ベル達3人がハンターなのは間違っているだろうか?   作:食卓の英雄

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お久!みんなモンハンワイルズやってるかな?私は特産品集めにサブキャンプを建てたりしているよ。
特に緋の森は特産品の群れや、バクヤクデメキン&白金魚のポップする場所がサブキャンプ建てれるから、そこを定期的に回ってます


中層進出〜ナレ死を添えて〜

 

「ギャオオオオオオッッッ………!!!」

 

 それは、竜だった。

 薄い橙色の鱗と皮膚は生半可な武器を通さず、その肉体のみで他種を圧倒する、ダンジョン内に置いても強豪種として一目置かれている存在。

 

 それは中層から姿を現すことが多いものの、極稀に上層でも出現する。

 

 稀少種(レアモンスター)小竜(インファントドラゴン)。ワイヴァーン等のように翼はなく、けれど上層内に於いては圧倒的な力を誇り、相手になるモンスターがいない。レベル2に至っている冒険者ですら、やられることもある程。

 

 ダンジョンには、一定階層ごとに迷宮の孤王(モンスターレックス)と呼ばれる、特定の場所に現れ、階層内の平均から逸脱した強さを誇るモンスターがいる。

 それは通常のモンスターと違って複数発生することはなく、また倒された場合に復活までのインターバルが必要になるのだ。

 

 上層に於いては確認されていないが、その階層に見合わない強さと、希少性から、インファントドラゴンは冒険者たちから実質的な上層の階層主の様な扱いを受けている。

 

 そんなインファントドラゴンが現れ、ヴェルフにぶつかって死んだ。脆かった。

 

 いや、もう少し具体的に話せば、中層へ向かう階層間の通路へ差し掛かったその瞬間、正面から雄叫びが上がり、インファントドラゴンが突撃してきた。

 

 飛行という手段を知らぬインファントドラゴンには、突進こそが最大の推進力を持つ武器である。

 

『うおっ、急に出てくんじゃねえ』

 

 それが災いしてか、驚いたヴェルフが大上段から放ったギルドパレスプレート(メインではないので最終強化までは出来ていない。コストが高いのである)で頭部を真っ二つにされて絶命した。

 

 因みに、ギルドパレスプレートは強化に伴って片刃を際立たせ、破壊力を上げる傾向にある大剣の中では、比較的スリムな両刃の大剣だ。

 刀身に走る繊細な金色の紋様は荘厳に輝き、ともすれば一級品の芸術作品と言われても違和感がないほど。

 

 けれど、その刃は巨大なモンスターを倒すために丹念に鍛造され、鍛え上げられてきた凶器。

 

 ヴェルフはこれをメインにはしていないが、その振りやすさと、身につけるだけで防御力が上がるという効果から、普段使い用に重宝していた。

 

 ともかく、上層最強とも言われるインファントドラゴンは、ヴェルフの無造作な一撃により地に伏せるのであった。それを見て、ベルがまたもや複雑そうに唸る。

 

「…うーん、これで希少種…」

「ベル様?あちらの世界の希少種とは違いますからね?というか、そもそも希少種はその種が希少であるから呼ばれているのであって、間違っても古龍と渡り合う異常な能力を持った個体が呼ばれるとかそういうのじゃないんですよ?」

 

 ベルが思い浮かべたのは、暴れ狂う金銀夫妻。むしろあれと比べたら、今回のインファントドラゴンの方がよっぽど正しい意味での希少種なのだ。

 

「大丈夫だって、分かってるから。うん。いや、やっぱり向こうで生物的に希少種ってされてると大体強いから…」

 

 と、向こうの常識に染まったベルからすれば、それだけで一目置いてしまうのである。

 

「さて、ここまで来ましたが……。どうされますか?」

「どうって…中層に行くんじゃないのか?」

 

 彼らの目の前には、次の階層へ繋がる通路がある。そこを越えれば13階層。上層とは一線を画す領域であり、適正レベルは2。

 

 ダンジョン中層の始まりだ。

 

「いえ、区切りもいいので一度帰る選択肢もありましたので…。ですが、適正階層も見つけられていませんし、そのまま行きましょうか」

 

 生活は出来ているし、特に差し迫った目標があるわけでもないので、程々にして引き上げてもいい。というのが共通の認識だ。

 

 だが、それはそれとして、今の階層では物足りない。効率が悪いのも事実。ドロップアイテムの件だって、ヘファイストスには好きに攻略していいと言われているが、折角ならば活かしていきたい所。

 

 故に、探索範囲を広げるのは、ごく当然と言えよう。

 

「中層からは、魔法染みた遠距離攻撃を持つモンスターが現れるので、いくら大丈夫でも注意は必要ですよ」

「うん。それはわかってるよ。…えっと、ここからだとヘルハウンドとかだよね?」

「はい。リオレウスの火炎に耐えるほどの素材ですので、焼失するようなことなど無いとは思いますが、アイテムやバックパックが燃やされても困ります」

 

