世界の破壊者は青春の物語を繋ぐ   作:樺白

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#5 闇にさす黄色の光

ヘルメット団を追っ払った次の日。

 

バイクでアビドスに向かう道中に見知った獣耳が生えた黒髪のツインテールの子に遭遇した。

 

”……セリカか?あいつ学校の道と別の道に向かっているみたいだが。”

 

士はセリカの行方が気になり声をかけるためにセリカに近づく。

 

バイクの音に気付いたセリカがこっちを振り向くも、士の顔を見た途端に嫌なものを見たような顔をする。

 

セリカ「……なんか用?」

 

一応知人だからか最低限の返事をする。

 

”お前、こっちの方向だと学校とは別方向だが、どこへ行く気だ?”

 

セリカ「私が何をしようと、先生には関係ないでしょ。」

 

”お前が何しようが知らんが、せめて学校に顔を出したらどうだ?”

 

セリカ「アンタは知らないと思うけど、今日は自由登校日で学校に行かなくてもいいの、そういう事だから。」

 

行かない説明をするとそそくさと士から離れていった。

 

”嫌われているみたいだな。”

 

 

 

バイクを走らせろとアビドス高校が見えてきて校門の前にバイクを止め、カードに戻すといつも会議を行なってる教室へと向かう。

 

中に入ると、セリカ以外の4人が既に揃っていた。

 

……ホシノは寝ているが。

 

シロコ「ん、おはよう先生。」

 

アヤネ「おはようございます!」

 

ノノミ「おはようございます⭐︎」

 

ホシノ「zzz……!うへぇ〜おはよう先生。」

 

“4人出席と……セリカは今日は登校しないようだ。”

 

シロコ「ん?セリカから連絡が来たの?」

 

“いや、通勤中に偶然会ってな、学校とは真逆の方向行ってたぞ、別に今日は自由登校日らしいから問題ないが……どうやら俺は嫌われているみたいだ。”

 

ホシノ「ん〜……嫌われてるっていうか素直になれないのかもね〜セリカちゃんツンデレだから。」

 

“なら良いがな……お前らは場所とか聞かされてないのか?”

 

シロコ「……そういえば、セリカって放課後はすぐ帰るし、今日みたいな自由登校日だと来ないけど、どこ行ってるんだろ?」

 

アヤネ「言われてみれば、モモトークの返信も遅いですよね。」

 

ホシノ「確かに。」

 

“なんだ、お前らも聞かされてないのか。”

 

ノノミ「……!じゃあ皆さん、セリカちゃんがきた日の放課後にあとをつけてみるのはどうですか⭐︎」

 

“なるほど……確かにそれなら場所を特定できるな。”

 

ホシノ「さんせ〜。」

 

この日はセリカがいないのもあって今後について軽く話すだけで終えた。

 

 

 

次の日の放課後、セリカが帰り始めた頃気づかないように背後や建物の屋上に登りセリカを監視を始める。

 

シロコ「……ターゲット、ポイントAを通過。」

 

ノノミ『ターゲット追跡中、このまま尾行を続けます。』

 

ホシノ『ハウンド、交代。』

 

アヤネ「了解しました、引き続き追跡をお願いします。」

 

シロコ「……そういえば、なんで先生変身してるの?」

 

シロコがいう通り今の士の姿は、ディケイドに変身していた。

 

“変身すれば視力が8倍にも跳ね上がる、こういう遠くからの監視なら他の奴らにバレにくいからな。“

 

アヤネ「すごい機能ですね……。」

 

その後もセリカの追跡を続ける、どうやら全く気付いていない様子で、横断歩道を渡るのをサポートしてあげたり、買い物をしていたり、不良を撃退していたりしていた。

 

“(……こないだのヘルメット団と戦いでもそうだが、セリカの奴は射撃能力が高く、特に精密射撃が得意なのか、かなりの命中率だ。1年生でこれなら将来的にかなりの強者になるだろう。)”

 

セリカのことを心の中で褒めつつ監視を続けた。

 

 

 

監視を続けること数十分、セリカはとある場所に入っていった。

 

ノノミ「ここは……柴関ラーメン?」

 

“ラーメンか……ここにもこういう高級志向ではないちょうど良いものがあるとはな。”

 

ホシノ「いやいや〜こっちでもラーメン屋や定食屋はあるよ〜先生トリニティとかに行ってきたの?」

 

“よくわかったな。”

 

シロコ「……そういえば前にラーメンが美味しいこと言った時セリカが動揺してた気がする。」

 

“ここのラーメンが好きって事か?”

