オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

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6、新しい光

緑の草原。

 

青い空。

 

ああ、これが空気というものなのか。

 

此処は、アトランティス。

 

アトラク=ナクアは、力を失った。代わりに自由を得た。

 

此処は邪神のゆりかごとして作られた土地。もはや邪神の手を離れた土地でもある。

 

まだ、力は回復しない。回復しても、せいぜい身を守るくらいまでがせいぜいだろう。

 

テレパシーで意思を伝えることは、できるようになっていた。

 

自分を頭の上にのせているのは、赤い髪の人間の子供である。魔術の心得があるらしく、妖精にまとわりつかれている。空を飛ぶことも出来るようだった。

 

「素晴らしい。 空のなんと青き事よ。 草の緑色はいと目に優し。 風はこうもかぐわしかったのか。 わらわは、もう何もいらぬ。 もう何も求めぬ」

 

「アトラク=ナクア様」

 

歩み寄ってきたのは、半魚人の長老だ。

 

手を出されたので、その上に移る。

 

「また、お知恵をお借りしたく」

 

「やれやれ、スペランカーに頼り切っているというのは本当らしいな」

 

「情けない話ですが。 あの方は、我らの支柱なのです」

 

「ふむ、悔しいがあの強さは認める。 最初はわらわに怒りを抱いていたようだが、本質を知った後は、どれだけわらわに殺されても、わらわに対する態度も、考えも変えなかった。 真の強さというのは、ああいうのをいうのだろう。 それで、何を教えれば良い」

 

どうしてだろう。

 

長老について歩いてくる子供が、にこにことほほえんでいる。

 

「どうした、何がおかしい」

 

「ママの事、褒めてくれたから」

 

「おまえの血縁的な母親では無かろう」

 

「うん。 でも、あの人がわたしのママだって、決めてるから。 あ、内緒だよ。 いつか、わたしの口から、ママになってくださいっていうんだから」

 

頬を赤らめる子供。ほほほと、目を細めて長老が笑う。

 

もう一度、蜘蛛神は空を見上げた。

 

宇宙の中心にいる邪悪は、ただ「閉じ込められ、世界を滅ぼす」という「要素」のためだけに、アトラク=ナクアを作った。そして「慈悲深く」も、感情をわざわざ与えた。

 

知っていたのだ。閉じ込められることで、狂気に犯されると。

 

それを、あいつは、スペランカーは壊した。

 

結果として、アトラク=ナクアの、邪神としての力は永遠に失われた。だが、それでもう良かった。

 

「そろそろ目覚める頃だろう。 行ってやれ。 おまえの顔を見れば、あいつも喜ぶはずだ」

 

「えっ? うん!」

 

ぱたぱたと、子供が駆けていく。浮遊する妖精が、それに続いた。

 

「この世界には、まだまだ災厄が来る。 だが、あの者がいる限り、或いは」

 

「……」

 

長老は応えない。

 

既に、それを確信しているからかも知れなかった。

 

 

 

(続)




今回例の蜘蛛の有名な邪神に登場いただいたのは、バイナリィランドの主要な敵が基本的に蜘蛛だからです。

ファイヤーボールなどの敵もいますが、やられると何故か蜘蛛の巣に捕らわれます(笑)

まあそれ以上に厄介なのは、自機を強制的に左右反転させる鳥の敵だったりするんですが……

今回もクトゥルフ神話を織り込んで、話をくんでいます。
楽しんでいただければ嬉しいです。
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