オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

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3、魔王の軍勢

一番苦労していた有馬が第三段階を一通り終えたのは、訓練を開始してから二ヶ月が過ぎた頃だった。

 

桜の季節は終わり、じめじめした露が来ていた。

 

燕の巣立ちは既に過去となり、街の彼方此方では飛蝗の仲間達が幼い姿を見せ、成長して大人になりつつあった。大型のショウリョウバッタの雌が、、草むらから飛び出してもはや人が手入れしていない商店の窓に貼り付いていた。

 

だから、一は打ち上げの意味もかねて、皆を喫茶店に誘ったのだ。

 

商店街の片隅に、その喫茶店ミラージュはある。名古屋方式と呼ばれる、モーニングセットを充実させる方式を取り入れることで他との差別化を図り、厳しい競争の中生き残ってきた店だ。店長はまだうら若い女性なのだが、高校生達の間では、未亡人だという噂がある。シャッター商店街になっている近隣で生き残っているだけ有り、ケーキも紅茶もパフェも、どれもとても美味しい。特にカスタードクリームをふんだんに使ったシュークリームは、数が少ないのにとても美味しいので、朝には行列が出来るほどだった。シュークリームの売り上げだけで食べていけるのではないかという噂さえある。実際にはモーニングセット目当ての客や、それによって常連化した人達が売り上げを支えているのだ。

 

もちろん訓練後の夜に来たのだから、シュークリームは残っていない。

 

喫茶店ミラージュに良く足を運ぶ一は店主のみどりさんと顔なじみで、にこりと互いに笑みをかわす。一緒に着いてきた残りの四人は、思い思いに好き勝手なことを言っていた。武田は窓際のカーテンがフリルまみれなので、見ていて泡を食っている様子だ。

 

「こんな可愛いお店、入るの初めてです。 緊張します」

 

「ちょっと少女趣味かも」

 

「お前が言うか」

 

ゴスロリファッションを結局最後まで崩さなかったののに土方が突っ込む。土方は背負っている長い竹刀を下ろしながら、観葉植物に興味津々の様子だった。

 

確かに個人経営にしては、店の彼方此方にある観葉植物が、とてもよく手入れされている。バイトも一人か二人しか雇っていないと言うし、体がどうして保つのか見ていて不安になってくる。

 

「可愛いお店だね」

 

「可愛いだけじゃなくて、何でも美味しいよ」

 

とりあえず、訓練が終わったこともある。それに、お金を使う余裕がここのところ一切無かったと言うこともある。

 

だいたい、訓練が終わったと言うことは、いよいよ異世界に送り込まれると言うことだ。最後の晩餐をかねて、良いものを食べておきたいという事もあった。

 

「ジャンボパフェにしようっと」

 

「凄そうなのを注文しますね」

 

「私もそれにする」

 

ぼそりとののが言った。有馬は少し悩んだ末に、メイプルシロップホットケーキにした。ホットケーキの上にクリームをたっぷり載せている、定番メニューだ。激しく甘く、そして美味しい。

 

土方はしばらくメニューを見ていたが、チーズケーキにする。チーズケーキは作り手の腕前がもろに出るデザートだ。確かに土方らしい選択であったかも知れない。

 

武田はしばらく悩んだ後、宇治金時スペシャルにした。かき氷とパフェを合わせた甘菓で、非常に渋いながらも豪華なメニューだ。

 

全員がそれぞれ千円以上の料理を注文した事となる。五百円くらいのお手頃な料理もたくさんあるのだが、今日は誰もがお金を惜しまず、美味しそうなモノを食べる気満々であった。

 

悟っているのだ。誰もが。

 

これが最後になるかも知れないと。

 

店に妙な三人組が入ってきた。一人はあのM。もう一人は以前見かけた、風船を手にした女の子。最後の一人は、ショートカットの細い女の子だ。多少癖のある髪の毛をしていて、年代は多分一と同じか少し年下くらいに見える。風船の女の子はもの凄く育ちが良いらしく、背格好の割には非常に落ち着いた雰囲気だった。

 

「結構良いお店ですわね、スペランカーさん」

 

「アリスちゃん、気に入ってくれた? 此処、この間帰りに見つけたんだけど、何でもすっごく美味しいんだよ」

 

「そうか」

 

「本当は川背ちゃんの屋台が最高なんだけど、今はK国で王室に呼ばれて料理作ってるらしいから、今日はこっち。 あ、でも此処もすごく美味しいけど」

 

筋肉ムキムキのMは明らかに店から見て浮いていたが、メニュー的には彼らのような人種でも満足できるものがある。並のファミレスよりも美味しいハンバーグやステーキも扱っているのだ。ただし、それらは高級店のものにはやはり及ばないので、手作りで美味しいケーキを頼むのが通のやり方だが。

