なるべく1週間以上開けないように更新したいものです
数々の感想、評価、誤字脱字報告etc……非常に励みになります
これからも遠慮なくいただけると嬉しいです
「おぉれのぉー!ばんごはん行かないでー!!」
半魚人呪霊は発狂していた。どうも先生達に逃げられたことが相当悔しいようだ。めちゃくちゃ泣いている。
「おれの晩御飯……返せ!!!」
次第に悲しみは怒りに変わったのか喋り方に変化が見られる。明らかに言葉の発音が良くなってきている。
「は?」
俺は信じられない光景を目にする。いや元々勘違いの可能性もあるが、考慮に入れてなかったことだ。
「うぎぎ……」
半魚人呪霊は身体の色んなところから式神を生やしていた。最初にやった口だけでなく掌、腹、胸などなどとにかく色んなところからだ。踏ん張る様な声はその行為自体にリスクがあるからだろうか。
とにかく、口からだけの攻撃と思っていたがその前提が崩れる。こうなると発動を止めるのも難しい。発射速度から考えてインファイトも封じられている。
「お前も魚の……餌になれえぇぇ!!!」
呪霊の怒号と共に魚雷式神が大量に発射される。真っ直ぐにしか飛ばないが問題は範囲だ。車道全幅をカバーしている。地上ではもう盾を用意しないといけない。
地上ならば……。
「残念だったな」
俺は飛べるのだ。すぐに上に飛ぶことで難を逃れる。地上では残った車に魚が突き刺さり穴だらけどころか貫通していた。ただの物は盾にすらならない。
矢継ぎ早に次の魚雷が襲いかかる。今度はチャージが少ない分範囲は狭いがそれでもパッと見て何十もの式神が飛んできていた。
何故今になってこんな攻撃をしてきたのか。逃げられた事が悔しくなるぐらいなら最初からこうすればいいはずだ。今になってする理由を考えるとすぐに思い当たるものを思い出した。
「成長してるのか……!虎杖くんが言っていた真人とかいう呪霊みたいに!?」
突拍子の無いことだが前例がないわけでもない。虎杖君と七海さんからは聞いていたことだ。七海さんと相手してる時に追い詰めた矢先に土壇場で領域展開まで習得したという話だ。術式の解釈を広げたり何かしらの縛りを結んで強化することぐらいなら真人ほどのトンデモってわけでもない。なんなら呪術師が当たり前にやることだ。
「口から出すではなく身体全体から出すってことか!でも、溜めの方は変わんないみたいだ、なっ……とと!?」
色々と考えていても呪霊はそれを見逃してはくれない。絶え間なく式神を送り続けている。このまま逃げていては攻められない。
「焼き魚にでもなってろ!!廃棄処分だ!」
逃げるだけではなく術式で燃やして式神を撃ち落とす方もやってみる。ある程度は黒焦げになって俺に当たる前に霧散していた。
しかし、俺の攻撃も敵には当たらない。見事に相殺されている。術式のぶつけ合い自体は互角らしい。こうなるとどうぶつけるかが大事だ。
「撃ち落としながらついでに攻撃は相殺されるから不可能……。となるとやっぱり接近戦か"焔"による火力技のどちらかは必須か」
お互いの攻撃が止まり少しばかりの小休止状態となる。俺は地面に着地し、どう倒すか算段を立てる。火炎放射でそのまま式神も呪霊も焼き切るのは難しい。例の火山頭呪霊ほどの出力があれば可能なんだろうが無い物ねだりをしてもしょうがない。
取り回しのいい火力技はやはり"焔"だ。奴の頬を撃ち抜いたことから削り切れることはよくわかる。冥冥さんの神風をパクった甲斐がある。
とはいえあの攻撃は銃弾一発を可能な限り殺傷力を高めたものでしかない。物理攻撃では式神が盾になって勢いが殺されるのが目に見える。式神を潜り抜けるような精密な操作は不可能。真っ直ぐにしか飛ばせないし消去法で接近戦だ。
奴の術式は最初は口から大量の式神を出すものだったが、今では身体から生み出して射出している。それでも口からの方が量が多く一番の脅威だ。
「となると……まずはこれだ」
そこで目をつけたのは壊れた給食部の車のボンネットだ。式神で色々と破壊されていたので取り外すのは簡単だった。薄いが呪力を込めれば急場凌ぎの盾には充分だろう。元からどうしようもないので遠慮なく武器にさせてもらうことにした。
「そんな物で防げるかぁ!!」
俺の狙いを察していても尚攻撃手段を変えず、式神を産み出す。今度は慣れたのか痛みなど感じていない。徐々に奴なりの最適化が進んでいるようだ。
ボンネットに壊れない程度の呪力を込めて、突進する。必要な火力は近づかないと確保出来ないのだ。この手に限る。
ガンッ!ガンッ!!
