呪いは廻り、神秘は透き通る   作:ソックス

9 / 100
今回も短め
ブルアカのアニメも終わりましたが今期も見るものがありそうでよかった
ゲームではビナーくん来たけどinsane余裕過ぎて草


8 アビドスとブラックマーケット①

 結局、不良達はアビドスのメンバーにボコボコにされていた。

 

 砂狼さんと十六夜さんが自然と後ろに回り込みワンパンKOを決めたと思えば、残りのメンバーが最後の一人を一瞬で倒してしまっていた。流石はヘルメット団の猛攻を凌いで来ただけのことはある。

 

 

「ありがとうございます!お陰で助かりました」

「あ、ありがとうございました。」

 

 現状はある程度不良を倒したので、一服といったところである。

 

「よかった……。──そう言えばお名前を聞いてなかったね」

 

 お礼して無事な俺とトリニティの子を見て180cmはあろう女性が安堵する。前は遠目で見たのでよくわからなかったが、結構な美人さんである。キヴォトスの生徒達とは違ってわかりやすく大人というべき見た目をしている。

 

「では……、俺はゲヘナ学園1年の火野浩介です。よろしく」

「ゲ、ゲヘナ!?あ、私はトリニティ総合学園の阿慈谷ヒフミです」

 

 取り敢えず自己紹介をしておく。ホムラとして一度は戦っているが、あの時は仮面をして更に声まで変えていたのでバレてはいないだろう。危険ではあるが話の流れ上偽名を言うわけにもいかない。先生もいるので後で調べでもされたら面倒なことこの上ない。

 

「わぁ〜!キヴォトスでロボットや獣人じゃない男の子は珍しいですね⭐︎」

「そうよね。私は初めて見たかも」

 

 当然と言うべきか男の生徒を見て物珍しそうにこちらを見ていた。十六夜さんと黒見さんの言う台詞に釣られて他の人も視線をこちらに集中させる。

 

「あー……」

 

 よく言われることではあるので仕方ないが、やっぱり不思議に思う。どうして普通の人の男がいないんだろうか。ロボットや獣人なら一杯いるから余計に不思議だ。未だにこういう時になんて言えばいいのか困る。

 

「はい、そこまで。あんまりそういう目で見ないの」

 

 先生は俺が困っているのを察したか一旦場の空気を変えようと一声出してくれた。それにアビドスの全員が頷いて大人しくしてくれるようになった。

 

「ところで2人は何をしにここに来たのかな?ここがどういう場所が知っているの?」

 

 それはそれとしてと言うのだろうか、ここに来ている理由を聞いてくる。先生からすれば当然の話だろう。今いる場所はかなり恐ろしい闇市なのだ。

 俺はここにいる呪霊がいると聞いて下見に来たのだが、それをそのまま話すのはあり得ない。呪いの存在を不用意に話したくはない。先生にはいつか協力を得るために話すことはあるかもしれないがそれは今では無い。

 

「ここには自作の爆弾の材料に使う火薬を買いに来たんです。粗悪ではありますけど安いので」

「ん、結構物騒だね」

「えぇ……」

 

 取り敢えず適当に嘘つく事にした。我ながら苦し過ぎる言い訳である。阿慈谷さんに至ってはドン引きしてるようだ。

 

「まあ、ゲヘナじゃ爆弾の雨なんて日常茶飯事ですよ。これくらいヘーキヘーキ」

「うへ〜、流石はゲヘナ生。爽やかそうな顔して凄いこと言うね」

 

 更に補強としてゲヘナ学園の治安の悪さを引き合いにアピールする。爆弾の雨は比喩抜きでその通りだから普段過ごしてる分には困る。

 その話に皆が納得いってるようである。引き合いに出した自分も悪いがあの学園はやっぱりやべえよ。

 

『あはは……、ヒフミさんは?』

「私は……これを探しに来ました!!ブラックマーケットで密かに取引されていると情報を掴んだので買いに!」

 

 俺の話を聞いて次は阿慈谷さんに話が移る。彼女は自身のスマホを操作してお目当ての物を映して皆に見せる。

 画面に映っていたのはカバンの白い鳥にアイスが無理矢理詰められているかのようなものだった。なんだかなんとも言えぬデザインだ。人によってはキモカワイイとか言いそう。

 

「わぁ〜⭐︎モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよね!私はミスター・ニコライが好きなんです!」

「わかります!ニコライさんも哲学的なところがかっこよくて!」

 

 探し物の正体を見て十六夜さんは顔を輝かせて阿慈谷さんとそれぞれの好きを共有し始める。一瞬でモモフレンズで盛り上がる場になっていた。

 

(へえ〜、この世界の女の子ってああいうのが好きなんだ。俺の世界ではサンリ⚪︎とかに相当するやつか?)

 

 他の女性陣はどんな反応なのだろうかちょっと気になったのでチラリと残りの面子に目を配る。

 

「……。」

「いやあ〜なんの話だか。おじさんにはさっぱりだなー」

「ホシノ先輩はこういうファンシーなの興味ないでしょ」

 

(あれ?……意外と受けてない?)

 

 反応は散々である。それでも2人は楽しそうに話してるのでまあそれでいいんじゃないかな。

 

「……ところでアビドスの皆さんは何故こちらへ?」

 

 十六夜さんと粗方話し終えたら阿慈谷さんの方から聞き返してきた。俺も同じことが気になっているのでどう聞こうかと悩みどころだったが渡りに船である。

 

「私達も似たようなものだよ。探し物があるんだ」

「そう。今は生産されていなくて手に入れにくい物なんだけど、ここにあるって話を聞いて」

「そうなんですか。似たようなものなのですね」

 

 返ってきた内容はまあ当たり障りのない内容であった。出来れば具体的に何が欲しいのかが知りたいところだ。

 とはいえ、アビドスの昨今の状況とブラックマーケットを紐付けで考えれば自ずと答えは絞られる。探しに来た、というよりも特定しに来たといったところか。

 

(違法な兵器とかか?相手にしたから?それとも……自分達で使う為?)

 

『皆さん!大変です!四方から武装した集団がこっちに向かってきています!恐らくは先ほど撃退したスケバン達が仲間を呼んだのかと……』

 

 色々と思考をしていたところに通信越しに奥空さんの声が響く。武装集団が襲撃していることを感知したようだ。

 どうもスケバンの子達が報復に来ているようである。まあキヴォトスらしいっちゃらしい光景だ。

 

「あいつらだ!!」

「よくもやってくれたな!痛い目にあわせてやる!!」

「覚悟しろよ!そこの優男!」

 

 そして部隊が到着したのか先頭のスケバンが声を張り上げる。先程ボコボコにされた人物と同一のようである。

 

「ん。浩介ご指名だよ」

「あんた何したのよ」

「金集られたから逃げるためにぶん殴った」

「うへ〜、シンプル〜」

 

 アビドスの生徒達はその大群に意も介さず軽口をたたいていた。俺も正直言ってそんなに不安視していない。全員が愛銃を手に取って敵を見据える。

 

「じゃあ、私が指揮するからさっさと終わらせよっか」

 

 先生はどこからかタブレット端末を取り出し、目つきが変わる。先程の大人の女性の雰囲気からある種の戦う人のそれに変わっている。

 

「来るよ!」

 

 先生の掛け声と共に全員が戦闘態勢に入り、火蓋が切られた──

 

 

 

 

 

 

 

 ──のだが、瞬殺過ぎて俺の入る幕がなかった……。

 

「いやあ〜皆さんお強いですねえ」

「あんた何もして無いじゃん!!」




本当はヒフミをファウストにするところまで行きたかったが長くなるので分割

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