オールドアクションゲーム二次創作 作:dwwyakata@2024
若干マイナーな作品ですが、ダメージを受けるほどパワーアップするシステムや、かなり本格的に作られているアクション部分、手応えのある難易度で、知る人ぞ知るファミコン時代の名作アクションゲームです。
興味を持ったら是非遊んでみてください。
序、遊園地での出来事
世界には、軍隊でさえ入り込めぬ危険地帯が存在している。或いはいにしえの巨大生物たちが闊歩し、時には神話の存在が我が物顔に横行するその場所のことを、フィールドと呼称する。
フィールドは様々な状況で発生する。とはいっても、多くが原因不明で片付けられてしまう。理由は簡単である。どうして発生したか、解明できない場合が殆どだから、である。あらゆる意味で人知を越えた存在。それが、フィールドと呼ばれる、人外の土地なのだ。
そんなフィールドの一つが。少年の目の前にある、遊園地であった。
遊園地と言っても、人気は無い。朽ち果てた柵、塗装のはげかけたマスコットキャラの幟、いずれもが死を予感させる不気味な雰囲気を醸し出している。勿論従業員はおらず、中からは妖気さえ漂っている。電力などとっくの昔に遮断されているのに、奥の方にはけばけばしいネオンも瞬いていた。
通称クレイジーランド。
数年前、閉園間近だったこの遊園地で、突如フィールドが発生。従業員と客の殆ど全てが巻き込まれ、脱出できたごくわずかを除いて死亡判定を受けた。何しろフィールドは一瞬で遊園地を覆い、殆どの人間は脱出する暇さえなかったのだ。フィールド災害の中でも最大級と言われる事件であり、一度に判定された死者の数は実に千を超えた。
そして数年経っても、このフィールドは存在している。理由は幾つかあるのだが、最大のものは他でも無い。普段はこのフィールドが姿を見せない、非常に特殊なものである事が挙げられるだろう。
幼い頃、少年はポンポンと呼ばれていた。
このフィールドで死亡判定を受けたガールフレンドに、である。
十五歳になった今でも、その頃の事を思い出すことが出来る。そして、当時の悔しさは、今でも時々全身をむしばむ。
力を得た今、少年はこの遊園地に戻ってきた。
ヘッドギアをかぶり直す。マウンテンバイク競技に使う頑丈なものだ。プロテクターの状態も確認。こちらも同じである。多少ぶつけたくらいでは何ともない。そのまま武器に出来るくらいだ。
バックパックには、彼の武器となるものを入れてきてある。それも確認した。弾数も、持てるだけは持ってきた。
全ての準備が整ったことを確認すると、少年は歩き出す。
かって、彼の全てを奪った、呪われた土地に。
無線はどうせ役に立たないだろうが、既に電源は切ってある。彼が所属するV社にも内緒で出てきたのだ。辞表も机の中に入れてきた。何、ここから生きて帰ることが出来たら、土方でも何でもして生計を立てるだけのことだった。
両親さえ、あのときの事故で死んだ。
死んだことは分かっている。何しろ、目の前で、落ちてきた隕石にぐしゃりと潰されたのだから。
しかし、まだ望みがある者が一人いる。
まるで大海に落ちた砂粒のごときかすかな望みだが、この時のために生きてきたのである。
この忌まわしきフィールドを潰し、出来ればその者を救いたい。そう思って、少年はこの呪われた土地に出向いてきたのだ。
此処が今日出現することも、事前に調査済みである。
長かった年月の恨みを晴らすように。
少年は、朽ちた扉を開けて、クレイジーランドへと入り込んだ。さび付いた扉は、開けるとき、異様に大きな音を立てた。
馬鹿な獲物を、歓迎するかのように。
久しぶりの食事を、堪能するかのように。