世界の破壊者は青春の物語を繋ぐ   作:樺白

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#4 陰陽部の電波系少女

「失敗の理由をきかせてもらおうか、魑魅一座。」

 

「今日中にはお祭りを中断させると約束したはずだが……?」

 

「大金を払ってまで聞きたいのは、「できませんでした」なんて言葉じゃないぞ。」

 

「そ、それはその……予想外の伏兵がいたというか。」

 

「シャーレの先生に邪魔されたっす!あの人のせいっす!」

 

「……シャーレの先生?」

 

イズナ「はい、先生です!」

 

「……イズナ殿まで、なにを言っている。」

 

イズナ「以前、言っていましたよね。イズナが頑張って命令を執行していれば、いつかはかっこいい忍者になれるって!」

 

イズナ「イズナが生涯仕えるべき、運命の主君とも出会えるって!」

 

「たしかに、そう言ったような気もするな……。」

 

イズナ「イズナは正に、そんな主君に出会えたかもしれません!先生は強く、優しく、何よりイズナの夢を応援してくれました!」

 

「ほう……それで?」

 

イズナ「そんな先生が、何故か邪魔者たちと一緒にいました!どういうことなのでしょう?……はっ、まさか……!」

 

イズナ「イズナ、分かりました!」

 

イズナ「先生は……騙されているのではないでしょうか!」

 

「それはどうでもいいが……イズナ殿もそう言うのなら、確かにその先生とやらは油断できない相手なのだろう。」

 

「今回は大目に見よう、ただし額面通りの働きはきっちりしてもらうぞ。」

 

「次こそ、このお祭りを中止にさせてやるよ!」

 

イズナ「ご心配なく。イズナも、騙されてる先生を倒して、真実を教えてあげます!」

 

「そ、そうか……。」

 

イズナ「イズナが戦って勝てば、先生も目を覚ましてくれるはずです!」

 

「そうか……まあいい。信じよう、イズナ殿。」

 

イズナ「はい、お任せください!ニンニン!」

 

「……あいつ、本当に大丈夫か?」

 

 

 

”……ここか?”

 

シズコと共に目的地に歩いていた士、歩いてから数分経った頃か、士の視線に立派な和の建物が入ってきた。

 

シズコ「はい、ここは百鬼夜行連合学院の中でも、かなり重要な場所の一つ……。」

 

シズコ「この奥に、陰陽部の部室があります。」

 

シズコが店で言っていた陰陽部……シズコが言うには生徒会みたいなポジションの部活である。

 

だが、場所を目の前にしたときに、シズコの顔が強張っていた。

 

シズコ「うぅ……何度来ても胃が痛くなる……。」

 

”……途中で行けばよかっただろ、俺は胃薬は持ってないぞ。”

 

シズコ「そういう意味で言ってないです!……陰陽部はかなり腰が重いことで有名で、何かをお願いしてもなかなか動いてくれないんです。」

 

”よくある頑固の奴ら集まりって事か。”

 

シズコ「それは……まあそういう人もいるんですが、そもそも、そういう実際の対処をするのはほとんど百花繚乱の方で……。」

 

シズコ「陰陽部はその名の通りにと言いますか、自分たちは百鬼夜行のバランスを保つために存在してると言っているんですが、その実、何が起きても大抵ニコニコしながら「私たちには期限が無いので~」とか曖昧な態度を取ってばっかりで……。」

 

苦虫を嚙み潰したような顔をしながらシズコはしゃべり続ける。

 

シズコ「特にあの部長!こっちが何かクレームを入れに行っても、いっつも「重要な案件は書面でお願いします」ばっかりだし……書面じゃ遅いんだってばっ!!!」

 

シズコ「官僚制!?官僚制なの!?なんでそんなに動きが遅いの!!!それが通る頃には良くも悪くも解決してるってば!!」

 

体を震わせながらシズコは大声で言い放った。

 

シズコ「……ふふっ、でもそれもこれも今日までの話。そういう態度なら、こっちだって方法を考えるまで。なんせ今こっちには、シャーレの先生がいるんだから。」

 

シズコ「先生さえいれば、きっとあの陰陽部の部長だって重い腰を上げてすぐに協力せざるを得ないはず。」

 

シズコ「あのいっつも余裕そうな態度をこちらの思うがままに顎を使って……ふふふっ……。」

 

悪い顔をしながら今までの鬱憤をどう晴らすかを考えながら笑っていた。

 

”……。”

 

そのシズコを少し目を細めながら士は見ていた。

 

シズコ「……はっ!……あーっと……シズコ、お話聞いてくれるか心配~。」

 

”……それで、どうすんだ?”

 

シズコ「と、とにかく!早く中に入りましょう!」

 

多少顔を赤くしながらシズコは建物の中に入っていく。

 

士はそのあとを小さい溜息をつきながらシズコに続き建物の中に入っていった。

 

 

 

「ようこそ、先生。待ってた。」

 

シズコがふすまを開けて中に入ると水色の髪の女性が士たちの方を見て、声を掛けてきた。

 

シズコ「チセ……って、あれ?今、「待ってた」って言った?」

 

”俺たちがここに来ることを分かっていたみたいだな?”