 

横目で彼らのやりとりを見ていた土方が呟く。

 

「彼奴ら、多分これから一緒に異世界でミッションをするんだろうな」

 

「じゃあ呼んで、一緒に食べる?」

 

「いや、せっかくだし、今日は身内だけで楽しもうよ。 どうせ嫌でも顔を合わせることになるんだから」

 

有馬が言う。確かにそれもそうだ。

 

三人は幸いというか、店の逆隅の席についた。わいわいと騒がしい。此方と違ってまるで平然としているのは、多分修羅場を散々潜ってきた者達の余裕なのだろう。

 

バイトではなく、みどりさんが直接オーダーを取りに来た。

 

相変わらずとても優しい笑顔で、疲れが取れる。

 

ただ、オーダーを聞くと、みどりさんは眉を曇らせた。この五人が、これから何か危険なことに挑むと、気付いたのかも知れない。

 

メニューが一通り揃ったのはまもなくのこと。つまりケーキ何かはストックしてあると言うことだ。重労働だろうに、大したものである。だからいつも足を運びたくなる。

 

そして、やはりパフェはとても甘くて。優しくて美味しい味だった。

 

「美味しいです」

 

武田が、ただ一言だけ呟いた。

 

皆、無心に食べた。

 

今はもう、知っている。皆、ろくでもない背景を抱えていると言うことを。

 

だから、だからこそに。生への渇望は、皆強い。

 

「みんな、生きて帰ろうね」

 

ただ、希望はそれだけ。

 

クライネが落涙する。有馬がハンカチを出して、その白い頬を拭ってあげた。

 

 

 

翌日。

 

早朝から、呼び出しがあった。そうなれば、もう学校など二の次三の次である。

 

両親には、昨晩の内に告げてある。だから、覚悟は出来ているようだった。

 

「すまん」

 

「謝らないで、お父さん。 誰かが、やらなければならないことなんだから」

 

「生きて帰ってきてね」

 

「うん」

 

父と、母と、それぞれに別れを告げる。

 

そして、愛車に跨って家を出た。

 

決めている。異世界に行くのなら、愛車と一緒に向かいたいと。

 

父が作り、自分でチューンしたこのマウンテンバイク。一緒にどんな山も乗り越えてきたこの子は、自分の分身も同然の存在だ。だから、朝からひたすらにこぐ。これから向かう、死地に。一緒に。

 

ビルへはあっという間だった。行く途中、見慣れた街並みを目に焼き付ける。学校にも行こうかと思ったが、時間がなかった。

 

受付で、マウンテンバイクも一緒に行きたいと言う。無表情なお姉さんは、しばらく無言で一を見つめた後、吟味するように言った。

 

「好きにするが良い」

 

一礼すると、愛車と一緒にエレベーターに。

 

もう、戻ることは出来なかった。

 

 

 

会議室のような、広い部屋に通される。

 

今まで一緒に訓練をしてきた五人と、案の定喫茶店で見かけた三人。更に補助要員だという、二十人ほどがいた。補助要員はいずれも自衛官らしいのだが、雰囲気的には軍人というより技術者に見える人が多かった。また、日本人ではないらしい人も散見される。多分国連から派遣されている人員だろう。

 

席に着くと、スクリーンに世界地図が表示される。ユーラシア大陸は全域が真っ赤。日本も赤い地域が多かった。後は北アメリカもほぼ全域が真っ赤である。そして、かってニューヨークがあった地点に、大きな×が付けられていた。

 

言うまでもなく、あれがマンドラーに占拠されている地域なのだろう。酷い状態なのだろうなと思うと、悲しくなってくる。

 

赤くなっていない地域の海に、何カ所か○がある。

 

会議室の前に、白衣を着た金髪の女性が出る。かなり凹凸がはっきりしている、実に原色の雰囲気が強い美女だ。国連軍から派遣されてきている、重異形化フィールド対策学のミネー教授だと自己紹介してくれた。

 

軍隊でもどうにもならない危険地帯を、この世界ではフィールドと呼ぶ。なるほど、今回の作戦は、フィールド攻略扱いとして、国連では処理する訳だ。最強のフィールド探索者であるM氏が来ているはずである。

 

「それでは、作戦を説明する。 我々は今回、異世界のマンドラー撃滅作戦に参加することとなる。 言うまでもなく、マンドラーは並行世界であるこの宇宙にも存在しており、我らにとっても意義が大きな戦いだ」

 

ハスキーで心地よい教授の声と同時に、マンドラーが映し出される。

 

改めてみると、山と見まごうサイズだ。

 

説明される。全高二キロ。幅四キロ半。左右に六本の腕が生えているのだが、それぞれの長さは六百メートルに達するという。武装している火器は一万五千門を軽く超え、展開できるシールドは核兵器さえも防ぎ抜くのだとか。

