それで、今回登場した神殺し殿の大人向けな時間はこっち(https://syosetu.org/novel/382294/26.html)で、最後の主人公たちのパートのアダルトな続きはこちら(https://syosetu.org/novel/382294/27.html)となっています。
〇
「…それでは宿に戻るか」
「はい、そうですね」
ザフトのバルトフェルド地上艦隊とアークエンジェル・妖怪狸レジスタンス連合の激闘の場に乱入したパルミュラサンドキングワームを一瞬で切り伏せたシルフィル・スューヌ=ゼアノク・スティンルーラ伯爵・セリカは、固まっている両軍を一瞥するとスタスタと砂漠の中で今宵の宿へ帰り始めた。
「…た、助かりそうだ…な―――」
「うわぁああああ!? 落ちるぅぅぅ助けてええええええ!?」
それにほっとした表情を浮かべそうになるリュールだが、そこでところ天の助が悲鳴を上げながら半壊して上手く操縦できないウィンダムごとそのセリカの眼前に墜落してしまった。
「―――あってええええええええええ!!??」
「「「「「何をやってんの天の助えええええええええ!!!???」」」」」
当然、その醜態を目の当たりにしてしまったリュール含めたアークエンジェル側は驚愕と恐怖の悲鳴を上げた。
「…いてててて!? 今になって機体の損傷の限界が出ちまうなんて…だだだ誰かぁ巻き添えになった人はいないかー…!?」
「あ、お前たしか何年か前の夏に俺の屋敷に直接訪問してところ天の暑中見舞いの品を届けに来た子供か」
砂塵と火の手が上がるウィンダムより命からがら脱出できた天の助が最初に見たものは、明らかに自分のことを知っていそうなセリカの見下ろしてくる顔であった。
「(…ってええええええぇぇぇえ“神殺しのセリカ”じゃねえかアアアアアア!? 何でぇ“帝客十三武海”の代名詞なこの人がこんなど田舎にいんだよおおおおおお!? しかも明らかに俺のことを憶えていそうな感じだしいいぃいい!? ここは冷静にーーーーーー)そそそそうですぅ! 私は全銀河プルプル食品系連合オーブ支部長のところ天の助と言いますぅ! いいぃ以前にこちらが送らせていただいたところ天帝国フルーツ系セットのお味はどうだったでしょうかぁ!?」
そのセリカに天の助はこの世の終わりが差し迫ったのを見たような引きつった顔で立ち上がると、必死に助かる手段を模索するもいつもの媚売りのくせが出てしまう。
「ああ、あの帝国産を利用したのは色々と印象に残ったぞ」
(!? この表情は意外と好印象だったか!?)
「本場の帝国産ドドリアンボムところ天ゼリーのパックを開けた瞬間にキグ・ヤーの血で鼻が敏感なマリーニャは悶絶の顔になって失禁しながら倒れて気絶して当分嗅覚と味覚に障害が残ったからな」
(私ったらまたやらかしちゃってた!!!!)
そのセリカの少しハッとした表情を向けられると天の助は楽観的予測で希望を感じるも、その次に彼の目元が暗くなった冷たい顔で見上げられて記憶に残られていた理由を告げられ、表情は一瞬で凍り付いた。
結局、天の助はこの場ではそれ以上はされずにセリカに立ち去られ、両勢力はこれ以上の戦闘はこの場では困難との判断を下して一旦止むことになった。
〇
『…昨日に本惑星のカナガワ湿原地帯で起きた、ザフトと現地ゲリラの戦闘ですが、怪獣の乱入及びその討伐のため偶発的に訪れたシルフィル・セリカ氏の接触で一時的に停止した模様でー…』
「…はー、子供の頃に親の仕事の付き添いで来た頃は若いの集まりの喧嘩はあったけど平和だったのに…この星も物騒になってきたというか…」
そんな感じでアークエンジェルがこの星での二度目の戦闘をどうにか潜り抜けてから数時間後、同じ星の上にありながらも表向きは平穏が保たれている今の自分達の宿で、リリアは物憂げな顔でそのニュースを見ていた。
「おい、リリアよーあたしの機体の動力炉がおかしいからよー少し一緒に調べてくれよー」
「あ、良いわよレヴィ、どんな感じー?」
そこで小豆色の髪と同色の瞳で鋭く整った健康的面貌のアーヴの少女の友人が声をかけると、リリアは他の同僚達と共にある機体の整備を始めた。
「…いやー、しかしよーお偉いさんたちも今回の大会にえらく太っ腹な賞品を付けたなこりゃー」
「まーこれも友好国と非友好国の待遇の差を見せて商談をうまく進めようって魂胆じゃね?」
「噂じゃーこれをおとりにあちこちから寄ってくる面倒な他所のアレもいろいろ狩っちまおうって魂胆とかー…」
似たような機体は他にも多数あり、彼らが作業用に映し出している空中投影画面の幾つかにはレース風に整備された道路や観客席が多数見受けられた。
「それよりもさー、リリアー例の上手いことゲットしたアブリアルとは今はどんな感じよー?」
「んーレヴィー、いつも通りよー昨日の夜も含めてねー」
「ち、勝ち組気取りやがって」
「そっちこそリクバル語*1教師のオカジマ先生とはどうなの? 何か打ち合わせの時も揉めているのを見たわよ」
「…あー、あの先生ねー…?」
そこで見た目通りに年頃の少女の会話が始まりかけるも、そこで新たなニュースが二人の電脳を通じて流れ込んできた。
