物語の途中で殺される悪役貴族に転生したけど、善行に走ったら裏切り者として処刑されそう 作:maricaみかん
お兄様は、女神様に狙われているらしいの。それで、今回はジュリアちゃんを守るために戦うことになったんだって。
お家にみんなで集まって、ちょっとだけ楽しいのは内緒なの。優しい人が多いから、話すのは好き。お兄様が集めた人たちだから、やっぱりお兄様はすごいの。
だから、メアリも頑張っちゃうの。敵をめいっぱい倒すと、みんな喜んでくれるから。
「やっぱり、全力で魔法を撃つのは楽しいの!」
的をいっぱい吹き飛ばしていく感覚は、背中がゾクゾクしちゃうくらい。そんなので攻撃が緩んだらダメだから、ちゃんと我慢するけれど。
しっかり敵を皆殺しにしてからじゃないと、油断なんてしちゃいけないの。それは、ちゃんと分かっているから。
でも、お兄様でも苦戦したことがあるって聞いたから、きっと楽なだけじゃないと思うの。その時には、めいっぱい頑張らなくちゃ。
メアリはお兄様の役に立ちたいの。敵を倒すのが楽しいのは本当だけれど、お兄様の方が大事だから。
「ジュリアちゃんが狙われているのは心配だけど……。お兄様が、きっとなんとかするよね」
メアリに優しいみんなには、傷ついてほしくないの。でも、メアリにできることは戦うだけだから。いろんな事を考えても、失敗しちゃったりするし。
だから、あんまり難しいことは考えない。メアリのするべきことは、ひとつなの。
お兄様も、言っていたの。いろんな人と協力するのが大事だって。だから、メアリは魔法で活躍すれば良い。きっと、それが一番。
「メアリは、敵をいっぱいやっつけていけばいいの」
それが楽しくてみんなの役にも立つのなら、一石二鳥ってやつなの。メアリだって、ちゃんと考えてから考えないって決めたんだから。
メアリが一番得意なのは、魔法。お兄様にもらった、五属性の力。だから、それをみんなが決めた敵にぶつけるだけ。
だから、メアリはまっすぐに敵を殺すだけ。それでいいの。
「もっともっと強くなれば、お兄様の力にもなれるんだから」
まだ、合一はできてないから。できるようになれば、もっと活躍できるの。女神様の使徒だって、ちゃんと倒せるようになるんだから。
信仰がどうとか、知らないの。女神様がお兄様の敵なら、メアリの敵なんだから。
「難しいことを考えるのは、ジャンとミルラさんに任せておけばいいし」
メアリは、その難しいことを考えた指示に従っていればいいの。それが、お兄様の言う役割分担だって分かるから。
ブラック家の利益がどうとか、周囲との調停がどうとか、そんなことは分からないから。
でも、分かることがある。お兄様の敵を殺しさえすれば、メアリたちの幸せには近づくんだって。殺しは良くないってお兄様は言うけれど。でも、メアリたちを殺そうとしてくる人たちに遠慮なんていらないの。
だから、メアリは殺し続けるだけ。的あてを続けるだけなの。
「早く勝って、お兄様に魔力を注ぎ込んでもらわなくちゃ!」
お兄様の魔力は、ポカポカするの。その感覚があれば、メアリはたくさん幸せになれるの。だから、お兄様のために頑張れば良い。
いっぱい役に立てば、いっぱい褒めてもらえる。それに、魔力だっていっぱい注ぎ込んでもらえるの。
メアリが活躍するためにすることは、とっても簡単。
「そのためにも、まずは合一にたどり着くの!」
魔力と混ざりあって、一気に解放する。それは、見ていたら分かるの。魔力をしっかり操れば、きっとたどり着けるはず。
「フィリスさんに勝つためには、もっともっと先に進まなくちゃいけないんだから」
お兄様は、フィリスさんに頼ってばかり。メアリだって、もっと頼ってほしいの。だから、まずは強いって証明するのが大事なの。
