呪いは廻り、神秘は透き通る   作:ソックス

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今回は短めです
アニメ一通り見ました
しばらくは楽しみが減っちゃうな〜なんて考えちゃいますね


7 ブラックマーケットとトリニティの子

 突然だが、俺は今危険なところにいる。

 

 周りにはそれなりの建物があり、普通に飲食店や小売店なども存在する。少しいけば住宅街もあったりするのだろう。

 だが、そんな当たり前のものだけではない。よくよく見ればスケバンやヘルメットを被った武装した生徒らしき人もそこらを彷徨いている。

 

「黒服はここにも呪霊がいると教えてくれたが……昼間に来たのは失敗か?」

 

 俺は思わずそうぼやく。昨晩、小鳥遊ホシノと一緒に闘い詰問されたのを逃げ出したのはいいものの気になることが多くある。

 

 一つ目は何故キヴォトスの人は普通に呪霊を認識して尚且つ倒せるのか。

 二つ目はそもそも呪力という概念が存在しないであろう世界に呪霊が発生するのか。これに関してはそもそも違う世界に来た自分が影響してる可能性を否定はできない。もしかしたら永久に分からずじまいな可能性もある。

 三つ目はキヴォトスの人というよりヘイローを持つ生徒から感じる力は何なのか。黒服に聞いた際に感じたのは恐らく神秘です、とだけ返された。

 

 基本的に呪いは呪いでしか祓えない。ならばその神秘とやらは呪力に関係があるのか。あるいは完全に相反する力だから強く弾けるのか。色々と考えられるがどれも妄想の域を出ない。

 

(黒服は呪力にもある程度興味を示している。現にレーダーのようなものまで作っているもんな……。そこまでやれる人に研究して貰い、その結果から考察と推測を重ねるしか無い……のかな)

 

 

ドンっ!

 

「ちっ、こいつ……!」

 

 下を向いて考えて歩いていたせいか前にいるスケバンに気づかずぶつかってしまう。

 

「あっ、す、すいませんっ!!失礼しました……」

「おいこら待てよ。ぶつかってきておいてそれはないだろ。慰謝料寄越せや」

 

 適当に謝ってやり過ごそうとするが、ぶつかったスケバンはそれを許すまいと回り込む。

 

「にいちゃんよお〜、女に顔埋めていい思いしたし使用料金ぐらいくれてもいいよな〜?」

「謝罪ならいくらでもするが、金銭要求とは感心しないな」

「あ〜ん?堅苦しい言い方してないでさっさと金出せや!」

 

 スケバンは引く気はないらしい。適当に金でもむしれば良し、と思っているのだろう。

 こちらにも非はあるので、その謝罪はするけど過剰な要求を飲むつもりはない。

 

ドスッ!!

 

「わるいけど、大人しくしてくれ」

「うぐっ……」

 

 銃を乱射されても困るので一発ぶん殴っておく。適当に逃げれればいいがしつこそうなのでこれに限る。

 スケバンは腹に一発打たれてのたうち回る。普通の人間ならば間違いなくのしてる一撃だったが意識があるあたりは流石キヴォトスの人と言うべきか。

 

 

「これは……、次にアビドスと闘う時は本気で殴るぐらいが丁度いいか?」

 

 スケバンの様子からアビドスの人達に同じ事を想像してどうなるか思考を巡らす。ほぼ間違いなく戦闘を継続されるだろう。便利屋との戦いだって押せてはいたが誰も仕留めていないことからそれは明らかだ。より呪力を多く込めて拳を打ち込まなくては倒せないだろう。

 

「考えるのは後にして地形を頭に叩き込むとするか」

 

 しかし、今はそれを考える余裕はない。ここに呪霊が現れるならその目星ぐらいはつけておくべきだ。

 夜に来た時に備えて下見をして地理を把握しておけばやれることは多い。人がいる場所、そうで無い場所、と大雑把なカテゴライズでもいい。

 

 

「ん??」

 

