皇帝の友達   作:零課

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 今回の東京大賞典は昔の時代の距離。3000メートルで行います。ここだけ変えるのもあれですが、資料映像でのレース展開を考えるのならこれが早いものでして。


 そして、今回でようやく待ち望んでいたイラスト。有名絵師さんの soba 様のイラストをヴォルフ様が用意してくれました! いやー本当に嬉しい。本当に ヴォルフ 様 soba 様 ありがとうございました! 自分でも流石にこの小説が自信作とはいえ100万UA行くとは思っていませんでした。


 
【挿絵表示】



 ちなみに銀髪の女性は私のオリキャラの一人の船坂 華奈という女性でウマ娘。というかケイジのいる時空ではケイジ所有のホテルでバーテンダーをしています。


 


年末大一番 東京大賞典(GⅠ)

 『さあさあ始まりましたクリスマスの日に勝利のプレゼントを掴む人馬のコンビは誰になるか東京大賞典。先日の有馬記念でシンボリルドルフと勝利を掴んだ岡崎騎手。もう一頭の相棒サンダーレディとともにもう一つの勝利ももぎ取ろうと参戦です』

 

 

 なにか随分と気合が。というかまあーセレアさんも言っていたけど頭を下げてでもほぼ連戦レベルで私の鞍上は自分だと頼み込んだ岡崎くん。

 

 

 すっごい晴れ晴れにニッコニコで手を振ってファンの皆さんに応えるその姿。なんかルドルフと一緒にいるときくらい元気だねえ。嬉しい。私も気合はあるけども、うーむ

 

 

 『牡馬に負けないほどの強さを見せつけたサンダーレディですが、ダートの戦歴は多くなく、なにより3000メートルという未知の距離! 牡馬でもその挑戦機会は少ない距離。そしてダートという足場。

 

 

 ダートの本場アメリカでもない距離。騎手はパートナーの愛馬を御しつつセーブをする技術。愛馬はこの冬の寒さとこの距離での熱を抑えつついかに力を出して挑むか。高度な技術が問われます』

 

 

 そうそう。そこが問題になっちゃう。ダート故に大きな坂とかはないし、足場の不安定も大きな凹みもないかもだけど足を奪う砂。私には調教以外では挑む機会のない距離。牝馬でどこまで行けるのかも、色々と注目されているらしい。

 

 

 「ふふふ。大丈夫だよレディ。君なら行けるし、この季節だ。熱も抑えつつ行けるだろう」

 

 

 『私も挑戦をしながらいざ。だねえ。ダートで勝てれば今後の挑戦の幅も増えるだろうし』

 

 

 「田所くんには君をまだまだ渡すわけには行かないからねえ・・・! ここで勝って箔をつける」

 

 

 『ありがとう。私も頼りにしているけど喧嘩はだめだよ?』

 

 

 オーナー曰くもう互いにフリーの時の予定を必死に来年のカレンダーに来年の競馬のレースの予定と照らし合わせて私の枠を取ろうとしているようだからねえ。喧嘩こそしていないけど猛烈営業しまくりだとかなんとか。

 

 

 岡崎くんも田所くんもどっちも確か大きなコネとかもなく競馬社会にその身一つで挑みに来た人なのも相まって本当に実力を売り出しつつ、チャンスはもぎ取らないと後々苦労するってのを理解しているというか足場の脆さを感じているのかなあ。

 

 

 セレアさんもだけど旦那さんもすっごいねえーというほどだし。

 

 

 『今年も多くの優駿が偉業を成しましたがその中でもシンボリルドルフの無敗三冠制覇と有馬記念を同年に奪取。そしてそのルドルフと同じく三冠馬ミスターシービー、海外勢をねじ伏せて勝利をしたカツラギエース。

 

 

 彼の起こしたこの競馬のドラマ。その一年の締めくくりがここ大井競馬場で行われる。競馬ファンとしても嬉しいことでございます』

 

 

 大物食いとリベンジ。海外への意地を見せる。二年連続での三冠馬の誕生。うん。1984年はたしかに激動だった~私は足骨折したせいでしばらく休んでいたけど先生ら絶対盛り上がっていたよね。

 

 

 「その激動の一年を締めくくるのは僕らだ。レディ。君の勝利はそこに刻んでいけるもの。さあ。いこうか」

 

 

 優しく耳の間からたてがみを撫でて、首筋をさすってくれる岡崎くんの優しい手つきにリラックス。本馬場入場も終えていざゲートへ。夜が早くなっている分すでに薄暗い大井競馬場。お酒の匂いと寒いので煮物料理の香りが漂う。私もお腹すいたぁ・・・

 

 

 『さあ、ファンファーレが鳴り、ゲートに各自入っていきます。今日は楽しいクリスマス。勝利というクリスマスプレゼントを届けるのはどの優駿たちに、騎手たちになるでしょうか。

