早くて明日か明後日に出ます
水着の百花繚乱可愛すぎる
「くそっ!そりゃないだろ!!」
2匹の呪霊から猛攻をかわしながら愚痴ることしか出来ずにいた。今は百合園さんや他のティーパーティーの子もいる。派手に暴れて彼女達が傷つくのは避けたい。
「うおっ!?この蛇野郎!」
阿慈谷さんを飲み込んだ蛇呪霊は俺も飲み込もうと突進してきた。避ければ体格の大きさから誰かが巻き込まれる。そうなれば犠牲者が増えるのみ。
「なっ!?何をやってるんだい!?」
「食べられてしまいますよ!?」
敢えて口の中に入り込む。飲み込もうとするのを両手両足で踏ん張り、なんとか耐えている。
百合園さんとティーパーティーの子は俺が喰われそうになっているのを見て助けようと動き出す。いい人達だなあんたら。
蛇呪霊は俺が飲み込めないと見たのか壁に向かって突進する。背中を壁にぶつけて俺を少しでも緩ませようとしているらしい。あくまでも飲み込みが本命のようだ。
だが俺にとっても丁度いい。蛇の勢いを利用させてもらう。右拳に呪力を込めてタイミングを測る。
「ティーパーティーの皆さん!悪いな!壁、ぶっ壊すわ!」
「えっ!?ちょっ、ちょっと!?」
もうどうしようもないが壁を壊す宣言を直前でする。聖園さんはかなり慌てているが、あなたも似たようなこと出来るでしょ。
タイミングを測り、勢いよく拳を壁に叩きつける。目論見通り壁は破壊されて外に出る。蛇はいきなり壁がなくなり空中に出てしまったことに驚き、俺にかける力を緩めてしまう。
「馬鹿が」
両手から炎を出し、蛇の口内を焼く。口の中でかなりの高熱を出したせいか蛇はいよいよ口を大きく開いて俺を吐き出す。焼かれて苦しみ悶え隙だらけとなる。
「今のうちに阿慈谷さんを救う!!」
今なら安全に蛇を祓える。彼女に対する被害を考えて反転術式で処理するのが早い。焼いてしまうと彼女自身が火傷したり蛇の中で酸欠になってしまう。
ティーパーティーの建物内だとまだもう1匹の呪霊がいる。そこで反転術式による処理をしてしまうと無防備な阿慈谷さんを曝け出してしまう。無数の触手持ちから守り切るのは難しい。
「てめえは今回関係ないんだからとっとと消え──おっと!?」
反転術式で処理しようとすれば俺を狙って、桐藤さんに取り憑いていた触手持ち呪霊が攻撃してきた。それ自体は想定通りだが数は予想以上に多い。
的確に俺の進路を塞いできた。避けなければ突き刺され致命傷を負いかねない。今回は諦めて回避する他ない。たがただで転ぶつもりはない。
一本だけは避けるのでは無く受け止める。狙いは捕まえることだ。掴んだ後に力を目一杯込めて後ろに引く。
「横槍入れたいんだったらいっそこっちに来い!!」
呪霊は桐藤さんから触手だけ出しているが明らかにつながっている。俺が引っ張ればそれにつられて桐藤さんも引っ張られる。ティーパーティーの子達の被害を減らすことを考えれば、蛇の奇襲が失敗した時点で2対1をするしかない。
呪霊は桐藤さんの身体を自身の触手をクッションにして保護しつつ、華麗に着地する。宿主は守ろうとしているらしい。尤も顕現の触媒としてだろうが。
「さて……どうするか」
ハッキリ言って強さは大したことは無い。今更一級レベルの呪霊に大きな苦戦はしない自信はある。
だが、桐藤さんと阿慈谷さんが実質人質に取られながらとなると厄介さが違う。これならシンプルに特級とガチンコ勝負する方が遥かに楽だ。
桐藤さんはヘイローがまだあることから意識は沈んでいない。まだ顕現したばかりで時間があるように見える。それなら優先すべきは阿慈谷さんだ。
刀に手を伸ばし足を低くして集中する。動き回っても手数で押されてしまうなら、待ちの姿勢で。まずはこの技を試す。
「……シン陰流簡易領域居合」
居合によるカウンター攻撃。簡易領域内に侵入した敵をオートで迎撃する。足をつけて不動でいないといけないが防御に関しては随一だ。
出来れば日下部さんのように夕月まで出来ればいいのだが、それはまだ無理だ。俺の腕前では精度が段違いだ。
『ジャマスルナッ!!!』
桐藤さんの声を借りて呪霊は触手を伸ばす。その数は8本。同時に襲うのでは無く一本一本俺に辿り着くまでにラグがあり、俺の反撃の隙間を縫うつもりだとわかる。技の性質をもう把握したのだろうか。
「スゥゥゥ……フンッ!」
領域内に侵入した触手は一本ずつ切り落としていく。脊髄で行う斬撃の嵐は確実に切り落とされる。一本一本が銃弾の比じゃない重さでどうしても時間がかかるが問題なく捌けた。
そう思っていたが、問題が発生する。
「きしゃあああああああっ!!!」
