ヒロアカ世界なのにスパイダーマン世界だと勘違いしてる精神異常者 作:醤油でした
オッケー!!!
じゃあ、もう一度最初から説明しよう!
僕の名前は、ピーター・パーカー!(本名
ある日、気付いたら赤ん坊になっていた僕は成長して気づくと蜘蛛のような糸を出すことや第六感のような危機感知能力を身につけていた!
その時に、僕は自分がスパイダーマンの世界に転生したことに気づき、それから約12年間この世にたった1人のスパイダーマンだ!
後はもうみんな知ってるだろ??
多くの人を救い、街も救った。そう、何度も何度も何度も—————何度も!!!
あとは、そうだな〜。
個性の無断使用のせいで————いや、この話はやめとこう。
まっ、色々なことがあったんだけど、僕は言いたいのは『スパイダーマンでいることは最高』ってことさ!!
だって、当然だろ?
悪党に困った人を助けられるのは、他ならぬ
何度打ちのめされたって必ず立ち上がって、悪党を捕まえ、みんなを守ってきた。
なんたって、そう!————僕はスパイダーマンなんだから!
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やぁ、僕の名前はピーター・パーカー!*1
ついに、スパイダーマンとしての物語が始まるであろう高校生に晴れてなった僕なんだけど、とある事情により雄英に入学したんだ!
まぁ、当たり前だけどクラスメイトに知り合いが1人もいない。
たしか本物のスパイダーマンも友達が多かった訳じゃなかったはずだけど、1人も学校で友達がいなかった訳じゃなかった。
うーん、これはマズイ。
このままでは、僕の夢のスパイダーマン生活が実現できない。*2
そうして、自分のことをピーター・パーカーだと思ってる精神異常者こと細蟹斗真は取り敢えず友達を作るために左隣にいる小さな紫色の個性的な男の子に話しかけた。
「やぁ、僕の名前はピーター・パーカー!これからよろしくね!」
「オイラは、峰田実!これからよろしくな!」
紫髪の小さな男の子こと峰田がそう言いながら、右手を出して来たので、細蟹もそれに応えるように右手を出し、お互いに握手をする。
すると、峰田は急に真剣な顔付きになり————「ところで、ピーター。お前は胸派?ケツ派?」と聞いてきた。
…………うん。まぁ、高校生だし、そういう時期なのも分かるけど、周りには女の子もいるんだからそういうのは男しかいないところでやろうよ。
取り敢えず、適当にどっちも好きだというと『お前なかなか見る目あるな』とにこやかな笑顔を見せてくれた。うん、ちょっとヤバい人だ。
峰田との一通りの会話が終わり、次に細蟹が隣の席のイヤフォンみたいな耳をした女の子に声をかけようとすると———
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「思わねーよ!!てめー、ドコ中だよ!端役がっ!!」
クラスメイトのメガネの男の子と金髪の男の子2人が言い合いを始めた。
言い合いしてる片方のメガネくんの言ってることは分かるけど、もう片方の金髪の彼はヒーローっていうか言ってることもしてることもヤンキーみたいな感じでヒーローって感じがあんまりしない。
…あっ!待って、そういえばスパイダーマンで僕をいじめるフラッシュって人がいたな。つまり、彼はフラッシュってことなのかな。
なんだー、そういうことか。うんうん、納得。そういうことならそう言って欲しいよね!
よーし、じゃあ取り敢えず彼に話しかけにいこ!
「やぁ、僕の名前はピーター・パーカー!これからよろしくね、フラッシュ!」
「フラッシュって誰だよ!いきなり訳わかんねえ事言ってんじゃねえよ、クソモブが!」
うおっ、結構口悪いな!まぁ、でもその方がいじめっ子っぽい!!
よろしくねフラッシュ!
でも、まあフラッシュが怒ってそっぽを向いちゃったから、大人しく自分の先に戻るかー。
細蟹が席に戻ると緑髪の男の子がおどおどした感じでクラスに来た。
どうやら、先ほど言い争いをしていたメガネくんやフラッシュ、緑髪の彼の次に来た最後のクラスメイトの和やかな雰囲気の女の子と顔馴染みらしく話し合いを始めた。
————いいね、青春って感じがして!!
