ちなみに、話の最後辺りでまた他作品キャラ(の同位体)が、非常に対照的な立ち位置(?)で登場します。
〇帝国暦949年11月20日昼
嘗て
その中で、帝国が防衛上の理由で封印処置した
「…ふえぇー、本当にこれが導入されて助かったよー。偵察型
そのファルザーディド要塞から出発してディザール門を潜り、嘗ては原作の時間軸で言うハニア連邦でこの世界ではE.Uに所属していた星系に繋がる平面宇宙を、長距離偵察型装備のスローネ*2の操縦席より、操縦している
『…まあな、嘗てと比べて平面宇宙内部でも長距離を断然多くの情報量で通信が出来るようになったし、本当にこの粒子炉技術を開発したっていう“ソーレス”と言う名前以外は隠されている科学者には感謝しないとな』
「そっすねー先輩、今じゃー
「ッ!? 先輩! この反応に規模…距離は遠いですけど…!」
『ああ! 観測を続けながら要塞のスポール
それに二人は即座に表情を引き締め直すと、即座にスローネを駆って反応が出た方向に向けて速度を上げた。
〇帝国暦949年11月21日昼
「…さーさー、着替えは終わった二人ともー?」
イェランはハニア連邦の政争で敗れて亡命してきた政治難民を遠い先祖に持つ人間型アーヴで、これまた幼少期のうちで親が早世した後にその親と友人であったラムキースが支援する団体の児童養護施設で育った身の一人なのでドゥリュースにとっては頼れる知り合いのお姉さんの一人である。
「…おーー、どこかしらしっくりする感じー(まー何度かの前世でバイトの経験しててその中にはリゾート地の海系レジャーのもあったし)」
「…あの母から送られてきた旅行券だから何かあると思っていたけど…」
そのイェランの前で何処か懐かしそうな表情のドゥリュースと、はめられたことを悟って自嘲を浮かべていたレイカが潜水服を身に纏った状態でいた。
「言っておくけど嘘は言ってないわよ。アルバイト時間以外の休憩時間や休日はここのホテルのも含めて周辺一帯の施設も使いながら遊べるんだし」
「それとー、目的の品か目標金額達成したらアルバイトはそこで終了で残りの日数は二人で好きに過ごせるんですね?」
イェランにレイカは齢相応の不満全開なジト目を添えて質問をぶつけていた。
今回、レイカがドゥリュースを誘ったこの地への旅行券の正体は、ここの近海に沈んでしまった輸送船にあるという財宝及びにある秘宝の回収作業と一体化してのものだったのである。
なお、以前に渡されていたパンフレットの方には“ダイバーになって財宝探索イベントもあり!!”と書かれていたので、一応は嘘を書かれてはいなかった。
「大丈夫、ぺネージュさんは
「…逆に言えば面白ければ嘘はつくって言ってるように聞こえるんですが…」
「…面白いって感性も人によって様々だし、内心と口に表情が必ずしも一致するってわけじゃないですけど…」
「大丈夫、今回はとびっきりに面白い道具を持ってきたから♪」
但し、詐欺まがいな手段で休日返上な仕事にぶち込まれた二人の心情はよくないはずがなく不満を示すが、その前でイェランが指を鳴らすとその背後より海面を突き破って水飛沫を上げながら、
「おい、何で裏では色々国に関係する仕事してるからって一商人のあんたがそんなのを持ち込めてんだ?」
「プライベートは誰にでもあるから今はまだそんなには多く言わないわ。あーそれとこれは今回の地上環境耐性での情報収集も兼ねているから。一機は複座型の場合のそれも含めての調査もあるからそっちは君ら二人でよろしくねー♪」
そう言い切ったイェランは単座型スローネの操縦室に入ると即座に海中へ手早く沈み、後には複座型スローネとドゥリュース及びレイカの二人が残された。
「…あー、まさかねー…地上でも宇宙空間みたいなところで仕事しなくちゃいけなくなるなんてねー…」
「他所の国が結んでる銀河児童権利保護条約の賛成派が
数十分後、レイカとドゥリュースの二人は複座型スローネに乗り込んで海中を進んでいた。
「…ほー、海中から眺めるガフィルーンバの隙間から漏れる日光に照らされた…カラフルな巨大軟質サンゴの森…その合間を泳ぐ無脊椎動物の祖先みたいな生物群…カンブリア紀に時間跳躍した感じだ…」
「今もっともわかっている中で一番大きな国の最先頭に立つ一族の生まれにしては古拙的な表現ねぇ」
