呪いは廻り、神秘は透き通る   作:ソックス

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段々文章が短くなってきたな……
ところで最近体操服ユウカが欲しいボスばかり来ますね
復刻してからやってくれよ……


21 美食研究会と補習授業部

「くそっ!探してたら夜になったなっ!クソッタレぇ!」

 

 俺は術式を使用して飛んで目的のものを探していた。言うまでもなく美食研究会のことである。愛清先輩誘拐と給食部の車の奪取というあまりにも目に余る行為を許すわけにはいかない。

 

 牛牧さんが泣いてしまったため俺は激怒した。必ずかの邪智暴虐の部活を倒さねばならぬと決意した。俺には美食はわからぬ。俺はただの呪術師である。火を噴き、呪霊を祓って暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍敏感であった。

 

「っ!!見つけた!!……トリニティの子もいるな。何故?」

 

 上空で辺りを見渡せば目的のものは見つかった。黄色い軽トラのような給食部用車両に愛清先輩と美食研究会が道路を爆走していた。当然の如く風紀委員が追跡している。

 しかし、気になるのはそれに2人乗りバイクが着いてきている事だ。風紀委員に狙われていることから美食研究会側と思われる。問題は運転していない狙撃手の服装がトリニティの正義実現委員会であることだ。

 

「……抵抗したら倒せばいっか」

 

 深く考えるのはやめた。あくまで俺の目的は愛清先輩とあわよくば給食部車両の奪い返しだ。それを阻むなら倒せばいい。

 

 俺は術式の出力を全開にし目的の場所へ一気に飛び込む。今は最短最速最高率を目指すのみ。

 

「見つけたぞぉ!美食研究会ィィィッ!」

 

 思わず大声で叫んでしまう。愛清先輩の誘拐もこれで何度目かわからない。3回を超えたあたりから数えるのはやめた。

 着地後は呪力を前回にして走り出す。車両に少しでも距離を詰めないと術式も弾丸も当てられない。

 

「ひぃっ!?な、なによコイツ!?」

「こ、浩介さん!?」

 

 派手に登場したためか、トリニティの子達はドン引きしていた。1人はピンク髪で背中と頭部に小さい羽が生えていた。もう1人は見覚えのある人物だった。向こうも覚えているようだ。

 

「久しぶりだな、阿慈谷さん。……美食研究会と組んでゲヘナを荒らしに来たのか?流石ファウストだな」

 

「私達はただ試験を受けに来ただけなんですうぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

「うるさっ!トリニティの生徒がゲヘナで試験?んなわけあるか?」

 

 覆面水着団の首領ファウスト改め阿慈谷さんに冗談混ざりに問いかけてみたら思ったよりも怒った感じで言い返してきた。言い分として飛び出してきたのは試験を受けにきたとのこと。ゲヘナでトリニティの生徒が試験を受けるなんて妙な話だ。どんなマイナーな資格試験だろうか。

 

「ふふふ、浩介さん。ご機嫌よう。派手な登場ですわね」

「いやー、王子様登場!って感じですね⭐︎フウカさん」

「車はいいからもう降ろしてえええ!!」

 

 今回の主犯と被害者もこちらに話しかけてきた。優雅に対応してくるあたりが腹立つ。黒舘先輩は面もいいから様になる分余計にダメ。

 その隣で金髪の女性、鰐渕先輩が妖しい笑みを浮かべて見つめていた。捕食者のようで背筋がゾワっとする。

 

「すごーい!あれジュンコより早くない!?」

「なんで車に追いつきそうなのよ!?あいつは時速何キロ出してるのよ!?」

「こっちは時速60キロです。まあ流石に少しずつ離してるので彼は時速50キロってところでしょうか?最初の着地とロケットダッシュで意外と詰められたけど結局は逃げきれそうです」

 

 残りのメンバーもこっちに視線を向ける。化け物を見る目で見られているがこの際どうでもいい。全員倒して早く愛清先輩を救出したい。

 

「や、やあ浩介……この間の当番ぶり」

「え……?先生……?」

 

 ただし、想定外が1人。まさかのシャーレの先生が乗り込んでいたのだ。なんだか気まずそうにしている。無理もない。

 

 だが、俺にとっては別の側面で問題が発生していた。

 

(着地の時は思いっきり術式を使用してた……これって俺がホムラってバレるんじゃ?)

