ベル達3人がハンターなのは間違っているだろうか? 作:食卓の英雄
UA50000越え、お気に入り件数2300越え、感想100件越えだぁ…。☆9の評価バーも青から緑に変わってる…、
応援ありがとう。今回モンハン要素欠片もないけども
「成功したっ……て、おめでとう!!!」
「おう。ってか、あんま大きな声で言うなよ。これはあくまで秘密だからな」
「それはそれは……。おめでとうございますヴェルフ様」
「それにしても、神様が恋人かぁ…。昨日初めて神様を見た僕には現実感がないなあ」
「まあ、ベルにとってはそうだろうな」
「でも、私も意外です。あの神域の職人でもある鍛冶神ヘファイストス様が、一眷属からの求愛を受けるなど…。成程、未知に溢れてるってそういうことでしたか……」
「……それ
昨日、僕たちは【ヘファイストス・ファミリア】の
起床し、再び集まった僕たちに告げられたのは、ヴェルフの告白の成功だ。向こうでもその尊敬の丈や惚れ込み具合は聞いていたけど、それにしても予想外。そして何より喜ばしいことだ。
「…はあ、まあいいわ。それで、今日はファミリア探しだったわね。正直、貴方達を受け入れられそうな派閥なんてそうないと思うけどね。【ロキ・ファミリア】なら私からも推薦出来なくはないけど……」
「あはは、すみません。あんまり大手だと手間が……」
「出来れば少数で、かつ口の堅い主神と眷属が好ましいですかね。こちらの道具の有用性は把握しているので、それだけに騒動になりかねません。……ヴェルフ様のように、技術だけであれば私たちにはあまり影響しませんが、どうしても道具となりますと誰でも使える分トラブルの元となりまして……」
僕はいいんじゃないかと思ったけど、昨日の夜に話した内容で怖くなったので、【ロキ・ファミリア】は候補から外すことになった。
何でも、ここオラリオでも滅多に見ない作用のアイテムや、ほぼ唯一と言っていい効果の道具。そしてそれが人を選ばず使えるとなると、それは需要が自然と高まることに繋がる。
ただ、そうなると需要が高まりすぎて既存のアイテムを販売しているファミリアからも目をつけられる。ならファミリア内だけで完結させるということも言ったけど、それはそれでこちらの供給が追いつかない。
ファミリアに行き渡るまで、有用な素材を言われるがまま増やし続けることに成りかねず、そうなればボウガンを扱うリリとしては大損だ。それと、出来たとしても、その人数を支える程の量が支給される分、他所の商業系ファミリアがやっぱり割りを食うとのこと。
……組織って難しいね。
「…まあ、そういうことなら私が口を出すわけにはいかないわね」
「はい、折角の申し出はありがたいですが、申し訳ありません。……それに、大手だと、ちょっと浮いちゃいそうだし、自由にやることが出来なさそうかな〜って思っちゃって……。元いたところが結構自由な場所だったので、その感覚が残ってました……」
「ああ、調査団ね。確かに、規模は大きいし使命もあるけれど、みんなのびのびとしてそうでいいわね…。私も機会があれば視察に行ってみたいくらいよ」
「ええ、是非見せてやりたいものですよ。きっと、親方達も両手を挙げて歓迎してくれます」
やはり、色々な派閥の集まるオラリオならではの悩みもあるとのこと。
「それに色々と試してみたいこともあります。……しかし、ヴェルフ様のこともあるので【ヘファイストス・ファミリア】と仲がいい…。とまではいかずとも不仲ではない程度の関係性の神様がいいでしょうか」
「…うーん、難しい。もうこの際、下手に出来てるファミリアより、新しい派閥の団長になるとかの方がまだ楽かも……?」
「確かに団長として、派閥の初期メンバーになるなら行動指針も決めれるから良くはあるが……。眷属のいない神ってことはギルドも把握してないってことだぞ。その上でウチとも仲がいい神なんてなあ」
「やっぱりそうだよね…」
「………ん?」
そう僕たちが相談していると、ヘファイストス様が素っ頓狂な声を上げる。そして、思わず視線を向けた僕たちに、思わぬ一言を発したのであった。