 

少しの間ラーメン屋の前で待機するも一向に出てくる気配がない。

 

シロコ「セリカ、出てこないね。」

 

ホシノ「大食いチャレンジでもしてるのかな〜」

 

ノノミ「お腹も空きましたし、私たちも入ってみましょうか。」

 

ホシノ「賛成〜」

 

“そうだな、俺もコンビニ……あれはコンビニで良いのかわからんがそこ以外でこういうの食べるのは久しぶりだ。”

 

変身解除してラーメン屋の中に入る。

 

「へいらっしゃい!」

 

「いらっしゃいませ……なっ!?」

 

「!」

 

“なるほど、そういう事か。”

 

中に入ると見知った顔が店員をしていた。

 

ホシノ「セリカちゃんやほ〜」

 

ノノミ「制服とても可愛いです⭐︎」

 

セリカ「なっ……ああ……!?」

 

「アビドス高校の生徒さんか!セリカちゃんのお友達ならサービスしないとな!」

 

セリカ「!?……うぅ。」

 

セリカ「そ……それではこちらへどうぞ……。」

 

ホシノ「セリカちゃんってユニフォームでバイト決めちゃうタイプなんだね〜」

 

ノノミ「先生こちらへ!私の席、空いてます!」

 

シロコ「……ん、私の席も空いてる。」

 

“さすがキツイだろ……大将、そこの椅子借りてもいいか?”

 

柴大将「おう!持っててくれ!」

 

シロコ「ん、つまらない。」

 

セリカ「で、ご注文は?」

 

「wsyhgrdっふぃいっkj」

 

セリカ「いっぺんに言わないでよ!!」

 

ホシノ「先生も遠慮しないで、じゃんじゃん頼んで〜」

 

“どうせ俺持ちだろったく……好きなもん頼め。”

 

ホシノ「わ〜お太っ腹だね〜。」

 

目をキラキラしている3人、その時ノノミが俺にこっそり言った。

 

ノノミ「先生、こっそりこれで支払ってください。」

 

ノノミがゴールドのカードを取り出す。

 

“……いやいい……お前も好きなもんを頼め、子供が変に遠慮するな。”

 

ノノミ「え……?は、はい?」

 

“クレジットカードは作らない主義だったんだがな……まあいい俺は……。”

 

セリカ「……。」ギロッ

 

セリカに思いっきり睨まれる 。

 

“おいおい、お客様に対してその目つきはいかがなものかと思うが?”

 

柴大将「あははすまねえ!いつもは笑顔で接客出来てるから今回は友達が来たから緊張しちまってるんだ!」

 

“そうか……これにしてみるか。”

 

注文を決めしばらく待つと、ラーメンが運ばれてくる。

 

“おお……これは……いただきます。”

 

「いただきます!」

 

ラーメンを啜る。

 

「!」

 

柴大将「どうでいウチの味は?」

 

“!……美味い。”

 

「美味しい!」

 

柴大将「そうだろそうだろ!」

 

キヴォトスに来てからの食事で一番美味しく、士の頬が緩む。

 

“ああ、醤油スープの中に煮干しだしと……おそらく昆布だしが使われて、見た目よりかはあっさりと食べられて麺が進む。“

 

柴大将「!……先生も料理経験者かい?スープを飲んだだけで使ってる出汁までわかるなんてな!」

 

”前に社員レストランのチーフをやってたんでな。“

 

柴大将「おお!そんなすごい人に評価されるとテンションが上がるってもんよ!」

 

アヤネ「……ほんとなんですかね?」

 

シロコ「ん、嘘ついてるようには見えない。」

 

周りを見ると席がほとんど空いてなくほぼ満席状態だった。

 

”……繁盛してるみたいだな。“

 

柴大将「いやぁ……ここんところ客足が落ちてね。」

 

”……砂の影響か?”

 

柴大将「かもな……まあ気にしててもしょうがねえ。」

 

柴大将「な〜に腹減らして来た客にドーンと美味いもんを食わしてやる……うちの以等はそれだけだ!」

 

“……フッ、気に入ったぞこのラーメン、今後も通わせてもらう。”

 

柴大将「おお!嬉しいね先生!ならいっぱいサービスしてやろう!」

 

柴大将は大きく笑い、士は静かに笑う。

 

 

 

時間は夜になり、店も閉店し始める頃。

 

柴大将「セリカちゃん!今日はもう上がってもらって良いよ!」

 

セリカ「あ、はーい。」

 

柴大将「……なあセリカちゃん。」

 

セリカ「?」

 

柴大将「あの先生……生徒思いの良い大人じゃねえか。」

 

セリカ「え?」

 

柴大将「俺はそう思うぜ。」

 

セリカ「……お先に失礼します。」

 

 

 

セリカ「……。」

 

ゴドンッ

 

セリカ「?……うわっ?!」

 

コンビニやまだやっている光が照らされてる中歩いていると急にスポーツドリンクを投げ渡される。

 

シロコ「お疲れ……今帰り?」

 

投げ渡した相手はシロコだった。

 

シロコ「……さっきのラーメン美味しかった。大将も良い人だし、それに頼りになりそう。」

 

セリカ「……。」

 

シロコ「ねえセリカ……私は先生も頼りになる大人だと思う。」

 

セリカ「!」

 

シロコ「確かに調子に乗ったり、上から目線ってのはある……でも学校の問題にしっかりと向き合ってくれてる。」

 

セリカ「……。」

 

シロコ「じゃあねセリカ、また明日。」

 

そう言い残すと近くに置いてあった自転車に乗り、セリカと別れる。

 

セリカ(シロコ先輩も大将と同じなんだ……先生……か。)

 

セリカ(私も素直に頼れば良いかな……ううん、そんなことできない!だってアビドス高校は……!!)バッ!

