呪いは廻り、神秘は透き通る   作:ソックス

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シロクロ、insaneはヌルゲーだけどtormentが本当にきつい
それはそうとポイントが1000超えました!!
やったぜ
評価も感想も沢山もらえるように頑張るぞー!
色々と大変だろうけども……


22 美食研究会と補習授業部②

「流石に戦力差あり過ぎたか?」

「くっ……!」

 

 俺と火宮さんは絶賛苦戦中だ。火宮さんが運転する車も頑丈とはいえかなりダメージが入ってしまった。煙を出さないだけ優秀というべきか。

 原因は手数の差だった。美食からは赤司さん、獅子堂先輩、黒舘先輩、トリニティからはピンク髪の正義実現委員会の子の計4人を車の上から拳銃一本で倒すのはやっぱり無理だ。

 

「それに……」

 

 バァン!

 

「あわわっ!!とっと……」

「ヒフミナイス!」

 

 俺がバイクを狙っても阿慈谷さんは綺麗に避けるのだ。慌ててる雰囲気こそ感じさせるがその実、正確無比な回避をしている。ミラーで俺をよく見て予測しているみたいだ。なんでそんな変態技が出来るの?爆発すら避け切るから手が出せない。

 

「あのトリニティの人……恐ろしい運転テクニックですね」

「まさか阿慈谷さんがあそこまで出来るとはなあ……。一番の誤算だよ。まずはトリニティの方から潰して手数を減らしたかったのにそれが出来ないんだもん」

 

 同じような事を火宮さんは思っていたようである。発砲も爆弾も全部躱わす姿は見習いたいものだ。それを正義実現委員会でないであろう生徒がやるものだから風紀委員会としては面白くはないだろう。俺もそう思う。

 正直に言うと術式ありでも厳しい。炎なので車を爆発させてしまいかねず、そうなれば先生まで吹き飛ばしてしまう。近くに潜り込めればインファイトで仕留められる自信はある。出来ないことに目を瞑ればいい作戦はそこそこ浮かぶ。

 

「このヤロー!!私は最近まともな食にありつけてないんじゃ〜っ!!」

「ジュンコ……そんな薄い身体に……先生が全部終わったら腹一杯食べさせてあげる」

「あ、ジュンコずるーい!私もご馳走にあやかりたい!」

 

 向こうに至っては軽口を叩く余裕すらあるようだ。赤司さんに至っては八つ当たりに過ぎない。2丁のARを乱雑に撃たれるだけでこっちの被害は大きくなっていく。

 

「ふふっ、させませんわ。浩介さん」

「こんのリア充め!」

 

 反撃しようにも2人のスナイパーがこちらが動けないように威嚇射撃をする始末。俺も簡単に攻撃は出来ない。

 

「ちっ、2人揃って嫌らしい狙いをつけやがって」

 

 思わず俺は悪態をつく。その言葉を聞いてピンク髪の子が身体をワナワナと震わせていた。どうしたというのか。

 

「い、嫌らしい……!?」

「コ、コハルちゃん?」

 

(……何に反応してんだ?あのコハルという子は?)

 

 なんだか嫌な予感がする。何か地雷を踏んでしまったのだろうか。

 

 

 

「エッチなのは駄目!流刑!」

 

「なんで!?」

「は、はぁ……?」

 

 突如として大声で流刑なんて言い渡してきたのだ。どういうことなの?

 

「あはは……彼はそんなに悪い人ではありませんよ。前にスケバンに追われてた私を……その……お姫様抱っこで救い出してくれたので……」

「あ〜あったね。私も見たな。その場面。初めて2人を見た時は付き合ってるのかと思ったよ」

 

 落ち着かせようとしたのか前に俺がお姫様抱っこでスケバンから逃げ出した時の事を話す。先生は余計なことを言わんでいい。

 

「「お姫様抱っこ……!?」」

 

 そして今度はコハルという子と火宮さんが過剰に反応する。なんで火宮さんが反応するんですか?

 

「あー!浩介くん浮気してる!!」

「おいこら。人聞きの悪いこと言わない。俺はまだ誰とも付き合ってないし2人にそういうことをしたつもりはない」

「ほう……なかなかのプレイボーイですね」

「「うわぁ……」」

 

 美食研究会の面々は浮気と責め立ててきた。あまりにも言いがかりが酷くないだろうか。確かに阿慈谷さんをお姫様抱っこするのはいい体験だったけども!赤司さんと鰐渕先輩に至ってはドン引きしている。

 

「……浩介」

「なんすか先生」

 

 カーチェイスどころではない騒ぎに今度は先生も乗り出してきた。この人は銀行強盗の時にたい焼き屋の袋に6と書いて覆面に見立てたあげく角みたいな装飾をつけてウルト⚪︎No.6とか言ってきた人だ。嫌な予感しかない。

