レオ2でございます。
今日は文化祭準備の焔矢と心,亜夜子と文弥の話です。
では!
文化祭…1世紀以上前からある有名な学校行事であり,体育祭で注目を浴びる運動部と違い文化部が主役とも言えるだろう。
焔矢の通う音楽科高校は,名前の通りに文化部がメインの学校である為気合の入れようは普通科高校よりもあると言って良い。
夏休みが無事に終わり,季節は秋へ変わっていく中でリハの為に焔矢は講堂でギターを携えてPA役を買ってくれた生徒に言った。
「少しゲインを上げてください」
少しして,またギターを鳴らすと先程とは微妙に変わった音が響き渡る。その違いが分かる人間はリハを見に来ている人間の中でも数える程しかいなかったが,焔矢には満足だったのか頷いた後に簡単にフレーズを鳴らす。
「よし,OK。当日はこれで頼む」
「はい!…あ,でも他の皆さんのは?」
「いやあいつらの音ってスピーカーとか関係ないから大丈夫,心配ありがと」
UFWは凝固化された霊子と想子で形作った仲間達の音が精神に直接作用させるもの,だからスピーカーとか本来のライブに必要な物はいらない。
いつもエフェクターやスピーカーの音を調整するのは焔矢だけだ。
そうやって,学祭のトリを飾る焔矢のPAが終わった。最後だから先に調整をしていた焔矢は,事務所のスタジオに行く事に。
ここ半年で有名になり過ぎてしまったからか,時々興味深そうに,或いは怪訝そうに見られながら歩くこと数分。
何となくだが,廊下の端で誰かが急いで隠れたような音が響いた。
前の焔矢なら大して気にならなかったのだが,この時は何となく気になって階段の端を覗いてみると…
「会長…なにしてるんですか」
心がなぜか大量の資料を抱えながら消火器の後ろへ蹲っていた。
結局,焔矢は彼女と話したい事もあって資料を運ぶのを手伝う事に。
隣り合って歩き,2人は文化祭実行委員が使う教室へと歩み始める。
「その…リハは大丈夫だった?」
「はい,俺を見て勉強してくれたって言ってましたけれど…この短時間で専門知識をあそこまで詰められるのは凄いなと感心しました。」
さっきのリハを手伝ってくれた同級生の女の子は,焔矢のライブを見て昔ながらの軽音に興味を引かれ勉強をしたと言って来た。
その事を嬉しく思いながら,今回のPAを担当してくれる事になった。
それだけではなく,自分達で曲を作り,自分達で演奏する人間は今年に入って増えたと心は以前言っていた。
AIや自動生成される音ではなく,自分達の音を奏でたい生徒が増えたのだ。
「そっか…生徒会の中でも音羽君の話が出る事が多くなったよ」
具体的には九校戦のあとから。
九校戦は魔法科高校のエンターテインメントの側面もあり,非魔法師の人間も見る程のイベントだ。
そこで前代未聞のテーマソングを作った焔矢はまた知名度が急上昇するほどに。
あのライブは無料配信されているものでもあるので,ライブに参加したことない人間が初めてUFWを見る機会でもあった訳だ。
「良い話だと嬉しいですけどね」
「それはもちろん…テーマソング,すっごく良い曲だったって」
そう言って少し微笑む。
以前のような無理をしている笑みをではなく,心からの笑みだった。
それに安心した焔矢も小さく笑った。
「ありがとうございます」
そうこうしていると,実行委員準備室になる予定の教室へと辿り着いた。
まだ学校は始まったばっかりだが,生徒会の中ではすでに準備は始まっている。
これが実質今期の生徒会最後の仕事という事もあって心はは寂しそうだが,以前ほどの陰りがある訳でもなかったので焔矢は余り気にしていなかった。
それよりも気になったのが…いや,まあ理由としては察しているが一応聞いておいた
「それよりも,なんでさっきは隠れたんですか?」
「うっ…だって気まずいし,亜夜子さんに後でなにか言われたくないし…」
一応周囲を見渡して人がいないのを確認した後に焔矢も言葉を返した。
