでいる塗り壁の背中に、川背がおそらくドロップキックを叩き込んだのだろう。速度はそのままパワーに変えることが出来る。奴渾身の蹴りが、どれだけの破壊力を持つのかは、想像も出来ない。

 

ゼロコンマ一秒、塗り壁が躊躇する。

 

その瞬間、勝敗は決していた。

 

蹴りを叩き込んだ先は、塗り壁の眼球。棘の絶対防御と、遠隔への衝撃波で体を守っていた現象の妖怪は、おぞましい絶叫を上げながら崩れていった。

 

肩で息をしながら、川背が立ち上がる。

 

崩れた塗り壁の上で立ち上がった川背は、血を両腕から垂れ流していた。かなり大きな切り傷が出来ている。今の瞬間、塗り壁は躊躇したのではない。

 

背後にいた川背に、本能的に攻撃していたのだろう。

 

川背も、そうなることを分かった上で、じゃじゃ丸のために隙を作ったのだ。此奴は、以前あった時とは、もう違う。

 

じゃじゃ丸以上の、プロになっていた。

 

幸い、それに応えることは出来た。しかし、今失敗していたら、じゃじゃ丸は仕事を辞めなければならなかった。

 

「じゃじゃ丸! じゃじゃ丸っ!」

 

「聞こえる」

 

外世子の声が煩わしい

 

どうして彼奴は、ああも必死なのか。偵察機に返事をすると、外世子が露骨に安心して声のトーンを落としたので、じゃじゃ丸はむしろイライラした。それでもプロかと言いたくなる。

 

「全員負傷した。 敵の戦力が、かなり高い」

 

「ちょっと、大丈夫!?」

 

「一度戻る。 指示をして欲しい」

 

もし、此処で戻れないようなら、ニャルラトホテプの性格の悪い罠に苦笑するところだが。

 

どうしてか、すんなり最初の部屋にまで、戻る事が出来た。勿論、其処から、外に出ることが出来る。

 

或いは、スペランカーを釣るために、敢えて逃がしたのかも知れない。

 

可能性は、ある。

 

スペランカーは、出ると不安そうにぱたぱたと走り来た。プロだから取り乱すようなことはないが、それでも怪我を見て心を痛めているようだ。

 

「川背ちゃん! 宗一郎君も!」

 

「大丈夫。 これくらいは、むしろ好都合だ」

 

宗一郎は平然としている。その年でそれだけ達観できれば、将来は超一流にまで行けるかも知れない。

 

まあ、宗一郎の場合は、能力の特性に絡むことだから当然か。しかも宗一郎の話によると、能力が高まるにつれて、体の回復が異常に早くなっているのだという。

 

川背はと言うと、冷静に自分の状態を分析していた。

 

「傷は八カ所です。 うち四ヶ所は手当が必要ですが、戦闘に関してはまだ支障ありません。 ただ、此処のフィールドは、中堅の戦士が挑むには、少し厳しいと思います」

 

「同意だ。 或いは、もとのフィールドを、ニャルラトホテプが強化しているのかも知れないな」

 

外世子がかなり動揺しているのが分かった。

 

傷だらけになってフィールドから戻ってくるなんて、珍しくもないのに。何を動揺しているのか。

 

「とにかく、お医者さんに。 知鯰さんは、分析をお願いできる?」

 

「どうしてよ……!」

 

「外世子?」

 

「! 大丈夫、こっちに」

 

スペランカーが、自分と同じ小柄な女性である知鯰の肩を抱くと、連れて行く。何か気付いたようだが、じゃじゃ丸には話してくれなかった。

 

遠くで、スペランカーが何か話している。肩をふるわせて、外世子が泣いているのが見えた。責めているようには見えない。慰めてくれているのだろうか。

 

じゃじゃ丸には、何故泣いているのか。分からない。幼い頃から、彼奴とは喧嘩ばかりしていた。中学の頃だったか、任務から帰ってきたとき、傷だらけの姿を見られた。そのまま死ねと言われた。その通りの意味に受け取って、ああ此奴は俺が嫌いなんだなと、納得した記憶がある。

 

医務室で、診察を受ける。

 

医師は手早く処置を終えると、難しい顔をした。

 