 

だが、これは生物ではなく、マンドラーの居城なのだそうだ。

 

「今回、敵の防衛線を突破し、厳選したフィールド探索者三人をマンドラーの体内に送り込むのが、ウィングギャリバーの遠隔操作パイロット五名の役割となる」

 

それも、訓練の最中、座学として聞かされた。

 

マンドラーはあまりにも大きい。そして、それだけではない。

 

実は今までに三度、大きな犠牲を出しながらも、マンドラーの撃破には成功しているのだという。しかしそのたびにマンドラーには空間転送で逃げられてしまい、仕留めることには失敗したのだそうだ。

 

つまり今回。フィールド探索者を中に送り込むことにより、マンドラーの本体ないし、その操作者を滅ぼすことが、一らに課せられた任務、ということだ。

 

「内側からぶっ壊せるようなら、私が叩きつぶす。 もしも生物的なコアがあるようなら、スペランカーが叩く。 構造的に崩壊させられるようなら、アリスがどうにかする。 以上か」

 

「そう認識してくれれば問題ない」

 

「ふん、簡単な任務じゃないか。 私としても、久し振りに全力で火力を展開できそうで、うずうずするわ」

 

Mが肉食獣そのものの笑みを浮かべていた。この世界、最強の男は、今その全力を振るうつもりでいる。

 

他の二人は、一も知らない。多分それぞれの能力に特化したフィールド探索者なのだろう。元々一般の人間にとって、フィールド探索者は住んでいる世界が違う存在だ。トップの数名については知られているが、スター性がある訳でもない。あまり知られていないのは不思議でも何でもない。

 

「ウィングギャリバーは、それぞれこの地点から飛び立ち、合流する」

 

「最初から五機で出た方が良いんじゃないんですか?」

 

「以前も説明したとおり、この異世界で人類は分散することで魔王の攻撃を免れているのだ。 制圧している地点でも、基本的にそれは変わらない。 陸上に都市を造ろうとすると、魔王からの遠隔砲撃で灰にされてしまう」

 

「ええっ!? は、話には聞いていましたが、その。 大変ですね」

 

スペランカーと呼ばれた女の子が、こっちを同情した様子で見た。まあ、聞かされていたことだ。

 

だから故に、ウィングギャリバーは五機それぞれがVTOL機能を有しているのである。滑走路など、点在する小型のコロニーには造るスペースがない。いざとなったら、どこからでも発進して、何処へでも逃げ込まなければならない。

 

「今回は、異世界の軍勢が総力を挙げた決戦となる。 全土に散っている旧型ウィングギャリバーによる、全戦線による総攻撃、陸上機動部隊での攻撃、機動型海底コロニーからの大出力荷電粒子砲による攻撃の合間を縫って、最新鋭ウィングギャリバー五機を、このルートで進軍。 最初にαウィングが飛び立ち、この地点でβウィング、γウィング、Δウィングを回収し、最後にεウィングと合流する。 フィールド探索者の三人は、このコロニーに入り、βウィング内の、緩衝荷物専用スペースに入って待機して貰うことになる」

 

もとより大型の輸送機を兼ねているβウィングには、荷物を輸送できるスペースがある。その中には、緩衝液材で守られ、内部の人間がGで死なずに済むような箇所が用意されているのだ。本来は精密機器輸送用に作られているスペースだが、今回はフィールド探索者のために使用する。

 

全土に、ざっと攻撃部隊の表示が為される。ルートは、まるで隙間を縫うような感じであった。単独戦闘能力を有するαが、徐々に他の機体を回収しながらフォーメーションを組んでいくのは、正しい。

 

敵味方の合間を縫うようにして、五機の、人類の希望であるウィングギャリバーが飛ぶ訳だ。

 

風船を持っている女の子が挙手する。こんな時も、カラフルな風船を複数手にしていた。能力に関係しているのかも知れない。

 

「攻撃経路は分かりましたわ。 それで、補給はどうするのでしょう」

 

「無い。 マンドラーを仕留め損なったら、人類は滅ぶ」

 

「そんな、行き当たりばったりな。 無茶ですわ」

 

「今回が、異世界の人類にとって、最後の機会なのだ。 物資の不足がひどく顕著で、特にウィングギャリバーなど精密兵器類の建造に必要なレアメタルは殆ど底を着いているらしい。 今はかろうじてこれだけの地域を奪還できてはいるが、それも時間を掛ければどんどん状況が悪くなっていく。 事実、幾つかの地点では、既に戦線が後退しつつあるそうだ」

 

この辺りまでは、既に座学で一も聞かされている。

 

有馬が緊張した様子だったので、肘で小突く。深呼吸すると、にこりと笑みを向けてくれた。

 

失敗は、許されない。

 

