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「うわー! すごいネー!」
「あーもー昼食は皆が揃ってからねー」
「とりあえず準備が出来るまでは向こうでお喋りでもして待ちましょー」
フィオナとシルヴィアが病院へのセリカの訪問に驚愕していた頃、アークエンジェルの女性陣は今の自分達が匿われているホテルの海上コテージ区画に移り、そこに用意されつつある昼食に驚いていた。
「喜んでくれて何よりだ。そちらからの今回の恩に比べれば軽いものだが…」
「いいえ、貴方様のご協力に比べれば…」
その中にはここパルミュラの女王であるゼノビアの姿もあり、一行はコテージのテラスにある魔術結界で太陽光の下でも涼しさを保たれている区画で談笑を始めた。
「…うぐぐぐぐ…女共めー自分達だけでー会場高級ビュッフェをこんな戦災直後の状況で楽しむとはー…差別主義者の罰当たり共めーー…!!」
ちなみにその光景を海岸の茂みより両津は憎々しげな顔で盗み見ていた。
「仕方ないでしょー、ビーチバレー大会でビーチをあそこまで出来る女子の皮を被った猛獣を相手に勝てるわけー…」
同じく茂みにいるリュールが微妙そうな顔で指さした先は、まるで砲弾が着弾した跡のような穴が無数に開いた白い砂浜と、ボロボロになったネットや破れたビーチボールの破片が無数に散らばる光景であった。
「馬鹿やろう! それだって元はと言えばお前がザフトとの戦闘が無い間に求めてきた連中に魔力の扱い方を教えたのが原因だろうが! 特にあのキラはヘリオポリス時代はサボり魔だったくせにお前が教えてからは素手もアホみたいに強くなっていってるだろ!!」
「…そ、そんなことを言われてもぉ…アークエンジェルは戦力が限られているからぁ…今ある戦力を強化できるうちに強化しないとぉぉ…」
その原因の一つとして両津に詰られてリュールは仰け反る。
「今この状況に最も文句を言いそうなバジルール少佐は何をしてんだ!?」
「あの人ならキュルケと共にこのことを上に報告するぞと脅しながら文句を行った時に、今は残りの話し合いを纏めに離れてるカガリや王留美に今回の巨人テロや闇市場犯罪スキャンダル暴露で揺れ出してる母国やそこに住んでる親戚に今のそこらの窮乏と絡められて説得され、今はアークエンジェルで物資の補充と確認のチェックをしてますよ…。今はあそこに混じってる大手スポンサーな子も説得に加われたし…」
リュールが指さした海上コテージの一角には、ナチュラルとコーディネイターの中間的クール系美貌にモデル体型を黒いビキニ水着で固めた美女が混ざっていた。
「…いやー、本当にミュウにもここへ来てもらって助かったわー。おかげで銀連もザフトも文句以上のことはここにはしないしー…」
「わざわざテロ事件やその取り締まりの激務の合間にここまで来てくれてるゼノビアほどじゃないさ」
周囲と談笑しながら有り難がられているその美女の名はミュウ・ユン。
ハニア系の富豪の名門の家系の出自で日本皇国とも所縁のある身で、ハニア圏を中心にカリスマモデルとして活躍している身の一人である。
ちなみにリュール達とは、彼らがヘリオポリス時代にある惑星へ遭難した時に親交を深めた中の一人でもあった。
D.S.S.Dの大手出資者の一人で今は亡き母の出身である財閥の当主の地位を継いだ身で、銀連圏ではもう数少ない帝国やプラントに真面な太いパイプを持つ人物の一人なので、今回の件に一番文句を言っていたナタルやキュルケを黙らせたのは彼女の力が大きい。
ちなみに、今は亡き母親が隠れコーディネイターで本人は隠しているが彼女自身は隠れハーフコーディネイターである。
『えー!? マジでー!?』
『そうそう、それでねー…』
「…ふーむ、今の所は怪しい発言は無いなー…」
そんな彼女たちの談笑を、両津たちと同じく茂みに隠れているボルボは盗聴器で聞いていた。
