ひろがるスカイ!プリキュア Sequel -ネクストステップ・ヒーローガールズ-   作:MOZO

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どーも、MOZOと申します。
今作では、『ひろがるスカイ!プリキュア』最終回のその後をワタシの妄想と独自解釈をふんだんに盛り込んだオリジナルストーリーとなっております。
本編が終了しても未だ冷めやらぬ『ひろプリ』への熱量を発信していく所存です。超不定期投稿になっていくと思われますが、何卒ご拝読していただけたら幸いです。
コメント・感想がありましたらお気軽にお寄せください。


EPISODE Ⅰ
紡がれる空


 

 どこまでも澄み渡る蒼空(あおぞら)。幾つもの島々が宙を漂う摩訶不思議な情景。

 ここはとある世界。空に浮かび栄える王国・スカイランド。

 かつてこの国は、暗黒の闇が支配する敵国・アンダーグ帝国の脅威に晒され、三百年もの永き戦いを繰り広げていた。人々が恐怖に陥る最中(さなか)、突如として希望の光を照らすヒーローが現れる。

 

 伝説の戦士、プリキュア。

 

 五人の少女少年からなるヒーローたちは、異世界・ソラシド市を股に掛けてアンダーグ帝国から送り込まれる刺客に立ち向かい、闇を晴らしていった。そして、彼女らの活躍によって戦いに終止符が打たれ、両国は和平を結んだ。

 ()くして、スカイランドに真の平穏が訪れたのである。

 それから、幾月か経ち━━。

 

 

 

 

 

 

 

 吹き抜ける風を切り、一羽の巨大な鳥、遊覧鳥が大空を翔ていた。その彼の背には一人の少女が乗っていた。

 

「ほわぁ~! 良い景色だべぇ!」

 

 ピンクのショートヘアにのの字(・・・)のアホ毛を揺らしながら少女、テルル・ポッカポッカは歓喜していた。

 

「ちょいちょいちょーい! ちゃんと捕まってないと落ちるで、お嬢ちゃん!」

 

 遊覧鳥が忠告するも、テルルは高所にも臆せず辺りをキョロキョロと辺りを見渡す。

 

「怖くないんか?」

 

「平気だぁ。オラ、こんなに(たけ)ぇところ飛んだことねぇがら、すんげぇ楽しいだよぉ!」

 

 心配ご無用と言わんばかりに満面の笑みを浮かべるテルル。そんな彼女とのやり取りに遊覧鳥はデジャブを覚える。

 

「そう言やぁ、ずっと前にお嬢ちゃんみたいなお客さんを乗せたことがあったなぁ」

 

「へぇ~、んだったのぉ」

 

「実はそのお客さんこそスカイランドを救ったヒーロー、プリキュアになる人だったんやで!」

 

「プ・・・プリキュア!? そそそ、それは本当だがぁ!?」

 

「もちろんや! そして何を隠そう、このワイこそプリキュアを背に乗せて飛んだ最初の鳥っちゅー訳や!」

 

 伝説の英雄を乗せた遊覧鳥なのだと、彼は語り草に乗客や他の鳥仲間に自慢をしているのだ。

 

「すんげぇなぁ。実はオラもプリキュアさ憧れて、都で『青の護衛隊』の入隊試験を受けるために田舎から出てきたんだぁ!」

 

「なら丁度えぇな。『青の護衛隊』には、プリキュアの一人がおるはずやから、もしかしたら会えるかも知れへんで?」

 

「おぉ~! もし会ったらどうしたら良いべ。ダメだぁ、想像するだけ心臓がドキドキしてくるだぁ・・・」

 

 入隊試験よりも本物のプリキュアに会えることの方にテルルは緊張で鼓動を高鳴らせるのだった。

 などとしている内に、優美な城が高々と築かれた巨大な大陸を目前に捉えた。

 

 * * *

 

 停留所に着陸し、テルルは遊覧鳥の背から降りると深くお辞儀をして謝意を述べる。

 

「乗せてくれて、どーもありがとぉ!」

 

「気張りやぁ、お嬢ちゃん!」

 

 声援に送り出され、異郷の地に第一歩を踏み出した。

 

 

 

「ひゃあ~、人がいっぺぇだなぁ」

 

 王都は活気に溢れていた。街の至るところに露店が並び、人々が行き交ってとても賑やか。田舎育ちのヒヨリにとってはまるで別世界。彼方此方(あちらこちら)目移りしてしまうが、観光をしている暇は無い。

 

「えーと、『青の護衛隊』の本部はっと・・・」

 

 手書きの地図を頼りに試験会場の『青の護衛隊』本部を目指す。が、勝手違う土地ですんなり目的地に辿(たど)り着けるはずもなく、テルルは都会のど真ん中で迷子になってしまった。

 

「わわわわ・・・、オラは今どこさいるんだぁ?」

 