メアリは、お兄様に守られるだけの弱い子じゃない。そう、証明してみせるんだから。
お兄様にもらった杖があれば、とっても素直に魔力を操れる。だから、近づいているはずなの。
「でも、まだ感覚がつかめないの……」
杖が、ちょっとだけ震えちゃった。このまま遅れていたら、きっとフィリスさんはもっと強くなっちゃう。お姉様だって、ジュリアちゃんだって。そして何より、お兄様だって。
メアリだけ、置いていかれたりしない。そのために、まずは合一しなくちゃダメ。
「どうすれば、合一できるのかな? お兄様に聞いたら、教えてくれるかな?」
なんか、魔力の感じが違うのは分かるの。それをどうすれば良いのかは、分からないけど。きっと、お兄様の話なら分かりやすいの。
お兄様とお話できる時に、聞いてみようかな。きっと、優しく教えてくれるはずだから。
「たぶん、属性を増やしてもらった時とは違うけど……」
あの時みたいに、お兄様が全部解決してくれたりはしないの。メアリの技術が大事だってことは、分かるから。
属性は、お兄様に魔力を注ぎ込んでもらって解決した。けれど、今回はメアリがしっかりと頑張らなくちゃいけないの。
お兄様が魔力を送り込んでくれるのなら、嬉しいけれど。
「頼るのが大事、だもん。合一を覚えたら、お兄様の役にも立てるんだから」
メアリが敵に突っ込んでいった時には、お兄様に心配させちゃったから。その時と同じことはしないの。ちゃんと相談して、頼って、お兄様のために動く。それが、大切なことだから。
ちゃんと、分かってるの。同じ失敗を、繰り返したりしない。それが、メアリの大切なことだって。
合一だって、メアリだけで解決しようとしちゃダメなんだ。そうだよね、お兄様。
「そこからいっぱい敵を倒して、お兄様に褒めてもらうの!」
お兄様なら、きっとたくさん褒めてくれる。活躍すればするほど。でも、前に出すぎちゃダメだよね。心配させちゃうのは、良くないから。
褒めてもらうために大事なことも、メアリはちゃんと分かってるの。もう、立派なオトナなんだから。
お兄様にふさわしいレディに、ちゃんと近づいている。それを、見せてあげるの。
「新しい杖もあるんだから、きっともっと強くなれるの」
お兄様にもらった杖は、本当にすごいの。魔力が増えるし、集めやすいし、動かしやすい。これがあれば、もっとすごい魔法をいっぱい使えるの。
戦った時の魔法だって、しっかり強くなっていたし。だから、合一にも近づけるはずなの。
メアリ、いっぱい活躍しちゃうんだから。
「でも、お兄様の言うことはしっかり聞かないとダメだよね?」
メアリは悪い子じゃないから、ちゃんと反省だってするの。前にメアリが狙われた時は、お兄様のために頑張った。けど、悲しい顔もさせちゃったから。
狙われているのはメアリなんだから、メアリが解決すればいいって思ったの。けれど、違ったから。
「前はお兄様に助けられちゃったし……。今度こそ、いっぱい褒めてもらうんだから」
お兄様は、メアリにとっても優しい。それは、お兄様が変わってからずっと。優しくしてくれるようになってから、ずっと。
だから、お兄様に喜んでもらえることをするの。褒めてもらえるのも嬉しいけど、お兄様が嬉しいのだって大事なんだから。
メアリが立派なレディになる姿を、しっかり確かめてもらわなくちゃ。
「メアリだって、いっぱい成長するんだから。見ていてね、お兄様」
メアリの全部は、お兄様のためのもの。だから、お兄様の魔力をいっぱい注ぎ込んで。お兄様だけのメアリにしてほしいの。
魂まで染めてくれるのなら、きっと最高に幸せだから。
ね、お兄様。