 ここはダンジョン。つまりは長く深い地下迷宮だ。故に道具はほぼ持ち込みでなければならず、より難易度の高い階層へと行くだけでも、物資は目減りしていくのだ。

 

 ある意味、大抵のものは現地調達が可能なあちらの世界よりも、補給と持ち込み物資の重要性は高いと言えよう。

 

「ですので、耐熱の装衣を人数分持って来ました。これなら炎を弾くので荷物も安全、私たちも快適です」

 

 バックパックから取り出されたのは赤い外套。

 名前を耐熱の装衣・改。火竜リオレウスの翼膜から作られた特殊装具だ。見た目の通りに纏って使用し、一定時間の間火炎や熱などを大幅に軽減する優れもの。

 

 特に、直接的な炎への耐性だけでなく、灼熱地帯や溶岩の上に於いても全くダメージを負わず、通常の熱ダメージ無効では防げない炎妃龍の青い炎ですら無傷で凌ぐ程の効果を持っているのだ。

 

 勿論属性ダメージへの耐性も非常に高く、余程不相応な防具でもなければ、歴戦個体テオ・テスカトルのスーパーノヴァですら致命傷に至らない程度にまで抑えることが出来る。

 

「ヘルハウンドに出会ったら、荷物だけでもかけてください」

「うん、ありがとう」

「…やっぱ使うのかこれ。火精霊の護布(サラマンダー・ウール)も形無しだな」

 

 火精霊の護布とは、その名の通り精霊の加護を受けた外套であり、高い熱耐性を誇る道具の一つだ。

 要は耐熱の装衣と役割が被っているのである。とはいえ、耐熱の装衣は効果こそ高いが、その分時間制限と再使用までのクールタイムが存在し、逆に火精霊の護布には使用時間こそないものの、火耐性以外はそこそこ丈夫な布程度でしかないので、役割分担は出来ている。

 

「はあ…、やはり容量と頑丈さを重視して買いましたが、耐火性などを見落としていました…。ヴェルフ様、今度手持ちの素材からバックパックを作って下さいませんか?」

 

 リリルカが背負うバックパックを恨めしそうに眺めながら、ヴェルフに提案する。このバックパックはこちらの世界のものであり、序盤は半ばサポーターの様な役割になるから、とその場しのぎに買ったものである。

 

 ゆくゆくはより深い階層に行く以上、考えられる予防はしておくべきだろう。

 

「おい、俺の本領は鍛冶師だぞ。そりゃまあ、向こうの素材を他に任せられねえのは分かるが…」

「そこを何とか出来ませんかね?」

「…まあ、出来ねえとは口が裂けても言えないが。だとしても手持ちの素材っつったって、バックパックには勿体ないだろ。……あれだ。火精霊の護布を生地にして作ればいいんじゃないか?」

「…!その手がありましたか!」

 

 目を輝かせ、ポンと手拍子を打つリリルカの姿に、余計なことを言ったかとどきりとするが、意見自体は賛成なので、特に問題はないだろうと後にする。

 

「ここから、現れるモンスターの種類が変わりますが、ダンジョンの形式自体はそう変化しません。ただ、上層よりも広く高低差のある場面もあるそうですので、不意の遭遇には気をつけていきましょう」

「うん」

 

 ここから先は、リリルカやヴェルフにとっても未知の領域だ。

 

 いかにベルよりも冒険者としてのキャリアが長いとはいえ、方や底辺サポーター、方やソロの鍛冶師と、中層まで行ったことはない。

 

 まさか、その当時はこんなことになるなどとは夢にも思わなかったが、人生とはつくづく不思議なものである。

 

 

――――…

 

 

「……あんま変わらなかったね」

「おう、むしろ広くなった分大剣が振り回しやすくてありゃしねえ」

「まあ、構造自体は然程変わらないとありましたが……。なんだか拍子抜けですね」

 

 2日後、ダンジョンから地上に戻るベル達の顔はどうにもスッキリしない様であった。

 

 中層進出という一つの節目。ダンジョンの構造や登場モンスターの違い。そして何より広くなるということから、連日探索をしてきたのだが、これが呆気なく進んだ。

 

 むしろ、広くなった分、あらかじめモンスターをまとめて始末することが出来てしまい、随分と楽に進めたのだ。

 

 ミノタウロスやライガーファングなどはいい的で、ヘルハウンドはスリンガーで気を潰されては一撃で群れごと蹴散らされる。

 

 生理的嫌悪感の強いワームも、大の男の握り拳ほどの大きさの幼虫ですら生で齧るハンターには何の障害にもならなかった。

 

