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「…それで帝国の経済制裁緩和はー…?」
「また駄目になったな。オーブが独断でヘリオポリスを介して銀連軍に軍事技術を流したことで帝オ防衛技術協定違反と保守派がー…」
銀河各国からの要人が集うその会場内部では幾つかの人だかりで密談が生じていたが、それらの話には
「…そのためにはまずは若い連中を介して絡めていくのが大事なんだがー…」
「いかんせん、格好だけでなく中身がもうなぁ…」
その中で銀連軍参加国系の要人達が意識を向けているのは、帝国側の参加している要人の若い子弟達だが、見た目通りの少年少女が大半を占めている彼らは礼装ながら
「…そちらの娘は今回の場でヴァダム宗家ご長男と上手く談笑出来ていたとのことですが…?」
「ああ、向こうも正体は
「例の魔力を扱えるかどうかの違いで生じる雰囲気の変化というやつか?」
「あと○日でやるスピードリング大会で
「儂の孫含めて男子が何人も声をかけてやったが、言葉遣いは丁寧だが慇懃無礼に無下にしおって…」
「だが、どちらも
「それもあの化け物中の化け物な力を戦場で武功に変えてきた結果だろう。
「その辺は直接こちらとやり合ったりでもせんかぎりは
「それを使いやすくしようと関係を結んであげても、戦場で突然逝くのが上下問わずあるのがアーヴだからさぁ…歴代皇帝の内の五人が戦死というのは歴史の偉人としてはご立派だがぁ…」
それを後者の親も含めた銀連軍参加国要人の保護者サイドは嘆息混じりに話していたが、その内容をゼノビアのお付きとしてこの場に参加していたリュールは聞き取って冷めた眼差しを向けていた。
(戦争になるのも無理ないないぁ。それを決めるお偉いさんたちの意識が
一方で、アブリアルの生まれを秘して今は
その中には、自分が帝国にいた頃の友人ゼツィ―リュと、嘗ての
「…そちらはどう?」
「駄目だな。こちらからも何人か話しかけて会話自体は初め親しくなるんだが…ほとんどで必ず向こう側から気分が悪くなったなどで話を終えられる…。そういう終わりにならずに済んでいるのは…系統は違うが魔術を習っている何人かだな…」
「…リュース君がいたら、何かああした魂が繊細過ぎる人たちとの仲人をしてくれたり、彼らへの雰囲気の手加減とかを教えてもらえただろうけど…」
「いや、生きていたとしても難しいと思うよー。何せ彼が将来継ぐ地盤だったはずの
(…何か、歴史の勉強で習った地球時代の先進国でそこへ流れ込んでくる移民や難民で悩まされたって話を思い出すなー…)
その二人を中心とする
「…それで“疑似星核技術”の方は?」
「今も銀連、特に銀連軍参加国は技術開放を要求しているな。連中は第二次大戦で起きた“ドクツ収奪
(…ああ、またあれかぁ。こっちで新技術が出る度に何でもかんでも
この世界では自分が先駆けとなった、記憶喪失前の彼が別時間軸で太陽炉と通称されていた“疑似星核技術”にも銀河技術格差利害問題が絡んできていることに、リュールは何度目になるかわからない辟易を覚えた。
今現在、この銀河系では
その始まりといえば確保している
帝国外の主要国の多くは、数百年前に起きて帝国も巻き込まれた“ゴッドバレー・マリージョア会戦”で中枢がほぼ壊滅し、残党もその数年後滅亡か解体した“旧世界政府”に長らく属していたことで、
その後、吸収併合したコヴナント系の宗教観において神聖視されていたこと、ネイ=ステリナ系種族においては興味深い研究対象であったこと、何より帝国の母体となったアーヴにとっては遺伝的な先祖で元から自分達の文明の基盤であったことで、保護や研究に躊躇が無かった帝国が大きな差を見せてきたことで、他の列国も徐々に
そのため、銀連各国は自由貿易や人権保護などと絡めながら、帝国に対して先端技術とそれで得た資本の解放を求め続けていたのである。
そうした行動の中で最も使われているのが、“ドクツ収奪
第二次大戦で滅亡したドクツ・ゲルマニクスは、レヒリオン教圏主要国の通例に外れて
そうした遺物の多くは帝国参戦によって勝利した銀連前身組織である連合国によって元から保護していた国々に返還されたが、いかんせん激しい戦いの影響で紛失するか、行方不明になったものがいくらかあった。
そして戦後、帝国に脅威を覚えた銀連各国ではそうした遺物を帝国が戦火に紛れて接収し、それを解析して得た技術で経済成長を遂げたという説が広まったのである。
故に、銀連の反アーヴ派は帝国の技術や経済力は自分達の財産によって得たものであるから、それを帝国は返還、要するに開放すべきだという主張が強まったのだ。
「…盗人猛々しいとはこのことでしょうねぇ。まあ、散々こき使われて搾り取られ続けてきたとはいってもプラントごと独立と称して持ち逃げした私達は言い辛いけど、リューナクト博士として開発に携わった君としては呆れるといったところかしら?」
「!?」
故に、変装した状態で今回のパーティーに参加しているアイシャがそう囁いてきた瞬間、リュールは声こそ出さなかったが表情を少しひきつらせた。
「…その反応、君はやっぱり見た目通りの齢でまだわかりやすいねぇ。何だったらここから少し離れた席で、今の人類同士の戦争…徳のその根っこについて語らないかい? “我々は…
「…………」
そして、アイシャと並び合う形で同じく変装して背後からにこやかに寄り添ってきたバルトフェルドのその言葉に、リュールは今その場では言葉を返すことが出来なかった。
次回、砂漠の虎さんが種原作で最も渋くてシリアスになった場面のこの世界での同位体が中心になる予定です。