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「くそぉ!? あんだけデカいくせして動きがだんだん素早く且つ器用になって来てやがる! しかも見えない壁みたいなのまで出来てやがるぞ!!」
「喋ってる暇があるなら機体を動かせ! 少なくとも被弾箇所は直ってるようには見えるが遅いからそれ以上の火力を叩きこみゃあ沈められる!!」
「止めろぉ! こっちはまだ逃げてねえんだぞ!」
「民間人だぞこっちはぁ!!」
スピードリングのレース会場でレイカや真由美らが人々を落ち着かせて避難させていた頃、レースコースの一角に近くも関係は無かったはずのそこは、レース参加者やザフトに
「のわー!? ストライクとバルバトスを追ってきた俺たちがなぜこんなレースもどきのデスゲームの巻き込まれなくてはいかんのだぁぁ!?」
「こっちにとっての危険度はグゥレイト過ぎるぜぇええええ!!」
そんな中で、プラントから個人枠でレースに選手として出場していたイザークとディアッカは、巨人の攻撃の煽りでスピードリングを破壊されてしまったので、ザフト軍の現地
「くそぉ!? デュエルだったならあんな化け物に好き勝手などさせんのにぃ…のわぁ!?」
だが、そのイザークの頭上に巨大な瓦礫が落ちて直撃したその時、その瓦礫は真横から飛んできた剛腕で吹き飛ばされた。
『ちょっとそこのお二人さん! もうこちらには逃げられる車両は無いですからまだそれが残ってる西の方へ向かってください!』
「…な!? あ、あんたは…!?」
その際の衝撃波で転倒したイザークを介抱したディアッカが見上げたのは、
まずはその見た目だが幾らか破損していただろうがそこを後から継ぎ足して塞いだような水銀色の装甲が補っており、声は人間の若い少女のものだったが、ディアッカがそれへ疑問を投げそうになったところで
「…え!? 何だぁありゃあ!?」
「あんな色の機体なんかあったかぁ!?」
「お、おい! あいつ…あんなに速い動きでぇあのデカブツに向かっていってるぞ!!」
銀色の
「…よし! これならあれを片付けられるまではこの機体は耐えられる!」
その銀色の
今現在、彼が乗るその機体は、破損した箇所を彼が魔術で周囲の物質を変換して創出した水銀で補わされ、それを介して彼が魔術とハッキングを駆使して操っている状態であった。
「もつのはいいですけどこっちはいつまでもつかはわかりませんけどぉぉ!?」
一方、そのリュッカ(リュール)に同席させられているミッカ(日光)は引きつった顔をしつつ、機体の背中に装着されている対艦可能重斬刀の黒椿を背部マニピュレーターを操作することで振るい、降り注いでくる瓦礫を弾いていなして行く。
「…攻撃を撃ち込まれたばっかのあの辺にエネルギーが薄まっている穴みたいなのが…どりゃあ!」
そして、銀色の
「ぬおぉ!? 何処のどいつか知らんが凄いぞあいつ!」
「あいつ! こっちの攻撃が当たった直後のあの見えない障壁が弱まってやがる箇所からその箇所へと飛び移って進んで行きやがる!」
「狙ってやってるぞ! あいつは!」
その動きに周囲は驚く中、とうとう銀色の
「ミッカ(日光)!!」
「わかってます!
そして、今度は黒椿が銀色の
「…ぅうぅ…ぐ…おおおお!? こ、ここはぁぁ…!?」
切り裂かれた赤い装甲の向こう側に現れたのは、狼のような顔つきをした妖怪狸の老人が無数のパイプに繋がれて拘束され、苦悶の声を上げている姿だった。
「この御老人!? たしか金長様が言われていたあの―――!?」
ミッカ(日光)がその姿に驚いた時、
「―――おってちょっとぉ!? そんな急に引っこ抜いたら何が起きるかわからないでしょう!」
「見た感じの魔力の流れからしてこの化け物はこのお爺ちゃんの魔力通り越して
非難の声が起きつつも何とか苦しんでいたその妖怪狸を解放した直後、リュッカ(リュール)達が乗り込んでいる巨人がまるで散歩中で急に事切れた老人の如くゆっくりと倒れ始めた。
「…あれ? 何だかあの巨人…何か倒されたっぽいけどさ…」
「ちょっとこっちに向けて倒れてきてるっぽいぞー!?」
「うわー! 逃げろーーー!」
攻撃は無くなったが巨人の最後っ屁が周囲に新たな被害を出しそうになる。
「まずい! このままだと向こうが潰れー…ぅ!?」
「…やば…こいつに降り注いでた砲撃から機体と身を護るのに魔力も体力も使い切られたから…もう動けな…!?」
だが、リュッカ(リュール)とミッカ(日光)がそれに気づきつつも、もうそれを防げないまでの消耗に歯噛みしたその時、二人にとって色々な意味で親しんだ者達の声が鼓膜を震わせてきた。
「良くやったぞ二人ともぉ!!」
「後はこっちに任せろぉ!!」
何と透明の障壁が消えた巨人の表面を、整備士の衣装になっている両津と銀時がバクゥ顔負けの速度で頭まで駆け上がったのだ。
「「ダブルジャンプ主人公アタック!!!!」」
(何その凄いメタ臭がする技名!?)