 

チセ「うん、部長が言ってた。」

 

チセ「二人来る 不思議な大人と タヌキさん」

 

まるで俳句のような言い方で士たちを知っていたことを喋った。

 

シズコ「だっ、誰がタヌキよ!?……こほん、それで、相変わらずその「全部知ってます」みたいな態度の部長はどこ?」

 

チセ「部長は……えっと……うーん……確か、飼うなら黒猫が良い、って。」

 

シズコ「ペットの好みは聞いてない!……もしかして、さっきの「タヌキ」っていうのもペットの話じゃないわよね!?私、先生のペットとかじゃないから!!」

 

”(……チワワだな。)”

 

士は犬の事を思い浮かべている中、シズコは一旦呼吸を整えて再度チセに部長の場所を聞いた。

 

シズコ「はあ、とにかく……今日はあなたと遊ぶためじゃなくて、部長に会いに来たの。もう一度聞くけど、部長はどこ?」

 

チセ「部長……今日はもう 下校しました また明日」

 

シズコの質問に再び俳句風に答えた。

 

どうやらその部長はすでに下校してしまったようだった。

 

シズコ「……え、下校?まだ昼でしょ?どういうこと?」

 

シズコの言うことはもっともで、士たちがこの建物に訪れた時はまだ昼であり、下校時間はまだまだ先なはずであった。

 

チセ「……どうしてだと思う?」

 

シズコ「さあ……じゃなくて、何であなたが聞くのよ!何もかも意味が分からないんだけど!?……ううっ、よりによってこんな大事な時にいないなんて……。」

 

質問を質問で返されたシズコは頭を抱えていた。

 

そのシズコを一旦無視し、チセにここに訪ねてきた理由を言う。

 

”チセ……っでいいんだよな?俺たちがここに訪ねてきたのは……”

 

チセ「うん、分かってる。桜花祭を邪魔しようとする騒ぎの件、でしょ?」

 

シズコ「知ってたの!?」

 

どうやらチセはすでに訪問した理由を知っていた。

 

チセ「部長は言ってた、助けてあげることはできないけど代わりに、修行部に行けば何とかなるはず、って。」

 

シズコ「……修行部?」

 

”修行……?”

 

チセ「修行部からも来たの、クレーム。街がうるさいって。それで部長が、一つでダメなら、二つを合わせればいいんじゃない?……って。」

 

”他の部活も同じ悩みか……合わせれば陰陽部の手間も減り、こっちは協力者も増えるって事か。”

 

チセの言葉に士は、双方にメリットがあることを把握する。

 

シズコは少しだけ苦悩の表情を浮かべていた。

 

シズコ「うぅっ、修行部か……仕方ない、今度は修行部の方に……。」

 

シズコ「チセ、もし後で部長が帰ってきたらまた連絡してくれる?」

 

シズコ「さあ先生、行きましょう!」

 

チセ「いってらっしゃ~い。」

 

士たちは修行部の部員たちに会いに行くため、陰陽部の部室から外ヘ出た。

 

 

 

シズコ「にしても修行部、修行部かぁ……。」

 

先ほどからシズコはチセが言っていた修行部という部活に引っかかっていた。

 

”その修行部ってのはなんか問題があるのか?”

 

シズコ「その……修行部の生徒たちって、結構変わり者でして……。」

 

”変わり者か……お前と同じくらいか?”

 

シズコ「え、はぁ!?じゃなくて……嫌ですね先生、何を言ってるんですか~?」

 

シズコ「変わり者なんかじゃなくてシズコ、百夜堂の可愛い可愛い看板娘ですよっ☆」

 

士の言葉にシズコは声を荒げるが、すぐさま落ち着きを取り戻し、営業モードへと変わる。

 

シズコ「……とにかく!修行部は、毎回修行のためと言いながら、色々と良く分からない活動をしてる部活です。」

 

”良く分からないか……具体的には何してんだ?”

 

シズコ「例えば、修行の一環として寝ながらジグソーパズルをやる人とか。」

 

”……?”

 

シズコがいた言葉の意味を理解できず、困惑の表情を浮かべてしまう。

 

シズコ「素敵なレディーになるためと言いながら、何故か街のチンピラたちを退治してる人とか。」

 

”……戦闘民族か?”

 

シズコ「大和撫子としての嗜みとか言って、読心術を使える部員もいるとか。」

 

”……大和撫子と読心術……先ほどのよりかはまだわかるか……。”

 

他の二つが修行とかけ離れていたためか、最後に出たものはまだ理解できると士は思っていた。

 

シズコ「まあ私も噂でしか聞いたことないので、実際のところは直接確認してみないとわからないんですけど。」

 

シズコ「そんな変わり者たちに、そもそも協力してもらえるかどうか……うーん……いや、悲観的に考えるのはもうやめ!こういうのは、実際にぶつかってみないと分からないものです!」

 

シズコ「さあ!早く修行部のところに行きましょう!」

 

シズコは協力してくれるかどうかを悩んだがすぐさま切り替え、修行部の部室に向かおうと決意した。

 

ドカーン!

 

その瞬間シズコの周辺から爆発が起こった。

 

”ッ……!シズコ!”

 

シズコ「けほっ、けほっ……こ、今度は何!?」

 

直接は当たってなかったため、黒煙でむせるぐらいで済んでいた。

 

「ふははっ!今度こそ桜花祭を台無しにするため、魑魅一座の参上だ!」

 

「今度こそぶっ潰してやるっす!」

 

”ったく!ある意味お祭り騒ぎだな!”

 

シズコ「何言ってるんですか!?……もうこうなったら、とことんまで相手してやるんだから!」

 

シズコは背負っていた銃を構え、士はスーツの内側からディケイドライバー取り出し、腰にかざすと自動でベルトが現れ、士の腰に巻かれる。

 

その後ライドブッカーからディケイドのライダーカードを取り出す。

 

”変身!”

 

カードをベルトのバックルに差し込む。

 

KAMEN RIDE

 

DECADE

 

カードを差し込むと士の姿が「ディケイド」の姿に変わる。

 

”お説教の時間だ、数十分は覚悟するんだな。”

 

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