 強いて言えば、アルミラージが過去のベルそっくりで、モンスターにも関わらず相当な可愛さであることから攻撃に躊躇していたが、弄られていると思ったベルが率先的に排除した。

 

 あれくらいのサイズで武器を持ち襲ってくる存在はガジャブーで経験済みである。今考えても意味の分からないウザさと強さを持っていた気がする。

 

 遠巻きから麻痺毒を塗ったナイフを投げてきて、痺れさせられたことは一度や二度ではない。その分、友誼を結んだ後はそれに助けられたものだが、やはり苦手意識は拭えないらしい。

 

 モンスターの数も多くなったとはいえ、何かあっても即座に対処できるためものでもなく、着実にそれぞれのルートをマッピングしながら中層を駆け抜けていったのだ。

 

 スキルのお陰で、一度行ったことさえあればマップは残るので、とにかく走って隅々まで埋めていった。

 

 最終的には18階層の『迷宮の楽園(アンダーリゾート)』まで辿り着いた辺りで引き返すことにしたのであった。

 

 帰路では17階層の嘆きの大壁から、推定Lv.4の『階層主(モンスターレックス)』、ゴライアスが出現したものの、これもまたあっさりと斃された。

 

 全長は7Mの巨人型モンスターだったが、大型モンスターを常日頃から相手取っているベル達の敵ではなかった。剥ぎ取り回数も1人につき3回だったので、このあたり(Lv.4級階層主)で上位の大型モンスタークラスなのだろう。

 

「全部ゴライアスの硬皮かあ…」

「まだ引き摺ってんのかそれ?」

 

 ベルは剥ぎ取った素材が全て同じものであることに若干残念そうにしている。それも当然で、彼らの世界では基本的に一つの素材から何かを作る…ということは初期の武器以外ではありえない。

 特に、これまでに1種しか例のないアイテムならば、複数種類の素材で相性や使い道を見て、確かめなければならないからだ。

 

 残念そうにするベルとは対照的に、ヴェルフとリリはむしろ嬉しそうだった。

 

「いえ、むしろ全てゴライアスの硬皮で良かったとリリは思います。いかにゴライアスといえど、未知の素材では市場には出せませんし、階層主の素材であれば、ヘファイストス様へのいいお土産になります」

「それに、硬皮以外が出てもどう使うんだって話だな。ゴライアスの最大の武器はその強靭な皮膚と大きさのフィジカル。角や牙、爪なんかの武器もねえし、毛だって身を守るためのもんじゃねえ。どの道使い道はかなり限られたろうよ」

「そっかぁ…。そうかも」

 

 ベル的には色々と作れるものがないか見てみたかったが、二人は売りに出す気満々だ。まあ、既に武器や防具はより上質な物を数揃えているのでさもありなんだろう。

 

「まあ、いっか。うん。切り替えた。明日から18階層を見て回って、いけそうならそこを起点に大樹の迷宮、でいいよね?」

「おう。俺としても探索を進めるのに異論はねえ。マスターランク素材に匹敵するもんをさっさと手に入れたいってのが殆どだがな」

「大樹の迷宮は毒や状態異常が多いと聞きます。まあ、ベル様達であれば問題はないでしょうが、念の為状態異常耐性スキルや免疫の装衣を持っていきましょう。それと、確か採取系統のクエストも出ていたはずです。出発前に確認してから行きましょう」

 

 和気藹々と語る3人だが、一体誰が本格的に潜り始めてまだ2週間と経っていないと予測できるだろうか。

 

 ある意味、一番冒険者らしく冒険をしているのかもしれない。

 

 尚、ゴライアスの硬皮はただでさえ貴重な階層主のものだけあって、1人あたり3枚という破格の量は需要を満たすのには十分であった。





インファントドラゴン&ゴライアス ナレ死

しょうがないね。

まじでゴライアスが表皮以外の素材に価値がないと思う。強いて言えば骨?まあ、骨なら完全上位互換の階層主がいるんですが。
因みにウダイオスの黒剣は4億1000万ヴァリスするらしいね。
じゃあベル達の装備どのくらいの価値になるんだろうね。

向こうの素材価値とこっちの値段のギャップがすごいぜ。

因みにヘスティア様は今日も元気に内職(植物系素材の綿抜き&種取りなど)をしております。当然と言えば当然だが、すごい勢いで加速度的に増えていく収入にバイト戦士だったヘスティアはちょっとついていけてない

ヘファイストスはゴライアスの硬皮×9に(もうそこまでいったのか)と(まあそうでしょうね)という感情が同居している。後、考えてはいたものの、やっぱり階層主の素材が確定で9つ(剥ぎ取りナイフの定義的に、少なくとも3人は確定しているから)手に入るのは無法だと思っている。が、それはそれとしていい素材が数手に入るのは嬉しい
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