星界の輪廻   作:oosima

100 / 100
こんな色々風呂敷ばかり広げているSSでも、ついに本編百話に達しました。
今後も話がきちんと追われる最終回を迎えるまで続けられるように、お気に入り登録や感想に評価付与をどうかよろしくお願いします。


100 暴かれ目覚めし巨人

 ○C.E(コズミック・イラ)71年2月23日朝(帝国暦952年2月20日朝)現地時間正午前 銀河連合 旧人民主権星系連合体大星域 銀河中心領域付近 シュリア星域 パルミュラ王国 第一パルミュラ星系 第二惑星アンティオキア 熱帯海岸地帯 レース可能領域内○

 

「…へ! 何か懐かしいおもしれえ場面を見せつけられたが…悪くねえからさっそく通らせてもらうぜ!」

「…おのれ! 何者か知らんが…あの子と似た顔で…あの子を形だけ真似したような手で悪名を轟かせようなど…憎たらしいぃ!!」

 

 リュッカ(リュール)がデカぶりオチームを利用した卑怯戦法で生んだ隙を、帝国圏代表チームがその好機の大きさを察して続々と抜けていくが、その中でレヴィは笑みを浮かべているのに対し、リーメアリーはその美貌を凶悪に歪めた。

 

「…く! くそぉおおお! さっきの亡命アーヴ小僧めええぇぇ! よくも高貴な私をウツボ風情なんかを釣る餌にしおってええええ! 試合終了後に身元を調べつくして国際労働基準条約ガン無視の養豚場に送って豚の餌以下の飯しか食えん状況にしてその眼前で高級かつ丼を食い続けてやるわあああ!」

 

 一方、ウツボに集団で寄ってたかられていたものの、大会スタッフが掛けた選手の心身を保護する結界のおかげでほぼ無傷に済んだデカぶりオが、大会スタッフの救助飛行カーに救い上げられていた。

 

「しゃ、社長…! どうかぁ私もお助けぇぇ―――」

「部下であるお前が社長である私に危ない真似をするなぁ!」

「―――えぐほぉ!?」

 

 その片足にはアクション仮面乃助が必死にしがみ付いていたが、無情にもデカぶりオに蹴り落されてしまう。

 

「「「「「ギジャアアァアアアアァアアアァアアアアアァ!!」」」」」

「のわーーーーーーーーーー!?」

「あ! 今度はあっちが大きく開いたぜイザーク!」

「俺達も抜けるぞディアッカ!」

 

 今度はアクション仮面乃助氏が身を張って巨大ウツボ達の注意を引き付けることになり、プラント系列チームもその間に先に隙を突いた者達を追っていく。

 

 

 

 

 

 ○銀河連合 旧人民主権星系連合体大星域 銀河中心領域付近 シュリア星域 パルミュラ王国 第一パルミュラ星系 第二惑星アンティオキア 熱帯海岸地帯 某地下鍾乳洞○

 

「…はい、そういうわけで生け捕りしてもガシャガシャして周囲を騒音でご迷惑させる子達は静かにしましたー。早急にご引き取りにー…」

「…ぐ…ぐるじぃぃぃぃ…」

「…だ、だずげでぇぇぇ…」

 

 ウツボとレーサー達で仁義なき死闘が繰り広げられていた頃、その地下にある危険な猛獣が多数生息している巨大鍾乳洞の中で、ブライア・ボルジュ=イービァラ・ヨルは多数ある他所の工作員及びそれに協力していた現地内通者及び猛獣の屍の群れの中で、その片手に半死半生だが生きて団子状に茨で纏め上げられている生存者を担ぎながら上司に連絡していた。

 

(…ぐ、ぐぞぉぉ…! アーヴの茨姫めぇ…! し、仕方ない…()()()()()はアーヴ共の巣であるラクファカールに送りつける予定だったが…止むを得ん…)

 

 周りの膨大な屍の中でただ一人だけ瀕死ながら生き残っていたその男は、指が何本か欠けている手をカタカタと震わせながらあるスイッチに手を掛けた。

 

「!?」

「「「「「ぶげぇ!?」」」」

 

 ヨルはその気配に気づいてその捕虜巨大団子を投げつけて生き残りの残った内臓を潰すが、だが一瞬遅くてスイッチは抑ええていません。

 

「…ぐ、ぐふ…た、狸の化け物と…化け物同士…潰し合え…空の青き化け物…ぐふ」

「…!?」

 

 その死に際の台詞と共に生き残りが事切れた直後、遠方から巨大な蠢動と魔力が凶暴性と深い苦悩を帯びて地響きのように伝ってきたことにヨルは気づいて強張った。

 

 

 

 

 

