カオスすぎるってばよ!!
更新が遅くなり大変申し訳ありません
「いや、悪かったって。ゲヘナが優勝したんだから許してほしいな〜って」
「ハァ……ちょっと走る程度なのでまあいいでしょう。アコ行政官に頼まれた上でやったようですしね」
多分チナツは許してくれた。とはいえ微笑みこそすれど雰囲気は怖い。次はないだろう。きっととんでもない折檻が待っている。今回だって自分の上司からの頼み故深く突っ込まなかったに過ぎない。
「ところでさ……拘束ぐらいは解いて貰えると……」
「ダメです。貴方にはいい仕置きです」
「やっぱ許してねえ……」
俺は拘束されたままだ。チナツは解放する気もなく首輪のリードを持ちながらタイヤに座る。俺は下を向いてるので殆ど床とキスしてる。どうせなら可愛い子としたいと言う思いは叶いそうにない。
俺からチナツは見えないが、かなりヤバい絵面だ。よくよく考えればこれってSMプ◯イなんじゃ……。チナツも相当恥ずかしいんじゃないだろうか。誰かに見られたらヤバいのは間違いない。
「頼む。折檻するならもっと別の形で」
「ならそのまま逆さ吊りにしますか?水も用意します」
「拷問でもする気?」
チナツにせめて変更できないかと懇願するが、出てきた案は悪魔そのもの。俺が何をしたって言うんだ。
「あらあら……これは中々……倒錯的ですね❤️」
「な、な、な、なっ!?」
そして、チナツと狂った会話をしてたら案の定というべきか誰かに見られてしまう。声からして2人。多分最初の声は一番見られたくない人だ。
よりにもよって浦和さんと下江さんの組み合わせである。穴があったら入りたいが今の俺は穴に嵌められている。
「ゲヘナの風紀委員とゲヘナの男子生徒がこんな蜜月な関係だったなんて……取り締まってるのはカレのモノでしょうか?心でしょうか?」
「何言ってるのよ!?ハナコの馬鹿!変態!」
徐々に浦和さんの口は温まり始める。なんか言い方が別の暗喩に聞こえて仕方ないんだが。ここまで来ると下江さんは癒しだろうか。
「しかし……これは同意あってのモノでしょうか?」
浦和さんはなんだかあらぬ方向へ考察し始めている。違うんす。俺達はそういう趣味じゃないんす。
「いえ、浩介さんは不思議な力で身体を強化する……つまり抜け出すのは実は容易……?……ということは!?これは同意ありのモノ!?つまり紛れもないえ──」
「っチなのは駄目!!◯刑!!流石に失礼よ!!……多分」
なんだかんだ言って暴走しそうな浦和さんを下江さんは遮ってくれた。多分と言わなければ完璧だった。多分と言わなければ。とはいえ相手を考えれば上々だろう。
浦和さんは仰々しく驚いた感じを出しているが絶対遊んでる。多分俺かチナツの反応と下江さんの反応を見て楽しんでるな。
「あ、その、私はそんなつもりじゃっ!?」
それに対してチナツは声を聞くだけでもあたふたしている。やっぱりというべきかそんな風に見えるなんて思ってもいなかったのだろう。もう遅い。君はもう俺と揃って露出SMプ◯イ犯よ。
「ふふっ、それではこちらは失礼しますね。ご・」
「し、失礼しましたあ!!」
浦和さんは弄るだけいじって逃げていった。それを見て下江さんも追いかけていく。なんだかんだ浦和さんに懐いているらしい。その点は微笑ましかった。
「……」
「……」
だが俺達は違う。散々弄られて気まずい雰囲気だ。許さん、許さんぞ浦和ハナコ。チナツとSMプ◯イなんてそんなの……そんなの……。
悪くないな、なんて思ってしまう俺は敗北者だ。
「……あの……これを解いた後一緒にグラウンドに行きませんか?」
チナツは俺の拘束を解きながら何かあるのかグラウンドに行こうと誘ってくれた。実行委員の仕事も殆ど終わっているのでそれも悪くない。何が行われるのかは知らないがせっかくのお誘いを断るのは男が廃る。
「うん。行こう」
俺は二つ返事で了承した。
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「チナツさんと浩介さんがあのような関係だったとは……驚きですね。ユウカ」
「ええ……これは……紅茶が進みそうね」
「ハァ……見せつけられてるみたいで焦ったいですね」
「あ……あぅぅ……」
グラウンドの中央で焚き火が舞い、フォークダンスの用意が進む中異彩を放っているのが2つ。