「……いるわよ。その条件に当て嵌るのが、一人だけ」
「え!?」
「そんな都合のいい方が本当に…!?」
「確かまだ眷属を見つけられてなかったから、大丈夫だと思うわ」
―――…
ヘファイストス様に案内され、訪れたのは北西と西のメインストリートの間の区画。
主要な街道からはやや外れた道にある、すでにボロボロの朽ちた廃教会が目的の場所だと言う。
「……あの、本当にその神様が暮らしてるんですか?」
「リリには既に打ち捨てられて長い時間経過している様にしか見えないのですが……」
「ええ、本当は自立するためにあえて放り込んだのだけど…。地下に居住スペースがあるから、外観ほど生活に向いてない訳じゃないわ」
「つっても、いくら宿がないからってずっとよそのファミリアに居座った挙げ句、追い出されて廃教会、それも温情で貰ったのに住み続けてるっつうのはな…。そりゃ眷属も出来ない訳だ……」
と、口々に悪い意味で予想外の光景に不安を隠しきれない。
「ヘスティア?いないの?」
「お邪魔しまーす……」
ヘファイストス様が先に踏入り、僕たちがあとに続く。中を見れば、崩れた石壁から陽光が差し、ひび割れた床のタイルからは雑草が顔をのぞかせる。
礼拝席と思わしき箇所は荒らされ、まるで物盗りにでもあったみたいだ。
「こっちよ」
ある意味予想通りの内装を眺めてると、ズカズカと歩き出したヘファイストス様が辛うじて原型を保っている祭壇の奥。ある小部屋に足を進めた。
中は薄暗く、書物の収まっていない本棚が立ち並んでいた。最奥の棚。その裏には……地下へと伸びる階段があった。
「こんな所に隠し扉があるんですね……」
リリの言葉に、僕自身そう思う。ヘファイストス様が先に降り、その先のドアを開け放つと、そこは地下室と言うには生活臭のする小部屋が広がっていた。
思っていたよりは広い……まあ、人が暮らしていく分にはそれなりくらいかな。
そう思いながらも、何の返事もないことから留守なのかな。と思うと、回り込んだヘファイストス様が呆れたような表情である箇所を見つめていた。
「はあ、よくもまあこんな呑気に寝ることができるわね………」
回り込んでみれば、部屋の入口からは背もたれが障害となり見えなかったが、その紫色のソファには幼女……と少女の境界線を動いているような外見の人物が、だらしのない姿勢で、大口を空けてよだれを垂らしながら眠っていたのだ。
そして、街で見かけた人物や、目の前のヘファイストス様の様なただの人とは少し異なる気配。十中八九、この
「ヘスティア!!起きなさい!!!」
「うみゃっ…!?…な、何だい君たちは!?ど、泥棒、泥棒なのかい!?ここはボク以外住んでないし、金目のものなんて何も無いぞぅ!!??」
ヘファイストス様が叩き起こすと、寝ぼけ眼でパニックになる神様。その姿に再びため息をついたヘファイストス様が、落ち着くように促すとようやく状況を理解したようだ。
「へ、ヘファイストス!?何でここに…。はっ!も、もしかして、眷属が未だに出来ないボクを見限って、この唯一の住処である
「違うわよ。そもそもこの廃墟を取り返して何になるのよ。……もう、そういう所はこれっぽっちも変わってないわね」
と、そこでようやくヘスティア様は僕たちの存在に気づいた様だ。
「あれ、そっちの子達は?もしかしてボクの【ファミリア】に入ってくれる子かい?なーんて、まさかね」
「そのまさかよ」
「へっ?嘘?」
「いえ、あの、ヘファイストス様に紹介いただいて……」
「嘘……いや、嘘はついてない。ってことはもしかして、ホントに?ホントのホントのホント?」
「ええ、まあ……その、はい」
すごい勢いで食らいつくヘスティア様に押されつつも、何とか肯定する。すると、件のヘスティア様はわなわなと震え、それを解放した。
「いぃやったぁぁぁぁ!!!ついにボクの眷属だあーーーっ!!連れてきてくれてありがとうヘファイストス!!愛してるぜーーーっ!!!」
