オールドアクションゲーム二次創作   作:dwwyakata@2024

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6、未来の灯火

川背が目を覚ますと、其処は21世紀だった。

 

辺りはのどかなK州の中に作られた軍事基地である。どうやら意識が無い間に服を脱がされて手当てされたらしい。手術着で、ベットに寝かされていた。

 

しばらくぼんやり天井を見つめる。

 

あの二人、敵を倒しただろうか。それに、気になることもある。

 

どうして、あの世界では、フィールド探索者や魔術師がいなかった。

 

ジョーが来る。

 

まだ片足を引きずっているが、ほぼ問題は無いらしい。そして、色々と話してくれた。

 

「どうやら未来からの干渉は断たれた。 次元の断層が消えたそうだ」

 

「良かった。 それにしても、エイリアンは何故この時代に?」

 

「多分、あの子があの二人の、共通の先祖なんだろう」

 

しばらく考え込んでから、なるほどと川背は呟いていた。

 

SF何かでは良くある事だ。実際、未来にいる間に、ジョーがビルのコンピューターにも問い合わせ、二人の共通の先祖にカール=ロベルト=ハインラインという名前がある事も確認したそうだ。

 

「なんだかおかしいですね。 あんなひ弱な子の子孫に、あんな強い人たちが生まれるなんて」

 

「遺伝子なんて、いい加減なものだ」

 

「同感です」

 

ジョーに聞いたのだが、川背が寝ている間に、どうしてフィールド探索者や魔術師がいないのか、聞いてみたりもしたそうだ。

 

だが、答えはどうしてか聞き取れなかった。多分、タイムパラドックスという奴では無いかと、ジョーは言う。確かに、全部聞くことが出来ていたら、未来が簡単に変わってしまう。

 

しかし、そんな力が働いていると言うことは、未来は変えられないのだろうか。

 

「いや、そうとも限らない。 未来は多くの可能性の先にあるものだ。 我らは、起こりうる何か恐ろしい災厄のことを知った。 だから、変えられるかも知れん」

 

頷く。

 

怪我が治ったら、まず先輩の所へ行こう。

 

そしてアトランティスで取れた素材を料理して、みんなで美味しく食べて、それから今回の件と、起こりうる災いについて話そう。

 

そう、川背は思った。

 

 

 

27世紀。統合政府の巨大なビル、その最上階。

 

闇の中、三つの影がたたずんでいた。

 

いずれも27世紀の地球を支配する、権力者達。元老院のメンツである。歴史上でも名高い賢者や皇帝の遺品からDNAを解析して作り出されたクローンだが、その圧倒的な知性は今まで地球を繁栄に導き続けていた。

 

その頭部はコードで三人ともつながっている。

 

三重平行して思考を行うため、さらには知識を補い合うための工夫である。

 

元老院以外入る事が許されない部屋のドアが、勢いよく開いた。

 

其処には、全身血みどろのビルが立っていた。後ろには、統合政府を守るロボットの残骸が、点々としている。

 

「ほう。 英雄殿が、何の用かね」

 

「ふざけるなよ、事の元凶っ!」

 

三人同時に振り返る元老院。ビルは、チップを突きつける。

 

「これはエイリアンどもが持っていたものだ。 話して貰おうか、真相を」

 

「ふむ、君達に協力した正体不明の勢力がいたと聞いているが、その入れ知恵か」

 

「そうだ。 だが、前からおかしいとは思っていたがな」

 

そもそも、どうしてエイリアンは、地球に適応した姿をして、兵器も地球のものににたものばかりを持っていたのか。

 

それも、エイリアンの技術で異常改造されたという話だったが、どれも調べてみると、極めて古い時代の兵器にそっくりであったのだ。おかしいのはそれだけでは無い。エイリアンの組織名は、まるで人間が考えたようなものだ。それに、最後まで、エイリアンが何の目的で攻めてきているのか、さっぱり分からなかった。

 

領土が欲しいにしても、資源が欲しいにしても、彼らの行動はあまりにも不可解だった。

 

「それだけじゃあない。 確か少し前に、エイリアンの力を利用しようとした科学者がいたな。 そんな技術が、どこから提供された!」

 

「さあてな。 我らは知らんよ」

 

「嘘を言うなよ化け物! 全ては貴様らが、裏で糸を引き、そして操っていた! あのエイリアンどもは、おそらく貴様らが作り上げた……」

 

「いいではないか、彼は本物の英雄だ。 話してやろう。 我らが力の実験を兼ねて戯れに過去に送り込んだ抹殺部隊さえ、その存在を消すことは出来なかったのだ。 聞く権利はあるだろう」

