本来の目的である百夜堂に向かうためにポスターに載っている地図を見ながら歩き、目的地付近に着くも、建物自体の写真が載っていなかったため、通行人に声を掛け百夜堂の場所について聞いていた。
「百夜堂っていえば、あの有名な喫茶店だね。」
”有名なのか?”
「百夜堂のイチゴ餡蜜が最高でねえ。」
「色々美味しいものがあるんだけど、何より最高なのは……」
”何より最高な……?”
「「「シズコたんの可愛い笑顔!」」」
”……は?”
士の想像よりも別ベクトルの物が出されたため、思わず声が漏れてしまった。
……その後も他の通行人に聞いても同じようなセリフを言われ、何十回も繰り返した末に、ようやく百夜堂へとたどり着いた。
”もしかしたらヤバイ店なのか……?”
たどり着いた百夜堂に対して良くない印象を持っていた士は、百夜堂の入り口を開ける。
「お頭ァァ!ようこそいらっしゃいマシタッ!」
フィーナ「わざわざシャーレ組からいらっしゃると聞いて、このフィーナ!心よりお待ちしておりマシタァッッッ!!!」
”……。”
”……悪い、店を間違えたみたいだ。”
入る店を間違えたと思い、店が出ようとする。
シズコ「ちょっとフィーナ!先生が困ってるでしょ!」
フィーナ「エ、でも……先生が来たらビックリするくらい盛大にお出迎えの挨拶をって、さっき委員長が。」
シズコ「いやいやいや、それはあくまでも百夜堂の従業員としての、第一印象的な話だから!」
シズコ「そう、第一印象!」
シズコ「第一印象をとびっきり可愛くしておくことで、最初から先生の好感度MAXで行こうというこの……。」
”……おい。”
シズコ「……はっ!?」
シズコ「え、えっと、今のはその、つまり……て、てへぺろ……っ!」
”……。”
シズコ「じゃなくて……こほんっ!」
シズコ「……いらっしゃいませ、先生!」
シズコ「百夜堂へようこそ!にゃんにゃん!」
”にゃん……なんだそれは?”
シズコ「えへっ、では中へご案内いたします!」
”……それには無視か。”
シズコ「フィーナ、1名様!」
フィーナ「はいっ!不肖フィーナ!お頭を全力でおもてなしいたしマスッッッ!」
シズコ「だからそういうのじゃなくって!!」
”……任侠か?”
シズコの案内について行き、席に座る。
シズコ「それにしても先生、本当に来てくださったんですね!」
”呼ばれたからな、来ないわけにはいかないだろ?”
シズコ「えへへっ、ではあらためて自己紹介を。」
シズコ「私は
シズコ「それと同時に百夜堂の看板娘でもあって、つまりはみんなのアイドルみたいなものです!」
”……そうか。”
フィーナ「そしてワタシは百夜堂の従業員!」
フィーナ「任侠の道を究めんとする、フィーナと申しマス!」
”本当に任侠だったんだな……門矢士だ。”
シズコ「こほん。それで先生は、百鬼夜行連合学院に来るのは初めてなんですよね。」
”ああ、下調べはある程度はしたがな。”
シズコ「では、私たちお祭り運営委員会のPRを兼ねてお話ししましょう。」
シズコ「ずばり、百鬼夜行連合学院とはどういうところなのか、始まり始まり~!」
”そういう感じで行くのか……?”
シズコは士の言葉に返事せず、そのまま解説を始めた。
シズコ「百鬼夜行連合学院は、昔から観光業を中心に発達した学院自治区です。」
”観光業か……確かに観光客向けの物が多かったな、風景もいいしな。”
シズコ「はい!お祭り、温泉、音楽といった様々な娯楽がたくさんあるのですが……何よりも注目すべきは、グルメ!」
シズコ「ありとあらゆる文化と生徒たちとが交わり、息づいている。そんな場所なんです!」
シズコ「そして私たち「お祭り運営委員会」は、その百鬼夜行の観光業の中でも最大級の規模を誇る「お祭り」を担当しています。」
”お祭り運営委員会か。”
シズコ「「運営委員会」という名前ですが、企画から運営、そして全般的な管理まで、そのほとんどを担当してる部活なんです!えっへん!」
”なるほどな。”
フィーナ「そしてここ百夜堂は、私たち「お祭り運営委員会」のCoooolなアジトなんデス!」
シズコ「そして今まさに、私たちが準備してきた「百夜ノ春ノ桜花祭」が開催中!」
シズコ「これが私たち、お祭り運営委員会の力です!」
”今やっている奴もか……すごいな。”
活気あふれるこの桜花祭を運営してる事に士は素直に褒める。
シズコ「ありがとうございます。色んな方の努力や協力があって、こうして盛り上がってはいるのですが……。」
シズコ「最近、邪魔をしてくるやつらが現れまして……。」
”邪魔をしてくるやつら……?”