ここまで何度も見てきた蛇呪霊の突進。対象を飲み込もうとする執念深さは恐ろしいものだ。その恐ろしさは合理性も持ち合わせている。
俺が刀を振り切る少し前に領域内に侵入してきたのだ。コンマ数秒の無防備になるタイミング。日下部さんなら更に少なく出来たであろう時間を狙ってきたのだ。
この2匹、どう考えても共謀している。蛇がティーパーティーを襲うタイミングといい、都合が良すぎる。ある程度の知性があるのは明確だ。
「ぐっ!?」
噛みつけば耐えられて燃やされるとわかっているので質量に任せた体当たりで俺を吹き飛ばす。地面から離されてしまい、簡易領域も解除される。再展開しなくては使えない状況に追い込まれる。
チャンスとみた蛇呪霊はとぐろを巻くように俺の周りを取り囲む。獲物を仕留めにかかりに行っている動きだ。やがて円は小さくなっていき俺を締め上げる。
「がっ、うっ……ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
巨体による締め付けは骨が軋む音をあげ、苦しみが俺を襲う。左腕が悲鳴をあげている。反転術式をしなければこの戦闘中にはもう使えないほどの重症だ。
こうなっても燃やせばいいのだが今回はそうもいかない。何度もいうが阿慈谷さんがいるのだ。
でも、対抗手段がないわけでは無い。脳に呪力を回し負のエネルギーを正のエネルギーへと変換していく。他者への反転術式は自身のそれの半分以下の効率だ。呪霊に流し込む時も例外では無い。
ただ、脳で生成する以上最も効率よく吐き出せる場所がある。
ガブリっ!!
蛇の胴体に噛み付く。歯を立て内部に自身の牙を食い込ませ、溜め込んだ正のエネルギーを口内に集める。反転術式のアウトプットが出来る術師に許される荒業。
「
呪霊体内に正のエネルギーを流し込み、内部へとダメージを与える。通常ならばこれが決まればほぼ勝利が確定する。
そう思っていたのだが甘くはなかった。
「きしゃああああっ!!!」
まだ倒しきれていない。ダメージは深刻ながらも蛇呪霊は戦闘意欲を失っていない。再び脱皮しようと呪力を全身に駆け巡らせている。
どうも俺の反転の出力だと一級を倒すほどの威力はないらしい。乙骨先輩のように上手くはいかないようだ。特級に対しては精々再生阻害が限度だろう。確認できただけ良かったとも言える。
「ならば阿慈谷さんは返してもらう!!」
残った右腕で蛇の身体を切り刻む。先程締め付けられた際に阿慈谷さんの神秘の位置はなんとなくわかっていた。
皮を切り刻み、露出した肉を掻き分け阿慈谷さんが見える。特に損傷はないが病院で診てもらう必要があるだろう。俺は逃げるけど。
『キエロ』
ここに来て桐藤さんに取り憑く呪霊が触手を伸ばし、攻撃してくる。先が尖っておりここで俺を仕留めんと言わんばかりだ。
捌き切れるだろうか、という不安は置いておきがむしゃらに刀を振るう。ガキンッと金属がぶつかり合うような高い音が周辺に響く。この間合いでの簡易領域のオートマ斬撃は阿慈谷を切ってしまう。
「うっ……!」
何本かは弾けるが簡易領域のように上手くはいかない。棘が俺の表皮を削っていく。少しずつ血は流れるというのに反転術式を回す余裕がない。
数の優位で俺を殺し切るつもりらしい。俺が凌げたとしてもその頃には蛇が回復完了し2対1。人質も救出できずに圧倒的不利条件での戦闘を強いられる。
ただし、それはこちらが俺1人というのが前提である。
「ごめん、ナギちゃん!!」
親友の名を呼び、侘びながら突如現れた聖園さんが拳を振るう。彼女にしては手加減したのか桐藤さんが体勢を崩すだけとなる。それでも触手の動きは数秒間は完全に停止する。
「ありがとう!!聖園さん!!!」
蛇が回復し切る前に刀に目一杯の呪力を込めて刺す。左腕を反転で修復する間に動かれては困る。右腕だけで阿慈谷さんを救出するしかないのである。
右腕で阿慈谷さんを抱えて蛇から離れる。本人は呻き声をあげているが特に問題はなさそうである。粘っこい何かがついてはいるが害意はなさそうだ。
聖園さんは俺が脱出したのを見てガッツポーズしていた。本当にいいタイミングで来てくれたよ。友達のために戦ってる方がよっぽど自分を出せてそうだ。あんな怖い顔してるより似合うと思う。
「よし!これでヒフミちゃんは助けられたね。後は──、
ナギちゃんを返してもらおうか」
いや、友達のためにもそんな怖い顔出来るのね……。
今思うと前話でナギサに取り憑いて出てきた、に留めてるせいで抜け出したように見えるな……
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