皇帝の友達   作:零課

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 この時代にはチューリップ賞はないんですが、まあウイポ基準のレースにしているので申し訳ナス。せいぜいジェベルハッタとかがないくらい?


 セレア「この株買っておきましょ」


 忍「君が買うのなら私も買っておこう。サンダーレディが勝てば更にね」


クラシックシーズンよーいスタート チューリップ賞(GⅡ)

 『春風吹き始めましたここ阪神競馬場は青空と日差しが心地よく、次世代の栄光を目指して乙女たちが集いましたチューリップ賞。

 

 

 桜花賞へのステップレースとしても人気のこのレース。次のヒロイン、クイーンたちが我こそはと気合を入れております』

 

 

 うーん涼しい。1984年ってこんなに涼しいのね。さーてさてやってきましたチューリップ賞。土曜日の年齢限定戦GⅡだけどそれでも桜花賞へのステップレースというのもあって満員御礼。

 

 

 今日でこれだから明日の弥生賞はどうなるんだろうか。それと皆柏餅とか桜餅を食べているなあー。いいなあー今日がひな祭りの日なのもあるかな? 確か両さんの誕生日でもあったかなあ。

 

 

 涼しい春の中におっさんたちのやじと酒とゲロの匂いと新聞紙の香り・・・最悪だぁ・・・春風にこんなの乗せないでいいから(切実)オグリ時代の後だともう少しきれいだろうになあ。

 

 

 『3番人気のサンダーレディ。耳を絞ってご機嫌斜めか。昨年の阪神JFでの敗北が評価を下げているようですが依然この人気の高さは重賞三連勝の戦績を評価しているということでしょう。

 

 

 名手岡崎騎手の手綱さばきと冬を超えてバキバキの肉体になった乙女の強さに期待です』

 

 

 「+20キロってなんだこのデブー! お前にはかけねえからな!」

 

 

 「最早牡馬じゃねえか! 走れんのかー!?」

 

 

 しょうがないでしょ! シンボリ牧場で坂路バチギメして、プール調教としていたら450キロの馬体が470キロになったんだから! これでも令和の牝馬と比べたら小柄よ小柄! 成長分って言ってくれている人いるけどもねえ。あー・・・こうなったら500キロサイズになって暴れたほうがいいのかな?

 

 

 『一番人気はキョウワサンダー続いてウラカワミユキ、三番人気はサンダーレディ、四番人気はトウカイローマンとかなりの混戦具合になるかと言われております。

 

 

 そこにメイショウミール、トウショウマイエと続きます』

 

 

 ・・・・・・・・ウラカワミユキはナイスネイチャのおかあはん。トウカイローマンはあのヒサトモの末裔。で、トウカイテイオーのおかあはんのお姉ちゃんだっけ。うーん・・・伝説のお母ちゃんまみれだ。この中に入っていくとますます歴史の中にいるって感じちゃうわ。

 

 

 『あ、レディちゃーん。今日もよろしく~』

 

 

 『サンダーちゃんもよろしくね。やー暖かくなってきたし、元気に行けそう?』

 

 

 『私はできればもう少し寒い日がいい。走った後が涼しいし』

 

 

 キョウワサンダーちゃんは秋頃、残暑が抜けた頃が強いかも? 本人の気分的に。今年の秋は気をつけておこ。にしても、前よりも馬体がしっかりしている。他の子達と比べてもトウカイローマンとか以外だと頭一つ抜けていない?

 

 

 こっちも今日は流石に勝たないとなー。シンボリのオーナーに何言われるかわかったもんじゃない。

 

 

 「さて・・・しっかりと勝っていこう。レディ、ルドルフ。君たちの今年の勝負はしっかり僕も勝たせるよう全身全霊を尽くすよ」

 

 

 あ、もう本場場入場の前の騎手のライドオンタイムか。よろしくね岡崎くん。うーん。少し軽い。連勝が途切れたから斤量軽くなったのかな? それとも最近は平野くんを背負って走っていたからかな。平野くんも軽いし、絞っているけどそれでも58キロだったしなー。

 

 

 もう少し太ったほうがいいよ平野くん。調教助手も大変だし。

 

 

 『ふぅー・・・阪神JFと同じ距離のチューリップ賞。ここで勝てれば同じ距離の桜花賞も勝ちの目が見えてくる。頑張っていかないとね。取れなかったGⅠの勝利を取るために』

 

 

 「いい気合だ。よし。君なら大丈夫。僕も必ず勝たせる」

 

 

 同じ気持ちで息ぴったり。これならいけるね。よし!

