昔書いたバカテスとぐらんぶるのクロスオーバー小説になります。他にもキャラだけ参戦とかあるかもしれませんがメインはこのふたつでいこうと思います。
side統夜
俺の通っている文月学園は、学力低下対策として化学とオカルトと偶然によって生み出された試験召喚システムを導入し、生徒のモチベーション向上を試みている学校だ。
最新技術の実験場としても扱われていて、世界中から多くのスポンサーが付いているので生徒の学費はかなり安く抑えられている。
また学校での生活についてだが2年生からは完全実力主義になっている。普通の高校なら進級する時にはランダムにクラス分けされるが、この学校では成績によってクラス分けをする。一部の進学校などと同じ方針だ。
1年の終わりに振り分け試験というテストを行い、その成績によって所属するクラスと、個人に対する待遇が変わるのだ。
クラスはAからFまでの6つあり、上位50人に入れる成績を取れば大型スクリーンや個人用のリクライニングシート、ノートパソコンが支給され、紅茶コーヒーお菓子付きのスーパーゴージャスでマーベラスなAクラスに配属される。
その一方で下位50人になった場合、畳や卓袱台が支給される築100年の廃墟のようなFクラスに配属されるのである。
ちなみにDクラスが普通の教室、1年生の時に使っていたものと同じで、イメージとしては少々貧乏な普通の公立高校の設備に近い。
また振り分け試験は体調不良による途中退出や欠席が認められず、そうなった場合全教科無点扱いになって強制的にFクラス行きとなるから、試験前の体調管理は大切だ。
まあ、試験中に突然腹を下したり、低気圧による偏頭痛とかがきたなら多少は仕方が無いとは思うが。だがこの学校は振り分け試験に関して厳格なので、そんな生徒に対しての情状酌量は微塵も存在しない。
故にインフルエンザにかかって振り分け試験を休んでしまった俺、藍原統夜は自動的にFクラスへと編入されるのだった。
4月の初め、文月学園に入学して2度目の春が訪れ、俺は桜が満開に咲き誇っている坂道を歩いていると文月学園の校門とその前に去年からよく色々と世話になっている鬼教師の姿が見えた。
「藍原、遅刻だぞ」
「おはようございます鉄じ───西村先生」
「藍原、今鉄人って言わなかったか?」
「まさか。気のせいですよ」
危ない。ついいつもの癖で鉄人と呼びかけてしまった。この人は生徒指導担当の西村宗一先生、通称鉄人。由来はトライアスロンをやっているから、そしてそのゴリラみたいなゴツい外見からだ。
問題児にとっては天敵で、俺や友人たちは何度もその鉄拳を喰らったことがある。
「まあ良い。それより今日はクラス分け発表の日だ。お前は振り分け試験を体調不良で欠席していたが、大丈夫だったか?」
鉄人は、バイオレンスで鬼な部分を除けば良い先生だ。生徒のことはしっかりと考えていてくれて、故に俺の欠席も心配してくれているのだろう。
「はい、大丈夫ですよ。で、どーせ俺はFクラス行きでしょうけど、正式な通達とかあったら貰えませんか?」
「ああ、これがお前の配属クラスを書いた紙だ」
鉄人はそう言って、俺に小さな封筒を手渡してくる。開けてみると、そこには簡潔にこう書かれていた。
『藍原統夜 Fクラス』
「一応、学校側には交渉したのだが、やはり再試は認められなくてな。済まないが藍原、お前はFクラスだ」
「大丈夫ですよ。それにFクラスならアイツらも一緒だろうから退屈な生活はしないでしょうしね」
「俺としてはお前たちがなにかやらかさないか心配なんだがな・・・」
鉄人はそう言って頭を抱えているが知ったことではない。
「まぁいい。お前はやればできる奴なんだから少しは真面目に勉強に励むんだぞ」
「はーい。それじゃまたな鉄人」
俺はそう言って校舎の中に入っていった。その時に後ろから聞こえた「西村先生と呼べー!」という怒鳴り声は無視しよう。
◆◆◆◆
「これがAクラスか・・・」
三階の二年生校舎に来て自分のクラスであるFクラスへ向かう途中Aクラスの教室を見たのだがその豪華さに思わず声がこぼれた。
「本当に普通の高校生の通う教室か?どう見ても不釣り合いだろう」