 

シロコの言葉に考えていると、背後から物音が聞こえ、後ろを振り返る。

 

「黒見セリカだな。」

 

セリカ「カタカタヘルメット団?あんたたち、まだこの辺うろついてんの?」

 

セリカ「……ちょうど良かった。このモヤモヤを晴らしたかったの。二度とこの辺りに足を踏み入れないようにしてやる!」タタタタッ!

 

そう言い放った直後すぐさまヘルメット団に発砲する。

 

「ぐっ……この!」

 

ヘルメット団も反撃しようとするも……。

 

セリカ「遅いわよ!」タタタタッ!

 

「うぐっ?!」

 

反撃の隙も与えぬまま、ヘルメット団に発砲を続ける。

 

セリカ(……ヘルメット団は基本的に一人じゃないはず……!)

 

セリカ「後ろ!」タタタタタッ!

 

「がはっ?!」ドサッ

 

背後から迫ってくるヘルメット団に気づき、すぐさま振り返り発砲される前に撃退する。

 

セリカ「ふんっ!こっちはシロコ先輩達に鍛えられてるんだから、あまり舐めないで!」

 

「……良くないなぁ……こういうのはぁ……。」

 

セリカ「ふんっ!良くないことしてんのはアンタ達でしょ!」

 

一人のヘルメット団の団員がセリカに言い放ち、それは聞いたセリカは反論を返す。

 

「邪魔なんだよ……あたし達の思い通りならないものはすべてっ!!」

 

そう言うと、ポケットから何かを取り出す。

 

セリカ(何か取り出した?……あれは……時計?)

 

取り出したものは黄色の時計のようなものだった。

 

カチッ

 

カイザ

 

時計のスイッチを押すと『カイザ』という音声が流れる。

 

COMPLETE

 

セリカ「くっ……眩しっ?!」

 

『COMPLETE』と音声と共にヘルメット団員の身体を纏うように黄色い発光が起こる。

 

セリカ「なんなの……っ!?」

 

発光が収まるとヘルメット団員の姿が、全身が黒く体の周りには黄色いラインが入り、複眼が紫のライダーが立っていた。

 

セリカ(あれ……先生が変身してた仮面ライダー!?……なんであいつらが!?)

 

「じゃあ……死んでもらおう……かな?」

 

セリカ「っ!……姿が変わっただけで良い気にならないで!」タタタタッ!

 

「おっと……。」サッ

 

セリカはライダーに向かって発砲するもライダーはそれを簡単に避けてしまう。

 

カチャ

 

ピッピッピ

 

ピッ!

 

BURSTMODE

 

カチャ

 

「ふっ……。」バスバスバスッ!

 

セリカ「うわっ……!?」サッ

 

ベルトに装着されていた携帯電話のようなものを取り外し、上半分をスライドして開いてボタン入力を行い、上半分を斜めにスライドしセリカに向けるとビームのような弾が発射される。

 

セリカ(何あれ!?……携帯電話……しかも昔のっぽいけど、あれが銃なの!?)

 

今まで見た事ない武器を見て、セリカは驚く。

 

「……ふっ」カチャッ

 

携帯電話のようなものをベルトに戻し、代わりにベルトの横についている十字のような武器を外す。

 

セリカ「あれも……武器なの?」

 

自動販売機を縦にしながらセリカはつぶやいた。

 

「……かくれんぼ……なのかなぁ?」スチャッ

 

十字の武器の下部を開き、すぐさま閉じる。

 

BURSTMODE

 

「ふっ……。」バババババババッ!

 

セリカ「っ!?……キャッ!?」サッ

 

十字の武器を自動販売機に向けビームのような弾が連続で発射し、自動販売機を破壊する。

 

セリカ「っ……!?」バッ

 

「あまり時間を使わせないで欲しいなぁ……?」

 

セリカがライダーの方を向くと、そのライダーは一瞬のうちにセリカの前に立っていた。

 

セリカ「っ……このっ!!」ブンッ!

 

セリカは持っている銃を振り回して攻撃するも……。

 

ガシッ!

 

「……君の力はこの程度……っという事で良いのかなぁ?」

 

セリカ「っ?!」

 

振り回した銃は簡単にライダーに掴まれてしまう。

 

「ふんっ!」ブンッ!

 

セリカ「がッ……?!」ゴスッ!

 

ライダーはセリカのお腹を狙い殴る。

 

セリカ「がはっ……げほっ……?!」ドサッ

 

セリカはお腹を押さえ蹲ってしまう。

 

「おい、殺すなよ。」

 

「ああ、わかってるさ。」

 

カラン

 

プシュー

 

もう一人いたヘルメット団員がグレネードに似たものを投げ、その中から煙があふれ出る。

 

セリカ(なに……こ……れ……。)ドサッ

 

煙を吸ってしまったセリカはそのまま意識を失ってしまう。

 

「……車に乗せろ。」

 

「ああ。」

 

意識を失ったセリカを運び出し、そのまま闇の中へと消えていった。

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