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……今回のイベントのマリー最高だね
追記
爆速で同じ方から誤字指摘がきました
ごめんなさい……
「マダムを知ってるのか……殺せと言われるわけだ」
「やっぱり俺の殺害命令出してたのかあのババア」
腹に痛みがズキズキと走るが不思議と冷静でいられる。こうなれば撤退したいが、無限ハイレグ相手にそれは厳しい。いよいよまずいかもしれない。
「やろうか。俺とお前、どっちが生き残るか!!」
「生憎私は他のターゲットが控えているんだ。手早く終わらせる」
啖呵を切った後、俺は呪力を溜めていつものように火炎放射する。今回は相手も命を明確に狙ってきている。そんな相手に使わないなんて余裕はさっきの狙撃で消え失せている。
錠前サオリはサッと躱し、照準を合わせている。いつでも撃てるようにはなっており、戦闘慣れを感じさせる。
照準を定める時間を与えるつもりはない。俺の炎は自在に操れる。
「逃がさん」
炎を分離させ、錠前さんの周りを囲う。逃げ場を無くし確実に燃やす。俺の近辺にいる限り炎からは逃げられない。
「追ってくるのか……まさに炎を操る術式だな」
錠前さんはそれでも極めて冷静に避けに徹していた。照準を合わせるのではなく俺の動きの癖などを見極めたいのだろう。さっきの狙撃で先制された分、後手に回ってくれるのはありがたい。
口ぶりからして俺の術式を聞いているらしい。殺すんだから当然ではある。ただ、黒服でもそこまで理解してないからなのか彼女に伝わる情報も大したことはなさそうではある。
「なら、これはどうよ?」
俺は試しに爆弾を投げ込む。馬鹿みたいに短い導火線がついてこそいるが、火はついていない。火をつけたら即座に爆発しそうな欠陥品だ。
だが、俺の術式は自分の呪力を炎を変えて操るものだ。それは、物に込められた呪力も変わらない。
「"発"」
爆弾に指差し、呪力で指令を送る。その瞬間、導火線に火がつき今すぐにでも爆発する危険な代物へと変化する。
「ちっ!」
何が起こったのか察した錠前さんはすぐさま遮蔽に入る。爆発から逃れるにはそれしかない。爆風をやり過ごし、周りに出る爆煙に乗じて奇襲や撤退がいいだろう。
ドカンっ!!
しかし、俺にはその手は悪手でしかない。爆弾が爆発して彼女はそれをやり過ごす内にさっきまで操っていた炎が彼女の遮蔽を超えて爆発の真反対から襲う。
「なっ!?」
「終わりだ」
遮蔽によって見えないがきっと彼女は炎の動きに驚いているだろう。考えてみればわかることだが、爆弾と自由に動き回る炎なんて普通は避けきれないものだ。何人かの呪詛師をこれで葬って来たのだから個人的には信頼できる一手だ。
そんな彼女は自ら潜った遮蔽が背中にあるので退路を絶たれ、炎に包まれる。出来ることならこれは避けたかったが自分の命には変えられない。
「……容赦ないんだな」
「やらなきゃ俺が殺されちゃうよ」
ツルギさんが先ほどのロケランの子以外のアリウス生を倒しきり、俺の方に目を向ける余裕ができたらしい。俺の所業に思うところがあるらしい。流石にやりすぎだと言うのだろう。
悪い印象を持たれてしまったが、今はそれについて悔いている場合ではない。無限に出てくる兵力を効率よく処理できるのは自分なのだからいつまでもアリウスの人に構っていられない。
両手に呪力を込めて再び、殲滅させようとするがその直前に神秘を感じ取る──。
「まさかっ!?」
俺はすぐさま術先を中断して後方へと飛ぶ。次の瞬間には銃弾が自分のいたところに確認できた。弾から見てロケランやハイレグ共とも違う。錠前さんのものだ。
「危なかったよ。こいつらがいなければ私は黒焦げだった」
「……。あのハイレグどもを盾にしたのか」
腹の痛みがズキズキしながらも声のした方を向いてみる。そこには錠前さんが少し服を焦がしながらも大したダメージを追っていない様子で立っていた。
口ぶりからしてハイレグどもを盾にしてやりすごしたようだ。さっきの攻撃手順は爆発で俺にも見えないが故の弱点だろう。相手がする一手を見逃してしまったのだ。
「……いいものを見せてやろう」
錠前さんは俺とこのまま戦っても仕方ないと判断したのかとあるものを取り出す。瓶のようなものだ。しかしどこか異様なものだった。
瓶にはラベルのような物が貼ってあるように見えたが、違う。あれは……。
「封の札……!?」
明らかに何かを封じている証だ。さっきまで気づかなかったのは封印が施されていたからか。何故アリウスが持っているのか。わからないことだらけだ。
