軽いノリで始めたので、人物の言動や世界の動き方に違和感を感じることもあるかもしれません。
今宵、長らく混沌としていたこのエニカラ大陸において、初の暦が刻まれようとしている。
にじさんじ大陸、西部全体を納める「ヘルエスタ皇国」
ヘルエスタ皇王
にじさんじ大陸のどこかにあるらしい小さなエルフの森、その自称代表者を名乗る
仮面をつけた謎のエルフ
平和と混沌が常に共存している、統治者不明の東南の都市。「にじさんじ」の代表者
月ノ美兎、樋口楓
魔界と呼ばれ、解析不能な魔力と空間の歪みに満たされた北部から来た大魔族
吸血鬼、ギルザレンⅢ世
にじさんじと同盟関係にある東の国の王子
春崎エアル
南から来たという鬼の王を自称する
この大陸に住む6人の権力者たちが今日、初めて、前代未聞の話し合いの場を設けた。
見かけ上ではエルエスタ皇王がこの中では最年長、次点でギルザレンⅢ世だろう。しかしヘルエスタ王は知っていた、生物として、存在として、ここにいる誰よりも自分は弱く、小さな存在だということを。
しかし、だからといって少しでも弱気になってしまっては今後のヘルエスタ皇国の地位に関わる。皇王として今の先進国としてのヘルエスタの立場を、この会議を通して守護、できることならばさらにヘルエスタの地位を確固たるものしなければならない。
この中で最年少にして現役学生の二人、
見かけでは気丈に振る舞っていた二人さえ、この会合の空気に呑まれ冷や汗をかいていた、月ノ美兎に至っては普段の彼女を知っている者からすれば別人を疑うほど覇気を感じさせない。月ノ美兎の調子につられ樋口楓も少し普段の調子を落としてしまっていた。
しかし、彼女らの責任感はただ立ちすくむことを許さなかった。
この会合において彼女らの最終目標は法とマナーで統治された「にじさんじ」が、他国家間との戦争に巻き込まれない半永久的な条約を結ぶことである。
容姿に関して言えばこの場にいる誰よりも若々しく、幼く、美しいであろう東の春の国の王子、春崎エアル
このような状況でさえ彼は笑顔を絶やさない。
弱冠25歳にして一国の王を務める彼はやはり只者ではないのだろう。しかし、前代未聞の才人と言われた彼でさえこの場の雰囲気に怖気を一切感じないはずはない、耳と頬の間を伝う冷や汗は彼の精神の消耗を意味していた。
神童、春崎エアルの目的はもちろん、できることならば「冷戦状態の締結」そして何よりもこの会合の平和的な解決である。
平和な未来を夢見る瞳は、遊び呆けた父と母、そしてそこかしらで勝手に殺し合いを始める自国の民、そして他国と魔界の者どもへ恨み言で曇り切っている。
おそらく、この場で最も覇気を放つもの、ギルザレンⅢ世はその威風堂々としたオーラと反して、その内面は臆病でお茶目なおじさんである。
内心怯えているこの男の脳内は、少しでも早く、できれば平和的な結論で、この会議を終わらせたかった。
集結から、約3分が立った頃、謎のエルフの女性が話し始めた
「今回、この会合で私が要求するのは、エルフの森の保護である。」
やけに芝居がかった、いわゆる《作られた声》で話し始める。
その荒さと厳かを感じさせつつも、その奥で綺麗さを感じる声とは裏腹に、その発言はこの場の権力者たちを驚愕させた。
大陸中が冷戦状態、本格的な戦争はないものの各国の領域外では常に異国民同士、異種族同士が争い合っている。
そんな状態での「エルフの森の保護」、これは最低でも、保護した国の国民はエルフと争うことをやめるということだ。
結論、無理である。
エルフは比較的温厚なものが多いが、それでも人族とエルフの間には確かな確執がある。それを人族が、そしてその何倍もの人生を歩んできたエルフが忘れるはずもないと、ヘルエスタは理解していた。
そもそも彼はエルフの森の場所を知らない、もしこの要求に応じることによってエルフの森の情報が確認されるならばあるい........
ふと、何かに気づいたかのようにヘルエスタ王が声を上げる
「エルフ殿、それは、この場にいる国のどちらかと、《同盟》を組む、という理解でよろしいのかな?」
「.......その認識で、構わない」
そのエルフは何故か少し困ったような、慌正しさを含めたように返した。
この隙を見逃すほど、ヘルエスタ王は、また彼らは甘くはなかった。
同盟を組む、そうすれば、エルフの所有する膨大な知識、資源、武力の一部を手に入れることができる!