 ○C.E(コズミック・イラ)71年2月23日正午前(帝国暦952年2月20日正午前)現地時間正午前 銀河連合 旧人民主権星系連合体大星域 銀河中心領域付近 シュリア星域 パルミュラ王国 第一パルミュラ星系 第二惑星アンティオキア 密林高山地帯 レース可能領域内○

 

「…レ、レースはどんな様子だ!?」

「あ! リュールさんと日光さんが今の所はノーヘッド.comや帝国から来たあのレヴィとリーメアリーのパッキン&ヤンキーと首位争いをしています!」

「正吉達がスタッフカーに乗っていつでも支援できるようにしていますが…」

「いざって時はここから地脈を操作して地崩れを起こしてあいつら以外を邪魔するか…」

「ちょっと権太さん! そう言うのは駄目ですよ!」

 

 ヨルが何かに気付いて数十分後、レーサー達は互いに妨害を繰り返しながら競い合って数を減らしていき、やがてアンティオキアの少ない密林地帯へと入ったが、その様子を大戦期のドクツ・ゲルマニクスが建造した要塞跡の一つから妖怪狸レジスタンス達が見守っていた。

 狸達が暮らす密林地帯は横に長く伸びており、レジスタンス本部から遠くから離れているここにも彼らの支部の一つがあったので、電波を入手して見やすいこの地にPCやテレビを持ち込んでレースを盗み見てリュール達を見守っていたのだ。

 世界情勢から今までルシリアスな場面が多かったが狸は狸、別時間軸の地球での同位体と同じくこういう娯楽好きなところは変わらなかったようである。

 

「…いて!? 何だぁ? 上から破片が落ちてきて来やがった…?」

「そりゃまー、放棄されて何十年も忘れられてこっちが見つけて再利用するまでは誰も手付かずでしたからねー。ここはあちこちがひび割れていますよ…っ!?」

「いや、これって近くのザフトの連中が勝手に抑えた先駆者(フォアランナー)遺跡からの揺れですがー…?」

「あいつら今度は何をー…いや! 近いけど別の所からだ…!?」

 

 だが、その最中に不自然で大きな揺れが起きて彼らのいるかつての弾薬庫でも天井が崩れて破片が起き始める。

 

「!? 何が起きてんだ!?」

「た、大変だー! 皆ー! 外に出てくれー!」

 

 只ならぬ気配を感じ取った権太たちが地下深くにあるその部屋から地上にある観測所跡に出ると、そこで彼らは我が目を疑うものが出てきた。

 

「…な、何だあいつは…!?」

 

 権太が目にしたそれは、MSはおろか戦艦や巡察艦すら超えるサイズの、甲虫と混ざったような無機的な巨人が大地やその上の密林を突き破りながら起き上がっている姿であった。

 

「…おいおい、来たのが作業用のも含めたガズウート? バクゥやバビは品切れかぁ?」

 

 数分後、レジスタンス狸たちのその拠点から数十キロ離れている、ザフトがパルミュラの親プラント派との取引で抑えたその密林の中にある遺跡の発掘現場で、そこに基地も併設しているバルトフェルドは困った笑みを浮かべていた。

 

「…それがー、この戦線は安定しているから急には遅れないとのことですがー…」

「例のスエズ攻略のオペレーション・スピットブレイクの準備か? 最近はサマリアからの工作員やスパイもお雇い帝国人のおかげでだいぶ取り締まりが進んでテロも減っただろ」

「どうやらザビ前議長のご子息殿達がここで何かを探しているようで…追加の送られてきた人員もその関係者ばかりのようでー…」

「例の極めて保護すべき遺産の為ってか? 人類の未来を唱えながら半分は大昔の先人の墓荒らしみたいなことをしてまで縋るなんてねー…」

「まー、プラントもそのおかげで出来たようなものですから偉そうなことは言えませんがー…っ!?」

 

 ダコスタも半分は上司とのもっと上への愚痴の言い合いに浸りそうになっていたが、そこで基地全体を地震とは異なる大きな揺れが起きた。

 

「!? 何だ!?」

「何が起きて―…!?」

 

 二人が揃って外に出ると彼らも想像の埒外にあるものを目の当たりにする。

 

「…何ですかあれは!?」

「…ジ・アース…!?」

 

 一方、そのザフトの発掘現場併設基地近くを通るコースまで進んだレーサー達もそ巨大な甲虫を思わせる巨人を目の当たりにし、目にしたリュッカ(リュール)はまだ取り戻せていない前の前に自分の魂を持っていた誰かの創作物系の記憶にあるその名を口にした。




次回、主人公達も当然のことながら今回のお話で登場したあれに巻き込まれます。
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