魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編16

「あー・・・酷い目にあった・・・」

 

 

「えっと・・・大丈夫ですか?比企谷さん」

 

 

「…なんとか、つーか光井達のほうは大丈夫だったのか」

 

 

あの後、渡辺先輩と共にOG達に拉致られてた雫と光井を追いかけ、右に左と大追いかけっこをしたのち、バイアスロン部の前で2人は解放された。

 

渡辺先輩はそのまま逃げたOG2人を追いかけ、体力の限界に達した俺は2人に事情聴取するという名目でその場に残った。

 

 

いくら、魔法を使って移動してたとしても疲れるものは疲れるし、もともとが帰宅部なんだししょうがない。

 

 

俺の事はいいとして、とりあえず今は雫と光井だ

逃走中に飛ぶは跳ねる、さらには高速回転するなど色々とむちゃしていたし、怪我やそうでなくとも気分が悪くなったりしていたら保健室まで2人を連れて行かなければならない

 

 

その2人だが、まず光井のほうは疲れてるようだが、怪我もしていない様子だしこの分だと問題はなさそうだ

 

次に雫の方だが‥‥なんか頬を染め、あらぬ方向を観ながらうっとりとしている。いつものジト目もすごい光を放ち怪我とかではないようだが‥‥これは重症だ

 

 

「つーか、あいつどうしたんだ・・・?」

 

 

「あー・・・雫はさきほどの追いかけっこがどうやら爽快だったらしく心を惹かれちゃったぽいです、それでさっきからあんな感じです」

 

 

つまり、遊園地のジェットコースターに初めてのったらはまっちゃったという感じか

意外と言えば意外だが、人それぞれ好き嫌いはあるからな

 

 

俺?俺は絶叫系とか無理だ。なんか前乗ったら気分が悪くなった

遊園地に行ったらコーヒーカップかお化け屋敷にでも入っていれば楽しめる

 

 

ただ、前お化け屋敷に入った時は、なぜかみんな俺の顔を見るなり絶叫した挙句、設定してないお化けが出たという事でスタッフが大慌で結局一時的に、点検とかいって立ち入り禁止になったことがあるし、

 

コーヒーカップも恋人や家族連れがいる中一人でのってると違う意味で気分が悪くなるから遊園地なんて二度と行かないと心に誓っている。

 

ただし、小町に誘われたときは別だがな

 

 

 

 

 

 

バイアスロン部はこれから新入生勧誘のデモがあるという事なので、俺達もそれについて行っている。

 

自分の世界から戻ってきた雫に聞くと、2人はこの部に入部を決めたらし

 

 

「じゃあ2人はここに入るのか?」

 

 

「はい、雫と一緒ですし」

 

 

「うん」

 

 

雫はいつもと同じように平坦な感じだが、その後ろにはやる気の炎がメラメラと燃えていた。

 

本当にいつもの雫と比べると珍しい、

光井もそんな親友が珍しいのかやや戸惑い気味だ。しかし、そこは長い付き合いなのだろう。すぐにいつもと変わらない様子に戻る。

 

 

話してる間に、通信機より小体育館のほうで魔法の不適正使用があり応援を要請する旨の連絡が入ったので、その場で彼女たちと別れ体育館のほうに向け歩き出す

 

 

本来なら急いでいくところだが、通信の発信者の声が司波のものだったので、まああいつなら大丈夫かと思い歩くことにする。

 

ただでさえ、だるい追いかけっこをしたあとなのだから少しでも楽をしたいと考えるのは人の性なのでしかたがない

 

 

そもそも、司波がいるってことはつまりはこういうことだ。金田一さんのお孫さんや見た目は子供中身は大人の少年や世界一の名探偵と名高いワイミーズハウス出身の彼らがそろい踏みしてる場所で事件が起こったようなものだ

 

そんなすでに事件が解決される5秒前みたいなところに行く意味があるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で案の定って感じか」

 

 

「比企谷か、早いな」

 

 

体育館に付くとそこには大勢のギャラリーの中、深い青色の道義を着た男たち十数人が倒れておりその中心には司波が颯爽と立っていた

 

あまりに予想通りな光景にもはや呆れるなこれ…つーかこいつは本当になにものなんだよ?