 

ビルの言葉を遮ると、元老の一人が言う。

 

27世紀、地球はあまりにも平和に爛熟しすぎた。いくつもの惑星に足を進めた人類だが、その全体的な低迷は目を覆うばかり。腐敗した文化、堕落した民衆、弱体化した軍隊。かの大破壊の悲劇を、これでは教訓に出来ない。そればかりか、こんな有様では、いずれ世界は人類を淘汰してしまうだろう。

 

そんなとき、見つけたのだ。

 

木星に。神の卵を。

 

「モイライと我らが呼ぶそれは、大いなる進化を促す秘宝であったのだ。 かって、世界に存在した謎の存在が残した究極の宝といっても良い。 だが、それを使っても、既に人類はどうしようも無いところまで堕落していた」

 

だから、戦争を起こした。

 

モイライの力で実験的に作り出した生物兵器と、もう古すぎて使い物にならない旧型兵器を組み合わせて、「侵略用」の組織をつくった。それが、レッドファルコン。そして、奴らを潰して民衆の英雄となる者が必要だった。それが、魂斗羅。

 

この戦役は、平和に堕落しきった人間を、たたき直すために元老院が起こした物だったのだ。テロリストに、データを部分的に流すことさえもした。

 

全ては、出来レースだったのである。

 

「そうか、俺とランスを、ずっと手のひらで転がしていたんだな」

 

「おうよ。 だが、それも必要な犠牲であったのだ」

 

「あれだけの罪なき民を殺しておいて、何が必要な犠牲だ!」

 

「まだまだ、あれしきは序の口だ。 次は磁力兵器を暴走させて、人類を五分の一くらいにしようと思っていたが、気づいた者がいるのならまあいいだろう。 人類は進化しなければならん! そのための礎になる光栄なる任務を、君に与えようでは無いか!」

 

元老院は、なおも言う。

 

犠牲には、我らもその身を捧げていると。モイライの実験台として、最初に使ったのは、元老院の家族だった者達だという。

 

狂っていると、ビルは吐き捨てた。

 

使命感が暴走したあげく、凶行に落ちた怪物。それが、今人類の頂点に立つ者達だったのだ。

 

元老院達の感情無き目は、ビルを見つめていた。

 

どうしてか。その口調は、妙に優しく思えた。

 

「仮に我らが負けても、君は既に人間を超越している。 過去の因果を断ち切ろうとしてさえなおも存在している超人。 かって君臨した能力者や魔術師達の再来と表現しても良い者だ。 勝った方が、人類を導けば良い。 既にその準備もしておいたよ。 まあ、君の勝率は、一割も無いがな!」

 

元老院達の姿が、ふくれあがる。

 

或いは蛙のように。或いはクラゲのように。そして、銀色の、人間のような、そうではないような姿に。

 

「さあ、一割も無い勝率に、もがくがいい!」

 

「いいや、勝率は100%だ」

 

部屋に、あり得ないはずの影が現れる。

 

それは。

 

ランス。ビルと同じように満身創痍で、だが不敵な笑みを浮かべていた。

 

「ランス! どうしてきた!」

 

「俺も、何処かがおかしいことは分かってたんだよ。 それに、おまえが死ぬ気だって事もな。 分かってたよ、俺のために時々気を遣ってくれてる事は。 だけどな、俺もいつまでもバカじゃねえ。 それに最高のダチが体張ってるんだ。 俺にも手伝わせろ!」

 

「ランス……! バカだな。 だが、嬉しいぞ!」

 

二人、銃を構える。

 

これで、魂斗羅が、二人揃った。どんな相手にだって、勝てる。

 

たとえ相手が、神だろうと。

 

「面白い。 我ら超越者が全て相まみえるか」

 

「来るがいい! そして未来を掴んで見せろ! 魂斗羅っ!」

 

「モイライの解析は完璧では無いとは言え、我らは今や亜神である! その力超えたとき、人類の進化も見えよう! これは愉快! 勝っても負けても、人類の未来は開けているではないか! もはや絶望は無い! 希望だけがある!」

 

部屋が、異空間へと変貌していく。

 

ビルはランスと頷きあう。

 

そして、神を気取る狂気の権力者に、雄叫びと共に弾丸をたたきつけた。

 

 

 

(続)




パートナーに死なれる魂斗羅の話を、自分なりにアレンジした展開がこの結末となります。

まだまだスペランカー達の前には、様々な邪神とそれが巻き起こす困難が立ちふさがり続けます。
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