ここから1週間ドキドキしてます
人の予想、自分の予想様々でこういう時が一番楽しいなって実感してます
……バドエンじゃないよね?
27 黒服との対談
カツカツ、と音が響き渡る。何かしらの施設のようだが俺はこの場所を知らない。黒服に呼ばれたので指定の場所に来たのだ。
しばらく歩けば黒服が出迎えてくれた。他のメンバーはいないようだ。
「ようこそ。浩介さん。どうぞお部屋に」
「……失礼します」
黒服に手招きされ俺は部屋に入る。部屋に入った後は入ったドアが閉められた。このやり取りも今となっては慣れたものだ。警戒心こそあれど初めほど強くはない。
ゲマトリアと交流して一つ思ったことがある。
(なんだかんだいって比較するなら黒服が一番マシだろうな)
仲良くするつもりはないが、粗方メンバーの印象が固まった。マエストロは芸術家肌で黒服の次にマシ、ゴルゴンダとデカルコマニーはヘイロー破壊爆弾なるものを作ってて恐怖を感じた。ベアトリーチェ?あいつはゴミだ。絶対に殺す。
黒服は交渉とかを非常に重んじる。その点呪術師である俺にとって縛りがあるので話がしやすい。やっていることは爆弾をお互いに括りつけ合うことだが。
「ここ最近呪霊には遭遇しましたか?」
「最近ゲヘナで準一級呪霊を祓ったな。あれぐらいならそこそこ強い生徒が徒党を組めば倒せそうかな」
黒服はまず呪霊のことを尋ねてくる。呪霊がどこにいるのか知れる癖によく言う。知っているからこそどうだったのかを聞きたいのだろうが。
「ほほう!準一級といえば術式を持つ呪霊の中でも最低ランクのものですね。アリウスでの一級に続き準一級とは……恐ろしいですねえ」
「アリウス?あのクソババアが支配する自治区か?」
「ええ、そうです。クソババアの自治区であり、我々ゲマトリアにとって大事な場所です」
「……生徒相手の実験する場所としてか?」
「戦力としても、ですかね」
タヌキめ。なんの迷いもなく誤魔化しやがる。後、クソババアって認めたな。
小鳥遊さんに恐怖を適用する実験をした結果を観測しようとしていたようだが、それと似たような事を他の生徒にもやるだろう。あの時は小鳥遊ホシノという最上級を用いていたので生半可な生徒では同じことは出来ないと思われる。
だが仮に、神秘を持つ生徒であれば誰でもいい実験などがあれば狙われるのは手頃な子達だ。手頃な子達とは足がつきにくい子、言わば世間からは認知されない子が丁度いい。その点、噂のアリウスの生徒は優良物件だろう。
生徒相手に人体実験まで出来る奴なら生徒という"検体数"は多い方がいいはずだ。検体数を重ねれば傾向を導き出し、まとめあげ、導き出す考察も精度が高くなりやすい。
「アリウススクワッド、でしたかね。その子達がギリギリ倒したそうですよ」
「そのアリウススクワッド?っていう集団はこの際いい。前の話だと非戦闘要員が犠牲になりながらも退けたって言ってたがそれは件の一級呪霊のことか?」
「お察しの通り。この間のアリウスの話はこの一級呪霊のことです」
結局、前にベアトリーチェをぶん殴った時に出た話に一級呪霊は繋がっていたようだ。あの時のベアトリーチェは非戦闘要員を穀潰しだの掃除出来ただの外道発言に怒りを覚えたのも記憶に新しい。
「あの話通りならしばらくはアリウスも呪霊は出ないんだろ?なら安心出来るんだが……」
しかし、それは裏を返せばあの時は粗方対処済みとも言っていたので暫くは犠牲者も出ないということだ。スクワッドという集団も頑張っているようだ。
「お優しいのですね……貴方からすれば敵だというのに」
「クソババアの手下だからってこと?」
「ええ、そうです。それもクソババアとか関係なくゲヘナとトリニティそのものを強く憎んでいるという爆弾付きです」
「……詳しく聞かせてくれないか?」
安堵する俺をよそに黒服は聞き捨てならないことを言い始めた。敵だからというわけでもなく、ゲヘナとトリニティそのものを強く憎むという話だ。大抵、特定の集団や組織あるいは国を憎む感情は非常に濃くて危険なものだ。
「ざっくりとした説明ですが……ゲヘナはアリウスとトリニティからは物凄く嫌われていました。ゲヘナと2校の関係はこれに尽きます」
黒服は語り始める。昔のゲヘナ何やったんだよ。よっぽどだぞ。滅茶苦茶短く説明が終わってるし。
「トリニティは色々な派閥があってかなりいざこざがあったそうですが……、そういったことを無くそうと統合しようとしたのです」
「ふむ……まあ争いを無くすなら」
「ところが唯一猛反発した派閥があったのです」
「それがアリウスか」
