魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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なんか書いててよく分からなくなってきました。


話の筋とか大丈夫ですかね?


入学編28

壬生先輩は先ほどから顔に困惑の色を滲ませている。それもそのはずだろう、司波のいう事は基本的に正しい正論で、逆に壬生先輩の言う事は間違っちゃいねーが正しくないのだ。

 

何が正しくないというのは先に述べたとうりだが、何より説得や懐柔といった作業にあまり向いていないのだろう。こういうのは図星でもなんでも顔にだしちゃおしまいだ。

 

 

その点で、司波は先ほどから…つーか、俺の知ってる限りでいつもポーカーフェイスだし相手の持論にもっとも的確な指摘や質問を繰り返している。

 

 

なんつーかこいつは本当に俺と同い年なのだろうか?明らかに年齢サバ読んでるだろ、この年でこの落ち着きようで、壬生先輩のような美人に好意を向けられているにもかかわらず動揺のどの字も首にかけないとか

 

 

女子との会話って学生生活で最も心躍るイベントの一つだろ、俺なんて中学後半でこのイベントが発生した回数なんて片手で足りるというのにこいつは枯れてるのか?それともラノベの主人公か何かなのかよ。もしそうなら末永く爆発しろよ

 

 

 

 

「司波君は不満じゃないのっ!」

 

 

「不満ですよ。もちろん」

 

 

「じゃあ…」

 

 

「ですが、俺には別に学校側に変えてもらいたい事なんてありません」

 

 

この流れは、攻守交代って感じか。といっても今まで壬生先輩の攻撃をことごとくカウンターで返してたようなものだし、交代っていうか止めをさしに行っている感じか。なにそのマジ畜。あ、こいつマジで鬼畜だったな

 

 

「俺はそこまで教育機関としての学校に期待してません。魔法大学系列でのみ閲覧できる非公開分権の閲覧資格と、魔法科高校卒業資格さえ手に入ればそれ以上の物は必要ありません」

 

 

司波のいっている事は確かに正しいし、俺もほとんど同意できる。学校になんて期待する方が間違いだ。数十年前に生息していた熱血教師やら金八先生やらは、現代において絶滅してしまっている。仮にいたとしても今やそいつは周りの教師の和から外れ、一人孤高に生きているただのボッチだ

 

 

俺はボッチに誇りを持つが世間が持つのは差別的な視線だけ、多くのボッチはその視線にやられ毒され自分の存在意義を見失う。例えそれが正しくとも貫きとうせる奴なんてあまりいない。

だから、周りの言う正しいをあたかも自分の正しいと錯覚してしまう。

 

 

「ましてや学校側の禁止する隠語を使って中傷する同級生の幼児性まで、学校のせいにするつもりはありません」

 

 

だが、だからこそいくら正しい正論でも正しすぎる正論は間違いだ。正しくない間違ったことでも誰か一人ぐらいは正しいと言ってやれば人間は救われる。間違ったことが間違いだと誰が言った?失敗から生み出された世紀の大発明だっていっぱいあるんだ。だから間違い=間違ったではい。世間の大多数の過半数の人間が違うといってもそれは正しい事かもしれないじゃないか。

なら、それを言えるのは世間の正論にあらがうボッチしかいないのだ

 

 

 

「それは違うだろ」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

私には理解できなかった。目の前にいる彼は、同じ2科生で私と同じように魔法以外の才能を魔法だけで判断されてしまっているいるのに…

 

 

不満があるとは言っているけど、その顔は眉一つ動かさず、ただただ作業のように言葉を続ける彼の思考も考えも理解ができない。

 

 

悔しくないの?

 

 

それは私の心からの言葉だ、私は悔しい。悔しくて悔しくて仕方がない。

 

 

魔法の実力は一科生と比べると確かに乏しい。それは私も分かっている、努力もした、でも結局私の魔法の実力は2科生のままだ

 

 

だからといってそれで諦めたわけではない、そもそも昔からやっていた剣道には自信があるし魔法を使う私より剣を持つ私の方が壬生 彩加と断言できる

 

 

だからこそ私は悔しい、一年前この魔法科高校に入学してすぐの話だ。

私は一人の先輩に剣の勝負を挑んだ。その先輩は同じ女であり、同じ剣を志す者で‥‥‥私と違い魔法の才能にも恵まれた人だ

 

 

彼女の剣技を見たこともあるし、周りの多くの人々が言う彼女に武勲に憧れもした。だからこそあの日私は、ただ単純に自分の力がどこまで通用するのか知りたく、彼女に剣技をまじかで見たく勝負を挑んだ

 

 

でも、彼女はその勝負を受けなかった。理由は私が2科生だからだ

 

 

悔しかった、悔しくて惨めでどうしようもなく悲しかった私の今まで努力してきたことを魔法の有無だけで判断されどうしようもなく恨めしい

 

 

だからあれから一年剣技を磨いた、司主将に誘われて学校側に物申すために準備もした、二科生の彼も私達と同じ悩みを抱えているのだから、力になってくれると信じていた

 

 

でも、それは間違いだったのだろうか?彼の言ったことに反論できない、言葉が詰まってしまう、彼の目を見て話せなくなってしまう

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥私は間違っているの?