 

 

 『さあ、今年のトリプルティアラ。その桜花賞へのステップレースのチューリップ賞。いよいよゲートインの時間となります。1マイルの勝負。その距離は乙女たちの晴れ舞台としては短いか、いかなるドラマと美貌が花開くか。

 

 

 全頭ゲートインしました・・・・・・・・スタートです!』

 

 

 あー・・・もう出遅れちゃう・・・なんでかゲートの音に一瞬ビックリして硬直しちゃうのよね・・・でもまあ、そこからのフォローはしっかりできるようにしたのよ!

 

 

 『さあ、相変わらず遅れておりますサンダーレディ、先頭はオリーブチンミ、エトワールタンポポ、ルージュクラン、トウカイローマンが続きます。そこから離れて馬群を形成しているのはキョウワサンダー、オオトリライツ、メイショウミールが先頭。サンダーレディは今日も馬群を離れて外から伺います。

 

 

 レース破壊の雷霆はどこで炸裂するのか馬券師悶絶馬にも期待がかかります』

 

 

 おいコラ実況。私の二つ名はもういいとしてそこまで実況で言っていいの? 後私なんやかんや勝ってはいるんだけどそこまで不安定な馬扱いだったのか・・・いやまあ、捲り逃げとか前代未聞だけどさあ。

 

 

 馬券師が悶絶するってどういう意味なのかほんと聞いてみたいなあ。今度競馬新聞読ませてもらえないかな。平野くんあたりに。とりあえず・・・今はレースだけど・・・阪神競馬場だから勝手はある程度覚えているし、第一コーナーに入って・・・ここから徐々にギアを上げていこうかな・・・!

 

 

 『さあ、第一コーナーに入って依然馬群は2つに分かれて伸びたまま。先頭はエトワールタンポポに変わりまして続いてトウカイローマン、ルージュクラン、オリーブチンミと続きます。そして後ろの馬群は先頭は変わらずキョウワサンダー、前に出てきましたトウショウマイエ、アシダカグンソウ、サンタノクツシタ、オオトリライツ。

 

 

 馬群の中程から様子をうかがいますはメイショウミール。おっと。サンダーレディが外からグイグイ抜いていく! 雷が鳴り始めたか。春風吹くこの晴天に雷鳴が鳴り響いていくか! どんどんと第二コーナーに入っていく先頭集団に追いついていきますサンダーレディ!』

 

 

 よしよし。足元がガッチリしたからかな? コーナリングもいい感じに出来つつある。岡崎くんの体重移動の癖もわかってきたからグイグイ伸ばせていけるね。いいぞいいぞー

 

 

 『さあ、サンダーレディが先頭だ! 正面向こうに最初に来たのはサンダーレディ! 3馬身の距離を付けて一人旅となっていくか。それを追うはエトワールタンポポ、トウカイローマン、後ろの馬群から伸びて追随するのはキョウワサンダー、アシダカグンソウ。あっという間の1マイルの勝負。その中で雷鳴を捉えることはできるのか!』

 

 

 よっし・・・! あの最初の難関を突破すれば後はいける! 徐々にエンジン上げていくぞー

 

 

 『第三コーナーにはいる前に捉えようと先頭集団も徐々に足を伸ばすがサンダーレディには追いつけない。第三コーナーに入って、そこからも伸びていく伸びていく。4馬身、5馬身。いや、キョウワサンダー、トウカイローマン、エトワールタンポポが食らいつく! 最早勝者はこの4頭に絞られていったか!

 

 

 さあ、第四コーナーを越えて前に出るサンダーレディ! 雷鳴を捕まえる事ができるのか! 春一番か北風が運んできた雷鳴少女はもう止められないのかぁ!!』

 

 

 前回のマイル戦の雪辱してやるわよ! もとより短距離の方でも最初からギアを上げる土台があれば私だって戦えるのよー!!

 

 

 「行くぞレディ! もう一押し!」

 

 

 了解岡崎くん!

 

 

 『岡崎騎手のムチがはいる! サンダーレディもそれに答えて脚を鈍らせない! これは決まった残り50メートル! 決まったああ!! 電光石火のマイル勝負! 昨年の敗北を思わせない俊足でサンダーレディと岡崎騎手一着です!

 

 

 阪神JFと同じマイルレース。このチューリップ賞での勝利を見せてマイル戦でも問題ないと見せつけました!』

 

 

 いいぇーい~リベンジ達成! いやー・・・良かった。桜花賞とかNHKマイルを狙うんだったらここのレースでも結果を出しておきたいし。

 

 

 あと、後々のエアグルーヴとか、ニシノフラワーとか、シーキングザパールとかの名マイラー、ミドルディスタンスの牝馬たちとの牝系での相性が私や私の子どもたちにも影響与えるのなら、未来のスピード化が進む日本競馬では血統の古さを加味しても良い方に評価・・・してくれるかなあ? いやそもそも私らの血統残るのかな?

