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「で、どうするよ。火宮さん」
「無論全員連行です。これほどの騒ぎになっていますので」
「だってよ。トリニティのお二人さん、弁明するなら今のうちだと思う」
俺と火宮さんは美食研究会拘束後、トリニティの生徒の前に立つ。今の俺たちは彼女から見たら悪魔そのものだろう。悪いことしてるようで申し訳ない。
ただし美食研究会、テメーらは駄目だ。コハルという子の言葉を借りるなら、誘拐するのはダメ!流刑!
「うっ、うぅ……」
「そ、そんな顔して泣かないでくれ……」
「コハルちゃん……」
コハルという子は凄く悔しそうにこちらを見ながら泣いていた。その姿はゲヘナを荒そうなんて気持ちはこれっぽちもないだろうことはよく伝わる。
そもそもゲヘナ自治区はトリニティよりもゲヘナ生の方が余程荒らす。風紀委員会の苦労っぷりでよくわかっていることだ。この衝突もきっと何かの掛け違いなのではないかと思えてきた。
「そういや、テストがどうの言ってたけどあれを詳しく説明してくれない?」
まずは事情が知りたい。そう思ってまずは阿慈谷さんが言ってたテストという単語から切り込んでみた。
「事情は私が説明してもいいかな?」
「助かります」
そこに先生が説明を買って出てくれた。どうやら今回はトリニティの子達についているらしい。当番の時に言っていたトリニティの用事のことだろう。
そこからは先生が彼女達の正体と目的、および現状を話してくれた。
・彼女達は成績不振、サボタージュ等の理由で進級の危機に陥った"補修授業部"とのこと。
・今は2回目の追試で会場がトリニティの生徒会組織であるティーパーティーのホストからゲヘナの廃墟に指定されたとのこと。
・現在はその会場に向かってて開始時間があと少しとのこと。
・補習授業部のメンバーは4名
可哀想だが自業自得な面もあり庇い切るのは難しそうだ。というかサボタージュってまさか阿慈谷さんだろうか。ブラックマーケットにいた時はコソコソとしていたのでついそう思ってしまう。
しかし、よくよく考えてみればその可能性は低いだろう。サボタージュするやつはそもそも補修にだって参加せずにそのまま落第するだろう。この場にいない2名がそれのはずだ。
それと、先生の言ってる事は恐らく本当だろう。シャーレの先生がトリニティ贔屓で嘘を言うとは思えない。アビドスのためにあれだけ頑張れる人がそんなことするわけないのはよくわかっているつもりだ。
問題は……。
「そんな事情知ったことか!」
「今すぐトリニティに送り返してやる!」
「あれだけ暴れておいて……」
火宮さんを除く風紀委員会の子達だ。彼女達もやっている仕事のことを考えれば悪くはない。融通を効かせられるならよかったが、トリニティとゲヘナの関係性を考えるとそうはいかない。送り返すなんて言うだけまだ有情な方だ。
「……彼女達にチャンスを与えて欲しいんだ。この通りだから」
先生はどうしようもないからか只管に謝り倒すという手段を取る。深々と頭を下げて乞い願う。先生の矜持が見捨てることを許さないのだろう。
その姿を見て俺の腹は決まった。
「俺からもお願いしてもいいかな?不安なら見張りをつけて送ればいいだろうしさ」
「浩介……」
「浩介さん……」
俺も頭を下げてお願いする方に回る。風紀委員会からの反応が怖いが今はそんなことはどうでもいい。
「……ど、どうしよう?」
「一度相談した方が……」
「トリニティ側の口八丁かも……」
結果としては揺れてこそいるがまだ拘束の方に傾きそうだ。揺れているということは少しでも哀れみを感じているかもしれない。しかし、それでも疑いの眼差しがトリニティの面々に向けられる。
これは……ダメそうか?なんて思っていたら思わぬ方向から助け舟が出される。
バァン!