 だが、ここで思わぬ物を目にする。

 

 見えたものは白い制服を着た生徒だ。栗色の髪で長い髪を二つに分けてまとめておさげにしている。背負っている鞄は白い鳥のようなものであった。

 

「あの子は……トリニティ総合学園の子!?なんでブラックマーケットなんかに!?」

 

 トリニティ総合学園、俺の所属するゲヘナ学園とは相入れぬ存在として有名な学園。最近はエデン条約という緊張する両学園の全面戦争の回避のための不可侵条約が間近に迫っているため両学園ともにピリピリとしている。

 その緊張の真っ只中にあるトリニティ総合学園の子が何故こんな無法地帯に足を運んでいるのだろうか。何かしらの工作なのか、それとも個人の暴走なのか。

 どうしようか、なんて考えているとそんな事がどうでも良くなるような方へと事態は動き出す。

 

「ひえ〜!!助けてください〜!!!」

 

 気づけばトリニティの子は悲鳴をあげながら逃げ出していた。それも俺のいる方向へ。スケバン2人に何かされたのか追いかけられている。

 

「ちょっ!?そうくる!?」

 

 こうなると巻き添えをくらう可能性があるわけで、ただ偵察に来ただけなのに銃撃戦はごめん被りたい。一応防弾チョッキは着ているので多少の被弾は呪力強化も合わさって命には関わらない。

 なんだかトリニティの子もその手の工作員って感じはしない。助けてあげるのも込みで戦闘に入ろう……などと思っていたのだが。

 

 

 

 

「見つけたぞぉ!!!このDV塩顔野郎!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?まさか……?」

 

 状況は一変する。

 

 聞き覚えのあるというかついさっき聞いた声が響く。そう、さっき腹パンしたスケバンである。

 起き上がってきたこともそうだが、言っていることも聞き捨てならない。しかし、彼女は俺のいる方から来ている。トリニティの子を追う2人は反対方向だ。

 

 つまり、挟み撃ちされている。

 

「おい!てめえら!!こいつも逃すな!!」

「「おう!!」」

 

(しかも知り合いかよ……、二つ返事で2人とも頷いてるし!?)

 

 もっと最悪な事に互いに知り合いらしい。偶発とはいえよくもまあここまでひどくなるものだ。

 

「なら……、そこのトリニティのお姉さん!こっちに来て!!」

「ふぇっ!?は、はい!!!」

 

 そうなると戦うのはまずい。負けることはまずないが、戦闘は激しくなるだろう。術式を使って女の子を焼くわけにもいかないので、必然的に銃や打撃しか攻撃するしか無い。

 聞いた話ではここブラックマーケットは騒ぎを起こすとマーケットガードと呼ばれる衛兵が来るらしい。こいつらが来るとなれば流石に術式も使った戦闘をせざるを得ない。そうなれば周りは焼け野原になることは必至である。

 

 トリニティの子も戸惑っていたが、すぐにこちらへと走ってくる。それを見て手を差し伸べる。

 

バッ!

 

「へ!?」

「不躾で申し訳ない。——口を閉じてくださいね」

「え!?うわぁっ!?」

 

 初対面の女性に最低なのは百も承知だが致し方なし。けして役得とかでは無い。

 

 可愛い女の子をお姫様抱っこしてるだけだ。

 

 

 

 

(……最高に役得だなこれ)

 

 そんな事を思いながら呪力全開で走り出す。格の高い呪霊を相手してる訳じゃないからこれでも十分振り切れる。

 トリニティの子はあまりの速さに目と口を閉じている。怖い思いをさせてしまったのなら申し訳ないことしたかもしれない。

 

 

(後はこのまま撒いて……あれは!?)

 

 

 十分な速度を出せており、振り切れると確信していたところにまたもや想定外の事態を目の当たりにする。

 

 

(おいおい……!なんでいるんだよ!?アビドス対策委員会!?)

 

 

 

 

 

 状況、極めて混迷す——!




ヒフミの名前出てねえじゃん!!

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