世界の破壊者は青春の物語を繋ぐ   作:樺白

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#2 百夜堂へようこそ

本来の目的である百夜堂に向かうためにポスターに載っている地図を見ながら歩き、目的地付近に着くも、建物自体の写真が載っていなかったため、通行人に声を掛け百夜堂の場所について聞いていた。

 

「百夜堂っていえば、あの有名な喫茶店だね。」

 

”有名なのか?”

 

「百夜堂のイチゴ餡蜜が最高でねえ。」

 

「色々美味しいものがあるんだけど、何より最高なのは……」

 

”何より最高な……?”

 

「「「シズコたんの可愛い笑顔!」」」

 

”……は?”

 

士の想像よりも別ベクトルの物が出されたため、思わず声が漏れてしまった。

 

……その後も他の通行人に聞いても同じようなセリフを言われ、何十回も繰り返した末に、ようやく百夜堂へとたどり着いた。

 

”もしかしたらヤバイ店なのか……?”

 

たどり着いた百夜堂に対して良くない印象を持っていた士は、百夜堂の入り口を開ける。

 

「お頭ァァ!ようこそいらっしゃいマシタッ!」

 

フィーナ「わざわざシャーレ組からいらっしゃると聞いて、このフィーナ!心よりお待ちしておりマシタァッッッ!!!」

 

”……。”

 

”……悪い、店を間違えたみたいだ。”

 

入る店を間違えたと思い、店が出ようとする。

 

シズコ「ちょっとフィーナ!先生が困ってるでしょ!」

 

フィーナ「エ、でも……先生が来たらビックリするくらい盛大にお出迎えの挨拶をって、さっき委員長が。」

 

シズコ「いやいやいや、それはあくまでも百夜堂の従業員としての、第一印象的な話だから!」

 

シズコ「そう、第一印象!」

 

シズコ「第一印象をとびっきり可愛くしておくことで、最初から先生の好感度MAXで行こうというこの……。」

 

”……おい。”

 

シズコ「……はっ!?」

 

シズコ「え、えっと、今のはその、つまり……て、てへぺろ……っ!」

 

”……。”

 

シズコ「じゃなくて……こほんっ!」

 

シズコ「……いらっしゃいませ、先生!」

 

シズコ「百夜堂へようこそ!にゃんにゃん!」

 

”にゃん……なんだそれは?”

 

シズコ「えへっ、では中へご案内いたします!」

 

”……それには無視か。”

 

シズコ「フィーナ、1名様!」

 

フィーナ「はいっ!不肖フィーナ!お頭を全力でおもてなしいたしマスッッッ!」

 

シズコ「だからそういうのじゃなくって!!」

 

”……任侠か?”

 

シズコの案内について行き、席に座る。

 

シズコ「それにしても先生、本当に来てくださったんですね!」

 

”呼ばれたからな、来ないわけにはいかないだろ?”

 

シズコ「えへへっ、ではあらためて自己紹介を。」

 

シズコ「私は河和(かわわ)シズコ。百鬼夜行連合学院所属、お祭り運営委員会の委員長であり、この百鬼夜行自慢の伝統的な喫茶店「百夜堂」のオーナー!」

 

シズコ「それと同時に百夜堂の看板娘でもあって、つまりはみんなのアイドルみたいなものです!」

 

”……そうか。”

 

フィーナ「そしてワタシは百夜堂の従業員!」

 

フィーナ「任侠の道を究めんとする、フィーナと申しマス!」

 

”本当に任侠だったんだな……門矢士だ。”

 

シズコ「こほん。それで先生は、百鬼夜行連合学院に来るのは初めてなんですよね。」

 

”ああ、下調べはある程度はしたがな。”

 

シズコ「では、私たちお祭り運営委員会のPRを兼ねてお話ししましょう。」

 

シズコ「ずばり、百鬼夜行連合学院とはどういうところなのか、始まり始まり~!」

 

”そういう感じで行くのか……?”

 

シズコは士の言葉に返事せず、そのまま解説を始めた。

 

シズコ「百鬼夜行連合学院は、昔から観光業を中心に発達した学院自治区です。」

 

”観光業か……確かに観光客向けの物が多かったな、風景もいいしな。”

 

シズコ「はい!お祭り、温泉、音楽といった様々な娯楽がたくさんあるのですが……何よりも注目すべきは、グルメ!」

 

シズコ「ありとあらゆる文化と生徒たちとが交わり、息づいている。そんな場所なんです!」

 

シズコ「そして私たち「お祭り運営委員会」は、その百鬼夜行の観光業の中でも最大級の規模を誇る「お祭り」を担当しています。」

 

”お祭り運営委員会か。”

 

シズコ「「運営委員会」という名前ですが、企画から運営、そして全般的な管理まで、そのほとんどを担当してる部活なんです!えっへん!」

 

”なるほどな。”

 

フィーナ「そしてここ百夜堂は、私たち「お祭り運営委員会」のCoooolなアジトなんデス!」

 

シズコ「そして今まさに、私たちが準備してきた「百夜ノ春ノ桜花祭」が開催中!」

 

シズコ「これが私たち、お祭り運営委員会の力です!」

 

”今やっている奴もか……すごいな。”

 

活気あふれるこの桜花祭を運営してる事に士は素直に褒める。

 

シズコ「ありがとうございます。色んな方の努力や協力があって、こうして盛り上がってはいるのですが……。」

 

シズコ「最近、邪魔をしてくるやつらが現れまして……。」

 

”邪魔をしてくるやつら……?”

