星界の輪廻   作:oosima

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個人的な思いですけど、星界の紋章って敵方の方などあまり情報が出てないので、色々とそちらで妄想やしたいネタを詰め込める要素が多いと思うのですよね。


第一章 星帝での思い出(星界の紋章)
001 輪廻と人の業は表裏一体


 ○帝国暦936年1月1日朝 アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ) 帝都ラクファカール○

 

 人類がユアノンと呼ばれる粒子の発見で星間航行を可能とし、銀河系規模にその勢力を広げて地球外起源生命体とも接触を持つようになっても、争いを根絶できずにむしろ拡大と深化をさせている世界があった。

 その中で、アーヴと呼ばれる種族が支配層となって内外から“帝国”と通称される、天の川銀河の半分近くを領有する国家が存在する。

 アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ)を正式名称とするその帝国はこの時間軸における天の川銀河の半分近くを領有する超大国と化していた。

 アーヴとは地球時代にある弧状列島を基盤とする島国が、外宇宙探索用に製造して送り出した遺伝子調整を施されたデザイナーベイビーを起源とし、この世界では“コーディネイター”の一種とされている。

 現在は、地球人類起源のものから後に帝国から加わった種族の子孫も混じっており、現在はコーディネイターの中でも上位に位置する能力と老いる事のない美しい肉体、最低でも二世紀半前後は生きられる長寿を持った種族と認識されこの世界では総数は約5億人、様々な評価を受けている種族である。

 その中で帝都と呼ばれるラクファカール星系は、恒星アブリアルを中心にそれを囲む形で幾つかの惑星と軌道都市と呼ばれるコロニー型都市が無数に存在し、数千万のアーヴと十数億人の帝国臣民と呼ばれる人々が暮らす巨大都市となっていた。

 

「………うーん、今回は良い具合に行くと思ったんだけどなー…」

 

 その軌道都市の一つにある巨大なビニールハウスの一角で、一人の人間型アーヴの女性がラフな格好で眉を八の字にしていた。

 青みを帯びた黒い長髪をオールバックにして同色の大きな瞳を中心に芸術作品のような美貌と黄金律の身体をし、身に着けているショートパンツにノースリーブシャツというラフすぎる格好と泥まみれなのを考慮しても天文学的な美しさを誇る女性だ。

 

「今日に生まれる予定の息子にあげる花だけどー、この前に見つけた現地生物が存在するあの惑星で見つけた花はどれも枯れたし…だったら何をあげればいいかなんだけど…」

 

 そのアーヴ女性が真横に伸びるようにしてとんがっている耳をピクピクと動かしながら中にあるビニールハウスの花を物色していると、一人の恰幅の良いゴリラの様に大きくて毛深い長袖衣装の女性がビニールハウスに飛び込んできた。

 

「こら! ラムキース様まだ贈り物の花選びという名目でここへ籠られて! (ラルス)を継がれても変わらないその性分を今度こそ治しましょう!」

「うげ!? ば、婆やそんな強く耳を引っ張らない…いででででで!!??」

 

 その美女ラムキースを大柄な女性はその長い耳から摘まみ上げると、引きずるようにして彼女をビニールハウスから出して車に詰め込んだ。

 

「…ホギャア、ホギャア…」

 

 数十分後、帝都の一角にある病院の一つでラムキースは一人の赤子を抱いていた。

 彼女と同じ青黒い髪を短く生やしている赤子で、アーヴの例にもれずに将来は美しくなるだろう男の子だ。

 

「ンンッフフフフ、あなたにしては珍しく早く来ましたねぇ」

「ちょっとオリュキ卿、そのネタは卑怯ですよ」

 

 その赤子を優しく抱いているラムキースだが、その場へ急に降り立つようにして現れたその唇が大きくて色々な意味で美しい以上に濃い男を目にすると頬を恥ずかしそうに薄い朱色に染めた。

 

(…あれーー? 何かガンダブ映画版から数百年後くらいの世界でイノベイダーとして新たな人生を工学者としてやっていた最中に落ちてきたMSに潰されたかと思ったら…なんかまた体が動かしづらくなって…、キングダムの王騎将軍と摎を星界シリーズっぽくしたような人たちが朧気ながら見えて来たー…)

 

 その二人の様子を見た赤子はおぼろげながらそう子供らしくない事を考えていたが、彼らのいる病院の廊下の宙に映し出されているニュース映像からこのような放送が流れてきた。

 

『…帝国外からの速報です。先週にオストニアのシュトラハヴィッツ中将と会談したジョージ・グレン氏がテロに巻き込まれ…』

(…え? 何かマブラヴやSEEDで聞いたことがある名称が…?)