呪力を込めていようと式神はボンネットに突き刺さる。貫通こそしないが顔が目前に迫る程突き抜けてきているので気持ち悪い。当たり前だが長持ちはしなさそうだ。
だが、必要なのはとびっきり頑丈な盾ではない。近づく為の時間の間だけ役割を果たせる盾だ。
「まずは土産でも受け取れ!」
ある程度近づいたら盾にしていたボンネットを投げつける。少しでも陽動を増やせればと期待してのものだ。式神を粗方受け止めた後は粉粉に粉砕される。
その隙に掌に呪力を込めて術式の用意をする。火炎放射ではなく直接手を触れて攻撃するためにだ。
「っぅ〜!!!」
式神が腕に噛みついて来たが構うものか。痛みはあれどそんなことは後回しだ。
ピタっ。
呪霊の腹に掌を当て、見据える。
「こ──」
式神を出すためにチャージがいるせいか出来ることは殴り掛かる。ただそれだけが呪霊には許されている。
それだけではもう取り返しがつかないことはすぐに知る事となる。
「"火柱"」
使用するのはキヴォトスではまだ地面からしか出していない技。敵に触れて使用した場合は少し違う。
掌が触れた部分と対象の間で炎が揺らめく。徐々に炎は大きくなっていき、縦に大きく伸びていく。
「ぐっ、げがっ!がががががががががかがががっ!!!」
やがて炎は呪霊全身を包み、天高くまで炎上していく。赤く燃える炎は夜のゲヘナを明るく照らす。呪霊という燃料が焚べられた炎は意外にも綺麗だ。
腕に噛み付いた式神も主人の危機に合わせて力を無くし、腕から離れ落ちる。同時に霧散し、これからの呪霊を暗示するかのようだった。
「ぐっ、がっ……あぁ……」
やがて呪霊は体力も焼き切れたのか膝をつき倒れ込む。ゆっくりと霧散していき、晴れて討伐完了となった。
全身が消えたのを確認した後、俺は炎を消しその場に座り込む。血が流れた部位は服を破って縛ることで応急の止血処置した。
「はぁ〜、しんどい……。久々に等級の高い呪霊に会ったなあ……。どう見ても準一級以上だな」
そんな独り言を呟きながら空を眺める。ボーッとしてどうしようかなんて考えていた。
「取り敢えずは氷室部長に見てもらえないか電話してみるか」
何となく思いついたのはゲヘナの救急医学部を頼ることだった。元の世界では家入さんによくお世話になっていた。こちらも今後は家入さんのようにお世話になるのであろう。
「その必要はないわ」
「……空崎委員長」
電話しようとしたら声をかけられた。その声はつい最近聞いたもので振り返って見たら白モップ。最近は彼女も中々際どい衣装だと思う。特に脚。
「セナには連絡済みよ。ほら、もう来てる」
「え、もう?……ありがとうございます。遠慮なくお言葉に甘えさせていただきます」
「死体はどこですか?」
空崎委員長が手配をしてくれたらしく、彼女の後に担架を持った風紀委員が出てきた。それに続いて氷室部長が走ってきていた。
彼女の治療から前回は逃げてしまったから正直受けるのも億劫だが、今回は致し方なし。甘んじて受け入れよう。ところで死体って発言はいったい……。
「セナさん!彼を担架に……」
「その必要はありません」
風紀委員の子が俺の手を持って、氷室部長が足側を持って担架に乗せるのを待っていたが何故か必要ないと仰る。ここで治療でもしてくれるのだろうか。しかし、見たところ大した医療器具はなくどう見ても運びに来たとしか思えない。
キキィッ!
そんなことを思っていた矢先、俺の後ろで車が急停車した。振り返ってみればゲヘナの校章がサイドにあり、上部には救急医学部のマークがついている車が来ていた。これは緊急車両11号、よく氷室部長が使っているものだ。
バタンっと後ろのドアが開き、その先にはベッドが見えた。あれに乗せてくれるようだ。だが気になる面もある。
「バッチこいやぁ!!セナ部長ぅっ!!」
なんであの救急医学部の子は張り切ってるの?なんで姿勢が前のめりなの?まるで何かを受け止めようと言わんばかりな姿勢だ。パンッと手を叩いてそれをやるものだから東堂さんをどうしても彷彿とさせてしまう。
「あはは……。あれはいっ、たい……」
「手っ取り早くいきます」
俺が正直言って呆れているところに、氷室部長は駆け寄り持ち上げたのだ。手っ取り早くいきますなんて言うがもう嫌な予感しかしない。普段なら豊満な氷室部長に抱えられるのはご褒美みたいなものだけどこれは流石にそれどころではない。
「まさかバト⚪︎ドームみたいにシュ……うぅぅぅぅぅぅうぅぅとっ!!」
案の定(?)勢いよく投げられ、受取役の救急医学部の子に受け止められた。非常に柔らかかったです。ありがとうございます!!超エキサイティングです!!
……じゃねえだろ!!ボケがぁぁぁぁぁっ!!!
ブルアカを始めたのは丁度3周年の時で初めてのイベントがドレスヒナのものでしたがその時に初めてセナ部長を見ました
いきなり救急車にヒナたちが倒した不良もとい患者をゴミ回収業者みたいに投げつけるものだから爆笑してました
正直に言うと最後はアレがやりたかっただけです、ハイ
更新時間はいつが良いでしょうか?
-
22時〜0時ごろ
-
7時ごろ
-
19時ごろ