物語の途中で殺される悪役貴族に転生したけど、善行に走ったら裏切り者として処刑されそう   作:maricaみかん

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666話 メアリの成長

 お兄様は、女神様に狙われているらしいの。それで、今回はジュリアちゃんを守るために戦うことになったんだって。

 お家にみんなで集まって、ちょっとだけ楽しいのは内緒なの。優しい人が多いから、話すのは好き。お兄様が集めた人たちだから、やっぱりお兄様はすごいの。

 

 だから、メアリも頑張っちゃうの。敵をめいっぱい倒すと、みんな喜んでくれるから。

 

「やっぱり、全力で魔法を撃つのは楽しいの!」

 

 的をいっぱい吹き飛ばしていく感覚は、背中がゾクゾクしちゃうくらい。そんなので攻撃が緩んだらダメだから、ちゃんと我慢するけれど。

 しっかり敵を皆殺しにしてからじゃないと、油断なんてしちゃいけないの。それは、ちゃんと分かっているから。

 

 でも、お兄様でも苦戦したことがあるって聞いたから、きっと楽なだけじゃないと思うの。その時には、めいっぱい頑張らなくちゃ。

 メアリはお兄様の役に立ちたいの。敵を倒すのが楽しいのは本当だけれど、お兄様の方が大事だから。

 

「ジュリアちゃんが狙われているのは心配だけど……。お兄様が、きっとなんとかするよね」

 

 メアリに優しいみんなには、傷ついてほしくないの。でも、メアリにできることは戦うだけだから。いろんな事を考えても、失敗しちゃったりするし。

 だから、あんまり難しいことは考えない。メアリのするべきことは、ひとつなの。

 

 お兄様も、言っていたの。いろんな人と協力するのが大事だって。だから、メアリは魔法で活躍すれば良い。きっと、それが一番。

 

「メアリは、敵をいっぱいやっつけていけばいいの」

 

 それが楽しくてみんなの役にも立つのなら、一石二鳥ってやつなの。メアリだって、ちゃんと考えてから考えないって決めたんだから。

 メアリが一番得意なのは、魔法。お兄様にもらった、五属性の力。だから、それをみんなが決めた敵にぶつけるだけ。

 

 だから、メアリはまっすぐに敵を殺すだけ。それでいいの。

 

「もっともっと強くなれば、お兄様の力にもなれるんだから」

 

 まだ、合一はできてないから。できるようになれば、もっと活躍できるの。女神様の使徒だって、ちゃんと倒せるようになるんだから。

 信仰がどうとか、知らないの。女神様がお兄様の敵なら、メアリの敵なんだから。

 

「難しいことを考えるのは、ジャンとミルラさんに任せておけばいいし」

 

 メアリは、その難しいことを考えた指示に従っていればいいの。それが、お兄様の言う役割分担だって分かるから。

 ブラック家の利益がどうとか、周囲との調停がどうとか、そんなことは分からないから。

 

 でも、分かることがある。お兄様の敵を殺しさえすれば、メアリたちの幸せには近づくんだって。殺しは良くないってお兄様は言うけれど。でも、メアリたちを殺そうとしてくる人たちに遠慮なんていらないの。

 だから、メアリは殺し続けるだけ。的あてを続けるだけなの。

 

「早く勝って、お兄様に魔力を注ぎ込んでもらわなくちゃ!」

 

 お兄様の魔力は、ポカポカするの。その感覚があれば、メアリはたくさん幸せになれるの。だから、お兄様のために頑張れば良い。

 いっぱい役に立てば、いっぱい褒めてもらえる。それに、魔力だっていっぱい注ぎ込んでもらえるの。

 

 メアリが活躍するためにすることは、とっても簡単。

 

「そのためにも、まずは合一にたどり着くの!」

 

 魔力と混ざりあって、一気に解放する。それは、見ていたら分かるの。魔力をしっかり操れば、きっとたどり着けるはず。

 

「フィリスさんに勝つためには、もっともっと先に進まなくちゃいけないんだから」

 