組むメリットは十分にある、向こうはおそらく政治慣れしていない、デメリットはこの際些細なもの!
「なるほど、では私ども、ヘルエスタ皇国はエルフの森と同盟を組むことを━━━━」
「ちょっと待ってください。そもそも、エルフの森の場所の情報はまだ公開されていませんよね
その状態で、保護を求めるというのは少し無理があるのではないでしょうか」
委員長、月ノ美兎が声を上げる、このままヘルエスタ王に主導権を握られてはたまるものかと声を上げる。
そしてこれは単なる政治的危機感だけではなく、「条件不明な同盟」というあまりにも不確かなものに疑問を感じた、委員長特有の使命感もあった。
「同盟の提案をするというなら、それ相応の情報の開示をするのがスジというものではないでしょうか?」
「........しかし、私にはそのメリットがない。もうすでに情報を開示せずとも、ヘルエスタ殿は同盟を結ぼうとしてくれていた」
「おかしいではないですか、これまで、頑なに情報の秘匿を続け、それを武器に何人もの人を襲ったエルフとの同盟を、
条件も聞かずに結び、あまつさえ、その同盟の内容が保護だというのに!
これは、不正の疑いがあります。」
その言葉を聞き黙っていられるヘルエスタ王ではないが、それは他の者どもも同じだった
「確かに、疑う気持ちはわらわもわかる」
やけにのんびりとした声が、この場を包む。
竜胆尊の幼い声が、確かに一瞬、この場を支配した。
「もしかして、裏で何か繋がっていたのじゃ?」
鬼の少女が目を細める
まるで狐や狼を思わせるよな、冷たい視線、ヘルエスタ王は早く弁明せねばと普段の冷静な思考を失ってしまう。
ただの人である彼ならばしょうがないことではあるが、しかしそれは、王としてやってはいけないことだった。
せめてもと、口調だけでも誤魔化そうと思い感情をできるだけ抑え、意識して低い声を出そうと気をつける
「失礼した、事前の情報がなくとも、同盟を組めば教えてくれるだろうと想定してのことだったが.....」
「そうじゃのう、しかし、それはそなた、考えなさすぎではないのか?王として。」
一方的な保護の申し建に対し、それを「同盟」と解釈、
視線はさらに厳しく尖る、ヘルエスタ王の心はまた大きく削られる
「しかしですな、何も今ここで話す必要はないではないか?同盟相手というのですから、常識的に言えば「保護」に相当するほどの対価を差し出すということ、ましてや、それを覚悟していないエルフはいますまい。
よって、この判断は不正でもなんでもなく、同盟のセオリーを考えた上での結論ということだ」
相手を試すかのような攻撃的な発言、この言葉によってヘルエスタ王の印象は確かに悪くなり、彼への場の不信感はさらに高まっていった。
それに比例して、謎のエルフに対する視線も厳しくなる。
「みなさん、そもそも話が飛躍しすぎていますよ」
春の国王子、春崎エアルが一度ばを諌める。
「まだ本題も話していないじゃないですか。それなのに同盟がどうとか、条件がどうとか、少しエルフに囚われすぎなのでは?
まず話すべきことは、今、あちこちで起こっている国民同士、種族同士の絶え間ない争いを終わらせるべく、私たちがどうすべきかです。」
「それに関してはワタクシも同感です。
そのためにはまず、この会合においての公平性を全員が確認する必要があ流と思いますが!」
キッ、と厳しい目つきでエルフとヘルエスタを睨む。
場を諫めようとした春崎エアルはさらに白熱としたこの場に確かな疲労を感じた。
この前半戦により、エルフは信用を失い、発言力を失った。
ヘルエスタ王もその後の対応により、徐々にその権威を取り戻してゆく。
そのまま会議は一時間ほど進み、会議は苛烈になっていく
多くの言葉が飛び交った
多くの要求が飛び交った
そしてさらに二時間が経ち、総時間およそ三時間の短い会合が幕を下ろし始めていた。
陽が上がり切った正午、会合が終わった
これからどう時代が変わるのか、直接話していた彼らさえもわからない。
新たな時代が始まった。
途中で飽きちゃった。
ただの世界観構築なのですが後々加筆していきます。