そんなことを細蟹が思っていると、どこからともなく『———お友達ごっこがしたいなら、他所へ行け』と男性の声が聞こえた。
声の発生源を探すと、なんとそれは廊下の寝袋の中から聞こえた。
「ここはヒーロー科だぞ」
教室内に響く男性の威厳のある声。
言っている口調や内容からして、生徒である自分たちより上の立場である事が感じられる。……その声の発生源が寝袋ってところを除けばだが。
「ハイ、君たちが静かになるまで8秒かかりました。
時間は有限。全く、君たちは合理性に欠くね」
そう言って寝袋から髭を生やし、ボサボサの髪の男が現れた。
あれ??てか、あれって———
「イレイザーヘッド??」
思わず口から漏れたそんな言葉を無視するように、男性は『担任の相澤消太だ。よろしく。取り敢えず体操着着てグラウンド出ろ』と言って、そのまま教室を出て行った。
教室にそのまま残っても何も解決につながらないことに気づいたヒーロー科一年A組の面々は、各自体操服に着替え、グラウンドに向かうのであった。
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「個性把握…テストォ!?」
みんな着替え終わり、みんなでグラウンドに出ると、担任の相澤から告げられた言葉を誰かが大きな声で復唱した。
普通、入学式とかなんかオリエンテーションみたいなことをすると思ったんだけど、流石雄英。自由が売りなだけあるなぁー。
なんて、考えていると個性把握テストの概要を相澤改め相澤先生が話し始めた。
なんでも中学まで行っていた個性なしの体力テストを個性を使って行うらしい。
そこで、説明するよりも実践する方が早いと白羽の矢がだったのは我らがフラッシュこと爆豪くん。*3
中学では個性を使わずにソフトボールを投げて67メートルだったらしいが、今回は個性を使い、ソフトボールをぶん投げた。
投げる時に『死ねえ!!!』っておもっきり言ってた。
やっぱり君はいじめっ子のフラッシュだよ!間違い無い!*4
そんな爆豪の声を無視するように、担任の相澤先生が話を始める。
それを聞いたクラスメイトが面白そうだというと、相澤の顔つきが変わり、この体力テストの成績最下位は除籍処分にすると言った。
その言葉をみんな重く受け止め、顔つきが険しくなる。
これはテストではなく、自分自身の人生の分岐点であることを皆理解した。
そんな空気感の中、1人空気の読めない奴が1人、この場にはいた。
「Wow!!入学初日から退学のピンチ!?
ジョークにしては笑えないよね!」
————そう、他ならぬ
細蟹はオーバーなリアクションをしながら、笑顔で相澤に話しかけた。
こいつ、ホントになんなんだよ。
「………細蟹、お前は入学前にデータをとってあるからお前はこのテストは免除する。静かに見学してろ。あと、偽名を使うその癖、そろそろ辞めろ」
相澤は面倒くさそうな顔つきでため息混じりに細蟹に注意を促した。
それを聞いた細蟹は「ピーター・パーカーってのは、僕の本来の名前なんだけどなぁ〜」と能天気な感じで呟いた。
君の本名は細蟹斗真だし、ピーター・パーカーはヒロアカ世界にはいないよ。
しかし、そんな細蟹の呟きを無視するように緑谷、麗日を除くクラスメイト全員が『『『『『この人、偽名であんな堂々と自己紹介してたんだ…』』』』』と思っていた。当然である。
そんな一悶着の後に、個性把握テストが始まった。
50メートル走、握力測定、立ち幅跳び、反復横跳びが終わり、各々が自身の個性を活かし、好成績を出していた。
次の種目では今まで目立った結果を出せていなかった緑谷が相澤に一度警告を受けていたが、人差し指を負傷しながらも実技入試トップの爆豪に並ぶ記録を出した。
そんな彼を見て、今まで大人しく見学していた細蟹(細蟹に誰も話しかけなかっただけ)は緑谷に急に近づく。
「指、大丈夫??これだけじゃ足りないだろうけど、一応しておいた方がいいよ!」
「あ、ありがとう」
細蟹は何処からともなく取り出した絆創膏を緑谷に渡す。
絆創膏でどうにかなる傷じゃないが細蟹なりの気遣いであった。
その気遣いを緑谷はそのまま受け入れるように感謝しながら、絆創膏を受け取り、一応指に貼った。
直後————
「デクっ!てめえ、どういうことだ!ワケを言えっ!!!!!!!!」
爆豪が怒鳴りながら、緑谷に突進してきた。
緑谷はあまりに突然のことで悲鳴を上げながら、その場に固まっていた。
このままだと危険だと感じた細蟹は、右手を爆豪に向け、手首から糸を発射した。
「っんだ!これ!!!———んぐぇ!!!」
爆豪の顔に命中した糸を取ろうとした爆豪だったが、後方より放たれた相澤の
布によって拘束された。
「ったく、何度も個性を使わせるなよ。俺はドライアイなんだよ」
そう言いながら、相澤は爆豪の拘束を解いた。
しかし、爆豪は顔についた糸が中々取れず、「んだよ、この糸っ!!」と顔の糸を取ろうと必死である。
「細蟹。お前、爆豪の顔の糸さっさと解け。あと、このテスト終わったら職員室にこい」
「えっ!?うっそ、人助けしたのに??!!」
「文句言うな、早くしろ」
「はーい、わかりましたー!」
やけに元気な返事をしながら、細蟹は爆豪の顔についた糸をクイっと自分の方向に曲げることで引き剥がした。
その一連の動作を見て、緑谷や爆豪などクラス全員が入学前に合格通知の他に聞かされていた話を思い出した。
二年前に個性の無断使用などの犯罪を起こして、捕まった