星界の輪廻   作:oosima

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今回、今年の映画化で再び熱が凄く高まりつつあるあの機動戦士からあのキャラたち(の同位体)が登場します。


003 類似と相違は癒着し合う

 ○帝国暦943年1月2日朝 アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ) 某宙域 技術特区 地球 コペルニクス区○

 

「…………」

 

 この世界で出来た年の離れた友人に近い恩人と、今この世界を襲っている戦火にも影響する話をしてからおおよそ1年後、7歳になったドゥリュースはラクファカールを離れて同じ帝国圏内に属しつつも詳細な場所などの情報の公開には制限を加えられているその星にいて、また視界上に画面を映し出してプログラミングや技術研究をしていた。

 画面上には、彼の前世では歴史上の産物となっている

 但し、その特徴的な前の世界で言うエルフ耳を思わせるアブリアルの家徴である横に長く伸びた耳はヘッドホン風装置で隠されていた。

 

「…リュースー、もうそろそろカリダさん達の家に行かないかー?」

「あ、おはよう」

 

 そうしてある公園の丘の上にある樹の下で作業を続けていたドゥリュースを一人の同年齢くらいの少年が話しかけてきた。

 

「今すぐ行くから待ってて、アスラーン」

 

 ドゥリュースを皇族(ファサンゼール)男子の証しである上の音を抜いた名前で呼んだ、その青みがかった短髪に翡翠色の瞳をした少年の名はアスラン・ザラ。

 ドゥリュースの記憶にある限りは最初の人生で見たSF作品“ガンダムSEED”シリーズ本編では主人公の一人というべき存在で、スケールがデンジャラスさと共に銀河規模となったこの世界でも、似たような家族背景を持って生きている、この世界でのその同位体というべき存在である。

 

(…この世界では僕らアーヴの存在が知られているから原作における地球連合サイドである国連が発展した存在である銀河連合では遺伝子調整は禁じられていた。だけど…この世界で初めて人類史上初の別銀河系探索を成功させた偉人扱いのジョージ・グレンがこっちでも告白したおかげでコーディネイターは誕生済み…。そして、今やそのグレンが発見したこの天の川銀河の一番近くに位置するその10分の一のサイズにも満たないけど初めて人類が到達できた小銀河が原作で言うプラント扱いとなって、連合圏各所で秘かに誕生して移住してきたコーディネイター達で開発が進んだ。けれども、今でもフォアランナー由来技術で生まれたアーヴと違って、現生人類の発展形によるものの為か原作通り出生率低下が悩みになっているけど-…)

「い! いひゃい~~~! リュ~ス~助けて~~!!」

 

 数分後、この世界では友人となってしまっているアスランと共にある家に入っても考え事をしていたドゥリュース改めリュースだが、その家にある子供部屋から新たな子供のそれで泣き声混じりの救難要請が掛けられてきた。

 

「…また勉強会を約束してたのにゲームばっかか…」

「いい加減にしろよ! 宿題が全然終らないって泣きついてきたのは君だろ!」

 

 その声を聞いてリュース(ドゥリュース)がウンザリしつつも親しみ慣れた顔を向けた相手は、アスランに頬を両側から引っ張られて紫色の瞳を涙目にして短い亜麻色の髪を振り乱している同じ齢の少女であった。」

 

(…原作でもこの時代のこの子ッて面倒くさがりの生意気で齢相応のクソガキだったらしいけど…性別が変わってもこんなんなのか…キラって…)

 

 この世界では友達であるアスランに頬を抓られている姿をリュース(ドゥリュース)に生温かく見守られている少女の名はキラ・ヤマト。

 アスランと同じくこの世界におけるSEED世界での同名キャラの同位体と思われるが、どういうわけか女の子として産まれている友達である。

 

『…あ、おはようド…失礼、リュース君、元気にしてる?』

 

 そう言う微妙な気分にさせてくる原作との違いにゆるい表情になっていたリュース(ドゥリュース)の視界に、秘密回線を通して優しい大人の女性の声が響いてきた。

 

『あ、レノアさんお久しぶりですー』

 