失敗したら、後がない。

 

人間と、僅かな物資を送り込むことは出来るが。戦闘機を建造できるようなレアメタルなど、とても送ることは出来ないのだ。

 

マンドラー戦での注意を、幾つか説明される。敵が対抗策を練ってきていることも考慮しなければならず、それがネックだった。

 

「作戦開始は十時間後。 それまで、それぞれが思い残すことの無いように」

 

 

 

流石に慣れたもので、国連や自衛隊から来ている兵士達は、それぞれめいめいに勝手に時間を潰しに行ったようだった。

 

ウィングギャリバーの乗り手五人組は、そのまま集まる。

 

しばらく無言が続いたが、土方が手を叩いて、皆を見回した。

 

「昨日、話し合ったとおりだ。 皆が生きて帰る。 それだけでいい」

 

「リモートで操作するから安心、何てことはないんですよね」

 

「さっきも聞いたとおりだ。 それに、あれだけリアルなシミュレーターで散々訓練したのは、多分危険が伴うからだろう。 撃墜されたら、その場で脳が焼き切れる、位のことは覚悟した方が良いだろうな」

 

そうやって聞かされると、やはり怖い。

 

だが、それでも。やらなければならなかった。

 

未だ世界のためという感覚は薄い。

 

むしろ、一は家族のために動きたいと思っている。

 

「土方さんは、やっぱり剣道で鍛えてるから、それだけ割り切れるんですか?」

 

「私の両親は駆け落ちした上に結婚してすぐ育児放棄したろくでなしでな。 私は弟と一緒に親戚のゴミでも見るような目で見られながら育ったんだ。 どんなに辛く当たられても、生きるためには結果を出すしかなかったのさ。 古くから剣術をやっている流派だったから、剣道で成績を出すしかなかったな。 結果を出せば、弟が暴力を振るわれることもなかったし、それなりにマシな飯も出た。 弟は病弱だったから、なおさら私には責任が重くのしかかっていたよ」

 

今回の任務が上手く行けば、独立して、なおかつ弟の医療費が出せる見込みが着くのだという。

 

「私も、似たようなものよ」

 

ののが言う。そして、ぼそぼそと話し始めた。

 

「私は両親がタチの悪いカルトにはまってね。 幼い頃、神への捧げモノとやらにされかけるところを、踏み込んできた警察に保護されたの。 そんな私に、こんな力があったのは、皮肉としか言いようがないけれど」

 

手をかざしたののの先で、机がみしりと音を立てた。

 

そして、マニュアルが浮き上がる。

 

誰も驚かなかった。何かあるのは、誰もが知っていたからだ。

 

「サイコキネシスなんてスキルがあったから政府の施設で育てられたけど、今回の任務が上手く行けば、外に出られるの。 そうしたらフィールド探索者になって、世界を回るんだ」

 

ゴスロリファッションに包まれた人形のようなののは、そう言って初めて人間らしい表情を浮かべた。

 

有馬も自分のことを話してくれる。

 

有馬の家は、十人家族で、しかも父親がいないのだという。病気で早死にしたとか、そういう理由ではない。単に母が片っ端から男を抱え込んで、そのたびに相手に慰謝料を要求して生活していたらしい。

 

元々そのような生活には無理がある。両親の残した遺産がある程度ある内は良かった。母が若い内は、同じ手も通じた。

 

しかし、母は既に若くなく、抱え込める男もヤクザモノばかり。その上子育てが好きな訳でもなく、基本的に放置されていた。有馬が幼い頃には、祖母が子供達の面倒を見ていたが、それも六年前に他界。幼い弟や妹たちの面倒を見つつ生活するには、今回の任務に参加する他無かったという。

 

「僕が男の子っぽい格好してるのも、母の男に目を付けられないためです。 そうしてたら、いつの間にか容姿までそうなってきて」

 

恥ずかしげに言いながら、有馬は頭を掻いた。もし今回の任務が成功したら、遠縁の大叔父の所に、兄弟達全員で逃げる気だという。政府はそれを支援してくれると約束してくれたそうである。

 

一も、自分のことを話した。

 

彼らに比べると、随分軽いような気もした。

 

だが、皆真剣に聞いてくれた。お金がないという点で苦労しているという事では、誰もが共通していたからだ。

 

少し恥ずかしかったが、話し終えると、武田が口を開く。

 

やはり、彼女の人生も、重かった。

 

「私の祖母、東欧の出身なんです。 独裁者が滅茶苦茶にした、小さな貧しい国だそうです。 元々綺麗な子供が多い国らしくて、人身売買ビジネスが成立していて、そんな業者にホームレスだった所をさらわれて売り飛ばされて、日本に来て。 旧家のろくでなしだった祖父に、子供の内に買われて。 それで無茶な年の内に、私が出来たんです。 祖母は早死にしたそうで、戸籍どころか、写真も残っていません」