「あれ? 何か今度は完全に黙るようになっちゃった…?」

「ンンン~~~? 半分はあなただというのに大人しそうな子ですねぇ」

 

 そうした放送を耳に出来る現状に、赤ん坊は増々不安を感じて自然と口数が少なくなっていき、それがラムキースとオルキを不思議がらせた。

 

「とりあえず名はどうしますか?」

「決まっていますよ。あなたも名も一部貰って…“ドゥリュース”って…」

(…え、ドゥって音は確か…星界シリーズで…戦闘狂皇族みたいに扱われているあの一族の男子のあれじゃ…!?)

 

 そして、その赤子は自身に付けられたその名ドゥリュースで嫌な既視感を強めていき、増々赤ん坊にしては不気味なまでに静かになっていった。

 

 

 

 

 

 ○帝国暦942年2月1日朝 アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ) 帝都ラクファカール スュルグゼーデ王宮(ラルベイ・スュルグゼーデル)

 

 この時間軸におけるアーヴによる人類帝国は、天の川銀河系の半分近くを占める領域を支配し、域内には地球起源人類を含めて数十の知的生命体を統治する超大国であり、その領域は八つの王国に分かれていた。

 但し、王国は行政区分ではなく地方名称に近く、実際に各王国に存在する八つの王家は実際の統治権を持たない。

 そして、その八つの王家は各王国の中核星系と、ここラクファカールそれぞれに王宮を持っており、行事や仕事によってそれぞれの王宮を移るのがこちら側の世界での通例となっている。

 

「……………」

 

 その一つである、見た目は小さな惑星の一つは入りそうな巨大なリング状の軌道都市をした構造をしている王宮(ラルベイ)の一つであるスュルグゼーデ王宮(ラルベイ・スュルグゼーデル)の内部にある庭園の一角に、一人の少年が座っていた。

 

「…ドゥリュース、また理論研究ー?」

 

 近くから呼びかけられたその少年は、6年前に生まれたあの静かな赤ん坊ドゥリュースの成長した姿であるらしかった。

 

(…まさか、車に引かれてガンダブ世界の未来に生まれ変わったと思ったら…今度は原作以上に死亡フラグ満載な“星界の紋章シリーズ”のクロスオーバー的イフ未来に生まれ変わるなんて…)

 

 そうした呼び声に気付かぬまでにネガティブ思考を内面で強めているそのドゥリュースは、彼の(今現在思い出せている限りの記憶では)前々世で言うところの“転生者”であった。

 

(…始まりが地球時代でどうにか無条件降伏を免れたマブラヴオルタ的日本が自前で発見した…HALOのフォアランナーな超古代遺跡の一部を秘かに発見してそこの技術を用いて、今現在でも最高レベルの遺伝子調整技術の結晶と言われるアーヴの祖先を作り出したのが始まり…しかもテラフォーマーズ要素付きで…。それから数百年後には他の星系に移住した人達が見つけた別のフォアランアー遺跡が暴走を起こして全銀河規模で別銀河と融合を果たし、二つの回廊(ディル=リフィーナ)的な銀河と化してそうしてきた亜人種と接触して交流してそこ系や型月系要素も混じった魔術などを学んだ後、帝国暦が近づいた時点でそれまでの星系間超光速航行技術が使えなくなったから平面宇宙航法を確立させたばかりの頃のHALOっぽいコヴナントと接触…。そこで自分達が今まで通りの体制だと対抗できないのを知って帝国を建国…。それからフォアランナーの遺跡や遺物の扱いを巡って数十年くらい戦争してアーヴ有利が確定となるもお互い損害が大きすぎた事とフォアランナー系技術の取り扱いなどでの利害の一致などで、お互い妥協し合って合併して帝国を拡大…。その後に基本は辛うじて半分くらい原作沿いとなりつつも、近年は再び大きく原作に無い要素が絡みだしていく―――!?)