「言った先からこれだ。 御前さんの腕は一族の中でも上位に入る。 無駄に命を散らされたらたまらん」

 

「忍びは消耗品だ。 それくらいは、分かっている筈だが」

 

「それはそうだが」

 

「俺にとって大事なものは一族の繁栄だ」

 

ましてや、今回の任務は、それに直接関わるものだ。

 

時代錯誤と言われるかも知れないが、忍びというのは、そもそも国家お抱えの諜報機関である。

 

或いは特殊能力がない世界であれば、とっくに存在がなくなっていただろう泡沫の存在。一族の繁栄を考える事は、構成員にとって絶対の事となっている。そうでなければ、そもそも組織が維持できないし、諜報の質も高められないからだ。

 

替えの人間もいる。

 

鉄の掟と、血の結束で任務を達成する。だからこそ、忍びは現在の闇に、存在を許されているのだ。

 

自分を部品の一つと為せ。

 

それを徹底的にこなしているから、じゃじゃ丸は此処まで諜報機関に信頼されるに至った。

 

「そうか、其処まで覚悟を決めているのなら、もう何もいわんよ」

 

「休む。 あの様子では、外世子の奴も、立ち直るに時間が掛かるだろう。 少し寝て、わずかでも体力を回復しておく」

 

栄養剤をもらうと、宿舎に戻る。

 

今回来ている中堅どころのフィールド探索者達が、不安そうに会話しているのが見える。もう一人か二人、ベテランを呼んだ方が良いんじゃないかと、まだ年若い者達が話をしていた。

 

無音で、通り過ぎる。

 

もしも、今回のフィールドについての情報が無ければ、じゃじゃ丸も同じ結論を出していただろうから。

 

自室で横になると、訓練しているから、すぐに眠ることが出来た。

 

だが、快眠することは、出来なかった。

 

 

 

夜中に、呼び出される。宿舎の電話越しに、これから会議を行うと言われた。

 

どうやら、外世子が解析を終えたらしい。ニャルラトホテプがどれだけ意地の悪い罠を作っていたかは分からないが、此処でけりを付けたい。

 

途中で、外世子自身とばったり会う。

 

周りに、人はいない。

 

「傷は、痛まない?」

 

「別に問題ない」

 

多少は痛みはあるが、任務の遂行には問題ない。

 

ばつが悪そうに、外世子は視線をそらした。

 

「少し、嫌なことが分かったの」

 

「何だ」

 

「不意に私達が此処の任務に参加ってなったけれど、あれについて、本家から連絡があったのよ」

 

あれは川背とスペランカーを見張るのと、牽制し、なおかつ恩を売るのが目的だと思っていたのだが、更に裏があったのか。

 

失念していたが。そういえば、ニャルラトホテプは、人間に紛れ込み、多くの部下を囲っている存在だった。

 

知鯰の家から連絡があった人物は、自衛隊の陸将の一人。

 

フィールド探索者の排除をもくろんでいる派閥に属しているのではないかと噂される男だった。

 

「最初の提案は、その男から為されたらしいの。 知鯰の家でも、任務が自然だったから、疑っていなかったらしいのだけれど、ある筋から情報が入って、発覚したんだって」

 

「ある筋だと? 誰だ」

 

「分からないけれど、風魔系って聞いたわ」

 

思い当たる節がある。

 

以前面倒を見た若い忍びに、Kとパイプを確保している奴がいた。彼奴が確か風魔系の筈である。

 

そうなると、知鯰が気付くよりも先に、何かしらの理由でKの派閥が今回の事態を察知したのだろう。

 

してやられた。

 

これはフィールド攻略の以前から、ニャルラトホテプの罠だったのだ。

 

じゃじゃ丸と知鯰の家にとって、他の介入が望めない状態を構築する。仕事上関係があるじゃじゃ丸の提案を、スペランカーは呑む。そして、分かった上で、これ以上はどうにもならない。

 

今から一流どころの増援を呼ぶにしても、実力があるフィールド探索者は、それ相応の人脈がある。もし今回の一件が明るみに出でもしたら。

 

しかもニャルラトホテプの事だ。

 

最深部で、知鯰とじゃじゃ丸の一族の真相を、したり顔で話し出しかねない。

 