 

酷い話だが、アンダーグラウンドのネットワークは何処にでもある。それは当然日本にも伸びている。

 

闇は深く、弱体化しきった日本のマスコミなどではその尻尾さえも掴むことは出来ない。人間が多く住めば、凝りは更に酷くなり、闇の色もまた濃くなるのだ。

 

幸いにも、祖父の兄が武田の母を引き取って、育ててくれた。「日本人の愛人に男の子が出来たから用済み」だったのも、手放してくれた理由だったという。母は早死にしたが、父との結婚生活や、家も提供してくれたお爺ちゃんを祖父だと武田は思っているという。

 

しかし、自分をしっかり鍛えてくれたお爺ちゃんが、難病で倒れてしまった。

 

元々腐りきった家だ。しかもお爺ちゃんは分家筋の人間で、治療費など出せはしないと実家に断られたという。そもそも武田の母を引き取ったのも、性玩具にするのが目的なのだろうと、実家はゲスの勘ぐりをしていたそうだ。

 

膝を抱えて、涙を零す武田の頬を、ハンカチで拭く。

 

まだ幼いこの子には、あまりに過酷すぎる現実だろう。

 

「任務に参加すれば、お爺ちゃんの治療費を出してくれて、一緒に暮らせるだけのお金を都合してくれるそうです。 実家と縁を切る手伝いもしてくれるって、だ、だから、私」

 

「大丈夫。 泣かないで」

 

後ろからぎゅっと抱きしめる。武田の体温は妙に高かった。

 

みんな同じだ。

 

一は強く思う。

 

そして、誓う。要撃機能を持つαウィングで、皆を守り抜くのだと。

 

魔王を倒すことよりも、それによって皆を守ることの方が、ずっと重要だった。

 

訓練の第三段階を超えたことにより、過酷な環境で要撃を行う経験は散々積み重ねた。敵の中型空母や大型要塞の潰し方もはっきり把握した。

 

今なら、皆を守り抜ける自身もある。

 

土方が手を伸ばした。皆で、それに重ね合わせる。

 

誓いは今。完全なものとなった。

 

 

 

「風桐一!」

 

「はい!」

 

呼ばれた。

 

既に、着替えは済ませてある。

 

シミュレーターに入る時に来た水着のようなものの上に、自衛隊で用意してくれた軍服もどきの制服を着込んでいる。

 

「行ってくるね」

 

「先陣は私が努めたかったが、仕方がない。 頼むぞ」

 

「はい!」

 

土方に頷くと、呼んだ士官の前に出る。かろうじて重量が許容範囲内だったので、マウンテンバイクも一緒に行く。士官は一瞬だけ眉をひそめたが、許可は出ていると言うことで、通してくれた。

 

空間転送装置は、一番奥まった部屋にあった。

 

雰囲気的には、空港にあるような荷物をスキャンする装置を、ぐっと大型にしたようなトンネル状の装置である。まるで大型肉食獣の口のようで、不気味だった。事実、妙にひんやりした空気が気持ち悪い。

 

敬礼されたので、頷いて返す。

 

そして、進んだ。

 

もう、怖くはない。

 

装置の中央に入ると、周囲の声が聞こえなくなった。未来から暗殺のために人造人間が送り込まれてくる映画を思い出して、異世界に行くといわれた時には少し憂鬱にもなったのだが、どうやら彼処まで大げさな事はしなくても大丈夫らしい。

 

目を閉じる。

 

不意に、ぐるりと世界が反転する雰囲気。

 

ぎゅっと自転車のフラットバーハンドルを握り込んだ。

 

動悸が速くなる。体力作りはされてはいるが、格闘技や何かを仕込まれた訳ではないのだ。しかも転送先は海底都市だと言うではないか。転送座標を間違ったりしたら、一巻の終わりである。

 

恐怖はないが、不安はせり上がってくる。

 

そのたびにハンドルを握りこんで、心を落ち着かせた。

 

不意に静かになる。目を開けると、周囲は倉庫のように、だだっ広い、何もない空間だった。

 

二歩、三歩と踏み出す。

 

肩を叩かれた。

 

振り返ると、さっき支援要員だといっていた自衛官が、厳しい表情で立っていた。

 

「体調は大丈夫か」

 

「はい」

 

「着いてきなさい。 もう、向こうと話はついている。 すぐにαウィングに乗って貰うぞ」

 

頷いて、愛車を引いていく。床はごつごつしていて、まるで飾りや歩きやすくする工夫がされていなかった。本当に資源が足りないんだなと、これだけを見ても分かる。天井にある照明も、最低限しかない。

 

隣の部屋にはいると、人影があった。

 

