ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者   作:哀上

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釣り 3

 拾った良さげな枝、その先端から数センチ開けたとこを適当にナイフで削り窪みを作る。

 そこに釣り糸を数メートル分結び、先には釣り針付けた。

 

 あとは餌か。

 

 近くの地面をざっと掘り返してみたり、石をひっくり返してみたり。

 虫を発見。

 多分、何かの幼虫だろう。

 種類は知らない。

 でも、ある程度柔らかければ餌としては別になんでもいい。

 

 アイテムボックスの中に放り込んである肉を適当に小さく千切って、とかでも釣れるとは思うが。

 やはり餌は現地調達が一番。

 実際に食べてる虫だからね、食いつきが違う。

 

 らしい……

 

 親父が言ってた。

 実際のとこ、俺はその差を実感したことはない。

 

 釣りに行くとよくミミズを探して地面を掘り返していた。

 今思えば体よく使われていた気もする。

 まぁ、別に無理やりやらされていたわけでもないし今更である。

 

 ウキもオモリもない、簡易的どころが原始的な仕掛けが完成。

 

「よっと」

 

 それを川の中腹辺りに放った。

 

 ……つもりだったのだが、糸に変な癖でもついていたのかあまりよく飛ばない。

 川岸のギリギリに落ちる。

 

 ま、ここでもええやろ。

 端の方が魚がよくいるっていうし、陸の虫が落ちてくると考えればむしろこっちの方が自然だ。

 

 空を飛べる虫ならともかく。

 こんな地面の中にいる幼虫が川の真ん中にぽちゃんはない。

 

 しゃーない、釣り糸とは言ってもナイロンやらPEなんて便利な物が存在するはずもなく。

 この世界で手に入るのは植物の繊維だとか魔物の毛やら糸だとか、そこら辺を加工したのがほとんど。

 前世のそれと比べると扱いに難のある物が多いのだ。

 

 ちなみに、今俺が使ってるのは馬の毛を結って糸にしたやつね。

 

 馬の毛ってのは他の動物の体毛に比べて水に強いらしい。

 前世の知識だが。

 この世界でも使ってるってことは、そこの部分の性質も似通ってるってことだろう。

 見た目といいちょっと収斂進化にしても似過ぎてる気もするが。

 まぁ、長距離を走るとなれば発汗機能は必須だしね。

 そうなれば、体毛に求められる性質も共通する部分が多くなって当然か。

 

 道具屋で買った。

 確か、そこそこの値段した気がする。

 

 馬の毛なんてそれ自体は別に高い物でもない。

 自作すれば二束三文で手に入る。

 けど、どう考えても手間がね。

 数本を纏めて結って、それを繋げて数メートル分とか……んな根気のいる作業俺には到底不可能である。

 

 元が長ければ多少は楽なんだけど。

 受付嬢の髪とか、馬の毛をゆうよりは手間が少なそう。

 ま、髪くれとか白い目で見られて終わりだろうけど。

 

 ……ノアならくれそうか?

 

 人の髪、向こうだと向いてないって話だったが。

 こっちだとどうなんだろ?

 

 使われてないってことは向いてないんかな。

 試したやつはいるだろうし、それが広まらなかったってことはおそらくそういう事なのだろう。

 

 人は向いてないにしても、獣っ娘ならどうだ?

 この国獣人少ないから。

 広まってなくてもそこまで違和感ないし。

 どことなく可能性を感じる。

 

 ……

 

 そもそもアレか。

 これ、冷静に考えると出来る出来ない以前にめっちゃキモい説が。

 

 やめだやめ。

 ってか、どうせ多少手間が少なくなったところで、自作する気なんか起きないのだし。

 考えるだけ無駄だな。




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