 

 その問題はホムラとしての活動に支障が出ること。先生には以前の治療の時になんだかんだ言ってやりたい事があると言って暈したままだ。いつかは味方するかも、という風に見えるがそのいつかは今ではない。つまりまだ敵同士のはずだ。

 

(こうなったら炎は使わずに呪力のゴリ押しでなんとか誤魔化すしかねえ……。いざとなったら未完成なアレを使うか)

 

「まずは近づいて打撃で倒すか……そのためには〜……おっ!」

 

 俺は倒す算段を立てるために周りを見渡す。何か使えるものはないか探すためだ。術式の使用に制限がかかるなら使えるものは全部使うしかない。

 そこで見つけたのは彼女達を追跡する風紀委員の車だ。恐らくは美食研究会を追跡していたのだろう。

 まずは足を確保したい。流石に車を走って追いかけ続けながら闘うなんて無理だ。

 

「ごめんね、ちょっと揺れるよ〜」

 

 ドンっ!

 

「わっ、わわっ!?な、なにが?」

 

 そうと決まれば善は急げ。風紀委員の車の屋上に飛び乗る。いきなり俺が飛び乗ったので車体は少し揺れて風紀委員の子が慌てながらもなんとかハンドリングする。

 申し訳ないなーなんて思いながら風紀委員の子が誰なのかを見るとこれまた見知った顔だ。段々同窓会のような場になってきた。あまりにも物騒で迷惑だが。

 

「すまないけど車体を奴らに近づけてくれ。俺が全員制圧するから。よろしく火宮さん」

「は、はぁ!?いきなり登場したあげく飛び乗ってきて何を言ってるんですか!?浩介くん!?」

「火宮さん。ほら、撃ってきたよ。頑張れ頑張れ」

「くっ!?」

 

 車体が落ち着いたのを見て目標を指差し、近づけて欲しいと頼み込む。最近、火宮さんとは何かと縁がある。

 彼女は中々のハンドル捌きで可能な限り銃弾による車体のダメージを減らしていた。防弾装備ゆえか多少なら無茶しても問題なさそうである。

 

「迷惑をかけてすまない。後で埋め合わせとしてデザートでも奢らせてくれ」

「女の子がデザートで釣れるなんて思わないでください。……私が欲しい本1冊と駅前の喫茶店のショートケーキ1つでお願いします」

「遠慮なしの強欲でいいね。冷たいコーヒーもつけようか?」

「サービス精神旺盛でよろしい」

「じゃあこれで決まりだな。では、また後日」

 

 火宮さんの機嫌を取ろうとデザートの奢りをチラつかせる。本人は少し不服そうだったが、何を思ったのか本も追加してと要求される。財布が軽くなりそうだ。バイト増やすか。

 

 

 

「デートのお誘いは済ませましたか?」

「うーん、どっちかって言うとナンパかな?」

「……随分とやり手ですね」

 

 黒舘先輩が揶揄ってくる。俺は適当な返しをしたつもりだが、当の煽った本人は目をまん丸として驚いていた。

 自分でも臭いセリフだとは思う。だがやり手ってなんだ。俺はそんな軽薄ではないぞ。

 

「……対象の鎮圧を開始しますっ!!」

 

 不機嫌になった火宮さんはいつもより言葉の雰囲気が荒い。これは当日が怖い。謝り倒すしかなさそうだ。




他の美食メンバーが上手く表現出来ん……
特にアカリ……

更新時間はいつが良いでしょうか?

  • 22時〜0時ごろ
  • 7時ごろ
  • 19時ごろ
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