吃驚するほど背が低い。しかも、歪な短躯だ。多分、全く外の光が入らない環境で暮らしているからだろう。

 

「分かっていると思うが、会話は此方で行う」

 

「はい」

 

イントネーションは英語と似ているが、まるで違う言葉で、やりとりが行われていく。異世界なのだ。言葉が通じないのは当然のことだ。地形は同じなので、この辺りは奇妙な違和感を感じてしまう。

 

短躯の者達は、海底都市に暮らしているのに、救命胴着の類も身につけず。殆ど腰回りと胸回りを隠しているのみだった。顔色もとても悪い。

 

ウィングギャリバーに歩きながら、支援要員の人が言う。

 

「彼らの格好か?」

 

「え? は、はい」

 

「食事は最低限。 陽の光はない。 ならば、ああなるのも分かるな。 それに、此処は海底千メートル。 もしも敵の攻撃を受けてしまえば、救出される可能性など皆無だ」

 

だから、救命装置の類はない。と言うことであった。

 

もはや、そう言った所に資源を振り分ける余裕もない所まで、人類は追い詰められていると言うことだ。惨い話だが、聞いたとおりだ。彼らを救うためにも。一は勝たなければならなかった。

 

小さな扉の前に来た。

 

この先に、ウィングギャリバーを操作するための、シンクロシニティシステムと、脳を直結する装置があるという。

 

「自転車は責任を持って預かる」

 

「お願いします」

 

戸を開ける。

 

意外だったのは、暑くないと言うことだ。それで思い当たる。あれだけ暑くしていたのは、体力の消耗を激しくさせることで、実際の長期戦に対応できる体力を養うためだったのだろう。

 

戸の奥にあったのは、見慣れた繭状の装置。

 

覚悟を決めて、一は踏み出した。

 

 

 

気がつくと、海の中にいた。

 

周囲から差し込んでいる明かりは、ごく少ない。海水が満たされた狭い空間の中に、自分はいる。

 

そして浮上している。

 

「一分後に、海面に出る。 既に敵との総力戦は開始されている。 即座に敵は撃ってくる可能性も高い。 油断だけはするな」

 

返事は不要。意識を徹底的に集中する。

 

己を一枚のカミソリに。

 

自転車に跨り、峠を越える時の、一体感だけを思い浮かべる。

 

カウントダウンが為される。海上から発進する訓練も何度となくやった。既に心は落ち着いている。最低限の生活で、必死に戦ってきたあの人達のためにも。一は、勝つ。家族のためにも、一は負けない。

 

上から光。

 

αウィングのエンジンが咆吼した。

 

一気に海上に、己の姿を躍り上がらせる。海水を蹴散らし、空気の中に飛び出した。

 

閃光。

 

右に避ける。

 

飛んできたエネルギー砲が、海上で派手な爆発を引き起こしていた。

 

まずは、周辺の敵の掃討だ。加速。周囲を確認。敵機がざっと三十。味方は、周辺の浮遊砲台がその半数ほど。いずれも人が乗っているらしいのだが、人間魚雷も同様の特攻兵器だという。

 

砲台を貫こうとしていた敵機を、エネルギー砲で粉砕。前進しつつ、右、左、左。激しく機動しながら、更に連射。編隊を組んで砲台を襲おうとしていた赤い敵機を、纏めて撃ち抜き、粉砕する。

 

此方は要撃の専門機だ。

 

片っ端からたたき落とし、都市が再び海中に逃げる時間を稼ぐ。砲台も、明らかに形勢が逆転したことから士気を盛り返し、敵機を連続してたたき落とし始めていた。

 

「まず、向かう方角は東」

 

「はい!」

 

その東から、今に倍する敵の気配。旋回行動をするαウィングを掠めて、膨大かつ圧倒的な火力が飛来する。海上で爆発が連鎖して巻き起こり、水蒸気が周囲の静寂を踏みにじった。

 

中型母艦がいる。主砲を何度も撃たせると危ない。母艦と言っても、戦艦としての機能も有している相手なのだ。

 

まだ見えないが、それを確信。加速して音速を超えると、認識した順番に、敵を片っ端からたたき落とす。エネルギー砲が火を噴く度に、敵が吹き飛ぶ。翼を掠める敵の破片、そして火力。

 

叫びながら、更に火力を敵に叩きつけ、不意に上昇。着いてくる敵を振り切りつつ、雲を突き抜け、急速に反転。追いすがってきた敵を掃射で片付けつつ、見えてきた中型母艦の中枢に32発、精確に射撃。装甲盤が消し飛び、敵の中心から火花が吹き上がるのが見えた。

 

まるで鳩を狙う隼が、一気に獲物を仕留めるように。一瞬で勝負を決める。

 

そして、至近で回頭。海面すれすれを、全速力で逃げた。

 