ちなみにこの盗聴はマリューも同意済みで、ザフトからアイシャが表向きはミュウ・ユンの友人という名目で、文句を言う面子にはアークエンジェル出発までの安全を担保するためのザフト側からの人質という言い訳で、海上コテージに来ていたアイシャの声も両津たちには聞こえていた。
アイシャ訪問に文句や懸念を口にしたナタルやキュルケを説得する際、リュールがマリューに提案して彼女の水着へ発信機や盗聴機を付けてもらったおかげである。
「あ、そう言えばあの接待の場にフレイはいないけど?」
「あー、その理由は―――」
『ギャアアアアア!?』
そんな色々と裏がある女子会にまた不審点が上がったその時、海上コテージと盗聴器から男の声音で悲鳴が響いてきた。
「―――あってなにこれぇぶはぁ!?」
懸念を口にしていたものの一人にして驚いた新八だが、その彼の胴体に海上コテージの方から壊れたカメラを手にバッチグーが水切り石のように海上をバウンドしながら飛んできてぶち当たった。
『全く! 食事しようと移った所でガラスの床の下から盗撮しようだなんて!』
『フレイに盗撮野郎までは治さなくていいって言っておく!?』
『そ、そこまではー…』
「…む、無念っしょ…ぐふ…」
ボルボが操作する盗聴機操作機器を通しての女子達の声が示す通り、フレイはバッチグーのような覗き魔も含めて負傷者を治療中だったので、まだ海上コテージには行けてない状態であった。
ちなみに、首領パッチは先に女子達の更衣室へ忍び込もうとしたところで発見されてボコボコにされ、先にフレイの治療を受けている途中である。
「…はー、全く男ってのはー…」
「とりあえず昼飯の準備が出来たようだから移りましょうかー」
「他の子達ももうそろそろ来るだろうし…」
「うわ! 床がガラス張りで下の綺麗なサンゴ礁が見えるわー!」
「テーブルには一杯のパルミュラ料理がー」
「死者はほとんど出てないとはいえ、今も巨人テロや闇市場スキャンダルで大勢が大変な状況でこれは後ろめたいですけど…」
「いや、お忍びとはいえ国家元首が同席してる場で下手なものは出せないでしょ…」
「ていうかゼノビアさんもよくここまで来れましたね…」
「だってこういう国を救ってくれた恩人へのお礼みたいな名目が無いと外にはそうそう出してもらえないしな…」
そんなことにため息を吐きつつも女子達はテーブルに着席した。
「あ、皆さーん、ここで一つ記念撮影でもどうですかー?」
「なんかすっかり観光客の感じねぇ」
「まーまー戦時中でもこういう息抜きがないとやってられませんよマリューさん」
そこで何故かレストランのボーイをしているボーボボがカメラを手に現れ、女性達は色々言いつつも何だかんだ彼に振り向く。
「はい、それでは皆さん、はい、チー…!?」
だが、ボーボボのカメラに美女達が振り向いたその直後、水平線で大きな水飛沫が生じ、それは猛烈な勢いで海上コテージへ近づいてきた。
「…え? な、何よあれは―――!?」
「皆さん! 大変なことになりました! 直ぐにこの星を出発する準備を始めてくださーい!!」
セレーナがそれに怪訝な顔を浮かべたその時、その水飛沫より現れた水上オートバイに騎乗している正吉が強引に海上コテージへ乗り込んできた。
「―――あってきゃあああああ!? 料理がああああ!?」
「ま、正吉さん!? どうしてこんな急にむちゃな形で!? 何が起きたの!?」
当然、せっかく用意されていた料理もろとも海水を盛大にぶちまけられた女性達が悲鳴を上げる中、只ならぬものを感じたマリューが問いただす。
「すみません! けれど本当に急いで言わなくちゃいけないことで!」
「な、何が起きたの?」
「帝国軍の艦隊の訪問がさらに早まりました! 明後日の
「「「「「『『『『『!!!???』』』』』」」」」」
その正吉が投じたその爆弾に、その場にいた女性達に盗聴機で聞いていた男性陣のどちらもがギョッとした。
次回、やっと次のステージへ移れる予定です。