 お兄様は、フィリスさんに頼ってばかり。メアリだって、もっと頼ってほしいの。だから、まずは強いって証明するのが大事なの。

 メアリは、お兄様に守られるだけの弱い子じゃない。そう、証明してみせるんだから。

 

 お兄様にもらった杖があれば、とっても素直に魔力を操れる。だから、近づいているはずなの。

 

「でも、まだ感覚がつかめないの……」

 

 杖が、ちょっとだけ震えちゃった。このまま遅れていたら、きっとフィリスさんはもっと強くなっちゃう。お姉様だって、ジュリアちゃんだって。そして何より、お兄様だって。

 メアリだけ、置いていかれたりしない。そのために、まずは合一しなくちゃダメ。

 

「どうすれば、合一できるのかな? お兄様に聞いたら、教えてくれるかな?」

 

 なんか、魔力の感じが違うのは分かるの。それをどうすれば良いのかは、分からないけど。きっと、お兄様の話なら分かりやすいの。

 お兄様とお話できる時に、聞いてみようかな。きっと、優しく教えてくれるはずだから。

 

「たぶん、属性を増やしてもらった時とは違うけど……」

 

 あの時みたいに、お兄様が全部解決してくれたりはしないの。メアリの技術が大事だってことは、分かるから。

 属性は、お兄様に魔力を注ぎ込んでもらって解決した。けれど、今回はメアリがしっかりと頑張らなくちゃいけないの。

 

 お兄様が魔力を送り込んでくれるのなら、嬉しいけれど。

 

「頼るのが大事、だもん。合一を覚えたら、お兄様の役にも立てるんだから」

 

 メアリが敵に突っ込んでいった時には、お兄様に心配させちゃったから。その時と同じことはしないの。ちゃんと相談して、頼って、お兄様のために動く。それが、大切なことだから。

 ちゃんと、分かってるの。同じ失敗を、繰り返したりしない。それが、メアリの大切なことだって。

 

 合一だって、メアリだけで解決しようとしちゃダメなんだ。そうだよね、お兄様。

 

「そこからいっぱい敵を倒して、お兄様に褒めてもらうの!」

 

 お兄様なら、きっとたくさん褒めてくれる。活躍すればするほど。でも、前に出すぎちゃダメだよね。心配させちゃうのは、良くないから。

 褒めてもらうために大事なことも、メアリはちゃんと分かってるの。もう、立派なオトナなんだから。

 

 お兄様にふさわしいレディに、ちゃんと近づいている。それを、見せてあげるの。

 

「新しい杖もあるんだから、きっともっと強くなれるの」

 

 お兄様にもらった杖は、本当にすごいの。魔力が増えるし、集めやすいし、動かしやすい。これがあれば、もっとすごい魔法をいっぱい使えるの。

 戦った時の魔法だって、しっかり強くなっていたし。だから、合一にも近づけるはずなの。

 

 メアリ、いっぱい活躍しちゃうんだから。

 

「でも、お兄様の言うことはしっかり聞かないとダメだよね?」

 

 メアリは悪い子じゃないから、ちゃんと反省だってするの。前にメアリが狙われた時は、お兄様のために頑張った。けど、悲しい顔もさせちゃったから。

 狙われているのはメアリなんだから、メアリが解決すればいいって思ったの。けれど、違ったから。

 

「前はお兄様に助けられちゃったし……。今度こそ、いっぱい褒めてもらうんだから」

 

 お兄様は、メアリにとっても優しい。それは、お兄様が変わってからずっと。優しくしてくれるようになってから、ずっと。

 だから、お兄様に喜んでもらえることをするの。褒めてもらえるのも嬉しいけど、お兄様が嬉しいのだって大事なんだから。

 

 メアリが立派なレディになる姿を、しっかり確かめてもらわなくちゃ。

 

「メアリだって、いっぱい成長するんだから。見ていてね、お兄様」

 

 メアリの全部は、お兄様のためのもの。だから、お兄様の魔力をいっぱい注ぎ込んで。お兄様だけのメアリにしてほしいの。

 魂まで染めてくれるのなら、きっと最高に幸せだから。

 

 ね、お兄様。

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