星ちゃんの暗殺教室   作:赤坂六梃

59 / 82

終わりの始まりです


去る時間

 

殺せんせーは自分が何故こんな姿になったのか教えてくれた

弟子に裏切られ捕らえられてモルモットとして人体実験させられた、そこで監視役として当時3年E組の先生をしていた雪村あぐりという1人の女性と出会った

 

「わぁ意外!すっごい優しそうな人なんですね!」

「...でしょう?何もしないから解放してくれませんか?」

「ダメです、もし殺されたら私死んじゃうもの」

 

最初の頃はこの女を利用出来るだけ利用してやろうと彼は思っていた、2人が出会って3ヶ月が経つ頃には殺し屋と教師は旧知のように打ち解けていた

 

「そうだ!今度ここに友達を連れてきますね!」

「...友達?」

「その子すっごく天才なんですよ!死神さんと話が合うと思います!」

「...その前に、あなたにそんな権限ないでしょうに...」

「あはは...そこに関しては大丈夫だと思います...」

 

そして死神は初めてその女に出会った

 

「初めまして「死神」さん、私はルアン・メェイ、私の名前を呼ぶ時は、間に一呼吸置くことを忘れないように」

「ルアン・メェイ...どこかで聞いたような...」

「今日が終わったら、私の事は忘れて下さい」

「...思い出した!柳沢が口にしていた名前だ」

 

死神は人体実験中に度々、柳沢が名前を出してはブツブツと彼女の名前を出していたため自然と名前を知ってしまっていた

 

「柳沢...どなたでしょうか?」

「えぇ...ルーちゃん覚えてないの?」

「...あぐり、何度も言っていますが、その「ルーちゃん」と呼ぶのはやめて下さい...その...こそばゆいです」

 

この監視付きの独房に入るには許可が必要なのに何故入れたのか聞いた所、ルアン・メェイはこの手の業界の中では有名人であり、彼女に憧れないものはいないという話を聞くほどに、死神は彼女は利用価値があるかどうかを見極めていると彼女はまじまじと彼を見始めた

 

「なにか?」

「いえ、あなたが人体実験に使われている反物質を作ったのは私なので、一応どういった症状が出ているのか見てみたかったんですが...まだ症状は出ていませんね、残念です」

 

この女は使える、死神はそう思ったが一瞬でその考えは消えた

 

「まあ、私にとってはもう価値のないモノですが」

 

そう言い残すと彼女は足早にこの部屋から出ていくとあぐりもルアンを追って部屋から出て、しばらくするとあぐりは目に涙を浮かせ謝りながら戻ってきた、その日以来ルアンと会う事はなかった

そこからさらに月日がたち2人が出会ってから1年が経つ頃には2人の距離も縮まると同時に死神の体には異変が起きていた、指が触手のようにうねりはじめたり、おっぱいをガン見してはふにゃけた顔になったりと

一方、月に死神に投与した「反物質」細胞を移植された1匹のマウスが月面に設置された実験室に飼われていた、生物の老化による不具合で何があっても被害がない月で実験を行っていたが結果は最悪だった、それの影響で月の7割が消し飛んだ

柳沢は恐怖した来年の3月、死神の体にも同じ事がおき地球が滅ぶと、そして彼は死神を殺処分しようと奔走したが死神はその触手の力を使い施設内を破壊し始めた

 

「ありがとう、柳沢...君の人体実験の拷問に耐え、私はこの体を手に入れた」

 

多くの武装警備員が迎え撃ったがこの力を手に入れた死神はどれが危険でどれが強いか、どちらが生き残るか、全部見えていた、その力に溺れていた自分を止めようとしたのは雪村あぐりだった、その瞬間彼女は仕掛けられていた罠によって貫かれた

死神にとってその女は敵でも障害でもなかった、彼を見ていた彼女の存在が彼には見えていなかった...致命傷だった、医学を極めた死神でも治せないような

 

「なぜ...飛び出さなければ私の巻き添えにならなかったのに」

「...ドジこきました...まさかあんな罠がぴゅるってくるとは...だけど...声かけたぐらいじゃあなたは止まってくれない気がして...」

 

その通りだった、あのまま外界へ出ていけば歪んだ感情が触手を歪め歪んだ触手が感情を歪め、どす黒い姿の破壊生物として安定してしまうところだった、呼び戻してくれたのは彼女の感触がだったのだから

世界を憎んで育った殺し屋は得たもの全てを相手を壊す目的のために使ってきた、科学知識、戦闘術、対人術、そして触手も...