 

 

 ・・・・・・・スタートしました! おおっと。コウテツノゲキが前に出ますがサンダーレディ今日はいいスタート。するりと馬群に飲まれる前に前に出ている。グイグイ伸びていくがそこは負けじと食いつくコウテツノゲキ。トゥザビクトリーも三番目につけつつ様子をうかがうか。

 

 

 今日は最初からイケイケのレース展開になりそうです』

 

 

 うーん今日はいいスタート。だけどちょっと加速は控えつつだね。砂で、乾燥しているのもあって芝以上に足が絡め取られる。脚を温めつつ仕掛けを徐々にいつも以上に丁寧にコーナーでも仕掛けないと怖いかなー

 

 

 『先頭はサンダーレディ、コウテツノゲキ、トゥザビクトリーで固まったかその後に続くはタートルメン、トレジャードリーム、ネオスタウォが続いていきます。長い直線を走っていくなか先頭はコーナーに入っていきます。

 

 

 サンダーレディ今日はちょっと加速を焦らず。コウテツノゲキとほぼ並ぶような形だ。逃げ馬としては珍しいまくり逃げですがこれは岡崎騎手の考えあってか』

 

 

 岡崎くんもその感じで良しということなんだろうね。徐々にコーナーへと入っていって、加速はしすぎずに今から徐々に。

 

 

 よしよし。ここから最内で徐々にギアを上げて・・・あ。もう少し? 距離も長いし無理はせずに。でも前はできる限り譲らず。と。

 

 

 いやまあ、本馬場入場の後も牝馬が3000メートルの距離で牡馬に勝てるわけねーだろ馬鹿とか言っているおじさんたちも多かったし、歴史でも数少ないからねえ。安心を取っているのかも。

 

 

 『さあ。サンダーレディが前に出てきたがその後ろ。中段で先頭集団を伺う面々はここからだと馬群が伸びているがメンバーが変わる。中段先頭のタートルメン、トレジャードリームはパワーマンに抜かれて馬群の中に沈むまいと牽制と意地を続けつつ前を伺う形に。

 

 

 先頭集団は第二コーナーを曲がって抜け出してきたぞ。しかしまだまだレースの半分も行っていない。GⅠ勝利はしていますが距離はマイルのみ。この未知の距離に挑みどうなるか』

 

 

 確かに。いつもならギアを上げていく段階だけど、車で言えばそろそろギアを3速に上げる段階だけど2速のままでジリジリ進む感じ。でも、そうなんだよねえ。距離の感覚が練習と試合が交じるような感じで不思議だし、今は名手の指示に従いつつ、本気の際はぶっ飛ぶ感じで。

 

 

 ゴール板がいつも以上に遠いのだ。私は普通以上に根性がいるわねこれ。

 

 

 「大丈夫。みんなも君の実力は知っているが根性は知らない。落ち着いて走ろうね」

 

 

 岡崎くんの言葉が優しい。うーんたのもしい。ちょっと最後になにかボソリと言ったのは気になるけど。

 

 

 『スタンド向こう正面にでてきました優駿たち』

 

 

 「少しギアを上げるよ」

 

 

 『了解』

 

 

 『ああっとここで徐々に後続を引き剥がしにかかるぞサンダーレディ! 今ようやく1000メートルを通過したくらいのところから走る走る! 雷鳴乙女の走りがここ大井競馬場に響き渡り始めたぞ! さあ1馬身、2馬身と伸ばしていくが後続は追いかけない。仕掛けが早いと見たのかコウテツノゲキたちは脚を溜めたままだ。

 

 

 ダートの3000は過酷な道! そこは雷鳴も通さない道だというのだろうか。しかし岡崎騎手は手綱を引かない。走らせるままだ』

 

 

 実際距離自体はレースでは初めてだけどね。ダートでの足さばきは嫌ってほどに勉強してなじませているからね。それになんかこの前の試合に比べると変なプレッシャーがない分気が楽だよ本当に!!

 

 

 それにレースも中盤。長いけど、行けるはず。

 

 

 もともと粘り腰で頑張るのとこちとらまくり逃げという変な逃げの経験をしすぎたせいで脚を長く使うのは慣れているのよぉ~!

 

 

 『さあグイグイグイグイ伸びていくぞサンダーレディ! すでに3馬身、4馬身と伸びて第三コーナーに入ろうとしています! ここでコウテツノゲキ、タートルマンたちが追いかけていくようにしますが差は縮まらない! 芝でいくつもの名勝負を彩った名牝!