吹き上がる海水の後方で、爆裂する敵の気配。波が追いかけてくるが、ウィングギャリバーの方が速い。衝撃波をやり過ごすと、上昇。敵軍の混乱が、目に見えて分かった。何機か混乱する敵を撃ち落としながら、加速。興奮した様子で、支援要員の声がした。

 

「敵中型母艦、撃沈! 見事だ!」

 

「東に向かいます!」

 

これで、この近辺の戦況は、多少は楽になったはずだ。

 

だが百五十機ほどいるという旧型ウィングギャリバー達は、みな苦しい戦いをしているはず。敵の中型母艦を一機二機潰したくらいで、満足などしていられない。敵の戦力は、中型母艦だけで二百機を超えているとか聞いている。

 

βウィングと合流できれば、補給的にも一息付ける。圧縮したエネルギーを蓄えているβウィングは、空中での基地の役割も果たす。

 

また、敵。

 

編隊がいつつ、いや六つ。此方を認識したと言うことだろう。まっすぐ向かってくる。

 

先ほど中型母艦を落とした海域から支援砲撃があるようだが、遠すぎて敵に有効打を浴びせられてはいない。

 

予想よりも。報告よりも。

 

ずっと、実際の戦況は良くないのかも知れなかった。

 

 

 

二号機、βウィングが、山の中腹にある基地から飛び立つのが見えた。要撃で三十機以上をたたき落とした後だったので、流石に一も歎息した。有馬の乗るβウィングは耐久力もあるし、何より無尽蔵にエネルギーを蓄えている。

 

これで、電子戦機である三号機、γウィングと合流できれば、早期警戒が出来るので、更に戦況は楽になるかも知れない。かも知れないというのは、敵の攻撃が凄まじいからだ。現にこの二号機周辺の人類側防御施設は、既にあらかた潰されてしまっていた。焼けこげた砲台を操っていた人達がどのような死に方を迎えたのか、考えるだけで胸が痛くなる。此処に到着するまでに、敵の編隊だけで二十を潰した。味方の支援火力は予想よりも遙かに小さくて、殆どをαウィングで処理しなければならなかった。

 

既に機体の傷も、無視できない状態に入ってきている。

 

εウィングほどではないが、電磁シールドで破片や衝撃波は緩和する仕組みが着いている。しかしそれでも、限界がある。速力は既に一割以上落ちていた。

 

「一ちゃん!」

 

「うん!」

 

有馬の声と共に、合体シークエンスにはいる。

 

周囲に敵がいないことを確認しつつ、低空で合体。訓練では何度となくこなしたが、実戦では初めてだ。緊張する。

 

αウィングの後ろから平行に飛んできたβウィングが、飲み込むようにして合体。幾つかのジョイントが鋭い音を立て、二機が一機になる。同時にαウィングのエネルギー系が、βウィングと接続完了した。

 

「すぐに補修用のマイクロロボットを出すね。 一時間もあれば、修復可能なはずだよ」

 

「分かった。 操縦は任せて」

 

「うん。 一ちゃんなら安心できる」

 

北上開始。γウィングがいるのは、北の海岸線だ。

 

既に百機を超える敵を撃墜しているが、味方の支援がこれからは弱くなる一方の筈で、さらなる戦況の悪化が予想される。やはり報告よりも、ずっと味方が苦戦していると言うことなのだろう。

 

βウィングと合体したことで出力は上がり、エネルギー砲は三門になったが、その代わり被弾しやすくなった。バリアの出力も上がってはいるのだが、そもそもエネルギー砲の類は防げないし、気休めに過ぎない。

 

「フィールド探索者の人達も、ちゃんと乗ってる?」

 

「大丈夫。 エネルギーも、思ったより積み込めたみたい。 でも、γウィングの周辺の戦況が、悪化しつつあるんだって。 早くしないと、危ないかも」

 

前から、敵の気配。

 

それも、膨大な。

 

変則的な動きをする、彼奴だ。アメーバーと、皆で呼んでいた。

 

それだけではない。高圧の電流を放つ奴もいる。二機で一機の働きをしていて、広範囲に超高圧の雷撃を放ってくる。

 

「あっちは、味方が優勢だって言っていたのに」

 

「大丈夫。 あの程度なら、蹴散らしてやるからっ!」

 

有馬には言わなかったが、中型母艦の気配がまたある。二機、いや三機はいるかも知れない。βウィングと合流したとはいえ、まともに勝負を挑んでいてはとても勝ち目がない。一機ずつ集中砲火を浴びせて、叩きつぶしていくしかない。

 

良いこともある。かなり慣れ始めていて、この分ならさっき以上に効率よく敵を屠ることも可能だ。

 

ただ、相当に無理なGが掛かるはずで、乗っているフィールド探索者達が心配だ。

 