そこで死神はようやく気づいた身につけた力の使い道はもっと他にあった事を彼は後悔した、殺す力を壊す力、どうして他人のために使わなかったのかと

 

「私が...殺したも同然だ」

「...そんなわけ...ないじゃないですか...私がそうしたいから...そう動いただけですよ...それに...ね...あなたになら...殺されても良いと思う...そのぐらいあなたを大切に思えるから...きっとあなたも...そんな相手に巡り会えますよ...」

「君になら殺されても悔いは無い、だが君以外にそんな相手がいるとは思えない」

 

彼女は彼に、「残された1年間で今のE組の子達に教えて上げて欲しい」と弱々しく語りかけ触手に手を重ね

 

「...なんて...素敵な触手...きっとあなたは...素敵な教師に...」

 

E組の生徒達を導く事を託して死んでしまった事を...そして彼はその場から逃げるかのように消えた

怪物が去りその場には生き絶えた雪村あぐりだけが残った、そこに雪村あぐりの妹である雪村あかりが瓦礫の隙間を通って姉に近づき体を揺らす

 

「ねぇ...お姉ちゃん...お姉ちゃんったら...」

 

あかりは近くには見た事もない容器の液体とパソコンが落ちていた、彼女は不意にそれに手を伸ばし、取ろうとすると誰かから止められ顔を上げると彼女の見知ったものだった

 

「それにはならべく触れない方がいいですよ...あかり」

「...ルアンさん...」

「...あぐり、あなたは最後に最高の結果を見せてくれました...ありがとう...そして、ごめんなさい」

 

ルアン・メェイは手向の言葉を残し、その近くにあった怪物が残したメモを見るとあかりの手を取った

 

「場所を移しましょう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

触手が聞いてきた、「どうなりたいのか」を私は答えた

 

「...弱くなりたい」

 

と、弱点だらけで思わず殺したくなる程親しみやすく、この触手に触れるどんな弱いものも感じ取れ、守れ、導ける...そんな生物に...そんな教師に、時に間違うこともあるかもしれない、時に冷酷な素顔が見えるかもしれない...でも、精一杯やろう、彼女がやろうとしていた事を、自分なりに自分の最も得意な殺り方で....それからマッハ20の新米教師は、ゆっくりとゆっくりと立ち上がった...

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして現在

 

「先生の過去の話は以上です、不明な点や、疑わしい点がある人は指摘して下さい」

 

過去を話さなかったのはそういう事だったんだ、確かに話せないね、この話をされたらみんなはもう殺すなんて事は出来ない

 

「ねえ、ルアン、ちょっといいかな?」

 

バレないように私とルアンは空いている部屋に入る

 

「...殺せんせーを人間に戻す事とか出来る?」

「さすがは助手さんですね...あぐりの死を見て、私にも思う所はあります、あれから「反物質」を完全に消し去る種を作っています」

「それってどのくらいで完成するの?」

「あと2つの材料があれば完成はします...ですがそれを手に入れるのは難しいでしょう」

 

ルアンは私の事を見る...多分必要なのは

 

「もしかして...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

人々の悲鳴が聞こえる、人を襲っているのはレギオンや魔陰武芸といった前の世界で沢山戦ってきた敵だ

 

「...私の狙いはあんた達じゃない」

 

刀を振りそいつらを一体、二体と斬り捨てていく...全てを倒すと次々と敵が出てくる

 

「...いいよ、1匹残らず殺してやる」

 

E組や出会ってきた人達の今を守るために戦い続ける、たとえ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が人でなくなっても

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。