「ぐへっ!?」
一発の銃声があってから風紀委員会の子が1人倒れる。明らかにさっきの発砲で倒されたものだ。
その銃声は凄い近くからした。方向からして美食研究会がいる場所だ。まさかと思い、彼女達のいる方を見る。
「ふふふ、甘い拘束で助かりましたわ。さて……そこの車でも頂きましょうか」
俺が拘束したはずの黒舘先輩が風紀委員の子を撃ち抜いていた。甘い拘束とは言ってくれる。なんで抜け出せんだよ。
「逃げられるとでも?」
「ふふ、どうでしょう。私が抜け出したらチナツさんとの約束は反故にして私とお食事に行きませんか?」
「なっ!?」
逃走ルート先に立ち、黒舘先輩を止めにかかる。少数とはいえ風紀委員に囲まれ、俺だっている。これで逃げられるなら見てみたいものだ。
火宮さんとの約束を引き出してこっちの動揺を誘おうとしてるようだが聞く気はない。美人さんではあるので勿体無いとは思う。
「すいません。お断りします。俺は出来ない約束はしないつもりなんで。それに……」
「それに?」
俺は丁重にお断りする。これに乗るようでは戦った意味がない。それに……。
「俺が勝つんだからどの道叶わない約束だ」
「大きく出ましたわね」
いつもそっちは振り回す側なんだから偶にはガツンとやってやりたい。ステーキ屋の時は死ぬかと思ったんだぞ、マジで。ほわあぁぁ、とか情けない声出して吹っ飛んだ恨みは忘れない。呪術師の恨みつらみの恐ろしさを身に教えてやる。
タイマンならうってつけの技もある。些か邪道が過ぎるきらいがあるのが玉に瑕な技ではあるが。
「シン・陰流簡易領域 邪法────」
銃の安全装置は外したままホルスターに戻し、腰を低くしてから右手を添える。さながら居合切りのように。本当は刀が欲しいが生憎実物もセンスもない。
俺の足元から円形の結界が伸びていき黒舘先輩を今にも飲み込む──、
──ハズだった。
ゾワッ
突如走る大きな呪力。ドス黒く生徒のそれとは真反対のものがその場にいた全員に不吉な物を感じさせた。
「な、なに?」
「今の背筋が凍りそうな感覚……」
トリニティの2人はしっかりと感じ取ったらしい。言いようもしない感覚にソワソワしだした。
風紀委員、美食研究会も同様で今はその感覚に対して敏感になっているようだ。正体を探ろうと周りを見渡していた。
「……み、みんな?どうしたの?突然……」
唯一それを感じ取れなかったのは先生だった。彼女は特別といっても呪術的な特別要素はないだろう。感じ取るなんて基本不可能だ。
俺達が急にソワソワしたのを見て不安になっているようだ。先生の目には今の俺たちが地震前に何かを察知した犬や猫みたいに映っているのだろうか。
「……来るよ」
「まさか……例のアレが?」
火宮さんだけは事情を知っているためか、いつの間にか銃を抜いて戦闘態勢に入っていた。いつにも増して緊張感のある顔をしている。
そして、例のアレは近くの海から勢いよく飛び出してこちらに降り立つ。
緑色の体色で全身に鱗のようなものが見てとれた。顔つきは人間のそれではなく赤い目に魚のヒレのようなものが頬と頭頂部についていた。
「風紀委員会の皆さん、先生とトリニティの子を連れて試験会場に行ってください」
「で、でも……」
「……二度は言わないよ」
「ッ……わかった」
何人かは腰を抜かしていた。いきなり化け物が現れるのだから無理はない。
サラリと補習授業部に対してアシストしつつ、警告を飛ばす。警告を守ってくれなくても、全員守り抜くつもりだが邪魔になっては敵わない。
「さて、お前はどのくらい……人を殺したのかな?呪霊よ」
「知るカァ!!お前も俺の胃袋の足しにナレ!!!」
今回の半魚人呪霊はどうしてもキン肉マ⚪︎の彼を彷彿としてしまう
更新時間はいつが良いでしょうか?
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