黒板の代わりにあるのは大きなプラズマディスプレイ、ノートパソコン、個人用のエアコン、冷蔵庫、リクライニングシート、そして天井にはバカでかいシャンデリア・・もうここ教室ってよりホテルだろ。
「まぁAクラスがこんな凄いんだからFクラスも最低限の設備はあるよな?」
俺はAクラスの設備の豪華さに驚きながらもこれならFクラスの設備もそこまで酷くないだろうと思いながら自分のクラスに向かった。
◆◆◆◆◆
「・・・・・・」
そして自分の新しいクラスであるFクラスに辿り着いたのだがAクラスとは別の意味ですごくて声が出なかった。
古ぼけた扉にひび割れ多数の窓。扉の上に飾られているFクラスのプレートは真ん中部分がセロテープで修正されている。どう見ても教室ではなく豚小屋や廃小屋とか言われた方がマシである。
「まぁいい。このまま教室の前で突っ立ってても意味ないしとっとと入るか」
何となく教室にいる面々の何人かは予想できるがこれから一年一緒に過ごすクラスメイトたちのことを考えながらドアを開けて教室に入る。
「おはようございま「早く座れ、この蛆虫野郎」上等だ、喧嘩なら買うぞ赤毛ゴリラ」
教室に入るなり俺に罵倒してきたのは悪友である赤毛ゴリラこと坂本雄二。昔は神童やら悪鬼羅刹など色々呼ばれていたが、今は特に何も言われていないらしい。
「ってなんだ統夜か。てっきり明久か伊織だと思ったんだが」
「あの二人だったらいいのかよ」
相変わらず雄二はあの二人の扱いが雑である。まぁそれだけ信頼しているとも言えるのか?
「というかなんで雄二は教壇に立ってるんだ?」
「ん?ああそれは俺がこのクラスの代表だからな。俺の兵隊となるクラスの全員を見てみたんだ」
雄二はニヤリと口の端を吊り上げながらそう言う。相変わらず悪巧みさせたら右に出るものは言われるだけはあるな。
「しかしまさかお前がFクラスに来るとはな」
「運悪く試験日にインフルエンザにかかってな。まったく学園側も再試験ぐらい受けさせてくれてもいいのにな」
「ふむ。これは予想外の戦力が入ったな」
俺が思わず溜息をつきながらそう呟くと雄二はボソリと何か呟いていたが声が小さくて聞こえなかったのでとりあえず雄二のいる教壇から離れて、自分の席を確保すべく教室の後ろに移動する。ちなみにFクラスの教室は卓袱台と座布団なので全員床に座っており席も決まっていないらしく適当に座っていいらしい。それでいいのかFクラス。
とりあえず後ろの席が空いてたのでそこに座った。何時もより早い時間に投稿した為に教室には雄二と俺を含め3人しかいなかった。
残りの1人というのが・・・
「む、統夜ではないか。まさかお主がFクラスに来るとはのう」
「ああおはよう秀吉」
木下秀吉だ。秀吉は男だがその容姿は女に見間違う程に女性的である。演劇部のホープで、変装や変声が得意だ。だが演劇にのめり込むあまり、ナース服などの女らしいコスプレ衣装を着て授業を受けることが多く、大半の男子からは女子と認識されている。
ちなみに普段からジジイ言葉を使っているが、古典は苦手だ。
「お主ならBクラスにいけると思ったんじゃがな」
「まぁ運悪く体調崩してな。でもお前らと一緒のクラスだから退屈はしないだろうから気にしないけどな」
「相変わらずじゃのう・・・まぁそんなお主じゃから明久たちと馬が合うんじゃろうな」
どういう意味だそれは。まぁ確かに明久たちとつるむのは楽しいがそんな扱いをされるいわれはない。
とりあえずHRまで時間あるので持ってきたラノベでも読んで時間を潰すか。
◆◆◆◆
卓袱台でラノベを読み漁って時間を潰しているうちにぞろぞろと教室に生徒が入ってきて気がつけばあっという間にHRになった。ちなみにFクラスの担任である福原先生が入る遅刻ギリギリに入ってきた明久と伊織は俺と同じように雄二に罵倒されていた。
「あー、皆さん。席についてください。これからHRを始めますので」
そう言われて教壇に立っていた雄二は席に戻り、担任は教壇に立つ。
「えー、おはようございます。このクラスの担任の福原慎です。よろしくお願いします」
福原先生はそう言うと薄汚れた黒板に名前を書こうとしたが、止めた。え?まさかチョークすらないのか?それもう俺たち学園に通う意味なくね?
