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「…うわー! テントの中にこんな立派なバーガー屋なんておしゃれ―!」
「で、でもさー…これってこんな戦地で凝り過ぎじゃないー?」
「それに目立つというかー」
両津とリュール含めた先遣隊の野営地作りが想像以上だった事にスメラギとマリュー達が驚いて数分後、続々と降りてきた面々もその出来に驚いており、特にその場には不相応である立派な海の家に群がっていた。
「あー大丈夫ですー。魔術でその辺の岩や砂に一時的な形質と性質を与えたものなんで、こっちのボタンを押すかソーラーパネルや潮力発電機からの送電が止まればすぐ砂になって崩れるようにしてますんでー。あ、それとレーダー機器も設置してます」
「それと屋根のソーラーパネルは周囲の電波を消しやすくするものにしたし、遠方からは視覚的にも見えづらくする魔術式を組み込んでいますから…」
「さ、さすがは両津とボルボ…」
当然、懸念も上がるが建築した側の説明で静まっていく。
「…う…うぅ…もっと点滴ぃぃ…」
「ぜ、絶対にぃ…ウェスタニアに帰ったらぁ…訴えてやるぅぅぅ…」
「…で、あそこで酷く疲弊しているキラさんとキルケさんだけどー…リュール君あれはー?」
「あー、こっちが魔術も含めてこの海の家を建てていた時にー、MS操縦や戦闘に必要な魔術を教えてくれて言ったからー、まずは基礎が強くないと戦闘系は身に付けるのは難しいので実践形式に砂や石を建築資材に変える方法で教えながら魔術訓練させたんですけど、時間もなかったので少しやや早め且つ濃い目にさせたら…それだけでこうなってー…」
「…リュール君…前から言いたかったけど…あなた基準での少しとかやや早めと言うのはー…私達の世界ではほぼ間違いなく少しでもややでもないわ…」
「…え? 何ですかその野放しの猛獣を見たり、可哀そうな子を見るような眼差しはー…!?」
その説明役にはリュールもいたが、ブラック企業真っ青な労働条件で酷使された後なのがわかる女性二名も絡むと、周囲から注がれてくる微妙な視線に居辛さを覚える。
「…で、とりあえずこの二階の方の部屋には誰が泊まるんだー?」
「決まっているだろうが。ほれ、用意したからまずはこれを引け」
「…え? 両津少尉…くじ引きー?」
だが、ボルボが何となく口にした問いで両津が籤を見せると、マリュー達の意識は嫌な意味で彼に向けられた。
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「…ん…んん…? こうか?」
アークエンジェル側でまた両津を起点に不穏な嵐が起きた日の翌日、同じ星系に位置しつつも彼らを探しているザフト側の艦隊の一角で、メアリ・サンディは普段とは異なる任務に挑んでいた。
「…う、うわーー…こっちもこっちで色々なアーヴの子を見てみたけどー…やっぱり今回の子は凄く素材がいいわねー」
メアリの周囲は複数のカメラマンを中心としたザフトの広報部隊所属のスタッフで固められていた。
今現在、メアリはザフトの志願兵募集のための宣伝映像や写真の水着モデルをさせられていたのである。
「…ううーん♪ さすがメアリちゃん! 家種が銀河的にも珍しい海中に暮らす蟻と言うだけあって泳ぎも凄く上手くて海との相性のいいポージングをしてくれるねー♪ それでいて水中でも長く息が出来るからー色々出来る幅がー…」
メアリは美貌とナイスバディだけでなくその出自から身体的な強みから撮影スタッフに有り難がられており、周囲をカメラマンや撮影ドローンが地上や水中問わず行きかっていた。
「よーし、じゃー次は地上でー…」
「…う、うううぅ…せ、戦場まで出た女性に…このような煽情的な衣装をさせるとは…何と破廉恥で失礼な…」
ニコルは自身の両親公認の恋人が、背後は紐結びとTバックでほぼ向きだしで前も気品はあるが大胆なカッティングで肌をセクシーに見せている黒のハイレグワンピース水着を着せられて撮影されている状況に、憤りを口にしつつも惚けた眼差しをチラチラと向けていた。
「ケケケ、文句が言いたきゃセクシーでビューティーなものには強く惹かれる世相、特に女性が見せるそれらには強く惹かれる君ら男子の
「…うぐぅ…」
その苦悩と葛藤に煩悩を撮影スタッフの女性責任者に指摘されたニコルは唸るしかなかった。
「何故だー!? この前のパルミュラの時はストライクとバルバドスを討つはずだったのに地上に降りたと思ったらスピードリングレースに参加して今度はふしだらな撮影のスタッフなんぞをせねばならんのだー!?」
「あーもー落ち着こうイザーク、血を流さなくていい任務で済むのならむしろ喜ぶべき事じゃないか」
「真面目ねぇガルマ君、あールイスちゃん三番の扇風機を動かしてー」
「はい、コモリ先輩」
「…これさぁ、もしかして俗に言う窓際部署ってやつ?」
「ディアッカ!
