今回は短めです
仮とはいえ免許を取得出来れば、ヒーロー志望者は晴れてセミプロとなれて、非常時におけるヒーロー活動を許可されることになる仮免許。
例年通り、今年も仮免許取得試験が行われることになるが、最後に行う救助演習に登場する敵役がギャングオルカとサイドキックだけでは戦闘力に不足があるとヒーロー公安委員会は判断。
ヒーロー公安委員会がそう判断した理由は、私の教え子達が、仮免許取得試験に参加することになっていたからである。
去年行われた仮免許取得試験で、私の教え子と戦った現役のヒーロー達がぼろ雑巾となったことがあったそうで、並みのヒーローよりも強いと知られることになった私の教え子達。
ヒーロー公安委員会は、戦闘力がやたらと高い私の教え子達をどうするかに頭を悩ませることになったらしい。
「もういっそのこと、戦い方を教えた先生に責任取って相手してもらいましょう」
という声がヒーロー公安委員会の1人から上がり、それがいいと思った他の面々も賛同した結果、私に仕事の依頼が来た。
「救助演習の途中に敵役として乱入して、仮免許取得試験の参加者達と戦ってほしいんですが、基本的には貴方の教え子達の相手をお願いしますね。他のヒーローじゃ、あの子達の相手は厳しいんで、いやもう本当にお願いします!ヤバいんで手伝ってください!」
必死な声で、私にそんなことを頼んできた仮免許取得試験担当者の目良さん。
とりあえず切羽詰まっている様子ではあったので、私はヒーロー公安委員会からの依頼を引き受けることにして、仮免許取得試験当日の早朝に移動した試験会場。
敵役となるヒーロー達が事前に待機することになる場所に向かうと、既にギャングオルカさんとサイドキックの方々は到着していたみたいだ。
「すいません。遅くなりました」
「いや、少し此方が早かっただけだ。気にするな」
遅れたことを謝罪した私に、気にしないようにと声をかけてくれたギャングオルカさんは優しい人だった。
それからギャングオルカさんやサイドキックの皆さんと会話していると「わたしが最後か」と言いながら待機場所の部屋に入ってきたレディ・ナガン。
どうやらレディ・ナガンも今回の敵役のヒーローとして呼ばれていたらしい。
その後、備え付けられたモニターで試験会場で行われている仮免許取得試験の状況を見ることになり、モニターには今回の試験に参加していた私の教え子達の姿も映っている。
今回の仮免許取得試験に参加している私の教え子は、士傑の氷造さんに、傑物の杭打さん、そして1年では珍しく雄英の忍野さん、といったところだ。
「へえ、今年の雄英は1年で参加してんだな」
「それだけ優秀ということだろう。雄英潰しで脱落している者もいないようだ」
モニターの画面を見ながら話すレディ・ナガンとギャングオルカさんは、1年生で仮免許取得試験を受ける雄英の生徒達に注目しているようだった。
全員で動きが良い受験者達に関する感想を言いながらモニター画面を見ていると、最初に行う勝ち抜けの演習が終了し、勝ち残った100名の受験者達。
今回参加している私の教え子は全員勝ち残っていたので、ギャングオルカさんとサイドキックの方々だけで敵役を行うのは厳しかったかもしれない。
当初の予定ではギャングオルカさんとサイドキックの皆さんに、拘束用プロテクターを装備してもらう筈だったみたいだが、今回は危険なので無しということになる。
そろそろ救助演習が始まる時間となり、突入する場所で待機することになった敵役となるヒーロー達全員。
黒い着流しを着用し、赤い鬼の面を被った私は、これから敵役として救助演習に参加して、教え子達と戦う。
教え子達が、どれだけ成長しているかを、直接確かめることが出来るのは悪くない。
派手に壁を破壊し、救助演習が行われている場所に雪崩れ込んだ敵役の面々が、ヒーロー志望者の受験者達に襲いかかっていく。
救助した人々の避難を優先する者も居れば、敵役のヒーロー達に向かってくる受験者達も少なくはなかった。
そしてその中でも特に戦闘力が高い3人が、迷わず私に向かってきて、個性を放つ。
氷造さんから連続で撃ち出される氷の弾丸と、変形した杭打さんの腕から射出される杭に、そして忍野さんから放たれた水の龍。
3方向から私へと向かってくるそれらの遠距離攻撃を、黒警棒で瞬時に迎撃。
氷の弾丸を砕き、飛来する杭を打ち落とし、水の龍を両断する。
「僕達の攻撃が簡単に防がれるなんて、あの鬼の面を被っているのは、やっぱり常無先生だね」