 

 そうして転生者だからこそわかる死亡フラグを感じ取って、どんどん憂鬱じみた感情を強めていっていたドゥリュースであったが、そこで彼は自身の身を大きく投げ飛ばされた。

 

「―――ぅうぶべえ!?」

「せっかくあんたみたいな陰キャの極みの所にも友達が来てくれたんだから返事ぐらいしなさい! この私の息子と言うものが!!」

 

 いつの間にかその背後に現れていた母親であるラムキースによって、ドゥリュースの身は数十メートル離れた池に投げ飛ばされたのだ。

 

「…ごほごほごほ! 貴方の息子以前に…(ラルス)王子(ラルソ―)に対してやっていいことじゃないでしょう…!!」

 

 数秒後、まだ揺れている水面を再び大きく揺らして飛び出て岸に戻ったドゥリュースが文句を言った母ラムキースの正式名称は、アブリアル・ネイ=ドゥアセク・スュルグゼーデ王(ラルス・スュルグゼーデル)・ラムキース。

 ドゥリュースにとって非常に残念な感じだが、帝国の皇族(ファサンゼール)を構成する八王家(ガ・ラルティエ)の当主である(ラルス)の一人にして彼の実母である。

 そして、その長男であるドゥリュースの正式名称アブリアル・ネイ=ドゥアセク・ソドール子爵(ペール・ソドゥリュ)・ドゥリュースが示す通り、彼は自身にとって死亡フラグの多さはまさしく銀河中のロイヤル・ファミリーではトップである、帝国を統べる皇族(ファサンゼール)であるアブリアル一族に列する王子(ラルソ)の一員であった。

 

『…続きまして外縁部小銀河プラントの動きです。先日に同宙域の市民代表の一人を務めるシーゲル・クライン氏が…』

 

 その最中でもドゥリュースの視界内に映し出されている、前世で言うインターネットである思考結晶(ダテューキル)網を通して映し出されたニュース画面が映し出されており、その内容でもドゥリュースは子供らしくない溜息を強めたい気分になっていた。

 

「…おー、以前にこっちへ秘密の交渉に来ていたレノアさんの友達の~…今もあれこれ面倒くさい政治のことをしてるみたいねぇ~」

「おい、(ラルス)! そう言うのはあんま世間様に向けて言うなよ…!?」

 

 そうした自身の見ている画面にも遠慮なく割り込んでくる母親に、ドゥリュースは素の状態でツッコミを入れようとしたが、そこで別のニュースが入ってきた。

 

『特報です。先日未明にE.U所属ヤゲロー大公国に侵攻してきた“異夷(ゼビーシュ)”ですが、既にワルシャワ星系にまで侵攻していることが明らかに…』

「…これは、酷いわねぇ…連中に周囲をほぼ囲まれつつあるクリューヴも残されている防衛用(ソード)は酷いけど…」

「…………」

 

 それを見て重くなったラムキースの表情を、ドゥリュースは明かしてはいないが前世で工学者として働きつつもそこで異星人系勢力と交戦したこともある記憶から、戦場で死線を何度も彷徨ってきた同類として下手に突っ込むことは出来なかった。

 

(…まさか…マブラヴ世界でトラウマを生み続けていた“BETA”が銀河規模に質と量を共にパワーアップさせた状態でこの世界にも存在してるなんてなー。これでこっち側は帝国とかマブラブ地球各国系の星間国家にSEED的なプラントとか、更には企業なども含めれば他の作品のそれやキャラもあるし…、こっちにも愛着が出来ている人がいるから、それらと共に真面に暮らせる世界を守るためにせっかく得た力や身分は適時適切に使わせてもらおう…)

 

 そして、ドゥリュースの視界に映し出されている各種画面の中に、この世界で出来た家族や友人達との共に写し出された画像が混じると、彼の瞳に力が戻った。

 

「…あーそうそう、ドゥリュースーお母さんねーこの前に発見した星系で見つけて連れ帰った珍しいウサギ型生物をさっき逃がしちゃったからー、捕まえるのを協力しなさい♪ かなり珍しい種だからあんたの友達にも見せたいから♪」

「(そのためにまず解決すべきなのはこの子供の身じゃなくてもあまりに大きすぎる障害から何とか逃げないと!!)またですかいこのアーヴ版南方熊楠ーーーー!!」

 

 その途端に自身の首根っこを捕まえて担いで運び出した母親に、ドゥリュースは目いっぱいに叫んで罵り声を上げる以上の抵抗はまだできなかった。




王族に転生しても楽できるとは限らない、というかその真逆になる確率が大なのが星界シリーズです。
星界シリーズをあまり知らずにアブリアルに転生して始め“高級らくちん生活できる!と思うような人が、原作のような展開になったらどういう表情になるでしょう…?
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