「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか? 不備があれば申し出て下さい」
福原先生がそう言うと堰を切ったようにクラスメイトたちの不満が一気に出る。
「せんせー、俺の座布団に綿が殆ど入ってないですー」
「あー、はい。我慢してください」
「先生、俺の卓袱台の脚が折れています」
「木工用ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」
「センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど」
「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」
「先生、このキノコ食べても大丈夫ですか?」
「それは毒キノコなので食べたら死にますよ」
これは酷い。ここまで不備があるとただでさえバカなクラスメイトたちのヤル気が更に下がるのではないだろうか?というか明久、教室に生えてるような怪しいキノコを食おうとするな。
「必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください」
それ学園側として色々と問題なのでは?と思ったがこの学園の方針によってクラスごとに設備の格差があるのは決まってるから仕方ないことと諦めるしかないな。
「では、廊下側の席の人から順番に自己紹介をお願いします」
福原先生の言葉にそれぞれが自己紹介を始めていた。見覚えのあるやつもいればないやつもいる。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
秀吉が自己紹介するとクラスメイトのほとんどの男子が反応したというか何人か告白しようとして処刑されていた。恐ろしく早い手口。俺じゃなきゃ見逃してたね・・・
「・・・・・・土屋康太。趣味は盗さ・・・・・・何でもない、特技は盗ちょ・・・・・・何でもない」
土屋康太またの名をムッツリーニ。趣味は盗撮と盗聴で撮った写真は裏でムッツリ商会と呼ばれる商会で写真販売を行っている。
「島田美波です。海外育ちで、日本語の会話はできるけど読み書きは苦手です。あ、でも、英語も苦手です。英語圏内じゃなくてドイツ育ちだったので。あと、趣味は北原伊織を殴る事です♪」
「なんて物騒な趣味をしてるんだ貴様はァ!?」
なんて物騒な趣味を持ってるんだ。島田よ、その趣味は色々と誤解を招きかねないぞ。まぁ人の趣味をとやかく言うつもりもない。
「北原伊織だ。趣味はダイビングだよろしくな」
次に自己紹介を行ったのはパンツ一丁の変態こと北原伊織だ。親戚がダイビングショップを経営しており現在は親戚の家の離れに居候しているらしい。ちなみに脱ぎ癖はダイビングショップで働いているうちについたらしい。
「今村耕平だよろしく頼む」
伊織の次は学生服の下に魔法少女アニメらしき女の子のキャラが描かれたシャツを着ている残念イケメンこと今村耕平。本人はオタクであることを否定しているがその言動の全てがオタクであることを証明しているので全く意味がない。ちなみにコイツも伊織と同じダイビングショップで働いており脱ぎ癖持ちだ。
「よ、吉原愛菜です!!よろしくお願いします!!」
耕平の次に緊張しながら自己紹介したのは吉原愛菜。貴重なツッコミ役ではあり、本人は自分を至ってまともな方と思っているが、ケバすぎる化粧を以前したことからケバ子のあだ名で呼ばれている。
そしてケバ子の後の何人かが自己紹介を済ませると俺の番になった。
「藍原統夜だ。よろしく」
俺は軽く自己紹介するとそのまま席に座る。そして次は明久の番になった。
「吉井明久です。僕のことはダーリンって呼んでください♪」
『ダァ━━━リン!』
「・・・・・・失礼、忘れてください」
明久、吐きそうになるくらいならそんな馬鹿な発言をするな。というかうちのクラスの連中ノリよすぎじゃないか?そうしてそんな感じで自己紹介が進んでいると不意にドアが開き、息を切らせて胸に手を当てている女子が現れた。