微笑みながら確信を持って言った氷造さんは、油断なく此方を見ていた。
「敵役が剣心先生とか、燃えてくるじゃねぇか。滾るぜ」
相変わらず荒々しい言葉使いな杭打さんは、闘争心を剥き出しにして笑う。
「拙者の忍法、水遁水龍の術があっさりと両断されるとは、流石は先生でござるな」
忍法で繰り出した水龍が容易く両断されたことに、納得したかのように頷いていた忍野さん。
私の教え子の中でも、氷造さんと杭打さんに忍野さんは、仲があまり良くない3人ではあるな。
そんな3人が協力出来るか心配ではあったが、しっかりと連携して私に立ち向かってくる姿は、ちゃんとしたヒーローのようだった。
性格や考え方が合わない相手だろうとプロのヒーローは協力して仕事をしなければいけない。
しっかりと互いを補うように連携して戦うことができている3人は間違いなく合格するだろうが、試験が終了するまでの間は、教え子達の成長を確かめるとしよう。
様々な形の氷を造り出し、自在に操る自在氷の個性を持つ氷造創さんは、此方の動きを邪魔するように巨大な氷の壁を幾つも造り出して、妨害。
両腕を杭打ち機に変形させて、相手を攻撃することが可能な個性、パイルバンカーを持つ杭打撃花さんは、杭を撃ち出して飛ばすことも可能な個性で、連続で杭を射出し、的確な攻撃を行ってくる。
個性が忍者な忍野久能さんは様々な忍法を繰り出すことが出来る個性で、多彩な忍法を用いると、妨害と攻撃を行う2人の隙を補うように、器用に立ち回って行動していた。
それぞれが自分の役割を果たしている3人は、最初に出会った頃に比べれば、確実に全員が成長していることは間違いないな。
成長した教え子達の姿を見ながら戦っている内に仮免試験全工程が終了する時間となって、終わることになった教え子達との戦い。
その後に合格者が発表されることになったが、私の教え子だった受験者達は、全員が仮免許取得試験に合格していたようだ。
私が本気ではないとしても、此方の動きを抑える為に全力で動いていたことが評価されたらしく、それなりに高評価をもらうことができていた3人。
試験も終わったので、後は帰るだけかと考えていた私に近付いてきた筒美さんが「一緒に帰ろうぜ剣心」と言ってきた。
特に断る理由も無かったので「構いませんよ筒美さん」と了承し、一緒に移動していた私と筒美さんに接近してくるのは、3人分の気配。
この気配は、氷造さんと杭打さんに忍野さんで間違いなさそうだ。
「ああっ!あの女は先生と接吻してた女でござるよ!」
筒美さんを指差しながらそんなことを言い出した忍野さん。
「何だって!それは本当かい!僕としては嘘だと言ってほしいね!」
物凄く驚きながらも忍野さんに問いかける氷造さんは動揺を隠せていない。
「クソッ!剣心先生のファーストキスが奪われちまってるなんて!アタシが奪う筈だったのに!」
悔しそうな顔でそんなことを言っている杭打さんは、私のファーストキスを狙っていたみたいだ。
「一気に賑やかになったな剣心」
「静かに帰ろうかと思ったんですけどね」
「まあ、わたしはガキに剣心を渡すつもりはないけどな」
そう言い放ち私の頬へキスをした筒美さんが、微笑む。
筒美さんがそんなことをした結果、人語を忘れたような叫び声をあげながら教え子3人が迫ってきたので、とりあえず筒美さんを抱えて逃げてみた。
今の3人は確実に正気を失っているので、捕まる訳にはいかないな。
原作と違って雄英の生徒が誘拐されたりしていないので、全寮制になっていなかったり、殻木が確保されるのが仮免前になってかなり早まったりしています
杭打撃花さんの外見は、ONE PIECEのキャラの外見に似ていて、簡単に言えばタバコをくわえていないベビー5ですね
ちなみに忍野さんがレディ・ナガンと先生がキスしていたことを言葉にした理由は「拙者以外も脳が破壊されてしまえばいいでござるよ」ということらしいです
見たい番外編があれば選んでください
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志村菜奈世代に転生
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オールマイト世代に転生
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緑谷くん世代に転生
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最終話の続き