「そこはお世辞でも古典的と言ってほしかったなぁ…」
「あら、アブリアルじゃなくても男の子が安易な同情の物乞いをするおつもり?」
「男の矜持以前に人としての共感性の問題でしょー…あ、見えてきたよ沈没輸送船」
その中でも若いアブリアルとスポールの軽口の叩き合いをする二人だが、そこで目的の沈没船が見えてきた。
『二人とも到着したわね、それじゃー反応で細かい位置は割り出してるからこっちに合わせて船の画面に映し出されている区画を切断して内部をー…』
そこで先着していたイェランの顔が電脳画面越しに映し出され、両機による沈没船の部分解体とそこからの捜索が始まった。
「…とまあ、目的の品はやけにあっさりと見つかったなぁ…」
「あなたにとっては初心者の童みたいに好きでもないのを学校との付き合いから惰性で長々するよりかはマシじゃない」
十数分後、やけにあっさりと見つかったイェランの言う秘宝が入ったコンテナを、彼女に呼び寄せられた地上式輸送船の上で訝しんだ表情でドゥリュースとレイカは見ていた。
「…こっちが一月前に見つけつつも回収手段が無いからどうしたもんかと思ったけど…いやー、お前さんに報せて正解だったぜ」
「そういうあなたの
一方、そのコンテナに対して喜色を見せていたのがイェランと、まだ名前は聞けていないがドゥリュースにとっては非常に微妙な意味で記憶を擽る風貌をした男性であった。
(…胴長短足のやけに筋肉質な原人体系…何より、あの角刈りと眉間で繋がるまでに濃くて太い睫毛…イェランさんが言うには日本皇国からまずい伝手で一時的な出稼ぎで来たと言うけど…これらの情報とこの世界で培ってきた経験からして…お、恐らく…)
「旦那に姐さーん、何かここに妙な船が近づいてきてますぜー」
「…ん? 何だぁ…!?」
そして、ドゥリュースの嫌な予感を狙いすましたかのように、その男性は水平線から徐々に近づいてくるその不審船の上に、アーヴでもほとんどは見えないような距離にも関わらず、くたびれた白のYシャツにネクタイとスラックスをしたやつれた感のある日本皇国人と思わしき青年がメガホンを手にとってこちらを向いている姿を目にした。
「…えーーーっと…急なところを訪ねて申し訳ありませんがー、今現在そちらが見つけたコンテナをー、こちらへ速やかにお引き渡しをお願いしますー。と言うかー…私個人としてはー…皆様の安全のためにも…ぜひともそうして欲しいわけでー…」
(…お、おい…あの明らかに巻き込まれた裏社会に興味を抱いて飛び込んだら…明らかに後悔しているのが丸見えな…元日本サラリーマンなお兄さん…とその隣に立つあの中華系…多分この世界ではハニア系のあのお姉さんは…!?)
そして、ドゥリュースが冷や汗を帯びている引き攣った笑みで双眼鏡をのぞき込むと、その青年の隣に、小豆色の長髪に快活そうな笑みを浮かべて露出度の高いビキニパンツ風Gパンと黒のノースリーブシャツをしたナイスバディでロケットランチャーを構えている十代後半の地上人美少女がいた。
「…ん? あいつは…確か大星洋連邦製18式ロケットランチャー…!?」
それにふと眉毛の地上人男性が気づいて武装に気付いた直後、その少女が撃ち放ったロケット弾がドゥリュース達のいる船に着弾して火の手を上げた。
「つーわけでそいつを引き渡さねえと船上にいるてめえら全員が船上ファイヤーダンスをすることになるぜぇ! わかったらさっさと引き渡せやぁ―――!?」
「おいゴラァーーー! 儂の手に入れた財宝を分捕ろうとはいい度胸だぁ海賊共ぉ! この日本皇国上級巡査長両津勘吉様がとっ捕まえてやるー!!」
(あってやっぱりーーー!!)
その健康的な美貌に似つかわしくない凶暴な笑みと攻撃を見せた少女のメガホン越しの恫喝の途中で、出稼ぎできていた地上人男性が自身の名を叫びながらどこからともなくそれ以上に巨大な帝国製ビームランチャーを取り出すと、ドゥリュースが内心で悲痛な叫びを上げたのと同時に人の手で扱う武器にしては巨大な球体状のビーム弾を撃ち放った。
やってしまいましたが、本当に両さんってこういうクロスオーバー的作品には便利且つ楽しくなる人ですよねー。
ちなみに、その両さんと派手にやり合うことに羽目になったあのお二人は、ある時間軸の地球のタイのある港町で表向き船での荷運びで生活しているあの二人(のこの世界での同位体)です。