水着キサキガチャ無紫天井で心が折れてから書き始めました
ベアトリーチェは顔を地に着けて呻いていた。部屋には酷い硝煙の匂いが漂う。"焔"で身体の所々が貫通し、鉄の匂いも充満している。
「呪霊換算で言えば特級だよ、お前は」
「ぐっ……この……!」
ベアトリーチェが起きあがろうとするのを見て俺は頭を踏みつける。こいつを跪かせても何の面白みもない。俺が力を入れれば奴が必死になってもぴくりとも動きやしない。
「能力も俺より格が高い。俺の実力は精々一級呪霊を一人で倒せるぐらいなのにな」
「何が……言いたい!」
あれだけの力を持ちながら雑に振るうこと以外に能がない。儀式が不完全でも並の特級呪霊より強いはずなのに大して恐怖を感じない。正直言って見てて腹が立つ。今までの所業と力の扱いの雑さにだ。
「お前は碌に鍛錬も積めてないんだよ。怪人化にエネルギーを圧縮した高威力のレーザー……何でそんなの持ってて俺にまるで歯が立たないのさ。自分の能力への解釈がまるで出来てない」
「なんだと……!?」
呪術師の中でも術式を持って生まれたものは5歳ごろにそれを知覚する。呪術師の道へ進んだものは一生をかけてそれと向き合う。センスの差はあれどやがて本人なりに最適化されていくものだ。
だというのにこいつはまるでそれが出来ていない。碌に苦戦したこともないのだろう。井の中の蛙、宝の持ち腐れとも言える。
「舐めるなよ……小僧!」
俺が指摘している間に力を溜めていたのか、顔からのレーザーを噴射しその勢いで俺の足置きを払いのける。
すぐさま顔を俺の方に向けてレーザーのチャージを開始する。全開であれば当たったらタダでは済まない。
「ああ、そうだ。火葬の予約だが……アレは嘘だ」
「今更何を言っている。勝利の余韻に浸りベラベラと喋って逆転されるマヌ……げぇええっ!?」
「チャージ中に攻撃されないと思ったか?マヌケ」
ベアトリーチェは逆転したと思っているようだが、如何せんチャージが遅い。蹴りを入れる余裕は充分にある。前とは違って刀は無くなっても体調は万全。油断や慢心はないつもりだ。
「お前を仕留めるのは俺がやりたかったが……ゴルコンダ。準備は出来たのか?」
「ええ、あなたが時間を稼いでくれたお陰で使えます。危ないのでそこから離れてください」
「了解」
そもそも奴を仕留めるのは俺の役割じゃない。俺の役割は時間を稼ぐことだ。ベアトリーチェはまだゲマトリアから見て利用価値があった。色彩に唯一接触した彼女は対策を立てる上で有効に働く可能性がある。色彩がどれほどのものかは知らないが、世界を危機に晒すものから守れるのであれば確かに生かす価値はある。
だが、実際はどうだ。俺と先生を憎むのはまだいいが、その為に破滅思考に目覚めたのであればタチが悪い。何の罪もない人々を巻き込んで心中などあり得ない。
「こ、これは……!?」
ベアトリーチェの周りに亜空間の入り口と思われる穴が開く。その穴は開いた途端にベアトリーチェを凄まじい力で引き寄せる。呪術の結界術とは違い、あれは本当に異界の類だろう。
引き寄せられているのに気づいたベアトリーチェは会議に使用していた机を掴む。引力が無くなるまで凌ぎ、反撃のチャンスを窺うつもりだろう。もっとも、その機会は永遠に訪れることはない。
「ふ、ふざ……ける……な……!私は……!私は……シャーレの先生と火野浩介……貴様らを殺してこの地に君臨し大人としての責務を────」
バァン!バァン!バァン!
