オールドアクションゲーム二次創作 作:dwwyakata@2024
北極近く。
一つの小さな島が、通信途絶した。島にあった集落には三百名ほどの人間がいたが、生存は絶望的だった。
最後に来た通信は、氷が、氷がというものである。流氷の季節では無く、その異常な通信は、軍を出動させるには充分だった。
そして、出動した軍部隊は、見ることになる。
島が、丸ごと巨大な氷の塊になっているという、異常すぎる光景を。
即座に島はフィールド認定された。
此処を攻略するには、それこそ氷を登るものが必要不可欠だろう。そんな冗談を、兵士が引きつった顔で言った。
A国の片隅にある、古びた洋館。その中にある、寂れた書斎で、雇い主は待っていた。シックなマホガニーの机の上で指を組んだ雇い主は、光が当たっていないため、顔がよく見えない。
影が雇い主の所に到着すると、彼は冷笑で出迎えた。
「ほう。 ハリーのような三下相手に、随分手こずったようだな」
「その認識は間違っている。 あの男、以前は三下だったかも知れないが、今はそこそこに出来る」
「そうかそうか。 まあお前からしたらそうだろうな」
屈辱的な物言いだが、残念ながら影では此奴に勝てない。絶対的な力の差が、両者の間にはある。
男の名は、K。
闇世界最大の顔役にして、あのMのライバルである。
今回は、Kの依頼で、邪神の情報を収集することが、影の目的だった。そして最終的に、邪神を暴走させるデータを、可能な限り集める必要があった。
だから、ハリーを食い止めなければならなかったのだ。
もしも奴が現場に辿り着いていたら。データの収集が不十分のまま、シュブ=ニグラスが倒されていたかも知れない。
「相変わらずスペランカーの奴はたいしたものだ。 Mがいやがるだけのことはある」
「俺が今回依頼を受けたのは、あんたの言う事が間違っていないと考えたからだ。 それを忘れるな」
「ふん、邪神の跳梁跋扈を喜ばないのは、俺たちも同じ事というやつか」
Kから聞かされたことだが、どうもおかしな勢力が、最近世界の闇に蠢いている。
世界征服をストレートに狙うKらとは、どうも趣が違うらしい。政府などに手の者を滑り込ませ、妙な動きをしては、邪神の覚醒や討伐に関わっているらしいのだ。
今回の任務には、その謎の組織がかなり色濃く関わっていた。
それだけではない。少し前の、ニャームコ島での出来事でも、同じ連中の関与が認められたらしい。
金貨の袋を放り出される。今時古典的だが、これがKのやり方らしい。
「報酬だ」
「確かに受け取った」
「また、すぐに仕事が来る可能性がある。 準備しておけ」
「……」
屋敷をあとにする。
恐らく、北極近くでフィールドが出現した件だろう。
影は加速度的に悪くなっているような気がする状況に、一抹の不満を覚えた。
何か、とてつもない災厄が、近づいている気がしてならなかった。
(続)
如何だったでしょうか。
本作で扱った問題は、結構重いものです。
何か心に残れば幸いです。