 何を言うのか警戒していたら親指をサムズアップさせて舌を出してウインクしてきた。どこぞの飴のマスコットキャラクターを彷彿とさせる。

 

「ドンマイ!」

「ぶっとばすぞ」

 

 もうこの人は死ななきゃそれでいいか。

 

 今のやり取りで派手な手段を控えた自分がバカらしくなってきた。もう術式の使用場面が先生に見られさえしなければそれでいい。他の人には限りなく高度な対応で誤魔化そう。

 

「火宮さん。この車、一気に押し出すんで美食の車に突っ込んでください。先生は俺が救出する」

「りょ、了解。……押し出すって一体」

 

 俺は言うだけ言って車の後ろに出る。片手で車を持ち、もう片方の手からは炎を勢いよく噴射する。自分が飛ぶ時と同じ要領で車を押し出して、対象に激突させてしまえばいいのだ。

 ロケットブーストをしてから火宮さんの運転する車はあり得ない速度を出し始める。俺の術式による炎の噴射という正規の速度の出し方ではないためか車体は大きく揺れる。

 

「うっ、ぐぐぐっ!もう一冊追加です!」

「毎度!」

 

 火宮さんは突然の急加速に対応し、報酬の本の追加まで要求する。なんだかんだ余裕がありそうだ。俺の財布の余裕は無くなってしまったが。衝突時に飛び出せるように準備する。

 

「……え?浩介?マジで?」

「フウカ!!」

「あらら〜全員衝撃に備えてください」

 

 加速は充分ですぐに美食の車に激突。喧しい警告音を鳴らしながら、美食の車もとい給食部の車は風紀委員の車にぶつかりガードレールに叩きつけられた。ガードレールは思いっきり曲がり、勢いを吸収したようである。

 先生は愛清先輩に覆い被さり守り抜いてくれた。周りにはバリアのようなものが出ており無事なようである。既に飛び出した俺はそれを確認したらすぐに美食研究会の人達に視線を向ける。

 

「はぁ〜い、美食研究会の皆様〜」

「あんたねえ!いくらなんでも危ないでしょっ……ぶっ!?」

「お前らも少しお痛が過ぎたな」

 

「ぐっ!?」

「あだっ!?」

「ぐふっ!?」

 

「こ、浩介……う、うわあ……。皆んな倒された」

 

 美食の近くに立った俺はすぐさま拳を振り下ろし赤司さんを気絶させる。それに続いて残りのメンバーにも拳を叩き込む。先生はその様子を見てドン引きしていた。

 倒しこそしたが放っておけばすぐに復活はするだろう。今はこの隙に拘束するのみだ。

 

「浩介くん!これで縛ってください」

「はいよ。ところであのトリニティの子達はいいの?こっちに撃ってきてたけど」

 

 俺が制圧したのに続いて火宮さんは縄を持ってきており、手際よく拘束していく。俺も手伝うこととなり2人ずつ縛ることになった。

 ただ、気になることもある。トリニティの2人組はスルーするのだろうか。これは他地区の生徒とのトラブルだ。それもゲヘナとは水と油なトリニティの生徒だ。

 

「心配には及びません。あちらをご覧ください」

 

 だが、それも心配ないらしい。どういう事だろうかと火宮さんが指差した方向を見ると既にバリケードを作っていた風紀委員が止めていた。

 

「離せ!やらないといけないことがあるの!!」

「大人しくしろ!」

 

 見てみればコハルという子が風紀委員に拘束されながらも抵抗していた。こうなると流石に訓練された人でも無力だろう。

 

「挟み撃ちにしてたのね。それならここまでしなくてもよかったかも……」

「いえ、美食研究会はあの程度だと突破してしまうでしょう。そこにあのトリニティ生まで居たのですからここで4人を止められたのは大きいです」

「そうか、ならよかった。……よし、全員縄で縛ったぞ」

 

 火宮さんと話しながら縛り、逃げられないようにする。早くしないと起き上がって反撃されてしまうから迅速に締めなくてはならないが上手くいった。

 

「さて、愛清先輩だいじょう……oh……」

 

 美食を締め上げた後に先生が守ってくれた愛清先輩に声をかける。何とか助け出せたが車は完全に終わってしまっていた。だからなのか今の愛清先輩は物凄いオーラを醸し出していた。

 

「攫われて戦いになった挙句新車を壊されるなんて……グスン……」

 

 泣いていたのだ。無理もない。誘拐され車を奪われこの結末は誰だって堪える。

 

 

 

「あ〜……その……なんだ……すいませんでした」

 

 

 掛ける言葉など見つからなかった……。




美食研究会、コハル、ヒフミ、先生の7名捕獲

華々しく散った風紀委員会の戦闘車両、給食部の車に敬礼!

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