 

 

 まあ、今はいいかあ。とりあえず、これでほぼほぼ桜花賞には出走確定だし。

 

 

 『この春風吹き始めた阪神競馬場に雷鳴の足音鳴り響くはまさしく青天の霹靂。クラシックレースを制したサラ系といえばハシハーミットが記憶に新しいですが、彼もまたシンザンの血を引く名馬でした。

 

 

 シンザン後はどこまで鳴り響くか、サンダーレディの雷鳴は桜花賞でも春雷を巻き起こすのか。期待で胸が踊るようです!』

 

 

 この人ハシハーミットのファンなのかな? いやーありがとー。ファンの皆にも挨拶をして。あ、計量? なんかそれもしておかないとね。一応今回は斤量追加無いんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『春雷とシンボリの目玉の登場。クラシックレースの主役なるか』

 

 

 今年のクラシック、ティアラレースの前哨戦、ステップレースとして名高いチューリップ賞を取ったサンダーレディ、そして弥生賞を取ったシンボリルドルフ。どちらも主戦を務めるのは名手として名高い岡崎騎手。「二頭の実力は同期の中でも頭一つ飛び抜けている。いや、今の時点でも古馬たちとも相手になるほどだ」と太鼓判を押し、双方のオーナーもものが違うと大絶賛。

 

 

 ルドルフのオーナー和嶋氏は「シンボリルドルフは日本競馬界の皇帝となる器だ」と言って憚らず。セレア氏は「無事にマイル重賞レースを制覇してくれた岡崎騎手とサンダーレディ、預かってくれた厩舎に感謝しか無い。クラシックも無事に戻ってくれればそれでいい」とサンダーレディへの愛あふれるコメントをしていた。

 

 

 二頭ともそれぞれのクラシックレースへと挑むがもしかすれば牡馬、牝馬の三冠馬の同時誕生という事態もあり得るかもしれない。今後の未来予想への期待は◎である。

 

 

 

 記者 藤井 藤丸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほほー・・・いやー嬉しいことを言ってくれるなあ。そして、うんうん。マイル戦での勝利は本当に自信がついた。ウィック」

 

 

 『だからって調教中に酒飲まないでくれませんかねえ? 仕事自体はしっかりしているのに態度が壊滅的すぎる』

 

 

 無事に牝馬マイル兼ステップレースのGⅡを切り抜けて二年連続でクラシックシーズンに自分の厩舎からGⅠレースに馬を送り込める。しかも私有力馬扱いなので色々と安堵。いやあ、実際優先権持っているからいいけどさあ。安堵のためとストレス解消のために酒のんでいないでよー

 

 

 『今度は負けん! あいつに勝つぞー! レディよりGⅠを先にとってやる!』

 

 

 『大阪杯も近いし、まずはそっちだよ? エースが勝てば次は私が桜花賞取るから。まあ、そこGⅠだけど』

 

 

 『なに! 宝塚記念よりもずっと早い。むーん・・・よし。じゃあ俺が大阪杯を勝つからお前もちゃんと桜花賞を取れよ。俺はミスターシービーを倒す!』

 

 

 いやー燃えているわね。でも。

 

 

 『いや、ミスターシービー春は出ないから秋までまたないと駄目よ』

 

 

 『はぁ!? ふざけんじゃねーよ。ぬーぉ~!! くそぉ。どういうことだ平野ぉ!』

 

 

 「ぐはぁっ! ど、どうしたんだいエースくん。調教は程よい感じで。あぁああ~~~!!」

 

 

 また平野くんが悶絶させられている。うーん見事なヘッドバットからの鼻とんマシンガン。いやまあ、こればかりはあちらの厩舎さんとシービーの体調次第だからしょうがないよ。

 

 

 「エース。カリカリしなさんな。シービーが休みの間に強くなろう。な。お前の好きなバナナとあま~い人参もあるぞー」

 

 

 『む・・・まあ・・・そうするかあ。流石にレディの、後輩の前でこれ以上暴れてもだしなあ。よし。土御門のおっさん。それよこせ。その前にシャワー浴びさせろ。温かいやつだぞ!』

 

 

 『さすが~、あ、私もリンゴほしい』

 

 

 さすが酔っ払いだけど名調教師! あっという間にエースを落ち着かせたのすごいわーしかしまあ、春になってくるとほんとにわかに騒がしくなるね。春の始まりと、私にとっての二度目のGⅠレース。

 

 

 チューリップ賞での経験でマイルの方もガッチリいける。いざ鎌倉ということでトリプルティアラレースに挑戦だー!




 大真面目にスタートがド下手くそなくせに捲ってから逃げていくという差し馬たちにも逃げ馬にも質が悪すぎる戦闘スタイルなのがサンダーレディ。馬券師から見れば馬たちのレースもペースもメッチャクチャにされるので精神力が強い、リカバリーできる本当に強い馬以外は篩にかけられるという状況になります。


 戦績 8戦 7勝 1敗 合計獲得賞金 1億8920万円
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