今回の晄輪大祭は軽めに書いていきます
浩介の青春の一幕です
「あれ〜?おかしいな、備品が足りねえぞ」
俺は今、地味にピンチだった。晄輪大祭で案内や備品の回収、怪我人の運び出しなど色々と仕事をやっていた。当然場を離れることもあって備品の回収に全て関わったわけでもないので、抜けに気づくのは後になった。
今回のものはミレニアム製の高級品ばかりだ。競技の結果破損してしまったのなら仕方ないが訳もわからず紛失なんて起こったら主にお金の関係で大ごとである。
「早瀬さんに報告するか」
取り敢えず正直に報告するしかない。早瀬さんに連絡して対処法を相談しようと早瀬さんに電話をかける。再利用するものも当然あるので無くなるのは困るのだ。
「あ〜もしもし、早瀬さん。備品のことでお話が……」
『浩介くん?……今こちらはそのことで動いている最中でハスミさんとアコさんと先生で一緒に制圧に向かう予定よ。目的はわからないけど誰かが使った備品を盗んでいるみたい』
「はやっ!取り敢えず……そちらが終われば回収不足の備品は何とかなりそうなんですか?」
『そうね。どのくらいの競技は問題なく出せそう?』
「2つの競技時間は今のまま運用可能です。3つ目に間に合えば何とかなります」
『了解。この事を現場に出ている長い白髪の生塩ノアって子に教えて二人で回してもらえる?』
「了解。生塩さんですね。では、切ります。ご武運を」
電話をかけてみたらもう動いているらしい。セミナーの役員は伊達ではないようだ。ミレニアムの生徒会はキャリアウーマンの集まりかなんかだろうか。高専の補助監督とかに近そうだ。
というか何気に三大校の大物3人と先生で制圧に向かうとか凄いことになってる。これは……盗んだやつは御愁傷様だな。南無。
指示もサクッと出してくれるし、誰に言うべきかをわかりやすく伝えてくれるのは助かる。グラウンドに目を向ければ青いジャージを着た長い白髪の生徒が競技を見守っていた。あれが恐らくは生塩さんだ。
競技の邪魔にならないところに立っている。今なら競技中に報告も出来るだろう。小走りで生塩さんと思われる人に駆け寄る。
「生塩さん……ですよね?」
「はい。生塩です。あなたはゲヘナの火野浩介くんですね?どうされましたか?」
「早瀬さんから……」
その後は簡単だ。備品が盗難された事、早瀬さん達が奪還及び制圧に向かっている事を話した。生塩さんは笑顔でわかりましたと告げて自身の仕事に戻る。失敗することなど微塵も思ってないのだろう。あのメンバーに先生もいればそりゃそうか。
「さて、俺もやることやりますか」
あまり心配はいらないだろう。最悪競技が進めば何とでもなりそうである。俺のいた世界ならともかくキヴォトスなら多少のトラブルぐらいならスルー出来そうだし。
そう思って自身の仕事をしていたら早瀬さんから制圧が終わったと連絡が来た。早すぎんだろ。
話を聞いてみれば週休4日にするためにデモを起こそうとしたらしい。七海さんに聞かせてみたいな。あの人労働はクソとか言うけどやらなきゃいけないことには真摯だから賛同も反論もどっちもあり得そうだ。
その後もミレニアムのエンジニア部が作ったという戦車もといトラッククラッシャーもといブルジョアクラッシャーによって大騒ぎもあったが何とか鎮圧。俺の出る幕は無かった。
戦車の暴走でもイベントが続くぐらいだしデモぐらいやられても即制圧出来ちゃうのでは?俺は訝しんだ。
……え?あの戦車は応援ロボット?