 

 

 

 

「それは違うだろ」

 

 

 

一瞬、それが誰の言葉か分からなかったが、発言の元はすぐに分かった。

そう言ったのは、この場にいるもう一人の男性、八君だ

いままで発言もなく私達の話を聞いていた彼は顔を上げ、司波君の方に向きなおり、しっかりと彼の目を見つめる

 

 

といっても、髪で目元が隠れているので実際にはどうか分からないけど…

 

 

 

「…違うとは、どういう意味だ?」

 

 

司波君は私から八君に顔を向きなおして質問する。顔は相変わらずだけど、その声色にはやや感情が乗せられている

 

その感情は困惑なのか、イラつきなのか怒りなのかは分からないけど多分あまりいい感情ではないと思う。

 

 

「意味も何も違っていう事は、何かが間違っている不適切である異なっているとかでしょ」

 

 

「茶化すな」

 

 

一見ふざけているような八君の言葉に司波君はすばやく最短で対応する。とういうより心なしか私と話してた時より司波君の雰囲気が若干怖い気がするのだが…きのせいかしら?

 

 

「別に茶化してないだろ?そんなに警戒すんなよ」

 

 

「…俺の言ったことに何か間違いがあるということだなでは、どこが違うか教えてもらおうか……曳き」

 

 

「俺も全部が違うって言うわけじゃないぜ、むしろお前の言ってることは正論で正しい」

 

 

一瞬息をのみ込む、彼も私の事を否定するのかという不安からくるもので無意識に私の顔は下を向いてしまう

 

 

「お前の言ったことも正論だけど壬生先輩の言ったこともある意味正しいだろ?それを一方的に詰むのは違うって事だ」

 

 

え‥‥?

 

 

「確かにそれなら、俺の言ったことは違うだろう。だが、それは壬生先輩の話した事に正当性がある場合だ。申し訳ないが俺には、学校側に対する待遇改善の抗議に正当性が見つけられないのだが」

 

 

「ああ、まそうだろうなそんなもん抗議したところで、改善なんてされないだろうな」

 

 

私には八君の言いたいことがいまいち分からなかった。八君は司波君に違うと言ってくれたが、それに加えて私の言ったことにも違うという。

 

彼は私の味方なのかそれとも逆なのか分からない

 

 

「司波、お前は同級生の幼児性は学校のせいじゃないといったな?」

 

 

「ああ、それがどうした」

 

 

「俺からすればそれは幼児性なんてもんじゃなく人間性の問題だろ」

 

 

「人間性…?」

 

 

話がよく分からず、ついつい口に出てしまう。でも八君は口元に笑みを作り話を進める

 

 

「ええ、人間性です。司波の言う幼児性はそのまま幼稚だってことだが。確かに学校側が禁止してる言葉を使って相手を馬鹿にする、まさにガキのすることだし間違っちゃいない。でもそれだけならな?」

 

 

「風の噂で聞いたが、なんでも入学当日に騒ぎを起こした一科生と2科生がいたそうだな。その中には司波もいたっていう話だが?」

 

 

確かにそんな噂があった、確か一科生と二科生の生徒同士が校門前で揉めていたって言う。生徒会が介入したけど結局大事にならずに注意だけで終わったらしいけど

 

 

 

「…確かに、その現場に俺も居合わせたが」

 

 

「その時、一科生の数人は口喧嘩の末に魔法を使おうとしたらしいな」

 

 

「え!?だ、大丈夫だったの?」

 

 

それは初耳だ。注意だけというしてっきりただの口論とかだと思っていたけど、魔法を使うなんてただ事ではないと思うけど

 

 

「ええ、問題ありません。あの時は同じ一科生の生徒がいち早く止めてくれたので」

 

 

そういう司波君は八君の方を神妙な顔つきで見て、その八君は顔を背けてるけど。どうかしたのかしら?

 

 

「それから壬生先輩」

 

 

「えっ、は、はい」

 

 

「勧誘期間の剣道部と剣術部の乱闘騒ぎの時に先輩は剣道の立会いの後、決着がついた相手から殺傷性ランクBの魔法を使用されたらしいですけど本当ですか?」

 

 

「え、ええ本当だけど…」

 

 

いきなり話を振られて若干ビックリしたけれど八君はいったい何を言いたいのか?

 

 

「今分かってるだけでも2件、一科生から2科生へ対する魔法の不適切仕様がある。これは一歩間違えれば犯罪行為になる大変危険な事だ。それも原因の根元は一科生から二科生に対する差別にある」

 

 

「もはや幼児性なんて生易しいものではない。ならばそれは学校側の責任でもあるだろう」

 

    ・・・・・

「なんせ教師の指導がある一科生の人間性に問題があるんだからな」

 

 

八君は今までにないくらい口を半月型に広げ、どこか不思議な雰囲気を出しながら言い切る

 

 


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