「いやエグザベ、お前が一番この状況をわかってんじゃん」
「パ、パトリック…そういうわけじゃー…」
当然、クルーゼ隊の他の赤服の面々の姿もあったが、彼らは撮影スタッフに混ぜられて色々動かされていた。
不満を見せる面々は幾らかいるが、今の彼らも穏やかな
「そう言えば監督、さっきから貴方の胸のた…じゃなくて胸元にある手紙は何ですか?」
「あーニコル君これ、ついさっき送られてきた本部から君たちへの足付き捜索任務の指令状」
「早く言えよ!!」
「そんなカリカリせんでもい~じゃんイザーク君…」
但し、その穏やかな時もいきなり上の都合でぶっ壊されたのであった。
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「…どうありゃー!!」
ザフト側でそのように穏便な任務がされていた日より二日後、同じ星系に位置しつつもまだお互いにその位置は気づかれずに済んでいるアークエンジェルでは、両津が気勢を上げていた。
「何のー!!」
「あー! 両津さんが打ち込んだボールをリュールが蹴り飛ばしてまたボールがお星さまにー!?」
それに対してリュールもアーヴやその血筋を考えても異常な脚力でボールをお空の遥か彼方に蹴り飛ばして見せた。
「おい! キックは反則だろうがー! 何よりお前らの脚力を考えろ!!」
「えー!? 僕がて…い国人の地球にいた人たちのこれに混じってやっていた時はーキックもOKでー…」
「帝国と銀連ではルールが違う! アークエンジェルは一応銀連側だぞー!」
「また両さんとリュールが揉め出したよー…」
それで揉め始めた二人に周囲は見慣れた顔を浮かべ合った。
「…はー、ザラ隊メンバーでは俺とアスランだけが偵察かよー。確かに俺が一番遠くまで飛んでいけるけどさー…」
同じ頃、アークエンジェルが駐留している海岸より数百キロ離れた海上の空を、パトリック・コーラサワーが駆るレイダーガンダムと、アスラン・ザラが搭乗しているイージスガンダムの両機を含めた*1、ザフトの飛行MSバビによる偵察部隊が飛行していた。
彼らは元々自分達がいる第4惑星がここ第3惑星と接近する時期にあったので、それをいかしてアークエンジェル捜索任務の名目でここへ派遣されてきたのである。
「いちいちそういう事を言うなパトリック…ん?」
そんな現状への愚痴をアスランは窘めるが、画面上に映し出される空の一角にキランとした光を目にした。
「…え? 何だあの光はー…え? ビーチバレーのボ―――!?」
それにアスランが微妙且つ色々複雑そうな既視感や懐かしさを覚えた直後、それは正体を彼に知らせたのとほぼ同時にイージスにぶち当たった。
「―――おわーーーー!?」
「あ、アスラーーーーン!?」
今現在、敵機をまだ確認してない且つ長距離飛行偵察中であったために、
「な、何ださっきの攻撃はーーー…って………ボール?」
一方のパトリックはレイダーを飛ばしてイージスを抱き留めた直後、先ほどイージスを大きく揺らしたそれの正体を目にして戸惑いを見せた。
次回、平和な日常を見せつつもそれが急に打ち壊されるSEEDあるある(?)な展開になる予定です。