ヒロアカ世界なのにスパイダーマン世界だと勘違いしてる精神異常者 作:醤油でした
細蟹が相澤に職員室へ連れて行かれた翌日。
緑谷と麗日、そして、メガネをかけた男の子こと飯田が3人で仲良く話していると、明らかに染めたであろう絶妙に似合っていない金髪のクラスメイトが登校してきた。
そう、細蟹斗真である。
細蟹は元々地毛は黒髪であったが、『僕はスパイダーマンなんだから、金髪じゃなきゃダメだよね!』なども意味不明なことを言い、スパイダーマン活動をする前の10歳の頃にすぐ市販のカラー剤を買い、自分で染めた。バカである。
細蟹が教室内をチラリと見渡すと、みんな昨日よりは打ち解けて、各々クラスメイト同士で話していた。
どうやら、昨日細蟹が相澤とお話ししている間に緑谷たち3人ももっと仲良くなったみたいだ。
『僕、このままだとボッチになるんじゃ……』とクラスメイト達が仲良くなる姿を見て焦る細蟹。
そして、何を思ったか分からないが細蟹は爆豪の下へ向かった。
「……」
急に目の前に現れた細蟹を見て、爆豪は露骨に嫌そうな顔をする。
無理もないだろう。昨日、コイツのせいで爆豪は赤っ恥をかいたと思っているのだから。
そんな機嫌の悪そうな爆豪を前に、細蟹は————
「やぁ、おはよう!———フラッシュ!」
「ンだから、フラッシュじゃねぇって言ってんだろっ!!!!いい加減にしろや!!!!!」
自ら逆鱗に触れに行った。アホである。
爆豪がキレたのを見て、『今日もフラッシュしてるなぁ。うんうん』と勝手に納得して自分の席に向かう細蟹。
可哀想なバクゴーくん。
細蟹が席に着くと、すでに隣の席に座っていた峰田に話しかけられた。
「なぁ細蟹、お前ってスパイダーマンなの?」
当然の疑問である。
入学前にオールマイトよりスパイダーマンが雄英に入学することを知った峰田含め一年のヒーロー科の面々は誰がスパイダーマンなのか気になっていたのだ。
そして、先日の爆豪との一件で出した蜘蛛のような糸はスパイダーマンという
そんな細蟹の正体が気になるのは質問した峰田だけでは無いようで、峰田の発言と共に自然と教室内の声のボリュームが下がった。
「え、うん。そうだよ、僕がスパイダーマンだよ」
「まじかよ……」
細蟹は峰田からの質問を臆さず、当然のことのように答えた。
元々スパイダーマンだとは峰田も思っていたが、こんな普通に堂々と答えられるとは思っておらず、峰田は驚きの言葉しか出なかった。
それも仕方ないだろう。
スパイダーマンといえば、神出鬼没で素顔や名前などが明かされず謎の多い
だからこそ、こんな堂々と認めるなんて思っていなかったのだ。
そんな二人の会話を聞いていたクラスメイトたちも口には出していなかったが、峰田と同様に驚いていた。
そんなクラスメイトたちなどお構いなしに細蟹は話を続ける。
「でも、これ内緒にしといてね。
スパイダーマンの正体を知るのは———限られた人だけだからね!!*1」
そう明るく話す細蟹に対し、A組の面々の雰囲気は静まり返っていた。
何故なら、スパイダーマンがこの雄英に入学することや彼の素性などは世間に一切出ていない。つまり、それほどまで大きな権力が動いていると考えたのだ。
『もし、自分が細蟹の正体をバラしてしまったら消されるんじゃ』———と変な邪推を峰田はしてしまっていた。
しかし、そんな峰田とは違い、『本物のスパイダーマンが目の前にいるなら……』と細蟹に質問しようとクラスメイトの数人が細蟹と峰田の会話に割り込んできた。
「ねえねえ!!スパイダーマンって実は蜘蛛の個性じゃないって噂されてるけどホントーなの?!」
「スパイダーマンとして活動してた頃に負けた時とかなかったの?」
「本当に小学生の頃からスパイダーマンとして活動してたのか?」
「スパイダーマンってやっぱりモテる?」
「なんでスパイダーマンになろうと思ったのかしら?」
ピンクの肌をした女の子や隣の席の耳がイヤフォンの先みたいになってる女の子、赤いギザギザした頭をした男の子、金髪のちょっとチャラそうな男、目が大きく髪の長い女の子が一斉に質問してきた。
細蟹は「Wow!!僕が聖徳太子なら、今のみんなの質問に即座に回答できたんだけどね!!!」などと笑いながら返答していた。
細蟹が一人一人の質問に答えようとしたところで、プレゼントマイクが教室に入ってきて授業が始まることになったので、一同は一度自分の席に戻ることになった。
その後、午前中はプレゼントマイクが教える普通の必修科目の英語などの授業で過ぎていった。
昼休みになると、大食堂にてクックヒーローの料理が安価で食べることができた。
その際に、細蟹は先程自分に質問したクラスメイトたちを一緒にご飯を食べるように誘い、一緒にご飯を食べることになった。
食堂につき、みんなで席に着いた所で、「そーいえば…」と何か思い出したかのようにピンク肌の女の子が話し始める。
「えっと、まだ自己紹介してなかったよね!アタシ、
「ウチは
「俺は
「俺は
「私は
ピンクの肌をした少女こと芦田三奈を皮切りに、イヤホンのような耳をした少女こと耳朗響香、赤いギザギザした頭の男の子こと切島鋭児朗、金髪のちょっとチャラそうな男の子こと上鳴電気、目が大きく髪の長い女の子こと蛙吹梅雨たちが自己紹介を始めた。
「そして、オイラは峰田実。よろしく」
そして、なんか自己紹介しなきゃいけない流れかと思い、一緒にいた峰田も自己紹介した。可愛いね。
「フフっ、峰田くんもみんなも自己紹介してくれてありがとう!