 

シズコ「今朝もいきなりあちこち荒らされたし、ほんっとに……。」

 

”それが相談したいことか?”

 

シズコ「はい、先生を純粋に「百夜ノ春ノ桜花祭」へご招待したかったのも本当なのですが……。」

 

ズドーン!!!

 

”なんだ?”

 

シズコの話を聞いていると、店の外から何かが爆発した音が聞こえた。

 

フィーナ「委員長!敵襲デス!」

 

シズコ「ああもうっ、言ってるそばからあいつら!ほんっとやってらんない!!……あっ。」

 

シズコ「え、っと、きゃーシズコ怖ーい……なーんちゃってー……えへっ。」

 

”……。”

 

シズコ「と、とにかく!詳しい事は現場に向かってからで!」

 

”……そうだな。”

 

シズコ達の後に続き、店の外に出る。

 

 

 

「ふはははっ!あたしらは、百鬼夜行の路上に屯する魑魅魍魎。」

 

「その名も……魑魅一座・路上流っす!」

 

「さあみんな、ご要望通りに荒らして荒らして荒らしまくりな!」

 

外に出てみると天狗の面を付けた生徒たちが暴れていた。

 

”なんだありゃ……天狗か?……ここの祭は派手だな。”

 

シズコ「そ、そんなわけないじゃないですか!!こんなお祭りがあってたまるもんですか!」

 

シズコ「いや、キヴォトスは広いし、あるかもだけど……とにかくあれはただの邪魔者です!」

 

”……まあそうだろうな……こんな祭、一部を除いて参加しないだろうな。”

 

目の前の景色に、士は紫のライダーを思い浮かべて呟いた。

 

フィーナ「せっかくの桜花祭を邪魔しようとするだなんて!許せマセン!」

 

「はっ、たかがお祭りの運営委員会ごときが、あたしらの相手になるとでも!?」

 

「まあいい、相手してやんな。全員、突撃!」

 

シズコ「先生は離れた場所に……!」

 

”自分の身は自分で守る。”

 

そう言うと、ジャケットの内側からベルトのバックルを取り出し、腰に装着する。

 

フィーナ「それはなんデスカ……?」

 

”俺の武器だ……変身!”

 

ライドブッカーからカードを取り出し、バックルに差し込む。

 

KAMEN RIDE

 

DECADE

 

音声が鳴ると、士の身体はマゼンタ色の「ディケイド」に変わる。

 

「なっ……!?姿が変わった。」

 

シズコ「噂には聞いてたけど……本当に姿が変わるなんて!!」

 

「な、何なんだあんたは!?」

 

”通りすがりの仮面ライダー……今はシャーレの先生だがな。”

 

”俺はお前らに危害を加える気はないが……お前らが銃を俺に向けて場合は容赦なく無力化させてもらう。”

 

「な、舐めんな!!」カチャッ

 

荒らしてる一人が士に向けて銃を向ける。

 

”ふっ!”バシュバシュバシュ!

 

「……っ!」

 

すぐさまライドブッカーをガンモードに変形し、向けた奴の銃を撃ち落とす。

 

フィーナ「す、すごいデス!!」

 

”シズコ、フィーナ準備は良いか?”

 

シズコ「はい!」

 

フィーナ「もちろんデス!」

 

士は二人に指示を出し、暴れてる奴らを無力化し始める。

 

”フィーナ!1時方向!”

 

フィーナ「了解デス!」タタタタッ!

 

「ぐっ!?」ドサッ

 

”シズコ!余り前に出すぎるな、物陰に隠れ11時の方向に射撃だ。”

 

シズコ「はい!」ダンッ!

 

「ぎゃっ!?」ドサッ

 

「このっ!」カチャッ

 

”はっ!”バシュッ

 

「……ぐっ!」カンッ!

 

士の指示により、面をかぶった魑魅一座を制圧していく。

 

「やあっ!!」

 

”ふっ……っ!お前は!?”

 

こっちに向かって襲い掛かってくる奴にライドブッカーを向けた時、襲い掛かってきた人物の顔に見覚えがあった。

 

「お覚悟!」ダンッ!

 

”ッ!”サッ!

 

その少女は士に向かって発砲するが、士はそれを躱す。

 

シズコ「先生!」ダンッ!

 

「きゃんっ!?」ドサッ

 

シズコが士の代わりに、襲ってきた少女に発砲する。

 

”お前は……イズナか……?何故ここにいる?”

 

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