「ええ、最終的にはアリウス対統合したトリニティとなりまして……トリニティは激しくアリウスを弾圧します」
聞いてみればどこかで似たようなのを聞いたことありそうな歴史の話だ。纏まろうとした中で1人だけ反発して最終的には追いやられるとはやるせない話だ。
「で、なんやかんやあって今は追われた先でベアトリーチェの支配下か」
「ええ、クソバ……ウッウン……失礼。ベアトリーチェの支配下となって今に至ります」
クソババアって言いかけたところで吹き出しそうになったが堪えて、情報を整理する。要はゲヘナ嫌いで現在のトリニティと敵対して追放された者達ということだ。たった1人で連合に勝てるわけがない。五条悟じゃないんだから。
「一級呪霊が湧くほど負の感情が強いんだからろくな環境じゃないだろうな……。今は何してるのやら……」
「あぁ、それなら今はトリニティに復讐しようと躍起になってますよ」
そういった者たちがどういう末路を辿ったなんて考えるだけで億劫だ。一級呪霊が出たという事実だけで悲観するに足る。このままではいずれ特級が出かねない。
そんな事を考えていたら黒服から衝撃の発言が飛び出る。動機としてはさっきの説明からわからなくはないが、穏やかにいられない。
「それどころか最近トリニティで騒動を起こしましたよ」
「は?」
「どうも先生が補習授業部なる者達でこれを撃破したそうです」
「え?……えぇっ!?」
次々と浴びせられる濃過ぎる情報。無量空処を喰らった人はこんな感じなのだろうかと思ってしまうほどだ。
それに補習授業部といえばさっき話した準一級呪霊と遭遇した時に出会った子達だ。確か阿慈谷さんと苗字は知らないがコハルさんの2人がいた。
「ところで浩介さん。貴方アリウスに行きたいのでは?」
「ちょっ、ここで話を切り替えるなよ!その通りだけどさ」
「でしょうね。貴方からすれば呪霊の養殖場になりつつあるアリウスを放置などあり得ない」
俺が情報の処理に難儀しているところに黒服は追撃と言わんばかりに新たな情報を投げかける。その中には呪霊の養殖場と気になるワードも出てきた。
「……」
一体どういう意図で言っているのか。ただの比喩なのか、その通りの意味でベアトリーチェの策略なのか。どちらにしてもやることは変わらないが、腸が煮えくり返りそうだ。
「アリウスは秘匿された場所にあります。私からは貴方に直接教えることは出来ません」
「まあ、あのクソババアも一応お前の仲間だもんな。殺しに行きかねない奴に教えるのはお前がアレを殺したいと言ってるも同義だ」
「ええ、仰る通りです。ですので手掛かりになりそうな情報だけを教えます」
黒服はもはや隠すことすらしない。こんな事を言うのもアレだがあのババアは同僚に嫌われ過ぎだ。一応仲間なので直接教えない、やれるものならやってくれというスタンスをとるのも珍しい。
「クックック……ところで手掛かりって?」
「これまた凄いですよ。なんと補習授業部のメンバーに元アリウス生がいます」
思わずニヤついてしまう。あの腹立つクソババアに目に物を見せられそうだ。……なんて思ってたらそんな感情が吹き飛びそうな情報が飛んできた。
「え!?アリウスはトリニティを憎んでるんだろ!?元ってことはそいつスパイ!?」
元アリウス生が居てそれが補習授業部にいるなんてあまりにも情報が濃過ぎる。さっき聞いた歴史からしてスパイとしか思えない。ということはベアトリーチェの手下ということになる。そいつに聞くのはリスキーだ。
「ご安心を。その子はアリウスを裏切って今はトリニティ生徒として過ごしているそうです。ベアトリーチェの息はかかっていません」
「……アリウスを裏切った子からアリウスへの行き方を聞けってことね」
「ええ、そうです。頑張ってくださいね」
そんな俺の不安を黒服は否定する。アリウスを裏切った子から聞くからベアトリーチェ関連のリスクはないと言うが、それ以外はどうだろうか。その子はどんな思いで裏切ったのか、それ次第では争いになるかもしれない。どのみちゲヘナを憎むことは変わらないだろう。
しかし、それしか手がかりがないのも事実。まずは接触するしかない。呪霊の最大発生地になってるアリウスをなんとかしないとそこを拠点にキヴォトス中に呪霊が溢れかねないのだ。そうなれば被害はアリウスに留まらない。
「わかった。その子を当たってみるよ」
「期待してますよ」
覚悟しよう。まずはアリウスの手掛かりを得ることから始めるんだ。
そう胸に誓って。
ところでクソババアって何回いったんでしょうか?
更新時間はいつが良いでしょうか?
-
22時〜0時ごろ
-
7時ごろ
-
19時ごろ