1つは実行委員の子達だ。ハスミとユウカはシャーレ設立時の騒動もあってチナツのことはそれなりに知っている。ここでまさか浩介とそういう関係だと周りに知らしめるように出てきたのを見て驚いている。アコは把握はしていたのであっさりとしている。マリーの方は両手で顔を隠すような素振りをしつつ指の隙間から2人を見てた。
2つ目はチナツと浩介だ。男女で手を繋いで会場に来て準備が整うのを今か今かと待っているのだ。2人とも顔は赤い。炎に照らされてそれがよくわかるほど赤い。
「アコさん……2人は最近あんな関係に?」
「そうね……気になるわ」
ハスミとユウカはちょっと興奮気味だ。紅茶を優雅に飲みながら2人を見ているのだ。見方を変えれば不審者そのものだ。
アコは呆れた視線を2人に向けつつ、2人の事を振り返る。思い出すものとしてチナツが休みの日に浩介と会っていたという話がある。それだけで付き合っている、と決めつけるのは早いがまだだとしても時間の問題であろうことは明白だ。
「最近デートしてた、という噂はありましたね」
「「おぉ!」」
アコは取り敢えず断定は避けておいた。とはいえまだ付き合ってないや知らないなどと答えるのも面白くない。ならばデートしてた、かも、なんて言えば程よく場が盛り上がるだろうと思い口にする。
「そ、そうなんですね……」
マリーはどこか複雑そうな顔をしながらアコの話を聞いていた。人の恋路を聞いて盛り上がる2人とは正反対である。
そうして話しているうちにフォークダンス用の音楽が鳴り始める。それに合わせて2人は焚き火の前に立つ。お互いに手を握り合い緊張した顔で見合っている。
「スゥー……いくよ。チナツ」
「ええ」
深呼吸して浩介の方から声をかける。チナツは微笑んで頷き、2人は手を取り合う。
浩介は後ろに立ちチナツの両手を支えるように持つ。音楽に合わせて2人は進んでいき、焚き火の周りを他のペアと一緒に回っていく。
男女ペアということもあって周りからは注目の的だ。雰囲気もよく黄色い声援のようなものも飛び交う。
「そうです!行きなさい!」
「行け!行け!」
尚、ハスミとユウカは一応黄色い声援を送っていた。他人の恋路は見ていて楽しいのかかなり盛り上がっている。2人の普段の性格を考えればないことだというのに雰囲気にかなりあてられている。
対してそれぞれの理由でアコとマリーは冷めた目でハスミとユウカを見ていた。
交代のないタイプで誰からも邪魔されることなく2人の時間が流れていく。片や激務に明け暮れる風紀委員、片や呪霊との命をかけた呪い合いに明け暮れる呪術師。2人にとってはこの時は間違いなく安息の時だった。
「ふふっ、よかったですね。チナツ」
アコは2人の様子を見て微笑む。なんだかんだ言ってチナツが楽しそうにしているのを見て嬉しく思っていた。ハスミとユウカを見たので盛り上がるほどではないが内心祝っている。この時間ぐらいは穏やかに過ごして欲しいものだ。
ドカンッ!!!
だがその時間も大きな爆発で吹き飛ばされる。穏やかな時間はどうしてこうと短いのかと呪うほかない。
「ハァーハッハッハッ!!!ここだ!ここに温泉を!運動の後は汗を流さないとな!!消火設備は開発に使わせてもらう!」
「猛り狂う炎でするバーベキューもまた乙ですわね〜」
「もっと燃やせ!!金属粉振り撒け!!!こんなもんじゃ足りねえぞ!!」
吹き飛ばしたのはゲヘナ生。各々のやりたいことのために今日もまた行動を起こす。その出力はいつも奇想天外な方へ向けられる。
「パンちゃ〜ん!?ヘリコプターみたいに飛ばないで〜!?」
中には意図せず奇想天外な方へ出力される者もいるのもまたゲヘナらしい光景だった。
浩介とチナツはそれを見て一際大きなため息をついたあとお互いの手を離す。想いを絡めあっていた手には拳銃が握られ、恋慕ではなく弾丸を飛ばすこととなる。
「……絶対に」
ハスミはその光景を見て小刻みに震え明らかに怒っていた。
「許しません!!ゲヘナぁっ!!!!」
少しはチナツといちゃつけたぞ
さて、暫くはベアと呪い合おうか
更新時間はいつが良いでしょうか?
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22時〜0時ごろ
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7時ごろ
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19時ごろ