錠前さんは封を剥がし、瓶を開ける。瓶の中身から悍ましいほどの呪力が溢れ出る。ハイレグ達から感じるそれとは違う。俺にとっては慣れた感覚を嫌でも思い出させる。間違いない。封じられているのは──、
呪霊だ。
「ゲマトリアァァァァッ!!!!なんて事をしてくれてんだ!!!!」
俺の叫びも虚しく、呪霊は沸き出てくる。2級程度しかいないのが幸いだがこれではこの戦場は小さな蠱毒だ。
「な、なんなんでしょうか!?この……恐ろしい者たちは!?」
「ヒナタさん……」
シスターの子達は動揺している。恐怖で怯えるというより困惑が勝っているようだ。そこは幸いだ。
「ツルギ!」
「……ふん」
正義実現委員会のお二人は即座に危険な存在と認識したのかすぐさま攻撃していた。ツルギさんは2級程度ならあっさりと処理しており、もう1人も堅実にダメージを与えていた。流石というべきか。
各々の反応をしている間に錠前さんは駆け出していた。俺から距離を取り、マスクをつけたロケランの子に合流しようとしていた。
「ミサキ!今だ!蹴散らせ!!」
「了解。リーダー」
ある程度近づいたら錠前さんは指示を飛ばす。ミサキと呼ばれた子は淡々と返事して上向きに発射する。発射された弾丸は空中で無数の弾頭に分かれ俺達に降り注ぐ。
「呪霊に襲わせつつロケランって……おいおい!?」
あれが着弾してからでは遅い。迎撃しないと俺の命が危ない。あの巨大弾道ミサイルとは違って今回は小さい。
「迎撃だ!」
炎を弾頭一発一発に放つ。誘爆させ、爆風こそ来てしまうがこれぐらいで済むなら安いものだ。
バァン!
「うぐっ!?」
しかし、ここにはアリウスや呪霊だけではない。アリウスが召喚したハイレグもといユスティナ聖徒会もいる。スナイパーが俺の腹を撃ち抜いていたのだ。
俺の腹から再び血が流れる。2発も銃で撃ち抜かれては普通は死を覚悟するほどだが、まだ何とか立っていられる。
ポタ……ポタ……。
「はぁ……はぁ……」
しかし、油断すれば倒れてしまいそうだ。左手は火傷、腹には2発分の銃創。今日はとんでもない厄日だ。
ポタポタと血が滴り、自分の命というものをより強く意識する。ここまで追い込まれたのはキヴォトスに来てからは初めてだ。
「ぐおおおおおっ!!!!」
「にぃんゲン!!
畳み掛けるように呪霊が襲いかかってくる。ヘイロー持ちとは違って一度崩れるとどうしても脆い俺は呪霊から見たら狩り時が来た獲物だろう。
「"焔"」
俺は一発撃ち込んで一体だけ呪霊を倒す。呪霊なんかに俺の命をやるつもりは毛ほどもない。何としてでもこの場は切り抜ける。
「ぁ……ギャ……」
「"火柱"」
もう一体は片方が一撃でやられたのを見て動揺しており、大きな隙を晒していた。その隙は見逃さず、呪霊に触れて術式で処理する。
「浩介さん!!今向かいます!!」
伊落さんは俺の状態を見て青ざめながらも駆け寄る。救助に来てくれるらしい。しかし、今は敵に囲まれている。さっきまで先輩に守られていたのにそれを抜けてしまえば狙うものがいる。
「マ、マリーさん!!!戻ってきてください!!そこには──」
「え?」
先輩が戻るように促してももう遅い。伊落さんに夥しい数の呪いが群れをなして迫っていた。飛び出してしまった彼女は危機に陥る。
「このっ!?」
俺は再び炎を灯し、呪霊へ放とうとする。距離が近いため伊落さんに当たる可能性もあるが、しなければ呪霊に酷い目に遭わされるだろう。
だが、自分の後方にものすごい速度で走ってくる存在を感じる。
(錠前サオリ……!ナイフで俺を?……弾丸だと神秘が籠って俺に感知されるのを嫌ったか!?)
俺の意識が伊落さんに向かっている隙を彼女は見逃さなかったのだ。弾丸は撃つ前に感知されるなら意識が逸れてる時に別の武器で襲えばいい。問題はそれによって気付くのが遅れたことだ。
伊落さんを襲う呪霊、錠前さん……。どちらを焼くべきか。
「……俺は……呪術師だ。いついかなる時も……」
選んだのは呪霊の迎撃。呪術師なら一番の敵は呪霊に決まっている。二択なら考えるまでもない。
ザクッ!
炎を放った後、俺の身体に鋭いものが突き刺さる。
「──く……そが……」
その後も何度か抜き差しされたかのように突き刺さる痛みが何回かに分けて俺を襲って来た。
勝者、錠前サオリ
サオリ……早く弊シャーレに来てくれ
多分使うのは水着の方だけど
更新時間はいつが良いでしょうか?
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22時〜0時ごろ
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7時ごろ
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19時ごろ