じゃあ、僕も改めて名乗らせてもらうね!!
僕は——ピーター・パーk「いやお前、細蟹斗真って名前だろ」
みんなの自己紹介を書き、改めて自己紹介をした細蟹だが、またもやピーター・パーカーと偽名を名乗ろうとしたが、峰田が訂正した。ナイス!
流石に人の多い大食堂でスパイダーマンの話をするのはみんな遠慮してくれたので、みんなで大食堂で昼食をとりながら、仲良く様々な話をした。
細蟹は『ボッチになるかもって思ってたけど、杞憂だったかな?』などと思いながら、この時間を大いに楽しんだのであった。
************************
そして、午後になり、ようやくヒーロー科らしい授業【ヒーロー基礎学】が始まった。
勿論、先生はオールマイトだ。
どうやら、本日のヒーロー基礎学は戦闘訓練を行うらしく、皆が入学前に要望を出した
「……てかお前、やっぱそのスーツ姿なんだな。入学前に個性届けと要望出さなかったのか?」
先程まで女子の
「ん?あぁ、出したけど僕の
「え、じゃあ、お前の
「教室に置いてきちゃった!!!」
テヘっと悪びれる様子もなさそうに細蟹が話していると、オールマイトが今回の戦闘訓練のルールなどを説明し出した。
どうやら、昨今の凶悪
ヒーロー側の勝利条件は、《制限時間内に核兵器の確保》もしくは《
そして、このヒーロー側もしくは
オールマイトが各人の名前の書かれたくじを引き、どんどん二人組が決まった。
しかし、1人名前が呼ばれてない奴がいる。
「……せんせー、僕、名前呼ばれてないんですけど」
何を隠そう、
細蟹が通うA組は合計21人。2人で組を作っていけば、必ず1人余るのは必然。
そして、コイツが1人になったのも必然であった。
「うん、そりゃあ細蟹少年の名前はくじ引きから抜いてあるからね!
細蟹少年は、1人で戦ってもらうよ!!
そして、君には個性の糸の使用を禁止させてもらう!」
同い年とは言え、
「……糸のだせない僕なんて、スパイダーマンじゃない」
しかし、コイツはその考えを理解していなそうでしょぼくれていた。*2
そんな細蟹をどうにかオールマイトが今回このような結果になった背景を話し説得することで、細蟹は渋々納得した。
そして、そんな細蟹への説明を書いたA組面々は『細蟹がハンデを背負わされている』と理解した。
そんな細蟹のことを、緑谷などの数名は『やっぱり僕と彼では、
そんなA組の面々を見て、オールマイトは「コホンっ!」と咳払いをしながら、今度はヒーローチームと
第1戦目は、ヒーローチームのAチームこと緑谷&麗日ペアvs
オールマイトからAチームDチームの四名に
**************************
結果としては、Aチームの緑谷&麗日ペアの勝利であった。
緑谷に異常に執着した爆豪がタイマンで戦い、その間に核兵器を防衛していた飯田と麗日が緑谷の作った隙を上手く使い、核兵器を確保したのであった。
しかし、その隙を作るために緑谷は相当なダメージを負い、気絶した為、そのまま保健室へと運ばれていった。
『緑谷くんだっけ?…彼の個性、パワーはすごいけどそれで自傷してしまうのはデメリットとしての側面が大きいのに、あのフラッシュの行動をして予測しながら仲間と情報共有しながらあの一撃を計画して放つのは———中々出来ることじゃないね!
中々いいじゃん、ヒーロー科————!!!』と細蟹は今回の戦闘訓練を独自に分析していた。
そうして、オールマイトによる講評が始まり、【今回のヒーローチームの勝利は訓練という甘い考えによる勝利である】とポニーテールの色々と晒しすぎな
しかし、緑谷の勝利にショックを隠せないようで爆豪はずっと地を見ていた。
そんなことは露知らず、戦闘訓練は続いていく。
オールマイトは次の戦闘訓練するペアを決めるために、くじ引きを始める。
「さて、今度は場所を移して、ヒーローチームはIチーム!!
そして、
ついに名前を呼ばれた細蟹は、糸を出せないことに未だに不満はあるが、ようやくの出番にウキウキしていた。
対するIチームの轟&障子ペアは、細蟹が対戦相手だと知り、警戒心を高めていた。
「それじゃ、
オールマイトからの話を聞いて、細蟹はルンルン気分で指定された建物内の屋上へ向かった。
『ようやくスパイダーマンとして活動できるぞー!』と半年間スパイダーマン活動出来てなかったため、ウキウキな細蟹だったが———
「あれ?てか、なんで僕、
今更自分が
『僕はスパイダーマンなのに、なんで
屋上につき、ハリボテの核兵器を前にウーンと唸っていると、オールマイトからの戦闘開始の合図が流れた。
『取り敢えず、今はこの訓練に集中しなくっちゃね!』と思い、細蟹はまるで蜘蛛のようなポーズで地面に伏せた。
「さーて、久しぶりにスパイダーマンとして活躍できる!!
まぁ———糸は使えないんだけどね!!!」
誰もいない部屋で1人でニヤリと笑いながら、細蟹は戦闘態勢に入ったのであった。
オールマイト「君、個性の制限するためにも、糸出すの禁止ね」
細蟹「僕のアイデンティティが脅かされている…!!!」