 地図も役に立たず、早くしなければ試験に遅刻してしまうと、余計に焦燥に駈られる。

そうして足元の注意が散漫になり、段差に(つまず)いて前のめりに倒れそう━━になりかけた瞬間、誰かに左腕を掴まれたことで転倒を免れた。

 

「大丈夫ですか?」

 

 テルルを救ったのは、鮮やかな青い髪で右側をサイドテールに束ねた少女であった。

 

「ちゃんと前を見て歩かないと危ないですよ」

 

「す、すまねぇ。オラここさ来るの初めてで道に迷ってしまって・・・・・・」

 

「迷子ですか。でしたら、わたしがご案内します。どちらに行かれるのでしょう?」

 

「あの、『青の護衛隊』の入隊試験を受けに来て、その会場に行きたいんだけんども」

 

「なんだ、受験者の方でしたか。わたしは『青の護衛隊』の隊員ですので、良ければお送りしますよ」

 

 言われて見ると、少女が着ている青色の服はまさしく『青の護衛隊』の隊服だった。

 

「良いんだがぁ!? どうしようかと困ってたんで助かるだよぉ!」

 

「いえいえ。これも『青の護衛隊』の務めです。それに、困っている人がいれば必ず助ける。それがヒーローですから!」

 

 図らずも隊員に会えたのは天の助け。テルルは青髪の少女に連れられて本部へ向かって駆けていく。

 

 

 

 試験開始まであと五分。ギリギリというところでようやく『青の護衛隊』本部が見えた。テルルたちが正門前に到着すると、赤髪の女性隊員が険しい顔で立っていた。

 

「遅くなって申し訳ねぇ。入隊試験を受けに来たテルル・ポッカポッカですぅ!」

 

「一体何をしていた! まだ試験が始まっていないものの、入隊する意志があるなら責任感を持って行動するのが鉄則だ。非常時には一秒の遅れも許されないんだぞ!」

 

「ほ、本当に申し訳ねぇだぁ・・・・・・」

 

 手厳し言葉を投げ掛けられ、テルルは深々と頭を下げて平謝り。

 

「ベリィベリーさん、わたしが悪いんです。この方を試験会場に送っていた道中で、おばあさんの荷物を持ってあげたり、迷子の親御さんを捜したり、風に飛ばされた帽子を追い掛けたりしていたら遅くなってしまったんです!」

 

 青髪の少女が間に割って入り、これまでの経緯を説明して陳謝。訳を聞いたベリィベリーは呆れ顔をしながら溜め息を吐く。

 

「まったく、お前が付いていながら・・・。受験者を不合格にさせる気か。人助けも良いが、お前も自覚を持って行動しろ、ソラ!」

 

「・・・・・・・・・・・・へっ、ソラ?」

 

「あっ、そう言えば自己紹介がまだでしたね。わたしは『青の護衛隊』隊員のソラ・ハレワタールです!」

 

「・・・・・・・・うぇえぇぇぇぇー!? ソソソソソソラ・ハレワタールって、ププ・・・、プリ、プリ、プリキュアの!?」

 

 聞き間違えても夢を見ているでもない。スカイランドを救った憧れの英雄を目の前にテルルは動揺を隠せない。

 

「オラ、オラ・・・、プリキュアに道案内してもらっただぁ! とりあえず握手と、それからサインも・・・」

 

 テルルが興奮冷めやらないでいると、副隊長のアリリが騒動を聞き付けてきた。

 

「こんなところで何を騒いでいる? そろそろ試験が始まる時間だぞ」

 

「いっけね、忘れてただぁ! 早くしねぇと本当に遅刻するだよぉ。道案内してくれてどーもだぁ!」

 

「受験者の集合場所は入り口からすぐ左に曲がったところですよー!」

 

 一礼して猛ダッシュするテルルの背にソラが叫ぶと、彼女は言われた通り建物に入って左へと曲がっていった。

 

「なんだか初々しいですね。わたしが入隊した時のことを思いだします」

 

「いつまでも新人気分じゃいられないぞ。これからはお前が後輩たちを導いていく立場になるんだからな」

 

「任せてください! 先輩として皆さんにヒーローの心得を教えていくつもりです!」

 

 ソラが入隊して早一年あまり。後輩ができることを期待に胸を弾ませるのだった。




【キャラクター紹介①】

テルル・ポッカポッカ
イメージCV:名塚佳織
オリジナル主人公。スカイランド人の少女。14歳。ピンクのショートヘアにのの字に巻いたアホ毛が生えている。明るく活発的な性格で、訛り口調が特徴。5人家族で三姉弟の長女。一人称は「オラ」。
プリキュアに憧れて『青の護衛隊』に入隊するべく田舎から上京してきた。実家が牧場を営んでいるため、動物の扱いには手慣れている。また、逃げる動物を捕まえる内に体力と脚力が鍛えられ、驚異的な俊足と持久力を兼ね備えており、派生して強力な蹴り技を繰り出すこともできる。
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