 リュース(ドゥリュース)も通信内でだが穏やかな声音になって向き直ったその女性の名はレノア・ザラ。

 この世界でも農学者をやってアスランの母でもある女性で、リュース(ドゥリュース)は信じたくはないが彼の母であるラムキースの教え子の一人でもあった女性である。

 

『この前に送ったキャベツの味はどうだった? カリダがいるから美味しいと思うけど?』

『はい、とっても美味しかったです。どうしたらあそこまで美味しいキャベツになるのか…ハッキリ言ってどういうわけか上手いウチの母が手掛けている高級品種の米で作った焼き飯すらも目じゃないくらいに』

『あーそんな事を言っちゃ駄目よ。私もあのお米で育ったようなものなのだから』

『いや、マジでどうしたらあんなコシヒカリみたいな米があの母の手から生まれたのか…どうしてそれを食べて育ったレノアさんがそんな大地母神アーファ・ネイみたいに菩薩のような人になったのか…』

 

 リュース(ドゥリュース)にとってレノアは第二の母を通り越して観音様の様に見えており、それ故にどうしてあの母が彼女より高評価されて且つ慕われているのかがよく理解出来なかった。

 

『…それでー“プラント”星域の方の様子はどうですか? 母やあの人の所を出入りするお偉いさん達の様子はー色々ありますけどー。正統派の軍部の人達は銀河情勢がややこしくなると愚痴る一方でー、外務省の人達…特にサンシューム系やノーム系の人達は連合のこちら側に対する注力が減って譲歩を引き出しやすくなったって感じ良さそうでしたけどー…概ね景気は良くなさそうな感じでしたー』

『…ドゥリュース君、君の生まれを考えてもその話しをその場所で秘密回線でもするのはまだ早いと思うわ』

 

 そして、会話のその続きが示しているように、同年代の友人となったキラ達と違ってレノアとカリダなど大人はリュース(ドゥリュース)の身元を知っている身の一人だった。

 どうやらこの世界のアブリアル家は一族の子供の何名かをここ地球へ送り、同年代の他国から来た留学生や派遣されてきた要員の子弟らと交流させる習慣や決まりごとがあるらしかった。

 そして、ここ地球は星界原作で言うアーヴ達を生んだ母都市が滅亡した時期に、何らかの星系規模の災害で一度は人が住めない環境になるも、後に偶然再発見した帝国がその地政学的重要性とある古代文明の遺跡が理由で併合し、他国にもそれを追認させるがその後の数百年に色々あって、今は他国からの派遣研究者や外交使節団及び派遣人員とその家族が住むようにもなっていた。

 ヤマト家はそうした帝国外の他国の外交関係者の一家で、アスランはそれに紛れて身分を隠しての留学生という体裁で、ヤマト家の居候になっていた。

 

『あんまり深い話は危険度も増すのでまだNGですけど全くしなかったり興味なしってのも問題でしょう。それとーレノアさん達も気を付けてくださいね。最近は(こっちの世界でも面倒くさいことにいる)ブルーコスモスも増えて…特に過激な人とかが悪目立ちする行動をしてるって話で…!?』

 

 そうした経緯と関係している現状も鑑みてリュース(ドゥリュース)はレノアと話していたが、そこで窓の向こうから嫌な予感を感じて、窓を開けてその辺のゲーム機を手に取った。

 

「自然式人類到達点お嬢サイクリングアタック!!」

「何のぉぉ!!」

 

 その次の瞬間にヤマト邸の生け垣を超えて同じ齢くらいの少女が操るマウンテンバイクが部屋の中に突っ込んできて、リュース(ドゥリュース)はゲーム機を盾に押しのけるが、少女はマウンテンバイクを巧みに駆ってヤマト邸に庭へ綺麗に着地した。

 

「ごきげんよう、諸君」

「ジョセフィーヌ…そのナルシスト臭全開且つ傍迷惑な登場の仕方はいい加減変えろ…」

 

 そう挨拶しながら土煙が収まるとヘルメットとサングラスを外し、輝くような金髪と大きく青い瞳で精密すぎる彫刻が命を持ったような美貌をしながらも、傍迷惑極まる登場の仕方でリュース(ドゥリュース)にウンザリとした表情をさせたその少女の名はジョセフィーヌ・G・ニュートン。