銀時の黒くなった木刀と両津の同じく黒くなった鉄拳が(リュッカ(リュール)の何処か妙な既視感を覚えた内心突っ込みを添えて)巨人の顎を殴りつけ、まるで巨大隕石が落ちたような轟音と衝撃波を放ちながら巨人の倒れる方向を大幅に変えたのだ。
「凄い! これなら被害は減らせます!!」
「まだゼロではない!! 鼻毛真拳三大極意!! 毛深一天!!!!」
それにミッカ(日光)が驚いた真横を、今度は右手にドリルの如く回転する鼻毛を纏わせたボーボボが通り過ぎ、その右の拳が巨人の倒れ行く方向を更に人が少ない方向へ変えていく。
「よし! 今度は俺達が行くぞ!」
「おお! トランスフォーム! 飴!!」
そして、その倒れ行く方向にある遺跡の残滓には普段に比べて勇ましい様子の天の助が立っており、彼の口へ首領パッチが小さくなって飛び込んだ。
「「プルプルハジケ合体大奥義! 超アメーバシェルターキャッスル!!」」
「「「「「ウワアアァアアアアァアアアァアアアアアァ!!??」」」」」
何と水色とオレンジの二色が混じったような巨大な半透明状のゼリーの塊が小山サイズで現れ、倒れた巨人を受け止めてその衝撃と落下の破壊力を押し殺し、それで飛び散った多数のゼリー状の防御膜につつまれたその場から逃げ遅れた人々を排出するように逃がし始めた。
「…な、何と助かったのね…」
「…そ、それ…こっちはそうだけど…他の皆はどうかー…!?」
「良かったー! 二人とも無事だったんだなー!」
その勢いで元の壊れた状態に戻った
「両さん! 無事だったのか…まーー…両さんはどんなにひどい目に遭ってもー“うわ、また生きて帰って来たよこの人…”みたいなオチしか予想できないというかー…」
「その言い方に苦笑は何だリュー坊主! まー今はそんなどうでもいいとして…儂らの方は皆が無事だ! このバケモンのさっきまだ馬鹿みたいに放ってた衝撃波で乗っていた修理用飛行カーは破壊されちまったが天の助がさっきみたいにクッションになってくれたからどうにかな!」
「…ま、まーー…見た感じー…見た目はこっち…無事か軽傷ですけどー…HPが最大値が一万前後くらいなところ―…あんだけの状況でめっちゃ疲労したせいでー…もう残り百前後くらいしかないというかー…」
「いや、何ですかその瀕死なのかまだ余裕があるのかわからない例えは? まぁ…私も似たようなすごくしんどい感じですけど…」
「この優先して助けた方が良さそうなー…狸か狼かわかんない人も似たような感じだしー…」
「ああ、儂もだ」
こうして互いの生存を確認しあった後、リュッカ(リュール)達はばったりと倒れた。
「!? 医者ーーー! お医者様を連れてきてー!!」
「マリュー落ち着きなさい!! 狸さん達のエリアだけどザフトや帝国軍とかもいるんだからー!!」
「スメラギさん! 飛行救急車で狸さん達が来てくれましたー!」
「よくやったわフレイ! すぐに皆を乗せて直ぐに戻るわよー!!」
他の巨人退治に参加していた面々も同様にバタバタと倒れたところで、司令に艦長ら指揮官の面々は大急ぎで彼らの救助へ回った。
次回、今回のトラブル終結後で揺れ動くあちこちの様子と、その合間に主人公達の息抜きの様子が中心となりつつも、次の舞台への移行の準備も描かれる予定です。