もしこれが明らかになると、J国の諜報の深部にいるじゃじゃ丸の一族と、技術開発のお抱えである知鯰の一族は、対外的な致命傷を受ける。

 

おそらく、J国はそれを知っていた。

 

だからフィールド探索者を、人脈がまだ小さい中堅どころと、それにスペランカーの身辺、じゃじゃ丸だけに絞ったのだ。

 

「狡猾な。 全て、最初から手のひらの上だった、という事か」

 

「まずいわ。 フィールドの事については、仮説を三つまで絞り込めたのだけれど、この様子だともっと危険な罠を確保していてもおかしくないわよ!」

 

じゃじゃ丸も、ニャルラトホテプが狡猾で邪悪な存在だと言うことは知っているし、聞かされてもいる。

 

だが、それでも。此処でどうにかして、敵の上を行かなければならなかった。

 

「スペランカーには話したか」

 

「ううん。 どうして?」

 

「彼奴の判断力は確かだ。 話はしておいた方が良い」

 

「……悔しいけれど。 分かったわ」

 

今回は、ここに来ているフィールド探索者のうち、奴が事実上のトップだ。政府は嫌がるだろうが、話はしておかないとまずい。

 

一応、経歴、戦歴でいうと、川背も匹敵するが、彼奴はスペランカーのナンバーツーである事を自認している。それに、一緒に戦ってみて分かったが、彼奴はじゃじゃ丸と同等以上の「プロ」だ。

 

まずは戦略的な利権から考えるだろう。

 

スペランカーに話をして、其処から川背に動いてもらった方が、じゃじゃ丸としては好都合だ。

 

じゃじゃ丸自身は、先にプレハブの中の会議室に行く。スペランカーと川背が、外世子に呼び出されて、外に来た。視線が一瞬だけ交差する。

 

三人が戻ってくるまで、時間は、それほど掛からなかった。

 

会議自体も、すぐに終わった。

 

作戦は明快極まりなかったからだ。

 

「威力偵察の結果、以下のことが分かりました」

 

外世子が、ホワイトボードにすらすらと情報を書いていく。徹夜で解析をしてくれたのだろう。

 

確か外世子は、スパコンも此処に持ち込んでいたはずだ。

 

フルで活用して、計算をさせていたのだろう。だが、それでも難しかったに違いない。仲が悪い幼なじみに、珍しくじゃじゃ丸は感謝していた。

 

「このように、今回のフィールドは、泡状空間が連なる多重階層構造です。 その上、泡状空間が、ゆっくり回転していることが分かりました」

 

「それで、今まで構造が掴めなかったと」

 

「はい。 しかし、おそらくニャルラトホテプも、此方が解析を終えたことは、読んでいると思います」

 

此処にはフィールド探索者しかいない。

 

盗聴器の類は、全て排除したと、外世子は言う。

 

咳払いして、彼女は続けた。

 

「問題は、泡状空間そのものが、ニャルラトホテプの術か、もしくはその肉体で維持されている、という事です」

 

「つまり、奴の体内という事か」

 

「はい。 これを、逆利用します」

 

今までフィールド探索と攻略は専門家の手に頼りっきりだった。科学者は支援以上の事が出来なかった。

 

だが、今回に限っては、ニャルラトホテプはミスを犯している。

 

其処を突ける。

 

「他言無用に願います。 今回のフィールドは、知鯰の一族に関連する過去のフィールドを、ニャルラトホテプが何らかの形で再利用しています」

 

本当は、それだけではない。

 

フィールド探索者達が、視線を交わし合うのが分かった。

 

信頼、してほしい。情報を開示するから。

 

必死な様子の外世子が、頭を下げた。

 

「具体的に内容は言えませんが、身内の恥では済まない問題です。 知鯰の一族はJ国の科学に深く噛んでいて、もしも今回の件が早急に片付かないと、かなりの悪影響が周囲に広がります。 協力、してください」

 

しばらく待ってから、外世子が顔を上げる。

 

スペランカーが立ち上がって、周りを見回す。

 

「私は、協力するよ」

 

「俺も」

 

宗一郎が続いた。

 

他のフィールド探索者達も、異論は無いようだった。勿論、彼らに危険が及ばないように、最大限の注意を払う必要がある。

 

しばらく無言でいた外世子が、うつむき加減に言った。

 

「作戦を、説明します」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。