「いや…学校の中での会話位亜夜子も何も言わないと思うんですが。」
聞かれてはいるかもしれないけど,と心の中で思うが。
因みに,心は焔矢の心については再び聴こえなくなった。
仲間達の防壁が強化されたのか,UFWを使いこなす事が出来るようになっている証左なのか,どちらにせよそう言う意味もあって相性的な意味では心も焔矢には心を許している所がる。
常人の当たり前の関係こそが,心の求めている者だったのだから。
「そうだけど…この前文化祭の事報告した時に…なんでもない」
「そこまで言われたら気になるんですが?!」
「だって言ったら殺されるもん!」
「えぇ」
一体文化祭開催と,焔矢が何をするのか報告した時に何を聞いたのだろうかと焔矢は思ったが…事の真相としては――
「文化祭?」
カフェでお茶しながら亜夜子は心から,もし焔矢が次に巻き込まれそうなことがあるとすれば文化祭みたいな会話をしていた時の事だった。
亜夜子的にはLSFの方がよっぽど重要なのだが,文化祭は文化祭で興味がそそるものだった。
というのも,魔法科高校の文化祭に当たる催しは論文コンペなのだろうが,あれは世間一般の文化祭という感じはしない。
青春とは程遠い生活をしている亜夜子だが,その憧れがないと言えば嘘だった。
「は,はい。それでその…生徒達からの要望が凄くて,音羽君の文化祭ライブが決まりました」
心は心で,黒羽家の傘下の人間と言う前にこの学校の生徒会長という自覚が強い。
取り返しのつかない事を仕掛けた自分にそんな事を言う資格はないのかもしれないけれど,この場所の楽しかった思い出は全部本物だと,焔矢に言われてから尚学校の事が大切に思うようになった。
だからこそ,生徒達からの要望の声に逆らう事が出来ずに焔矢に直談判したという。
心が内心でビビっていたのは,これを知った亜夜子が何を思うかだが…
「そう…まあ,焔矢の実力なら当然ね。最近なら特に」
と,表面では言っていました。
いやこれも本音ではあるだろう,最近の焔矢の躍進具合を見れば気になる生徒達が増えるのは当然だ。
言い方は悪いが,無料で焔矢のライブを見る事が出来る機会かもしれない文化祭に”ライブをやって欲しい”という打診が来るのは,亜夜子の予想の範疇だった。
心も普通なら肯定していたであろう。
ただし――
『焔矢の文化祭…行ってみたい』
「…」
そんな心の声を聴かなければ。
一見すると別に可笑しくはない言葉だ。婚約者の文化祭に行きたいと思うのはまだわかる範囲だろう。
しかしそれは四葉と焔矢の関係を無視した場合の話で,まだ2人の関係はこの時社会的には対面すら果たしていない。
あと,黒羽亜夜子という黒羽家の中心人物が私欲を丸出しにした事が心には意外だったのだ。
数瞬,亜夜子は心の表情を見て何かを察してしまったのか静かにカップを置いた。
「心さん,ここで今聴いたことはくれぐれも他言しないように。勿論焔矢にもね?」
ひんやりと冷たい氷の刃が,首筋に当てられたみたいにあてられた。動けば殺すと,言外に伝えているようで…心は頷くしかなかった。
字面だけ聴くのなら,文化祭ライブの事なのだろうが…絶対にそっちじゃない事は亜夜子の氷の笑みを見れば一目瞭然だった。
「はぁ…まあ,分かりましたよ。」
心の怯えようから,どんな事があったのだろうかとは思ったが聞かない方が彼女のためになるような気がして好奇心を引っ込ませた焔矢だった。
そうこうしている内に2人は文化祭実行委員が使う教室へ辿り着き,持って来た資料を机に置いた。
今更だが,今時紙媒体なの珍しいなと意識の端で思った。
「ふぅ,手伝ってくれてありがとう音羽君
「どういたしまして,俺も会長に話しときたい事があったので丁度良かったです」
「え,話しときたいことって…なに?」