 リュース(ドゥリュース)には名前と言い、容姿と言い、わかっている限りでの家族環境と言い、何度か前の人生で読んだ某ゴキブリ系怪人バトル漫画に出ていた残念系イケメンの同位体と思わしいと考えさせている少女である。

 

「ごめんなさい、君の明瞭且つ深みのある大海の如き存在に私を刻み付けるには並大抵の衝撃では長く残りそうにないもの」

「こっちこそごめん、こっちとしては忘れたいし関わりたくないけどもうお家の事情と君の毎回無茶な登場なおかげで出来そうにないってのを上手く説明できなくて」

「うわー!? またわたしのゲーム機がァアアアア!?」

 

 そのジョセフィーヌの反省してるのかしてないのかよくわからない謝罪に、リュース(ドゥリュース)は何度目になるかわからない皮肉と自虐が混ざった謝罪で返すが、キラの泣き声で差し止めになった。

 

「わー落ち付いてキラ、汚れは付いてるけどゲーム機はリュース(ドゥリュース)の魔術で強化されてるみたいだから無事に動けるよ」

「アスラ~ン! そうは言ってもこれ~一世紀前に短期間だけゲームハード業界に復帰したセ○のドリ○ャスの最終型なんだよ~! これをネットオークションで買うために一月くらい学校の宿題サボってネットでプログラミングのバイトをしてへそくり貯めたのに~~!!」

『ゲームの方でそこまでやる気力があるのなら学業も真面目にしてくれないかねキラ・ヤマト君!?』

 

 アスランの宥めを受けても泣き続けるキラだが、その泣き言のあまりな内容を受けてか急に彼らの間に現れた空中映像を通してヒステリックな怒声が浴びせられてきた。

 

「あ、お久しぶりです黒猫本体顔芸先生」

『誰が黒猫本体顔芸かねドゥ…じゃなくてリュース(ドゥリュース)君!? 私はジブリ―ル! ロード・ジブリ―ルだ!!』

 

 リュース(ドゥリュース)が生温かい表情を向けるも更に声を荒げた画面に映る二十代始め位の男の名はロード・ジブリ―ル。

 リュース(ドゥリュース)の思い出している記憶が正しければ、ガンダムSEED第二期で中ボス的扱いで顔芸で有名だった同名キャラのこの世界における同位体と思わしい存在だ。

 ヒステリー且つテンパりやすくて素では落ち着きのない性格はSEED時間軸そのままだが、この世界のジブリ―ルは前世で科学者系イノベイダーとしては上位にいた頃から引き継いでいるリュース(ドゥリュース)やコーディネイターの上位科学技術者も認める鬼才級の科学者としての頭脳を持った男で、この世界ではアーヴを含めたコーディネイターのナチュラルとの通婚を通じての自然回帰を目指すブルーコスモス穏健派に属する、()()は銀河連合圏における超重要な要人である。

 

「先生落ち着いてください。僕が三人ともどうにか勉強させて宿題を間に合わせますから…」

『アスラン君、君は本当に私が受け持つクラスの良心だ…故に、そのレノア先生譲りの美しい濃紺色の髪の生え際が他の子達に痛めつけられている現状から将来が心配でならない…』

「? どういう意味ですか?」

 

 そして、割と酷いその言い方の喋る内容からしてわかるように、この世界のジブリ―ルはレノアの元教え子で、この世界のこの地球に置いて()()アスランやリュース(ドゥリュース)にキラとジョセフィーヌのいる学校のクラスの担任教師もしていた。




自分で今回の最後辺りのこの人選はやっちまったと思います…。
でも、同じブルコスの盟主でも一作目の方は問題が多くても割と有能キャラな描かれ方が多いのに、二作目の方の顔芸氏は他のSSでは扱いが相応…なのが多いので、変化球的なのが必要かと思ってこうしました。
なお、ドゥリュース以外の三人とジブリ―ル氏に前世的な因縁はありません(…今の所は…)。
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