……馬鹿なの?ミレニアムって頭のいい馬鹿ばかりなの?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……というわけで浩介。貴方にはトップバッターを務めて貰います」
「チナツに出るなって言われてんだけどそこは?」
「私が何とかします」
「何だか気がひけるが正直出たかったからいいか……」
残すは最後の学園対抗リレーとなった。現在は三大校が同点で首位争いという状況でゲヘナとしてはここで勝てなくては優勝はない。それもあってか天雨行政官は張り切っている。
「しかしまあ……」
その張り切り具合は凄まじいの一言だ。普段なら規則違反者の手など借りぬ!媚びぬ!諂わぬ!を地で行くだろうに今回は規則違反者にも積極的に声をかけている。能力重視となれば当然の選択だが風紀委員が銀鏡先輩と一部三年と言った有様である。
何と言っても注目すべきは美食研究会の赤司さんだろう。彼女は普段風紀委員会が戦う相手の中でもとにかく速い。なんなら下手なランナー相手なら転けようが勝てそうだ。というか転けなかったら"つまらん、奴を戦場に出したら一方的に勝つに決まってる"と某カードゲームのフレーバーをそのまま再現しそうだ。
「では、トップバッターの浩介は早くレーンへ並んでください。貴方なら他を突き放せるでしょう」
「お任せあれ」
急かされるようにレーンへと並ばされるが正直やる気はそこそこある。何でかって言われれば決まっている。
どうせならいいとこ見せたい。ただそれだけなんだ。
レーンに並んでみれば各選手やる気は十分といったところだ。知っている顔はアビドスの黒見さんぐらいで、他は全く知らない。トリニティで黒髪ロングで大きな黒い翼の恐らくは正義実現委員会の子と黒見さんが脅威であろうことぐらいしかわからない。
「まあ、やることやりますか……」
俺は腰を落として走る体勢に入る。いわゆるクラウチングスタートの形だ。手はベタつかせず指で支えるようにし、足には呪力を込める。
『……よーい、ドン!』
バァン!
空砲が鳴ると共に選手は各々スタートダッシュを決める。走る競技でスタートダッシュはかなり重要だ。色んな要素こそあるがこれが特に大きい。そんなスタートダッシュで現在一位なのは……。
『早い!ゲヘナの火野選手が圧倒的です!ここに来てゲヘナがジョーカーを切ってきましたね!」
俺だ。流石に術式までは靴が燃えるので使えないが、呪力で極限まで脚力を高めたのが功を奏した。これでも虎杖くんの半分もないだろうがこれで十分。呪力も俺の純粋な力だから卑怯とは言うまい。
結果として次のランナーに一位で手渡すことに成功した。風紀委員の3年の意地を見せて俺の作った差を守りきるだろう。
勢いを減衰させながらレーンから出てふぅと一息つく。正直緊張したが結果として最高だったから気分は晴れやかだ。
「よし!後は応援ぐらいだな!」
「ええ。素晴らしい活躍です」
「だろ?チナツも見ててくれたのか。どうよ、俺の走りっぷりは」
「ふふ。お陰でゲヘナの優勝が見えそうです」
後は応援あるのみ、と息巻いていた俺にチナツが声をかけてきた。タオルを持っており、汗を拭いてくれながら笑顔で佇んでいた。思わず俺は調子に乗って脚をパンパンと叩いてアピールする。チナツも優勝が見えて嬉しそうにしている。
ん……?チナツ?
「ハッ!?」
「もう遅いですよ。では、お願いします」
嬉しくてついつい普通に受け入れてしまった。が、それは罠だ。ここから入れる保険は……無いな。ところで誰に頼んでいるのだろうか。
「「「「ホォッ──!!」」」」
「よりによってうぬら4人か!!」
出てきたのはいつぞやのタイヤ拘束騒動の風紀委員の子達だ。チナツとは仲がいいのかよく仕事をしているのを目にする。今回もタイヤ2名、手錠1名、首輪1名の組み合わせだ。
「アタッ!」
「アタッ!」
「カチャッ!」
「アコッチャッ!」
正直抜けるのは簡単だがそんなことをしたら大騒ぎになりそうなので捕まる他ない。4人は慣れた手つきでそれぞれの拘束具を俺に取り付けていく。せめて首輪だけはやめてほしい、と言うのは火に油だろうか。
「今回はブルマなので前回のような事はありません。さて……
覚悟はいいですか?」
「ノオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
結局会場に俺の断末魔が響き渡る結果となった。因みに天雨行政官は爆笑しながら俺を見捨てるし、赤司さんは本当に転けた上で勝った。カオス過ぎる。
後、チナツの脚が最高にエロかったです。最悪の形で先生の気持ちがわかったよ。
因みに③もあるぞ
ぶっちゃけ③だけ書けばよかった感は今になって感じてます
今回出てきた癖強モブちゃんは
第2章の「16 引き摺られて救急医学部」に出てきています
多分浩介にお仕置きする時にまた出します
チナツとは同級生の友達といった間柄の子達で、勉強を教え合ったり一緒に昼食を取ったりする仲です
更新時間はいつが良いでしょうか?
-
22時〜0時ごろ
-
7時ごろ
-
19時ごろ