「あの、遅れて、すいま、せん…」
『えっ?』
誰からという訳でもなく、教室全体から驚いたような声が上がる。そりゃそうだ。彼女はこんな底辺クラスにいるのはおかしいんだからな。
「ちょうど良かったです。今自己紹介をしているところなので、姫路さんもお願いします」
「は、はい! あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします・・・」
姫路とが自己紹介をすると
「はいっ!質問です!」
既に自己紹介を終えた男子生徒が高々と右手を挙げる。それに驚きつつも応える姫路。
「あ、は、はいっ。な、何ですか?」
「何でここにいるんですか?」
聞き方によってはイジメとも取れる質問が浴びせられる。だがそれは俺を含めこのクラス全員が思っていることだ。何故なら、姫路と炭治郎はAクラスに入ってもおかしくない学力を持っているのだから。特に姫路は二年の中でもトップクラスなのだからこんな最底辺のクラスにいるのに疑問を抱くのも仕方がないだろう。
「そ、その・・実は振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして‥‥」
その言葉を聴いて、クラスの奴等は『ああ、なるほど』と頷いた。姫路の体が弱いことは知られていることから試験を受けられなくなった理由に納得できるのだった。
「そう言えば、俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに」
「ああ。化学だろ?アレは難しかったな」
「俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出しきれなくて」
「黙れ1人っ子」
「前の晩、彼女が寝かせてくれなくて」
「今年一番の大嘘をありがとう」
なんてこった。うちのクラスのバカさは想像以上だった。
「では、1年間よろしくお願いしますっ!」
そう言って姫路は明久と雄二の間の空いている卓袱台の間に荷物を置いた。
「き、緊張しましたぁ〜・・・」
席に着くや否や安堵の息を吐き、姫路は卓袱台に突っ伏した。それを隣で見ていた明久は姫路に声をかけようとする。
「あのさ、姫「姫路」」
しかし残念ながら明久の声を遮るように雄二が姫路に声をかけた。あのニヤケヅラからしてワザとやったなアイツ・・・
「は、はいっ。何ですか?えーっと・・・」
「坂本だ。坂本雄二だ。よろしく頼む」
「俺は藍原統夜。よろしく」
「あ、姫路です。よろしくお願いします」
雄二が姫路に挨拶するのに合わせてついでに俺も挨拶する。姫路も深々と頭を下げながら挨拶する。挨拶も丁寧だし育ちの良さが見える。
「ところで、姫路の体調は未だに悪いのか?」
「あ、それは僕も気になる」
「よ、吉井君!?」
雄二が姫路の体調について尋ねると姫路の体調が気になったのか明久が会話に割り込むと姫路は明久の顔を見て驚いていた。
「姫路。明久がブサイクですまん」
「違うぞ雄二。姫路は明久がまともな格好していることに驚いているんだろ」
「2人ともなんて事言うんだ!?」
嫌だって入学式初日にセーラー服で登校した上に1年の頃罰ゲームやらなんやらで女装したことのある明久が普通の制服着ているなんて驚かれても仕方がないだろう。
「そ、そんなことありません!目もパッチリしてるし、顔のラインも細くて綺麗だし、全然ブサイクなんかじゃないですよ!その、むしろ・・・」
姫路はそう言って頬を赤らめながらチラチラと明久の顔を見る。そう言えば前に優子が姫路はライバルだと言っていたがこの姫路の表情から見る限りライバルはライバルでも恋のライバルのようだな。
「そう言われると、確かに見てくれは悪くない顔をしているかもしれないな。俺の知人にも明久に興味を持っている奴がいたような気もするし・・・」
「そ、それって誰なんですか!?」
雄二の言葉に過剰に反応した姫路が雄二に聞いてきた。明久も気になるのか聞き耳を立てているが雄二がそんな明久が喜びそうなことを言う訳もなく
「確か名前は久保・・・利光だったかな」