敵が加速してきた。扇状に展開し、大量のエネルギー砲を浴びせかけてくる。地上の残存戦力が反撃を開始するが、数が違いすぎる。まるで、火力の滝だ。

 

加速。

 

翼を、何度か敵の砲が掠める。敵の中型機が出てきた。荷電粒子砲を備えている、厄介な奴だ。

 

一瞬早く、敵の砲に、此方の砲弾を直撃させる。痙攣した後、大爆発を起こす敵機。それに巻き込まれ、或いは破片を避ける敵に、一気に接近。集中砲火を浴びせかけて、蹴散らし、一気に陣を突破。

 

見えた。中型母艦がいる。

 

連射してくる対空砲火をかいくぐり、速射速射速射。被弾。翼の一部を、軽く削られた。後方からも、敵が旋回して追ってきている。飛び跳ねるようにして、アメーバーが弾を乱射してきた。

 

不意に上昇。

 

敵弾が、敵中型母艦に炸裂。敵中型母艦の砲火も、敵編隊を捕らえていた。

 

混乱の中、上昇を不意に止め、バーニアを駆使して急激に機首を下に向ける。そして真下に加速しながら、致命的な一撃を叩き込み、地上すれすれを抜ける。炎の柱を噴き上げていた中型母艦が、断末魔の悲鳴にも似た爆発を巻き起こし、敵の地上、空中部隊を多数巻き込んだ。さっと右左に機動を駆使し、岩山を背に。岩山を、核爆発の熱量が舐った。

 

轟音と供に、近付いてくる敵の中型母艦。速力は遅いが、威圧感は凄まじい。左右に一騎ずつ。容赦なく、艦載機を吐き出して、潰しに掛かってくる。

 

「交戦を避けろ。 戦果は今の時点で充分だ」

 

「分かっています!」

 

支援要員の声。応える必要はないが、敢えて叫んでいた。

 

βウィングの出力も借りて、加速。右の中型母艦に向けて、ありったけの火力を叩きつける。狙うは艦載機の発射口だ。

 

一弾が、飛び込む。

 

それが、致命傷となった。

 

内側から大量の火と死をまき散らしながら、止まる敵中型母艦。更に迫る艦載機を片っ端からたたき落としながら、死の痙攣に掴まれた敵中型母艦、その上すれすれを抜ける。電磁バリアが悲鳴を上げていた。既に限界近い。

 

後方で、爆発。

 

衝撃波に押されながら、一は呟いていた。

 

「大丈夫? 伊座実ちゃん」

 

「す、凄い機動」

 

「へへ、色々勉強したからね。 それよりも、早く補修を。 三機も中型母艦を潰されたんだから、敵もそう簡単に兵力を纏められないはずだよ」

 

がくんと、激しく揺れた。恐らくエンジンが大型の破片の直撃を受けたのだ。そのエンジンを止めたのは、補修ロボットに作業させるためである。あれだけの無茶な機動をしたのだ。此方だけが無傷で済むはずもない。

 

速力は、既に七割にまで落ち込んでいる。

 

それにまだ二機だけしか合体していない状態では、切り札も使えない。

 

敵は、幸い現れない。此方を手強いと認識したか、或いは味方がある程度勢力を盛り返してくれたか。

 

「分かった。 それと、αウィングはもうそろそろ大丈夫だよ。 いざというときは、分離して要撃した方が早いかも」

 

「ありがと」

 

更に感覚は鋭くなりつつある。

 

だが、それ以上に敵勢力の到来が凄まじい。あんな兵力がこれから次々迫り来ると思うと、ぞっとしてしまう。

 

遠くの空で、爆発が連鎖しているのが見えた。

 

世界中の空で、同じ光景が見られるのだろう。

 

地面はと言うと、聞いていたとおりだ。殆ど砂漠しかない。

 

「魔王マンドラーだっけ。 何で、いきなり現れて、こんな事をするんだろうね」

 

「さあ。 でも、排除しないと、人類は滅んじゃいそうだね」

 

有馬の言葉は、眼下の砂漠によって、切実に裏付けられていた。

 

不意に、雑音が入る。それが、武田の声だと聞いて、戦慄する。

 

「γウィング周辺の敵が、勢いを更に増しています。 到着には時間が掛かりそうですか」

 

「今向かってる。 伊佐実ちゃんも一緒だよ」

 

「出来るだけ早く! 中型母艦だけで五機もいるようです!」

 

「ひょっとして、敵に内通している人間がいるんじゃないの?」

 

ぼそりと、有馬が呟く。

 

今は、軽口を叩くのさえ、不安を煽られてしまう。

 

無言で、一は加速した。

 

魔王に捕らえられた人間が何をされるかは聞かされていない。だがこの地球の状況を見て、無事で済むと思えるほど、一は頭が悪くなかった。

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