少し使った手首をグリグリとしてほぐしてる彼に問いかけると,焔矢はなにを言うのか纏めるかのように夕日が差し込む窓へ目を向け…やがていつもの強い意志を感じる瞳を心へ向けた。
「次の会長選,出馬します」
…心は空いた口が塞がらなかった。
彼の言葉に思う事が色々あるのはそうだったが,真っ先に考えたのは過去,自分が会長になってくれと打診したことを引きずっているのではないかという心配だった。
「で,でも音羽君が生徒会長になる必要なんてないんだよ?!だって…あれは」
焔矢との接触機会を増やすための理由…そんなのは焔矢も分かっている。
「ああ,会長に前なってくれと頼まれたからのとは関係ないですよ。」
「え…?」
だからこそ,彼女自身が自分を責めないようにそれは違うと伝えた。
「2週間前,俺が某パーティーに行ったことは知ってますよね?」
「うん…亜夜子さんと演奏したんだよね…?」
「いやあれはおまけなんですが…あんときに思ったんですよね,純粋に人脈欲しいなって」
普段,焔矢はスポンサーの面など余り気にしない。
しかし,あのパーティーの中で何人もの重鎮を前に会話した中で,もっと自分の人脈を広げることでイベントの誘いなども来る可能性は高くなるのではなかろうかと,思ったのだ。
例えば,父の会社の人の面なんて拝んだこともないから知らなかった訳だが実際は縁があって…実は先日タイアップの依頼が来た。
外資系企業のcmソングで,一瞬「俺の世界観と合わなくね?」とか思ってしまったが,考え方次第かと思い直した。
それはそれとして,別に焔矢はスポンサーに媚びを売っている訳ではない。
人脈を作り,あとは自分の実力をステージで証明し続ける。
知名度を上げ,世界の頂へ行く為に。
焔矢にとってはLSFも足場でしかないのだ。
「そっか,ここの人脈は音羽君のお眼鏡にかなったんだね」
「言い方上から目線過ぎません?」
でも事実でしょ?と,以前には見られなかった茶目っ気のあるウインクをする心。
心とて,この学校自体は歴史が長いのもあって様々な繋がりがある事は知っている。
卒業生にだって,音楽関係じゃなくても多岐にわたる人がいる。心だって全員に会えた訳じゃないし,実はあまりそう言った外交的な場に本当は行きたくない。
腹黒い大人の思考が聴こえてしまうから。
だけど,焔矢はそんな大人の世界へと自ら飛び込むために行動を起こしている。
四葉の後ろ盾を使う事だって本当は出来るかもしれないのに,彼はそれを使おうとしない。
現状彼が四葉に手を貸している理由は自分やヨルを守る為,そして純粋に亜夜子に惹かれてるから。
四葉が影からスポンサーに付いているが,九校戦のタイアップが来たのは紛れもない焔矢の実力だと心は知っている。
そもそも新城巳の一存だけで焔矢をタイアップに祀り上げることなど出来るはずも無く,発案は新城巳かもしれないが許可したのは上層部だ。
今回の事もそう,恐らく焔矢の考えとしては「知らねえ奴に聴かせる機会をくれてやるよ」であろうことは想像に難くない。
——ああ,君は凄いなあ
そう心の中で,1人呟いた彼女は小さく笑った
「じゃあ早く立候補申し込みしないとね。あと2人立候補しちゃったから選挙戦になっちゃうけど…応援演説とか大丈夫?人脈にかまけてばっかで学校の事おざなりにするのは無しだからね?」
心にとってはこの学校は良くも悪くも大切な思い出,来年で卒業だが大事な学校であることに変わりはない。
だから珍しく釘を刺していた。
焔矢のさっきの話では,人脈のためであって学校のためではないと言っているようなものだからだ。
だが当然焔矢もその事は分かってる。
苦笑いしながらも,ちゃんと真っすぐに彼女を見て
「なんですかその友達いるの?みたいなあれは。どっちも大丈夫ですよ。それにちゃんと,会長が守ろうとしたここの日常は守りますから。」
「——っ,音羽君って本当にたらしだよね?!」
「なんで怒られた俺は」