そのはしゃぎように、何だか僕は親しみやすさを覚え、意外と相性もいいのかもしれないと、そう思ったのだった。
「ちょっと、まだ候補よ。彼らの望む条件に一番近くて、今のところ私で紹介出来るのが貴女くらいしかいないだけで、下手なことをやらかしたら普通に逃げられるわよ?」
「…はっ!?……ご、ごめんごめん…。今まで必死に声をかけても誰も入ってくれそうになかったからさ。恥ずかしい所を見せたね」
「い、いえ。気持ちは分かりますので…」
ああ、そうだ。見覚えがあるわけだ。あれは僕がハンターになって間もなく、元々冒険者としても戦っていたヴェルフや軽い身のこなしを見せていたリリと違って、無様で手探りに暮らしていた頃。
その時、努力して、粘って、環境も使って。ようやく初めて
それでもうきうきとした気分が抑えられない様子の神様に、どこか昔の自分を重ね合わせる。
僕が入る意志を見せると、ヘファイストス様は「その前に、一つ条件があるわ」と言ってヘスティア様に僕達の事情を語りだす。
すると、リリがこっそりと近寄ってこそこそと僕に告げる。
「……あの、ベル様。本当にあの神様でいいのですか?正直、もうちょっといい所を時間がかかってでも探した方が……」
「え?でも、初めてのことだったら浮かれちゃう気持ちは僕にもわかるしなぁ…。何だか、似たような雰囲気?というかなんというか…。僕はここなら楽しそうだなって思ったんだけど……」
「……相性も大事ですが、それで実際の活動がダメダメでは意味がありませんよ。それに、聞いた話によりますと3ヶ月もヘファイストス様のファミリアで堕落していたらしいですし…」
リリの不安も尤もだ。【ファミリア】にとっては団長以上の発言権を持ち、その裁量も下すことが出来るのが神様。ある意味、団長以上に柱となる存在だ。
「でも、もう決めちゃったし。あんなに喜んでる所を断れないよ。……それに、もしここで断ったとしても、僕たちができるのは精々いろんなファミリアを探し回って、条件に合うか合わないかで妥協する必要が出てくるかもでしょ?条件にはあっても、すごく性格が悪かったりしても困るし。……なら、ヘファイストス様の信頼と、僕の目を信じてよ」
「…………はあ、もう、仕方ないですね。ですが、何か問題があればビシバシリリが取り仕切りますからね?」
「あはは…。うん、まあ、しょうがないよね」
リリのそういうところには何度も助けられたし、ありがたいけど、それを受けることになりそうなこの神様を少しだけ哀れに思う。
そして、話を聞き終わったヘスティア様がこちらに向き直る。
「いやぁ!話は聞いたよ!まさかこことは違う世界でハンター?っていうのをやってたんだって?オーケーオーケー、経験者大歓迎さ!!」
「あ、信じてくれるんですね」
「まあ、うん。ヘファイストスがこんな真剣な顔で念押ししてくるし、君たちも嘘はついてないしね。それにそんな目にあったのなら信じてあげるのが
やっぱり、まっすぐというか、純粋というか。とにかく、分かりやすい神様だった。
「えーっと、それで。君たち…。名前聞いてなかったね……」
「ベル・クラネルです」
「リリルカ・アーデと言います」
「ヴェルフ・クロッゾだ」
「そう!ベル君とリリ君が入ってくれるんだったね!……えっと、ヴェルフ君もどうだい?やっぱり同じファミリアの方が…」
事情と言っても、あの短時間で話せる内容には限りがある。だからこそ、仲間として迎え入れようとしているのだろう。それは分かったけど、ヘスティア様がそう声を掛けると、ヘファイストス様がヴェルフの袖を引き、抱え込む。
「駄目よ。ヴェルフは私の
「……………え」
「えええええええぇぇぇぇぇーーーーーー!!!???」と、今日何度目かの神様の叫びが、廃教会に木霊したのであった。
マジでモンハン要素ない上にまだ恩恵すら刻んでいないのである!!
……流石に話進まなすぎるので次回はダンジョン潜らせます。その間の時系列?カットかダイジェスト、或いは本編ダンまちみたいに関わった人が登場ごとに説明するみたいのでええやろ(鼻ほじ)