シズコ「今朝もいきなりあちこち荒らされたし、ほんっとに……。」
”それが相談したいことか?”
シズコ「はい、先生を純粋に「百夜ノ春ノ桜花祭」へご招待したかったのも本当なのですが……。」
ズドーン!!!
”なんだ?”
シズコの話を聞いていると、店の外から何かが爆発した音が聞こえた。
フィーナ「委員長!敵襲デス!」
シズコ「ああもうっ、言ってるそばからあいつら!ほんっとやってらんない!!……あっ。」
シズコ「え、っと、きゃーシズコ怖ーい……なーんちゃってー……えへっ。」
”……。”
シズコ「と、とにかく!詳しい事は現場に向かってからで!」
”……そうだな。”
シズコ達の後に続き、店の外に出る。
「ふはははっ!あたしらは、百鬼夜行の路上に屯する魑魅魍魎。」
「その名も……魑魅一座・路上流っす!」
「さあみんな、ご要望通りに荒らして荒らして荒らしまくりな!」
外に出てみると天狗の面を付けた生徒たちが暴れていた。
”なんだありゃ……天狗か?……ここの祭は派手だな。”
シズコ「そ、そんなわけないじゃないですか!!こんなお祭りがあってたまるもんですか!」
シズコ「いや、キヴォトスは広いし、あるかもだけど……とにかくあれはただの邪魔者です!」
”……まあそうだろうな……こんな祭、一部を除いて参加しないだろうな。”
目の前の景色に、士は紫のライダーを思い浮かべて呟いた。
フィーナ「せっかくの桜花祭を邪魔しようとするだなんて!許せマセン!」
「はっ、たかがお祭りの運営委員会ごときが、あたしらの相手になるとでも!?」
「まあいい、相手してやんな。全員、突撃!」
シズコ「先生は離れた場所に……!」
”自分の身は自分で守る。”
そう言うと、ジャケットの内側からベルトのバックルを取り出し、腰に装着する。
フィーナ「それはなんデスカ……?」
”俺の武器だ……変身!”
ライドブッカーからカードを取り出し、バックルに差し込む。
DECADE
音声が鳴ると、士の身体はマゼンタ色の「ディケイド」に変わる。
「なっ……!?姿が変わった。」
シズコ「噂には聞いてたけど……本当に姿が変わるなんて!!」
「な、何なんだあんたは!?」
”通りすがりの仮面ライダー……今はシャーレの先生だがな。”
”俺はお前らに危害を加える気はないが……お前らが銃を俺に向けて場合は容赦なく無力化させてもらう。”
「な、舐めんな!!」カチャッ
荒らしてる一人が士に向けて銃を向ける。
”ふっ!”バシュバシュバシュ!
「……っ!」
すぐさまライドブッカーをガンモードに変形し、向けた奴の銃を撃ち落とす。
フィーナ「す、すごいデス!!」
”シズコ、フィーナ準備は良いか?”
シズコ「はい!」
フィーナ「もちろんデス!」
士は二人に指示を出し、暴れてる奴らを無力化し始める。
”フィーナ!1時方向!”
フィーナ「了解デス!」タタタタッ!
「ぐっ!?」ドサッ
”シズコ!余り前に出すぎるな、物陰に隠れ11時の方向に射撃だ。”
シズコ「はい!」ダンッ!
「ぎゃっ!?」ドサッ
「このっ!」カチャッ
”はっ!”バシュッ
「……ぐっ!」カンッ!
士の指示により、面をかぶった魑魅一座を制圧していく。
「やあっ!!」
”ふっ……っ!お前は!?”
こっちに向かって襲い掛かってくる奴にライドブッカーを向けた時、襲い掛かってきた人物の顔に見覚えがあった。
「お覚悟!」ダンッ!
”ッ!”サッ!
その少女は士に向かって発砲するが、士はそれを躱す。
シズコ「先生!」ダンッ!
「きゃんっ!?」ドサッ
シズコが士の代わりに、襲ってきた少女に発砲する。
”お前は……イズナか……?何故ここにいる?”