『…昨晩、グ・ビンネン商業ギルド連合所属のロアナプラ星系に
「…また
その中で何故かレヴィは、地上人風の自分が実体弾式銃火器で地上戦にて大太刀回りをしている幻影を思い浮かべたりしたが、すぐに振り切って近日開かれる大会で使用する機器の整備と点検の作業を再開した。
○
「…こっちの消火が終わったぞー!」
「負傷者は三番防空壕に集めてー!」
この星に駐屯する帝国軍部隊がある大会への準備を進めていた頃、ザフトが撤退した後の現場である妖怪狸達の居住地は、その後始末に追われていた。
「…つまり、今現在…負傷者などは出ていますが死傷者は確認されていないと…」
同地で仮設されたアークエンジェルと妖怪狸レジスタンス達の作戦会議の場で、スメラギはその報告に複雑そうだが納得の色が強い表情を浮かべていた。
「…へえ、こういう戦場だと大概は民間の巻き添えが出て被害が拡大するものだが…、虎には余裕があって優し…いた!?」
そこでムウが種原作と呼ばれる時間軸と似たような失言をしそうになったが、それに少ししかめっ面を浮かべたカガリに耳たぶを抓られたので、周囲から顰蹙を向けられるという事態はどうにか避けられた。
「…まあ、これが虎本人の性格の良し悪しの証拠かどうかは別として…この状況は正直として大変ですよ。結構な数の人たちが焼けだされて物資は燃えちゃいましたから…他の集落だけでなく
一方、現実的な懸念はノイマンが口にした通り地味に深刻であった。
こういうレジスタンス組織や敵中で孤立した部隊の常識にもれず、アークエンジェル側は物資が潤沢とは言えない状況で、民間含めた拠点の一つが大きな被害を受けたことで、その支援と協力関係の維持のために自分達の分の多くない物資を出さなければいけなくなったのだ。
「報告です。先の戦闘で乱入してきた怪獣の攻撃で艦に出た損傷ですが、やはり今現在の人員と装置で作れるものでは、やはり完全な修理は出来ないと…このままでは宇宙に戻ることも出来ません…」
「ご苦労バジルール少佐…で、その子達は何?」
「こ、これはー…」
「お姉ちゃん、おいらにもちょうだいー」
「あたしにもー」
「す、すまないもうないんだー」
「何だよー、けちなおばさんー」
「お、おばさん!?」
そこで寄せられた更なる苦境を告げる報せにスメラギは眉間の皺を増やすが、それを持ち込んだナタルが子供の妖怪狸達に大勢付きまとわれて困り顔になっている光景に少し緊張感が抜けた。
「…えーーっと何あれ?」
「あー、今さっき被害状況の確認のために周囲を回っていたらお腹を空かせて泣いてる子供狸を見かけて、自分の分の配給栄養チョコバーを上げたらその匂いを嗅ぎつけた他の子供狸達に包囲されちゃったナタルさん…」
その様子は作戦会議が開かれている岩山の陰に隠れて、昨晩の戦闘で損傷したアークエンジェルの修理にも駆り出されているリュールとネーナにも見えていた。
「…あーもー、佐官様になるとこういう時でもああいう贅沢が出来るもんねー。あたしもこんな砂漠なんてウザい環境で夜通し働いているんだからスイーツとはいかなくてもミルクくらいほしー!」
「あーもーそんなブースカ言わないで、ほら、僕の分の牛乳を上げるから。昨日に酪農家の狸さんから搾乳機の修理のお礼にもらったからー…!?」
そこで不平を上げているネーナを宥めて静かにさせようとリュールはボトル入りの牛乳を渡そうとするが、彼女にボトルをひったくられた瞬間にその手を掴まれて近くの他の人気がない空き部屋に連れ込まれてガチャっと鍵を掛けられた。
「…もー❤️ 戦場とか荒事の場は怖いくらいにキレッキレなのにーこういうのは鈍感なんだからー❤️」
「こんな状況でもまたこんな流れ―…うむ!? ううう…ぷはぁ…あう…!? か、体がしびれ始めて…!?」
そこでネーナは獲物を追い詰めた雌豹に近い欲情した笑みでリュールに寄り添うと、彼から渡された牛乳を口に含むとそれを触媒にしてかリュールにも口移しで飲ませて幻術をかけ、彼の抵抗力を弱めていく。
『…それでは本日のニュースです。ここアンティオキアで開かれるスピードリングレース大会についてですがー…』
ちなみに、ネーナがリュールを引きずり込んだ部屋の前には彼女がついでに位置をずらしたここのレジスタンス所有のラジオがあり、それから発せられている放送が二人の声や音を周囲から遠ざける役目を担った。
「…とりあえず、物資の穴が開いた分は早いうちに埋め合わせにゃーいけねえが幸いその伝手はある。顔を会わせたくない連中もいるがな。それにー向かう場所は今の情勢的に色々な他所から臭い連中が大勢集っているがよー…」
「それはどういう意味ですか?」
「それはあれよ艦長さん」
ちなみに、そのラジオから流されているニュースは作戦会議の場にも流れてきており、権太は親指を立てて向けてマリューに自分達も完全無関係とはいえないその放送されている興行をしかめっ面で教えた。
ちなみに、作中で出てきたレヴィちゃんですが、前のターフィチでの話で出てきたあの子とは、容姿と性格はよく似ていて経歴もある程度は似てますけど別人です。