 

 

「たまたま、近くにいたんでな。それよりどういう状況なんだよこれ?」

 

 

「剣道部の新観デモに割り込んだ剣術部の桐原先輩が殺傷ランクBの魔法を発動、剣道部の壬生先輩に対し使用したので取り押さえた」

 

 

「実に簡潔な現状報告だな、でもそうするとそのほかの倒れてる連中はなんなんだ?」

 

 

「桐原先輩を拘束した後、異論があったようで襲いかかられたので鎮圧しただけだ。一応言っとくが、桐原先輩以外には手はだしていないぞ」

 

 

と、乱れたタイをを直しながら随分余裕に言ってくれるが、倒れているのは全員上級生で、体つきだけをみてもかなりの実力があると見える。少なくとも全員俺より強そうだ

 

 

そんな連中を手を出さずに、どうやって鎮圧したんだよ…

あるものは、床に両手両膝を付き息も絶え絶えで、またある者は大の字に倒れ伏し、ほかにも口に手を押え顔を青くするものや立とうとするも力がうまく入らないのか片膝をつくなど本当にどうやったらこんな多種多様な倒し方をするというのか

 

 

「はあ………まあいいか」

 

 

八幡は学習した。こいつの事に関しては難しいことは考えない。どうせなるようになると、八幡は考える事を放棄した。

 

 

「で、その桐原先輩とやらは大丈夫なのかよ?お前が手を出したんなら五体満足ではいられないだろう…」

 

 

憂うような表情で、眼を閉じ下を向く。その手は誰かしらない哀れな桐原先輩に、合掌を捧げる。

 

 

そんな俺を見て司波は、ため息交じりに俺の方も見る

 

 

「‥‥‥お前は俺を狂戦士か殺し屋とでも思っているのか?」

 

 

割と本気でそうなのではないかとは思っている。むしろ「え?違うの?」っと言ってやりたい気分だ

いっそ胸のところに北斗七星の傷があって『お前はもう死んでいる』とか言っても違和感0なんだけど

 

 

「桐原先輩は拘束する際、肩のところを強打したが別段問題はない。数時間安静にしていれば元に戻る。担架も呼んだからもうすぐ来るだろう」

 

 

みるとそこには一人だけ肩を押え地面に倒れてる人が一人いる。おそらくこの人が桐原先輩なのだろう

 

見た感じすんげー痛そうだが、まあ大丈夫か…五体満足だし

 

 

この件はあと応援の風紀員がついたら、剣術部はとりあえず事情聴取で桐原先輩は保健室に運ばれた後になんらかのお咎めが下る事だろう

 

 

最悪停学もありうるが、渡辺先輩の性格からして素直に非を認めれば厳重注意という感じでなあなあってところか

 

 

と、もう終わった事はいいとして、今現在俺は一人の人物がいささか気になっていた。もちろん色恋沙汰の事ではないが

 

この体育館にいる連中はこの事件を最初から見ていた連中で、司波に対して大なり小なり意識を向けている。

 

 

おそらく史上初の2科生の風紀員、その上俺は見てはいないが司波の無双っぷりに驚愕する者がほとんどだ

 

 

そんな中、おかしな視線の野郎が一人いる

 

道場着だが、剣術部の連中とは違い袴は薄い青色で上は白い。おそらく剣道部の人間か。

今どき珍しい角刈りで、メガネの真ん中をクイッと上げるどことなく大物感がある立ち振る舞いだ

 

 

そいつの顔には笑みがこみ上げ、興味深い物を見るような目で司波を見ている

 

 

中学時代には、ほとんど役に立たなかった俺の感がなにやら危険信号を上げてる‥‥ような感じがする。

 

ただ、この感は嫌な事に俺が面倒事に巻き込まれる時に限りやたら高性能だったりするからなぁ…

 

まあいいや、とりあえず今は今しがた到着した風紀委員の面々と一緒にここを片付けなければならない。まったくこれだから社畜はいやなんだ

 

 


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