「はた……さ────」
机を掴んでいた手、金切り声を上げる口、額に"焔"がヒットする。銃弾がベアトリーチェを貫いた事でいよいよ机を掴む力さえ無くしてしまう。無気力に穴へ吸い込まれる。
穴はベアトリーチェを完全に収容したら小さくなっていく。それと共にベアトリーチェは遠く離れていく。何とか抜け出そうと彼女は手を伸ばすが無情にも穴は完全に塞がる。
「終わりましたね。浩介さんお疲れ様です」
「本来なら我らでやるべきことであったが貴殿に任せることになってしまった。すまない」
「仕方がないことです。我々では到底マダムには敵いませんので」
「そういうこったぁ!!」
ベアトリーチェの始末を終えたことを確認したゲマトリアの面々は俺に礼を述べる。俺が戦っていたがぶっちゃけこいつらの技術力を結集すればどうとでもなりそうだけどな。
「……そうだな」
俺の攻撃で死に至ったのかはわからない。それでもキヴォトスに来て初めて人に手をかけることに加担したのは事実。彼等の礼も素直に受け取れない。
彼女がさっきまでいた場所に視線を移し、黙祷する。どんな外道であれ命を絶ったのであればそれを背負う。きっと俺は碌な死に方はしないだろう。
「……意外ですね。毎回やっているのですか?」
「意外とは心外だな。今のところは毎回やってるよ。これが最後、そう願ったのにまたこれか……」
俺が黙祷したのを見て黒服は意外だと思ったらしい。こいつは俺を何だと思ってるんだか。
「……失礼しました。本題に入りましょう」
「色彩か……どのような手を打ってくるのかまるで想像がつかん」
「色彩そのものはともかく司祭の方は何かしら動いてくるでしょうね。こちらの戦力を今一度確認しましょう」
「そういうこったぁ!」
黒服も流石に申し訳ないと思ったのか目玉にあたる部分が少し歪み、非礼を詫びた。初めて見たな。あいつに申し訳なく思う気持ちなんてあったのか意外だ。これを口にしたらあいつも心外です、なんて返してきそうだ。
「そういえばアビドスに眠るオーパーツはカイザーに渡ってもいいのでしょうか?」
「問題ないでしょう。プレジデントではどう足掻いてもあれを制御など出来ません。我々の目的を優先しましょう」
「聖徒の交わりは1期、アンブロジウスは失敗作……ヒエロニムスはともかくグレゴリオは浩介に協力してもらえれば完成しそうなのだが……間に合うかは不明だ」
「なにさらっと俺の協力が前提なんだよ。ていうか怪談の無限図書館はどうなった?」
「まだ始まったばかりです。アミューズパークのマジシャンも……まだ時間が必要そうですね」
俺はベアトリーチェが立っていた場所に移り、会議を進める。さらっと言ってるけどマエストロさんや、俺になにをさせようとしてるんや。俺としては怪談の無限図書館は気になってるし使ってみたいけど……ダメそうだ。
「ミメシスでユスティナ聖徒会、アンブロジウス、ヒエロニムスは戦力として使えるだろ。特にユスティナは無限湧きがあるじゃん。数で押せないか?」
「無駄ではないでしょうが大きな期待はしない方がいいかと。相手を考えればあなたの補助が精一杯でしょう」
「デカグラマトンの預言者は"理解者"のビナー、"審判者"のケセド、"栄光"のホドの力を確保しています。大いに役に立つかと」
色々と話を聞いてみてもやっぱりこいつらは危険すぎる。化け物には化け物をぶつけんだよ、という気持ちで運用することになるが今回の件が終わったらガチで先生に情報を横流しした方がよさそうだ。
「忍び寄ってくる色彩、復活目前の無名の司祭……どちらにせよ備えなくてはなりません」
「……。キヴォトス中の数多の神秘が消えゆくのですね」
「何言ってやがる。一人も死なせてたまるか」
「だが……間違いなく被害を軽微には出来んだろう。嘆かわしいことだ」
こいつらはあくまで生徒達を研究対象としか見ていないのだろう。悲観しているが人としてではなく求道者として悲観しているにすぎない。俺とてある程度の犠牲は出てしまうだろうと思っている。
黒服はその明滅をも私たちの探究であったとしましょう、なんて言って本当に残念そうだ。
ゾワッ
「「「「「!!」」」」」
突如として背筋にぞわりとしたものが走る。俺だけでなく他の4人も感じ取ったらしい。大きな恐怖がすぐそこまで迫っていると。
力を感じる方向に視線を向ければ空間に亀裂が入り、穴が徐々に広がっていく。その穴はやがて人が倒れるほどの大きさになる。先程のベアトリーチェを放逐するのに使ったものとは違う。
少しすれば人が近づいてきてるのがわかった。空間の亀裂からふわりと出てきてゆっくりと着地する。長い銀色の髪、まるで喪服のような黒いドレスを身に纏った女性が現れる。
「……驚いたな。しばらく見ない間に色っぽくなったんじゃねえか?
──砂狼シロコ」
スレ民は浩介をどう思うんでしょうね?
更新時間はいつが良いでしょうか?
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22時〜0時ごろ
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7時ごろ
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19時ごろ