ふと心は思った,自分の変化に。
こうやって焔矢と,何気ない会話を出来ることが…凄く幸せだと思ったのだった。
自分の未来の事なんて分からない,きっと黒羽に飼いならされてしまう。
だけど…きっとあのマフィアブラトヴァにいた時よりは今の方がずっと充実してる。
なら,きっと今が一番幸せなんだと心は焔矢の顔を見ながら思ったのだった。
☆
黒羽家ビル,5階の黒羽の双子が住んでる部屋。
今日は焔矢がスタジオで夜まで練習という事だったので,亜夜子と文弥が2人で晩餐を囲んでいた。
正確には2人と一匹,ヨルも部屋にやって来て亜夜子に「その里芋ちょうだい!」と見上げていた。
もちろん亜夜子は「だめ」と言って跳ねのけ,里芋を3分の1口に入れる。
2人のお皿は既にほぼなくなっていて,今日も黒羽の仕事についての話をしていた所だ。
またマフィアがやって来たとかそう言う話だ。
それから…
「USNAからも…ねえ」
頭が痛いように亜夜子は小さくため息をついた。
USNAのマフィアが来たという話ではない。寧ろ恐らくただの観光客かもしれない…が,LSFの事があるので油断はならない。
軍単位で焔矢を欲している…だけならまだ良い。
寧ろその方が楽で,四葉をチラつかせるだけですぐに大人しくなるだろう。
問題は企業単位だった場合,トカゲに辿り着くまでには少々骨が折れる。
「LSFはまだ先だし,魔法師でもないから大丈夫…とは言い切れないよね」
大丈夫…って言葉辺りから亜夜子が眉を顰めたので慌てて言い直す文弥。
企業単位だった場合は送られてくる刺客も魔法師に限らない,そもそも魔法師がそんなぽんぽんといる訳でもないがそれで安全が担保されている訳でもない。
「焔矢の周りにも怪しい影はないけど,注意は必要ね」
「うん…達也さんほどじゃないけど,彼も面倒事によく巻き込まれるね」
話し合いはこれにて終わり,一息つくように文弥が呟く。
流石に焔矢は国単位で喧嘩を売られた事は無いが,それでも彼が四葉に関わってからの日々はまさに激動とも言えるだろう。
…まあ,その四葉のせいが7割位はある気がするが。
「私達が巻き込んだところもあるけれど…それはそうと,文弥」
「なんだい姉さん」
「いつになったらちゃんと焔矢に会うの?」
「っ!」
亜夜子の一言に文弥は飲みかけていた飲み物を吹きかけてしまい,思わず口を抑えた。
意外に思うかもしれないが,実は文弥と焔矢が会ったのは焔矢が心に襲われたあの時以降一度も会っていない。
それ以外の時,特に亜夜子と婚約してからは全然会わないし,文弥の方も会いに行こうとは思っていない。
いつも焔矢の部屋へ行く亜夜子を見送る側だ。
文弥は複雑な表情をしながら答えた。
「彼は僕に会いたくないだろ」
文弥自身は焔矢に敵意を向けた事だってある。
彼にとっては自分の父親こそが両親と仲間の仇だという正当な理由があっての事だったのが今は分かってる。
「そんな事言っちゃって,本当は気まずいだけでしょ?」
「うっ」
だが亜夜子は見透かしたように,弄る時の笑みを浮かべ図星を突く。
文弥にとって焔矢は凄まじく複雑な関係だ。
寧ろ婚約者になった亜夜子の方が真っすぐな関係と言えるかもしれない。
彼は確かに自分の弟となる存在だが,彼にとっては貢は実質親と仲間の仇で自分はその息子。
それに…
「どんな顔をして会えばいいのか,分からない」
いきなり姉の婚約者になった訳の彼,姉も恐らく焔矢の事は愛してる。
嘘が得意な彼女が,焔矢に気がついてほしくて香水やらアクセサリーを吟味している姿をよく見ている。
どこか寂しい気持ちもありながら,達也の事でその方面では曇っていた彼女が活き活き出来ている事には感謝してる。
だけど,どう接すればいいのかがまるで分からない。
自分に音楽は分からないし,接点など亜夜子位なもの。
話題もなければ複雑な関係。
「それならお互い不干渉の方が良い」