明久を絶望させるかのように男の名前を言うと雄二の言葉に明久はさめざめと泣いた。
「明久安心しろ。雄二のそれは半分冗談だ」
「え?残り半分は?」
「ところで姫路。体はもう大丈夫なのか?」
「あ、はい。もうすっかり平気です」
「ねぇ統夜!残りの半分は!?」
残念ながら久保の明久に対する思いはLIKEではなくLOVEだ。以前たまたまムッツリ商会で嬉しそうに明久の抱き枕や写真を買っている姿を見たから間違いない。
「ハイハイ、そこ静かにしてください」
「あ、はいすいませ───」
明久の声に反応した福原先生が注意しながら叩くと教壇が壊れ、一瞬にしてゴミ屑と化した。まさか軽く叩いただけで崩れ落ちるとは・・・どれだけ脆かったんだアレ。
「え〜・・・替えを用意してきます。少し待っていてください」
気まずそうに告げると、先生は足早に教室から出て行った。それからしばらくして、明久と雄二が教室を出て行く。
おそらく、明久が雄二に戦争を提案するのだろう。アイツの目的はおそらく、姫路に上位クラスの設備を使わせることだ。雄二は賛成して、この後クラスに方針を発表するだろうから、それまで俺の仕事は無いのでさっきまで読んでいたラノベの続きを読むことにした。
しばらくして福原先生が新しい(しかしボロい)教壇を持って設置する。換えの設備があるのはいいんだがせめて新しい設備にして欲しい。またすぐにでも壊れそうだ。そして話が終わったのか明久と雄二も戻って席に座った。
それからHRが再開すると特にこれといった面白いことも無く淡々と自己紹介の続きが行われ雄二以外の自己紹介が終わると先生が口を開ける。
「坂本君、君が自己紹介の最後の1人ですよ」
「了解」
先生に呼ばれた雄二は教卓に向かう。その姿はいつものバカな雄二とは違い、厳かな雰囲気を纏っている。
「坂本君はFクラスの代表でしたよね?」
先生が言うが、Fクラスの代表なんて普通なら無価値に等しい立場だろう。Aクラス代表なら尊敬されるだろうが、雄二は逆にバカにされる立場だ。にも関わらず、彼は自身満々の様子で悪い笑みを浮かべて言った。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ」
ふむ、好きに呼んでいいのか。なら・・・
「「「じゃあバカゴリ───あっぶな!?」」」
俺、明久、伊織が雄二のことをバカゴリラと言いかけると俺たちの顔スレスレにカッターナイフが飛んできた。
「次は耳だ」
どうやら雄二は本気のようだ。
「まぁいい。とりあえず俺の事は代表か坂本と呼んでくれ。俺の紹介は終わりだが、皆に一つ聞きたい」
そう思っていると雄二は俺達全員の目を見るようにして告げる。アイツ、間の取り方が上手いな。自然にクラス全体から視線を集めている。それからすぐに雄二は視線を逸らすので俺達も雄二に続き目を逸らす。
古くボロくかび臭い教室
汚れた綿の無い座布団
薄汚れて脚の折れた卓袱台
一通り見てから再度雄二を見る。
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが・・・」
一呼吸おき口を開ける。
「不満はないか?」
雄二がそう言った瞬間・・・
『大ありじゃぁっ!!』
Fクラス全体から魂の叫びが発せられる。
「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」
『そうだそうだ!』
『いくら学費が安いからってあんまりだ!改善を要求する!』
『そもそもAクラスだって同じ学費だろうが!』
雄二がクラスを煽り、それに対して教室中から不満が爆発する。設備に不満のない人間なんていないだろう。
「皆の意見もごもっともだ。そこでこれは代表としての提案なのだが───」
雄二はクラスの反応を見て自信に溢れた笑みを浮かべ、告げた。
「FクラスはAクラスに試験召喚戦争を仕掛けようと思う」
こうして、坂本雄二は試召戦争の引き金を引いたのだった。
あとがき
いかがだったでしょうか?今回はぐらんぶるの八割近くを占めている酒が登場していませんが、もし続きがかけたらなるべく早く出したいですね。