 

 

 芝でもダートでも関係ないと言わんばかりの走りで第三コーナーに入って一人旅! 後続は雷鳴の光を見るだけ、音しか届かない!』

 

 

 にぅー・・・! 距離が長いよぉ! でもここから最終コーナー・・・からも長いんだよねえ! 3000メートルって本当に長い! ええい気力は消費していないし脚もまだ優しく溜められたんだし弱音を吐くな私。いざ鎌倉するほかないのだ!

 

 

 「レディ。ラストスパート。ゴー!」

 

 

 岡崎くんも声とは裏腹に優しくペチンと鞭が入る。そして私もそれに応えてギアをあげていく。コーナリングも今の余裕と周りを少し気にしなくていい分そこは楽ちん楽ちん。

 

 

 『さあサンダーレディを捉えるのは今だと皆一斉に鞭が飛ぶ! 雷鳴をここで響かせてなるものかと。長距離は牡馬の晴れ舞台だと負けじと気合を入れる! しかし一度鳴り響けば止まらないのが雷鳴乙女! 岡崎騎手の鞭の一つで伸びが違う! 持ったまま最終コーナーを抜けて長い直線だ!

 

 

 サンダーレディ苦しそうだ! 泡を吐いているがそれでも闘志は衰えない! 皇帝とも、昇り龍とも、エースとも渡り合った女傑の根性は! ダートでも負けないと我々に凄まじいものを見せつけている!』

 

 

 早枯れだの早熟だの言われちゃうのは勘弁だし、ルドルフとも今後も仲良くレースはしたいからね。来年のためにも今ここで勝つ! 息は苦しいけど、気合はあるし脚も動く。まだまだ!!

 

 

 『さあもうこれは勝負アリだ! もうこれは決まった! サンダーレディと岡崎騎手! 見事ゴぉーる!! 2着のトレジャードリームに4馬身差をつけての圧勝!!

 

 

 かつてデビューしばらくはダートも走っていたのは伊達ではないと見せつけました! 牝馬の身で3000メートルのGⅠを制覇して今年2つ目のGⅠを制覇! 我々に勝利をプレゼントしに来たサンタクロースは 可愛い乙女でした~!』

 

 

 ふー・・・うううー泡が気持ち悪い~・・・ほへー・・・自分の汗が蒸気になっているのが分かるぅ~・・・で、でもどうにか勝てた。はぁ~

 

 

 本当に3000メートルの距離はやばいねえ。あー・・・ちかれた・・・・でも、ふぅー・・・どうにか勝った~

 

 

 よかったー年末でどうにかGⅠタイトル2つめゲット。ルドルフとは・・・すでに倍の差がついているけど、まーいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『女傑の再来。戦場を選ばない雷鳴乙女見事2つ目の冠を』かあ~いやー良かった良かった。これなら引退後もサラ系ということでの悪い評価もされてないはずだ」

 

 

 「私もまさかここまでの才能とは・・・ルドルフと勝負をするには少し早いかもなので確実に成長するためにも一戦はダートにしましたがレディちゃんは芝、ダートを自在に選んで短距離も長距離も行ける。傑物です!」

 

 

 今日も土御門先生と平野くんは大はしゃぎ。私はご褒美にみかんの果汁を入れてもらった白湯で乾杯。おーいしー。そういえば、芝とダートの両刀で勝ったのはアグネスデジタルとか、オグリキャップとかくらいだしねえ。なるほど。そういう意味では私はかなりすごいことをしていたんだね。

 

 

 「レディはわかっていないようだけど、うーん。競馬史に残る偉業だけどねえ」

 

 

 「3000メートルのGⅠを勝利した牝馬はクリフジくらいですしねえ。いやあー・・・嬉しい。これならジャパンカップで見せた強さも相まって海外の方からの産駒の青田買いも来るはずですよ!」

 

 

 アメリカは来ることなさそうだけどオーストラリアとアラブとかは来てくれるかなあ。後私もほんと生き残れそうで良かったし、後はのうのうと・・・は難しいし、怪我はしないようにしつつ次の試合も勝たないとだね。

 

 

 どこにいくんだろ?

 

 

 「さてとー・・・レディ。君の評価を得てさるお方。サウジの王族から招待が来た。次の戦場はサウジカップ。ゲキハメハ大王様からセレアさんに直々に招待状が来て、そしてドバイ、香港にもいくことになるらしい。今から海外のご飯に慣れていくぞ」

 

 

 大遠征の春・・・ってこと!? うーん。お土産買えればいいんだけどな~




 ここの世界線だとスマートファルコンはサンダーレディの再来と言われたり・・・はないかなあ。まくり逃げとか前代未聞すぎるし。後継者になるような逃げ馬なんて1頭しかないよ今の時点で。



 次回はウマ娘エピソードを久しぶりに出してみましょうかね。ケイジも出して弾けられればなあ。スランプですわ。


 戦績 12戦 9勝 3敗 獲得賞金 6億1920万
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