それが文弥の選んだ結論であり,亜夜子の予想の範疇だった。
「お父様はともかく,あなたまで彼に遠慮する事ないじゃない。それに,焔矢はそこら辺のことはきっちり分けている人よ。」
焔矢が向ける怒りの感情はあくまでも貢に対しての物,文弥や亜夜子にそれが向けられたことは殆どない。
一時期亜夜子が苦しんだのだって,いっそ敵だと罵ってくれた方が楽だったのにというものだ。
今はもうそれが焔矢だと知っているから割り切れているだけ。
「だけど…」
「その内,私は彼と結婚する事になるのよ」
”彼がよっぽど堕落しない限りはね”というおまけつきでそう言って,文弥は姉の言わんとしている事が分かるので逃げるように明後日の方へと目を向ける。
「貴方は焔矢の義理の兄になるの。…彼から,両親を,仲間を奪う原因を作った黒羽が彼の家族になる…焔矢にしてみればとんでもない皮肉。だから,せめて私達の事で彼に憂いを残すような事はしちゃダメなのよ。魔法師とか関係なくね」
亜夜子とて,貢も焔矢と仲良くは出来るとは思っていない。
というか今の焔矢がどれだけ貢に憎しみを持っているのかが分からない。普段は音楽優先で忘れがちだけれど,亜夜子も焔矢の秘密を知ったあの夜に彼が貢への憎しみを否定はしなかったのは覚えている。
でもだからこそ,焔矢がこれ以上他者との繋がりでメンタルにダメージを与えるような事をするべきじゃない。
「彼,結構貴方の事気にしてるのよ?」
「彼が?」
それは文弥にとっては意外な言葉だった。
確かに敵意は向けられていないかもしれないが=気にされるような人間とも思われていないと思っていたからだ。
「ええ,余り口には出さないけれど偶に文弥の事を聞いて来るもの」
以前もそんな話をしたのを亜夜子は覚えている。
まあ話題の為の照れ隠しの線もあるが,彼は思っていない事は言わない人間だ。
それはないだろうと思っていた。
「それに…文弥が彼を守らないといけない仕事もいつか来る。その時に焔矢とコミュニケーション取らないと大変よ」
「LSFで…彼が世界に行く時か」
「そう言う事。」
LSFの決勝大会はUSNAだ。
四葉も当然彼のガードの為に何人か派遣しなければならないが,余りに大人数では下手に目立つことになる。
その時に矢面に立つことになるのは恐らく文弥になるだろうと亜夜子は思っている。
もちろん亜夜子もついて行くが,亜夜子自身には戦闘能力はそれほどない。諜報専門なので当然ではあるが。
決定事項ではないが,その可能性がある以上は最低限彼とコミュニケーションを取れるようになっていてほしいというのが亜夜子の考えだった。
…まあ,家族として認めろというのも少し思っているけれど。
数秒の沈黙,根負けしたように文弥はため息をついた。
「はぁ…分かったよ。…明日の朝,ヨルの散歩についてく」
名前を呼ばれたからか,里芋を貰えなくていじけていたヨルが「なに?」と見上げる。
そんなヨルの頭を撫で亜夜子は笑った。
「ええ,そうして。知ってると思うけど,彼早起きよ」
「毎朝5時に起きられるってもう才能だよ」
「本当にね…偶には7時間くらいちゃんと寝て欲しいけど」
そうして”婚約者”の表情で呟く亜夜子に,文弥は心の中で前の亜夜子はもういないんだなと,そう寂しく思ったのだった。
お疲れさまでした!
文弥,事情が事情だけに焔矢から逃げてました()
当然気がついている亜夜子は仲良くしてねという圧を送るという話。
文弥は文弥で亜夜子程じゃないにせよ焔矢には罪悪感持ってますしね。
焔矢が倒すべき敵なら兎も角,完全無害の一般人で父親が色んなものを間接的にとは言え奪ってしまっているので流石に複雑ではあるだろという。
では今回はここまでです!
またお願いします!
どのお話見たい?
-
達也&焔矢(UBW強化話?)
-
空澤&焔矢(亜夜子についてあれこれ話す)
-
貢&焔矢(修羅場)